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及第点(きゅうだいてん)の意味と使い方は?次第点と普及点との違いも

更新:2019.06.21

「及第点(きゅうだいてん)」の言葉の意味や使い方をご存知でしょうか。似たような言葉で「次第点」や「普及点」ということばもあります。それらの違いとは何なのでしょうか。「及第点」に関する、そんな疑問を解決させていただきます。

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及第点の読み方と意味とは?

及第点の読み方は「きゅうだいてん」

及第点の読み方は「きゅうだいてん」です。こういった言葉の派生表現で有名なのは「落第」だと思いますが「落ちる」という漢字が使われています。この言葉は「及ぶ(およぶ)」という漢字が使われていて、この漢字は「(一定の基準に)達している」ことを意味する漢字です。

「及ぶ」は一文字で音読みだと「きゅう」と読みます。そのため「及第点」は「きゅうだいてん」と読むのです。日本語には「及第点」のように、その漢字の並びからその言葉の意味合いが推測できる熟語が珍しくありません。このように漢字の並びや良い方から意味を考えるのも一考かもしれません。

及第点(きゅうだいてん)は最低ラインの点数を意味する言葉

及第点(きゅうだいてん)は最低ラインの点数を意味する言葉です。「及」という漢字は「(一定の基準に)達している」という意味なのでそこから推測すると「十分な点数」「十分なライン」だという意味を推測する人もいるでしょう。しかし「及第点」自体は最低ラインの点数を意味しギリギリの合格ラインを示しています。

ただし「及第点」という言葉が使われる時には「ギリギリのボーダーライン以上」を指しています。そのため100点満点で60点が合格ラインだとすると、60点を指して話をする場合、90点以上の高得点を想定する場合、60~100点の幅広い範囲を想定する場合など、様々な状況が考えられます。

そのため「及第点」という言葉が使われる時には褒められているのか、それとも叱咤されているのかを文脈に応じて感じ取る必要があるのです。

及第点(きゅうだいてん)は試験以外でも日常生活においても使われる

及第点(きゅうだいてん)は試験以外でも日常生活においても使われます。試験において「及第点」という言葉はボーダーライン付近を指しますが、日常生活における使い方ではボーダーライン以上の幅広い範囲を指します。最近では試験以外のシチュエーションで使われることが多い言葉になりつつあります。

及第点と次第点と合格点の違いとは?

及第点と次第点と合格点の違い①及第点は誉め言葉も叱咤も両方を意味する


及第点は誉め言葉も叱咤も両方を意味する

及第点と次第点と合格点の違いの1つ目として、及第点は誉め言葉も叱咤も両方を意味することが挙げられます。及第点というのは、先述していますが合格か不合格かという部分で言えば間違いなく合格を意味する言葉であります。しかしながらこの言葉は常にポジティブな意味合いを表しているわけではありません。

及第点という言葉は「まだまだ伸びしろがある状態」を意味する場合には叱咤激励の言葉となりますし、「基準が合格ラインに達していること」を意味する場合は誉め言葉を意味していますので、前後の文脈から意味合いがポジティブなのかネガティブなのかを推測していく必要があります。

及第点と次第点と合格点の違い②次第点という言葉は存在しないので要注意

次第点という言葉は存在しないので要注意

及第点と次第点と合格点の違いの2つ目として、次第点という言葉は存在しないので注意が必要なことが挙げられます。これは様々な説があるのですが「及第点」という漢字の並びをパッと見た時に「しだいてん」と読む人がいて、その読み方から漢字が派生したものが「次第点」だと言われています。

つまり「次第点」という言葉は間違った読み方が漢字になったものであり、実際には存在しない言葉になります。「及第点」の類語として「次第点」という言葉がよく話題になるのですが、この言葉は存在しないため意味の説明すら不可能な言葉になります。間違った認識を持っている人がいたら、これを機に正しておきましょう。

及第点と次第点と合格点の違い③合格点には胸を張れる!

及第点と次第点と合格点の違いの3つ目として、合格点には堂々と胸を張れることが挙げられます。「及第点」と言われると「褒められているのか怒られているのかが分からない」という状況が少なくないのですが、「合格点」というワードが出ている状況では胸を張れるようないい状況を表しています。

そのため人から「合格点」と言われたら笑顔で「ありがとうございます!」と返しても問題はないですし、逆に人のことを褒める時に「及第点」という言葉を使うと喜んでいいのか気を引き締めていった方がいいのかが分からなくなりますので、こういう場合には「合格点」という言葉を使って褒めてあげるといいでしょう。

及第点と次第点と合格点の違い④普及点という言い回しについて

普及点という言い回しについて

及第点と次第点と合格点の違いの4つ目として、及第点という言葉を語る上で普及点という言い回しも付いて回ることが挙げられます。「普及点」も基本的には「次第点」と似たような言葉であり、「普及点」という言葉は通常使う言葉としては現代では認識されていないのですが、一部では及第点と同じ意味合いで使われます。


「次第点」や「普及点」という言葉が出てきた時には、「及第点」が意味するボーダーライン近辺である状況を言い表したいんだなと推測するといいかもしれません。実際にない「次第点」や「普及点」という言葉が、及第点を調べると出てきます。「次第点」や「普及点」という言葉に惑わされないようにしましょう。

及第点の使い方例文5選

及第点の使い方例文①試験に関係する状況

及第点の使い方例文の1つ目として、試験に関係する状況が挙げられます。試験に関する使い方については、単純にその試験の合格ラインに達しているか否かの議論になります。「及第点とは何点なのか」が状況によって変わってくるわけです。前回と同じ基準に達していても及第点に達していないことも想定されます。

この場合は及第点とは何点でその基準に達しているかどうかが最重要なので、内容があまり重視されません。その点で試験における使い方はほかの場合と大きく違ってきます。

POINT

試験に関係する状況の例文

期末試験では何とか及第点に達することができた。今回は及第点が高く設定されていたのでほっとしている。

及第点の使い方例文②叱咤激励

叱咤激励

及第点の使い方例文の2つ目として、叱咤激励が挙げられます。先述したように及第点とはその規定の点数に達しているかどうかが争点になるわけですが、この場合においては点数に達していてもまだ伸びしろがある点に着目するわけです。その上で「あなたはもっとやれる」と叱咤激励するために「及第点」という言葉を使います。

叱咤激励する場合の及第点とは、試験の点数で言うとボーダーラインギリギリの部分を指しています。そのため次はさらなる高みを目指すように指摘をするニュアンスで「及第点」という言葉を使いながら叱咤し、その人の能力の底上げを図るのです。

POINT

叱咤激励の例文

まあ及第点だけど次はもっとやれるかな。期待してるよ。

及第点の使い方例文③誉め言葉

誉め言葉

及第点の使い方例文の3つ目として、誉め言葉が挙げられます。及第点は、合格点と近いニュアンスで誉め言葉として使われることも少なくありません。その場合は「そこそこの出来で概ね満足」というニュアンスと「十分に基準に達しているので申し分ない」というニュアンスに分かれます。

例文については「十分に基準に達しているので申し分ない」というニュアンスになっていますが、及第点という言葉は様々なコンディションを示している言葉なので発信する側は相手にそれを感じ取らせる努力と表現の工夫が大切になってきます。

POINT

誉め言葉の例文

これは完全に及第点だね!今回は完全に殻を破ったね!よくやった!

及第点の使い方例文④状況分析

状況分析

及第点の使い方例文の4つ目として、状況分析が挙げられます。状況分析における使い方では本来の及第点が持つボーダーラインの意味合いが強くなります。そこを超えてきているか、下回っているかを議論するわけです。

及第点という言葉を使う際に試験以外のシチュエーションでは、その基準が明確に決められていることは少なく、話し手が持っている基準や価値観に大きく左右されます。そのため、及第点という言葉を使って議論をする時に、そこに達しているか否かの判断がずれることもあります。

POINT

状況分析の例文

今回作品の出来は全体的に及第点です。研修を取り入れた効果が徐々に出てきている感があります。

及第点の使い方例文⑤褒めつつ叱咤激励する使い方

褒めつつ叱咤激励する使い方

及第点の使い方例文の5つ目として、褒めつつ叱咤激励する使い方が挙げられます。及第点という言葉は主に伸びしろを示して叱咤激励するか、点数が基準に達しているかを褒めるかのどちらかの使い方をしますが、両方を兼ねた言い回しも可能になっています。合格点という言葉を使うとこの言い回しは難しくなります。

POINT

褒めつつ叱咤激励する使い方の例文

いつも及第点の出来で感心しているよ。クオリティはいつも高いんだけど納期にもこだわることが出来たらもっといいよね。次も頑張ろう!

及第点の英語表現は?

及第点の英語表現とは「passingmark」という英語表現が基本

「ボーダーライン」という英語表現が基本

及第点(きゅうだいてん)の英語表現とは「passing mark」という英語表現が基本になります。この「パッシングマーク」という言葉とは、ここまで紹介してきた「概ね満足」「まだ成長の余地あり」といった意味合いではなく、あくまでも試験等における及第点を示す言葉であると言えます。

そのためビジネスのシーンにおいて「及第点」という表現を使って何かを伝えたい場合には、「passing mark」以外の表現が必要になります。「passing mark」という表現だと、少なくとも「概ね満足」「まだ成長の余地あり」というニュアンスは伝わりづらいでしょう。

及第点の様々なニュアンスを表す英語表現3選

及第点の様々なニュアンスを表す英語表現3選

及第点の様々なニュアンスを表す英語表現を3選で紹介します。日本語では「及第点」という一言で表現できることであっても、英語では違う日本語のニュアンスを翻訳したものが「及第点」の意味合いを表すことが少なくありません。下記のリストに挙げた例文を参考にしてみてください。

また、日本語を英文に翻訳する際には英文翻訳をしやすいように日本語を直してから英文を考えます。下記の関連記事には座右の銘や四字熟語を英語に翻訳した内容も掲載されています。英文翻訳の参考になる内容ですので、こちらも併せてチェックしてみましょう!

及第点の様々なニュアンスを表す英語表現

  • Good job!(よくやった!)
  • Good enough!(十分だよ!)
  • It`s no bad,but you can do better.(悪くはないけど、君ならもっとできるよ)

及第点という言葉の意味を理解して使いこなせるようになろう!

及第点(きゅうだいてん)という言葉の意味を理解して使いこなせるようになると、ビジネスパーソンとしての表現力が大きく向上することでしょう。ただ単に「いいですね」というよりも「及第点です」「合格点です」と言った方が相手に対してこちらが良いと思っているニュアンスががっちり伝わることも少なくないでしょう。

ビジネスにおけるコミュニケーションにおいては自分が言いたいことをいかに強く、相手方へ発信していくかという観点が重要になってきます。そういった部分でここで紹介した内容がお役に立つことがあればうれしいです。みんなから好かれ、信頼されるビジネスパーソンになれるといいですよね!

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