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ブランケット症候群とは?安心毛布の原因と大人のタオルケット好きの割合も

更新:2022.03.04

ブランケット症候群を知っていますか?お気に入りのタオルケットを足に巻き付けるなどして、安心する子どもがいます。スヌーピーのキャラクターであるライナス君が青い毛布を持ち歩いていたことから、「ライナスの毛布」「安心毛布」とも言われる症候群です。大人にも見られることがあるので、原因などを探ってみましょう。

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ブランケット症候群とは?症状は?

ブランケット症候群はお気に入りのアイテムが手放せない依存症

お気に入りのアイテムを持つ

ブランケット症候群は、特定のお気に入りアイテムが手放せない依存症のことを言います。子どものとき、怖いことや嫌なことから隠れようと、布団や毛布にくるまったことありませんか?ブランケット症候群は、タオルケットやぬいぐるみといった特定のアイテムを使うことで、精神的な安心感を得ているのです。

ブランケット症候群の症状は、人それぞれです。お気に入りのアイテムが手放せないという点は共通していますが、扱い方は異なります。くるまっているだけでOK、毛布の端をガジガジする癖がある、ぬいぐるみをニギニギしているなど、さまざまな行動が見られます。執着を見せて大切にするという特徴もあります。

また、洗濯をいやがる傾向にあり、ニオイや汚れも気にしません。くたびれた感触や自分の匂いがついていることも大切な要因であることが多いのです。そのため、洗濯を促しても、なかなか手放そうとしません。洗うために無理に取りあげても、不安で落ち着きがなくなったり、癇癪を起こしたりすることもあります。

スヌーピーのライナス君で有名になった安心毛布

ライナスの毛布または安心毛布

ブランケット症候群の分かりやすい例は、スヌーピー(漫画ピーナッツ)のキャラクターであるライナス君です。常に青い毛布を手放さず、離れるとパニックになることから、「ライナスの毛布」または「安心毛布」とも呼ばれます。

世界的に有名なキャラクターが使っていたため、「ライナスの毛布」の知名度が上がりました。愛用していたのが、哲学的な発言が多いライナス君であったことから、マイナスのイメージも緩和されていますね。実際に、ブランケット症候群は、必ずしも悪いことではありません。

安心毛布になりやすいアイテム

  • ブランケット
  • タオルケット・ハンカチ
  • ぬいぐるみ・おもちゃ
  • まくら・クッション

大人にも見られるライナスの毛布

大人でもライナスの毛布

ブランケット症候群は、子どもによく見られる症状ですが、大人でもライナスの毛布が手放せないという状態になることがあります。子どものときから使い続けて大人になっても手放せないケース、一時期は治まっていたのに大人になってから再発するケース、大人になってから目覚めるケースなど、さまざまです。

大人になって依存する相手は、ライナスの毛布とは限りません。人に対して依存してしまうこともありますね。依存体質な人の特徴や原因はどんなものなのか、改善方法は何か、知ってみたくありませんか。こちらの記事で特集しているので、チェックしてみましょう。


ブランケット症候群の原因は?

ブランケット症候群の原因①不安やストレス

不安やストレスを緩和

ブランケット症候群の原因の1つ目は、子どもが感じる不安やストレスです。タオルケットやぬいぐるみといったアイテムへの依存が見られやすいのは、子どもの周りで環境の変化が起こったときです。

例えば、断乳した後、入園の時期、弟や妹が生まれた後といったタイミングです。普通に飲めていた母乳が飲めなくなった、家族以外の人間との集団生活が始まった、自分だけを見てくれていた親が兄弟にかかりきりになってしまった、子どもが不安やストレスを感じるには十分な変化ですね。

自分が感じる不安やストレスを緩和させるために、ライナスの毛布を使って安心感を得ているのです。子どもなりの、自己防衛とストレス発散の方法と考えられます。

POINT

依存度はいろいろ

ブランケット症候群の依存度も、人によって異なります。寝るときにだけ必要とする人、どこに行くにも必要とする人、ずっと同じアイテムでなければ納得しない人、似ている素材であれば十分な人など、いろいろです。

ブランケット症候群の原因②愛情不足と勘違いされることも

愛情不足が原因とは言えない

ブランケット症候群の原因の2つ目は、愛情不足と勘違いされる可能性についてです。子どもの「安心毛布」に気づいた方は、愛情が不足していたことが原因で、こうなってしまったのでは?と自分を責めることもあるかもしれません。

しかし、研究者によれば、必ずしも愛情不足とは限らないのです。家庭に問題がなくても、お気に入りのアイテムに執着する子どもは、一定数存在するためです。子どもとの向き合い方を冷静に見直すことは必要ですが、愛情不足だ!と最初から決めつけることがないよう注意する必要もあります。

断乳や入園といった出来事は、子どもが成長するうえで、避けては通れない出来事です。不安やストレスを感じるのも、人間として当たり前です。大切なのは、どのように向き合うかだと考えられます。環境の変化が生じたときの、子どもへの配慮は、忘れないようにしたいですね。

ブランケット症候群の原因③成長過程の一環


自立のためのブランケット症候群

ブランケット症候群の原因の3つ目は、子どもの成長過程の一環であることです。不安やストレスを緩和させるための、タオルケットなどのお気に入りのアイテムは、自立への第一歩とも捉えられます。

イギリスの精神分析医であるドナルド・ウィニコットは、母子未分化な状態から、分化した状態になるための「移行」を助けるためのものとしています。お母さんの代わりとなったアイテムが、精神的な自立を促すためのサポートをしてくれているのです。

小学校低学年までのブランケット症候群は、子どもが成長過程を迎えているためと言えます。環境の変化に伴い、タオルケットなどの「安心毛布」を求める子どもは、不安やストレスに対応する能力に優れているという見解もあります。

ブランケット症候群の対処法は?

ブランケット症候群の対処法①好きなものを無理にやめさせない

無理にやめさせるのはNG

ブランケット症候群の対処法の1つ目は、好きなものを無理にやめさせないことです。お気に入りのアイテムに執着しすぎているのではないか、今のうちにやめさせた方が良いのではないかと、心配になる方もいるかもしれません。

しかし、無理にやめさせるのは、子どもから安心感を奪うのと同じことになってしまいます。子どもから取りあげたり、見ていない隙に捨ててしまったりするのは逆効果なので、絶対に避けましょう。後々まで、トラウマとして残るケースもあります。

あまりにも汚れが気になる場合は、衛生的な問題などを、子どもと話し合ったうえで洗濯するようにしてください。子どもと一緒に洗うようにしても良いですね、自分自身の手で行うので、洗濯することへの抵抗も薄くなる可能性があります。

ブランケット症候群の対処法②タオルケットなどを工夫して向き合う

工夫して持ち歩く

ブランケット症候群の対処法の2つ目は、タオルケットなどを工夫して向き合うことです。家にいる間は良いのですが、外出時もお気に入りのアイテムを求められると少し困りますね。そのまま持ち歩けるものであれば良いのですが、幼稚園などでは持ち込み禁止となる可能性もゼロではありません。

タオルケットや毛布などであれば、子どもの了解を得て、小さくして持ち歩けるようにしてみましょう。ハンドタオルのように作り直す、お守り袋のような物に入れて取り出せるようにする、制服の裏側に縫い付けておくといった工夫が考えられます。


ぬいぐるみなどであれば、ミニチュアサイズのものを作ってみる、小さなものであれば鞄に下げられるようにしてみるなどの工夫があります。子どもが納得できる方法で、工夫をしてみてくださいね。持ち運べるようにカスタムする方法が知りたい方は、こちらの記事を読んでみましょう。分かりやすい方法が紹介されていますよ。

ブランケット症候群の対処法③成長するまでゆっくり待つ

成長を待つ

ブランケット症候群の対処法の3つ目は、子どもが成長するまでゆっくり待つというものです。タオルケットなどのお気に入りのアイテムは、子どもの自立を助ける役割を果たします。つまり、子どもが成長すれば、執着は薄くなり、自然に卒業するときを迎えるということです。

幼児期から思春期に入るまでは、ブランケット症候群が現れても、心配することはありません。子どもが成長するために頑張っているのだと、暖かく見守ってあげるようにしましょう。しかし、中には大人になっても、ブランケット症候群が見られる可能性もあります。

子どもの成長といえば親離れですが、なかなか自立できずにいる場合もありますね。そんな場合の原因は、いったいどこにあるのでしょうか?こちらの記事で詳しくまとめています。子どもに依存して子離れできない親から自立する方法と、あわせてご覧ください。

大人のブランケット症候群の割合と原因は?

大人のブランケット症候群の割合は3人に1人

三人に一人はブランケット症候群

ブランケット症候群は、大人にも見られる症状です。イギリスで行われた調査では、成人男性の3人に1人は、テディベアなどのお気に入りのアイテムと眠っていることが分かっています。思っていた以上に多くの人が、症状と付き合っているのです。

SNSでも、同じお気に入りのアイテムを持つ者同士で、盛り上がるという現象も見られます。同じ境遇の人と語り合う、ブランケット症候群あるあるネタは、楽しそうです。

大人のブランケット症候群あるある例

  • これがないと眠れない
  • いくらでも触っていられる
  • 顔を埋めてクンクンするのが最高
  • 今使っているのは3代目
  • 衛生面と洗いたくない気持ちの板挟みがツライ

大人のブランケット症候群の原因は愛情不足

愛情不足は深刻

大人のブランケット症候群の原因は、幼少期における愛情不足です。必要な時期に、十分な愛情を受け取れなかった人は、タオルケットやぬいぐるみといった「安心毛布」を母親代わりのように大切にする傾向があります。大人になってからも、精神安定剤の役割を果たしてくれているのです。

大人のブランケット症候群は再発したものもある

再発するブランケット症候群

成長の過程でブランケット症候群を卒業した人でも、社会人になったことで再発することがあります。社会に出たことで感じる不安やストレスを安定させるために、安心毛布を求めるのです。それでも、大人になった分だけ、お気に入りのアイテムとの付き合い方も上手になっていることがほとんどです。

洗濯の大切さも理解していますし、目立たずに持ち運ぶことも可能です。ここぞというときに落ち着くための、お守り的存在となっています。

ブランケット症候群について読んでいるうちに、なんだか新しいブランケットが欲しくなってきた!そんな方は、こちらの記事で特集されている人気商品をチェックしてみませんか?おしゃれなものから、実用的なものまで揃っています。

ブランケット症候群は理解して見守ってもらえばOK

ライナスの毛布や安心毛布とも呼ばれるブランケット症候群は、子どもや大人が、精神的に安心するために求めるものです。とくに子どもの場合は、家庭環境に問題がない限り、自立のために必要な過程である可能性があります。お気に入りのアイテムに執着する様子を見せても、否定せず、見守っていくことが大切です。

大人になってからのブランケット症候群は、幼児期の愛情不足が原因である場合もあります。お気に入りのアイテムがなければ日常生活に支障でるほど重症であれば、専門医に相談してみるのも良いでしょう。

日本には、大切にした物には魂が宿るという考えがありますが、ブランケット症候群の「安心毛布」も同じなのかもしれませんね。大切にしてきたアイテムが、お守りとなって見守ってくれているのではないでしょうか。

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