
夏の有名なことわざ5選
夏の有名なことわざ①夏も近づく八十八夜

夏の有名なことわざ1つめは「夏も近づく八十八夜」です。八十八夜とは、立春から八十八日立った日のことです。大体5月のあたまくらいの時期になります。肌を刺すような寒さが和らいで、段々と夏の足音が聞こえてくる時期になります。昔を生きていた方も5月あたまになると、夏が近づいてきたと感じていたのでしょうか。
夏の有名なことわざ②八十八夜の別れ霜

有名なことわざ2つ目は「八十八夜の別れ霜」です。八十八夜とは今でいう5月あたまくらいの時期を指しています。それに対して霜は、寒い時期の朝方に降りていることが多いです。八十八夜を過ぎると、暖かくなってくるので霜が降りなくなってくるのです。そのため別れ霜と表現しています。
夏の有名なことわざ③貰うものは夏も小袖

有名なことわざ3つ目は「貰うものは夏も小袖」です。要と思えても貰える物はなんでも貰っておくような、欲の深い人のことを表すことわざです。最近の方は馴染みがないかもしれませんが、小袖とは着物の元になった衣装として有名で、着物よりも袖口が小さくなっています。そのため、防寒として冬によく着用されていました。
冬に着用する小袖は夏に必要ありません。しかし、欲深い人は夏の暑い日であろうと、貰えるのであれば小袖を貰うのです。物を大切にする文化のあった時代においては、季節外れのものでも貰うことはふつうのことのように思えるので、例えとして言われているだけのようです。
夏の有名なことわざ④夏の虫氷を笑う

有名なことわざ4つ目は「夏の虫氷を笑う」です。世間知らずで無知なものを揶揄するときに使うことわざです。似た意味で有名なことわざとして「井の中の蛙大海を知らず」があります。夏の虫は、氷を見ることがありません。そのため氷の存在を信じることなく、バカにして笑うのです。
皆様の中には、夏にだって氷はあるじゃないか、と思う方もいることでしょう。たしかに、今では氷というと冷蔵庫を開ければ、身近なものです。しかし冷蔵庫のない昔は、氷といえば高級品として有名でした。暑い夏は氷がすぐに解けてしまいます。そのため冬の間しか氷は庶民が手にすることはできなかったのです。
夏の有名なことわざ⑤夏は日向を行け、冬は木陰を行け

有名なことわざ5つ目は「夏は日向を行け、冬は木陰を行け」です。暑い夏は涼み、寒い冬は少しでも温まりたいと思うのが人間です。しかしこのことわざではそのような行動を戒めています。夏は暑い日向を歩いて冬は寒い木陰を歩け、と促しています。真意としては、他人を思いやれるような人間になりなさい、ということです。
ことわざにあるからといって、実際に夏に日向を歩いて冬に木陰を歩く必要はありません。ことわざとして、自分が得をするような行動をとるときに周りの人がどんな思いをするのか、いま一度ふりかえることが大切であるということを教えてくれています。
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夏のよく使うことわざ5選
夏のよく使うことわざ①飛んで火に入る夏の虫

よく使うことわざ1つ目は「飛んで火に入る夏の虫」です。街灯に虫が集まっているのは見慣れた日常の風景ではないでしょうか。虫は明るい場所に集まるという習性があるのです。たとえその明るさが自分に害なすものであっても、そうと気付かずに飛び込んでしまうこともあります。その様子を表したのが、このことわざです。
夜に炎を灯すと周囲が明るくなります。その明るさにつられた虫たちが、炎の中に自ら飛び込んで行ってしまうのです。ことわざとしては、自分が危険な状況に陥るとも知らずに、自ら進んで危機的な状況の中に飛び込んでいくという意味があります。
夏のよく使うことわざ②暑さも寒さも彼岸まで

よく使うことわざ2つ目は「暑さも寒さも彼岸まで」です。冬の寒さは春分頃まで、夏の暑さは秋分頃までには和らいで、過ごしやすくなるという意味合いがあります。お彼岸の日は、ご先祖様に対して感謝の気持ちを再認識するものですが若い方は牡丹餅やおはぎといった食べ物のイメージが強いかもしれません。
このことわざができたのは随分と昔のことですが、最新の気象学的にもことわざの言うことは当たっているようです。春分ごろに冬型の気圧配置は弱まり、秋分ごろに夏型の気圧配置は弱まってくるという主張がデータによって立証されています。
夏のよく使うことわざ③夕立は馬の背を分ける

よく使うことわざ3つ目は「夕立は馬の背を分ける」です。夕立とは非常に局所的なものであることを表していることわざです。馬の背の片方の上にある空では夕立のせいで濡れているものの、残りのもう片方は夕立が降っていないために馬の背は渇いているということです。
ことわざは極端なはなしではありますが、確かに自分のいるほうの空は雨模様だけれども、向こうの方の空は晴れ模様だったという経験をした方は多いのではないでしょうか。夕立は局所的にいきなり降りだしてくるものですが、急に雨があがったりするものです。
夏のよく使うことわざ④夏歌う者は冬泣く

よく使うことわざ4つ目は「夏歌う者は冬泣く」です。アリとキリギリスの物語をご存知の方は多くいるでしょう。働き者のアリは暑い夏も一生懸命働いて食糧がとれなくなる冬の時期に備えていました。一方でキリギリスは、一生懸命に働くアリのことをバカにして遊んで暮らしていました。そして、寒くて長い冬がやってきます。
働き者のアリは冬の間に食糧や暖に困ることはありませんでした。しかし遊び惚けていたキリギリスにはツケが回って、冬は飢えと寒さに苦しむことになります。「夏歌う者は冬泣く」ということわざも、この物語と同じことを示唆しています。つまりは、楽ばかりしていては後から自分が苦労するという意味があるのです。
夏のよく使うことわざ⑤夏の餅と夫婦喧嘩は犬も食わぬ

よく使うことわざ5つ目は「夏の餅と夫婦喧嘩は犬も食わぬ」です。お餅は基本的に温かい状態で食べるもので、冬の寒い時期に食べるものです。温かいものを夏に食べたいと思う方は少ないでしょう。そして餅と対になっているのが夫婦喧嘩です。夫婦喧嘩を食べないとはどういうことでしょうか。
食べる、というのはあくまで例えで「関わる」という風に考えていただけるとわかりやすいと思います。夫婦喧嘩というのは、すぐに仲直りするものであるから無関係の第三者が仲裁に入るというのは良くないということなのです。二人にしか分からないこともたくさんあるでしょうから、第三者が入ると逆にややこしくなるのです。

日本だけではなく、遠く離れたイタリアでも面白いことわざはたくさんあります。ぜひとも、以下の記事についても合わせてご覧ください。
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慣用句とことわざの違いは?
慣用句とことわざの違いは簡単です!

慣用句とことわざの違いをご存じない方も多いことと思います。違いは簡単です。ことわざとは、今まで見てきてお分かりだと思いますが、ある種の教訓を含んでいます。直接的な言葉を使っていないものの、ある種童話のようにひとつのストーリーにそれとなく私たちに対してメッセージを投げかけているという違いがあるです。
それに対して慣用句とは、私たちが日常生活で感じていることなどを比喩的に表現したものです。例えば、「胸が騒ぐ」「胸が躍る」など感情を表現しているものが挙げられます。他にもたくさんの慣用句があります。例を見るとことわざと慣用句の違いは明確です。興味を持たれた方はぜひとも調べて実際に使ってみてください。
慣用句の具体例を知って実際に使ってみましょう!

慣用句についてもう少し具体例を挙げます。有名どころでいうと限りなく少ない量を現すときに「スズメの涙」、非情な人柄を「血も涙もない」と表現します。慣用句をいろいろ調べて実際に使っていると、自分の感情を適切に表しているような言葉に出会えるかもしれません。
ことわざの魅力
夏に関することわざを10つ紹介しました。「慣用句とことわざの違いは?」においては、ことわざには教訓が間接的に盛り込まれていることに言及しました。ことわざの面白さとしては、なんといっても、そこに隠されている教訓を読み解くことにあるのです。
最初から意味を読んでしまうのではなく、自分で考えたり、ことわざの中になる言葉の意味を調べたりして、ことわざがどのような教訓を伝えたいのか考えてみましょう。そうすれば、ことわざの面白さを感じることができるようになるでしょう。
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