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さざれ石とは?君が代に出てくる細石の意味と置かれている神社も

更新:2020.02.07

「君が代は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで」これは、国家である君が代の歌詞です。この歌詞にある、「さざれ石」が、とある神社に実在しているという噂は本当なのでしょうか。「細石」とはどんな石で、何を意味しているのでしょうか。日本国民として知っておきたい国歌の謎を紐解いてみました。

さざれ石とは?

さざれ石とは小さな石のこと

さざれ石とは小さな石のことを意味します。さざれ石は日本国歌に出てくる「さざれ石の巌となりて~」という歌詞でうたわれているので、さざれ石が何かどんな意味なのか実際には知らない人でも「さざれ石」という言葉自体には馴染みが深いはずです。

さざれ石とは石灰質角礫岩(せっかいしつかくれきがん)のこと

もともとさざれ石は小さな石という意味ですが、国歌の意味から「大きな石に変化していく小さな石」という意味があります。このような大きな石に変化していく小さな石のことを学術名では「石灰質角礫岩(せっかいしつかくれきがん)と言います。

石灰質角礫岩とは石にカルシウムや鉄などの鉱物が混じっており長い年月をかけてその成分が表面に溶け出し、小さな石同士をくっつける接着剤の役割を果たします。そうして石灰質角礫岩は長い時を経て小さな「さざれ石」から大きな「巌(大きな岩)にまで成長していくのです。このような性質を持つ石をさざれ石とも呼びます。

石が大きく成長するという石信仰も由来の一つ

さざれ石は日本古来の石信仰によるものだとも捉えることもできます。本来さざれ石とは「石灰質角礫岩」であり、石灰岩からミネラルが解けだして周りにある小石とくっつき大きく成長することがある石ということになります。しかし日本各地には「一夜にして大きな岩になった小石」というような伝承が存在します。

もちろん科学的には全く不可能な話です。しかし神話や伝説は往々にして科学では証明できないようなことが信じられており、石信仰も例外ではありません。石は神聖なものだという考えが日本には古来から存在します。

つまりさざれ石は自然科学現象によって作られた大きな石ではなく、化学現象を無視して小石が大きく成長することがありえるという一種神話のような話がもとになり、大きな石は神聖化され神社仏閣に祀られるのです。

水晶のさざれ石という意味も

最後にもう一つ「さざれ石」には小さく砕いだ水晶という意味もあります。パワーストーンを浄化するために水晶クラスターの上に乗せることがありますが、水晶クラスターは高価なので水晶を砕いた「さざれ石」を水晶クラスターの代わりに使うことがあります。

パワーストーンに詳しい人なら「さざれ石」と聞くと国歌「君が代」に出てくる「さざれ石」ではなく、パワーストーンを浄化するための砕いた小さな水晶のかけらだという考えるでしょう。

さざれ石の漢字と由来は?

さざれ石は細石と書く

さざれ石は漢字で「細石」と書きます。さざれ石は小さな石という意味ですから、漢字で書くとより意味がはっきりとします。たださざれ石は漢字よりもひらがな表記の場合が多いため、小さな石という意味を連想しにくく「さざれ石」の意味を知らない人が多いのでしょう。

さざれ石(細石)の由来は国歌「君が代」の【巌となりて】

さざれ石は(細石)という意味ですが、国歌の「さざれ石の巌となりて~」が由来となり大きく成長する石灰質角礫岩を特にさざれ石と呼ぶようになりました。全国各地に大きく成長した石(さざれ石)が存在しますが、国歌で歌われる霊的な意味にも由来して大きなものは神社などで神の宿る石として祀られることが多いようです。

君が代に出てくる「さざれ石の巌となりて~」という歌詞ですが、実はこの歌詞は古今和歌集の中に出てくる句が由来となったという説が有力です。「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて」という歌詞、古今和歌集では最初の5文字こそ違うものの「わが君は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて」です。

国歌の君が代に出てくるさざれ石(細石)ですが、実はモデルとなった石が「さざれ石公園」に存在します。元は古今和歌集で詠まれた「さざれ石」は岐阜県の揖斐川町にあり、「国歌君が代発祥の地」と刻まれた記念碑がさざれ石のそばに誇らしげに立っています。

古くは1000年前の古今和歌集で詠まれた「さざれ石」が現存している事に驚きをおぼえますが、県の天然記念物に指定されしめ縄がかかり大切にされています。そもそも岐阜県のこの付近はさざれ石の主要産地で、さざれ石がたくさんとれるのです。

君が代のさざれ石の意味は?

小さな石が大きく成長するようにという意味

二つの手

日本の国歌「君が代」に出てくるさざれ石(細石)の意味は「小さな石が大きく成長するように」という意味です。君が代の歌詞はシンプルなようでイマイチ意味が分かりにくい点がありますが、さざれ石の巌となりて~というくだりもそのうちの一つです。

小さな石が大きく成長するまでには想像を絶する相当な年月が必要です。実際には数百年以上はかかると言われています。「君が代」は天皇のことだとする解釈もありますが、そもそも古今和歌集を元にしたもので明治時代に入ったときに欧州国家の仲間入りをする際、国家という楽曲が必要になり性急に作られたもの。

もともとは「天皇」という解釈で作られた歌ではないことが分かります。そのためシンプルに小さな石が大きな石に成長するまでにかかる期間くらい、もしくはそれよりももっとずっと長い年月平和な世が続きますように...という意味だと解釈する方がよいでしょう。

協力し合って国を発展させていくという意味

本を持つ女性

もう一つの大きな解釈では小さな石が大きな石に成長するという過程を考えます。さざれ石(細石)は小さな石が魔法にかかったように、ただ大きくなるわけではありません。さざれ石は石灰岩ですから石灰岩のカルシウムなどのミネラルが溶け出し、接着剤の役割をして小石同士がくっつき大きくなるものです。

つまりいくらミネラル分(接着質)を多く含むさざれ石であろうと、近くにくっつける石がなければ小さいままだということになります。そこから発展して「さざれ石の巌となりて~」のくだりの解釈は「一人一人協力して国の発展に尽くす」というように捉えることもできます。

さざれ石の教えとは?

小さくても価値のある人間

外を眺める男性

さざれ石(細石)の教えとは「一人一人は小さい存在だとしても、価値のある人間だ」ということです。一人一人という単位で考えればほんのちっぽけな存在です。けれども「巌となりて」というように大きな岩になりえるほどの価値とポテンシャルを持っているともいえる存在です。

道端に転がっている小石一つに注意を払い価値を見出す人は少ないかもしれませんが、大きな巌となったさざれ石は神聖視され「神の石」としてあがめられます。つまり今自分のことがちっぽけに思えていても、一人一人価値がある人間であるという教えが「さざれ石」には込められています。

協力することで大きな力が生まれる

手を取り合う人たち

小さな石が近くの石とくっついて大きな巌になる「さざれ石」には「一人一人が協力することで大きな力が生まれる」とうい教えが込められています。ちっぽけな小石には何の力もないけれど、小石同士がくっつけば大きな巌にまでも成長できる...

このことから一人一人が協力し合えば大きな力が生まれるという意味が生まれ、一人では為せない仕事や人生の課題も人と協力することではじめて乗り越えることができるという教えが生まれました。

さざれ石がある神社は?

大御神社のさざれ石

日本一大きなスケールのさざれ石がある宮崎県日向市にある大御神社(おおみじんじゃ)です。大御神社のさざれ石は昔からあがめられてきたものではなく、なんと近年(平成15年)大御神社境内の拡張工事の際に発見されたまだ新しいものです。

見たことがない珍しい見た目の巨岩を前に調査を行ったところ「礫岩」であることが分かり、日本最大級のさざれ石群が発見されたのです。大御神社のさざれ石は石灰岩ではないが礫岩の一種で、粘土質物質と小石がくっついて大きくなったタイプのさざれ石で、さざれ石公園にあるものとは若干性質が違います。

しかし大御神社のさざれ石はスケールが大きく霊的にも超パワーを感じるといわれ、伝説の中でその昔天照大御神の孫「瓊々杵尊(ニニギノミコト)」が立った岩だとし今では「神座」と名づけられ多くの信仰を集めています。強いパワースポットとして人気が高く全国から神座のさざれ石を拝みに人が訪れるようです。

大御神社(おおみじんじゃ)

住所 宮崎県日向市日知屋1
電話 0982-52-3406
HP http://www.oomijinja.jp/index.htm

護王神社のさざれ石

さざれ石のある神社として次に紹介するのは京都の護王神社(ごおうじんじゃ)です。護王神社のさざれ石は本殿向かって右手の護王会館のそばにあり、幅3m高さ2mという稀に見る巨岩です。

護王神社は有名な寺社仏閣の多い京都のなかでは規模の小さな神社ですが、和気清麻呂(わけのきよまろ)を祀っています。脚に傷を負い刺客に襲われた和気清麻呂をイノシシの群れが守りさらには脚の傷が癒えたという伝説からイノシシが狛犬ならぬ狛イノシシとして神社を護っています。

その伝説から護王神社はイノシシ神社として親しまれ、脚の傷が治ったという伝説から足腰にご利益のある神社として全国からの参拝者が途絶えません。京都御所の隣にあるので、京都観光のさいにぜひ立ち寄りたい神社の一つです。

護王神社(ごおうじんじゃ)

住所 京都府京都市上京区桜鶴円町385 烏丸通 下長者町下ル
電話 075-441-5458
HP http://www.gooujinja.or.jp/
参拝時間 午前6時~午後9時

鹿島神宮のさざれ石

さざれ石は茨城県の鹿島神宮でも見ることができます。茨城県の鹿島神宮は敷地面積東京ドーム15個分を誇る由緒正しき大きな神社です。天孫降臨でニニギノミコトが宮崎県の高千穂に降り立ち、日本という国を治めるようになる前に先遣隊としてやってきたタケミカヅチを御祭神として祀っています。

タケミカヅチはとても武勇に長け、それまで日本を納めてきたオオクニヌシとあっさり国譲りの交渉をまとめあげたことから武神としてあがめられており鹿島神宮の境内には武道場(柔道・剣道場)や弓道場が建っています。鹿島神宮では武道に関する行事がたくさん催されるところも御祭神のタケミカヅチが武道の神様だからです。

鹿島神宮のさざれ石は比較的新しく奉納されたもので2006年から境内で祀られています。日本の始まりの地とも言われる鹿島神宮は国内有数のパワースポットでもあり、ここのさざれ石からも強いパワーがもらえることは間違いなさそうです。

住所 茨城県鹿嶋市宮中2306-1
電話 0299-82-1209
HP http://kashimajingu.jp/

鶴岡八幡宮のさざれ石

さざれ石は古都鎌倉の象徴ともいうべき神社「鶴岡八幡宮」でも見ることができます。鶴岡八幡宮のさざれ石は第三の鳥居をくぐるとすぐそばの源平池のほとりにあります。さざれ石の隣には木の立て看板があり「君が代」で歌われた石であることが書かれています。

源平池にはさざれ石ともう一つ有名な「政子石」という石が祀られていて、夫婦円満のご利益があると言われています。鶴岡八幡宮に参拝する際にはさざれ石と政子石の二つの石をぜひ拝みたいものです。

またさざれ石のある源平池からまっすぐ本殿の方へ目をやるとかの静御前(しずかごぜん)が義経を想って舞を披露した舞殿があります。源氏ゆかりの神社だけに境内には源氏にまつわる伝説がたくさんあるので歴史に思いをはせながら参拝するのもおすすめです。

鶴岡八幡宮

住所 神奈川県鎌倉市雪ノ下2丁目1-31
電話 0467-22-0315
HP https://www.hachimangu.or.jp/

下鴨神社(賀茂御祖神社)のさざれ石

京都の下鴨神社(賀茂御祖神社)の境内でもさざれ石を見ることができます。下鴨神社のさざれ石は南口鳥居をくぐってすぐ左手に祀られています。しめ縄が張られているのですぐにわかるはずですが、ここにさざれ石があると思わなければまっすぐ参道を通ってしまい見落としてしまいますから注意しましょう。

下鴨神社は実は通称で正式名称は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」と言います。下鴨神社の歴史は古くなんと西暦以前からの記録が残されています。奈良時代以前にはすでに大きな神社となり、今も盛大に行われている「葵祭(あおいまつり)」は奈良時代以前から行われていたようです。

下鴨神社は縁結びに大変高いご利益があるといわれていて日本全国から縁結びのパワーを頂戴しようと参拝者が後を絶ちません。また下鴨神社の摂社「河合神社」は女性が美しくなるというご利益があり、手鏡型の絵馬に書かれた顔に自分のメイク道具でお化粧すれば心も顔も美しくなるといわれ女性の参拝者がたくさん訪れます。

下賀茂神社(賀茂御祖神社)

住所 京都市左京区下鴨泉川町59
電話 075-781-0010
開閉門時間 6:30~17:00
HP https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

君が代のさざれ石を見に行こう!

着物を着た女性

国歌「君が代」で歌われるさざれ石(細石)が実際に目で見ることができる石だと思っていなかった人も多いのではないでしょうか?しかし今回の記事で紹介した通り、君が代にも歌われるさざれ石(細石)は全国各地の神社に奉納され見ることができます。本物のさざれ石を目的に参拝に出向くのも神社参拝の一つの楽しみです。

さざれ石を解説していくと君が代の流れからどうしても日本の歴史や日本の始まりのことについて触れることになります。日本の神話や日本人のルーツについて興味がわいた人は下記記事も詠んでみると面白いのでぜひ一緒に読んでみてください。より日本のことが分かるようになるはずです。

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BELCY編集部

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