日本神話の守護獣・動物神まとめ!神話と神獣(神使)の意味とは
更新:2021.05.20
皆さんは日本神話にあらわれる守護獣、動物を知っていますか?干支でしょ?と思うかもしれませんが実はその動物だけではないんです!今回は日本神話にあらわれる守護獣や神獣、動物神などをご紹介していきたいと思います。その意味についてもまとめました。
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INDEX
神使(しんし)とその姿
昔々のお話、神様に仕えている動物は「神使(しんし)」と呼ばれていて、神様の気持ちを代行する役割をしていました。その姿は色々あって、犬だったり狐だったりして現在でも日本各地の神社で祀られています。
昔、神様に使える動物は『神使』(しんし)と呼ばれ、神様の気持ちを代行していたといわれています。皆さんが住んでいる地域にも動物を祀っている神社があって見かけたことあるのでは?
神使とは
QUOTE
神使(しんし)は、神道において神の使者(使い)もしくは神の眷族で神意を代行して現世と接触する者と考えられる特定の動物のことである。「神の使い(かみのつかい)」「つかわしめ」「御先(みさき)」などともいう。時には、神そのものと考えられることもある。その対象になった動物は哺乳類から、鳥類・爬虫類、想像上の生物まで幅広い。 引用元:wikipedia
というようにwikipediaによれば、神使(しんし)とは時には神様そのものとして考えられる事もあり、姿は色々ということです。
日本神話の中で見られる神使とされる動物
特定の動物が私たちに神の意志を代行して伝えるという話は日本書紀の景行天皇記でも見ることが出来ます。伊吹山の荒ぶる神が大きな蛇、つまり大蛇に変身して日本武尊の前に現れた時、尊は「大蛇は荒ぶる神の使いだろう」と言ったという記述がありました。
また同崇神天皇記というものでは大物主神という神様が蛇の姿になって妻のところへ通う妻問い婚(夫が妻の元へ通う婚姻関係)をしていたというくだりがありました。その後、神使とされる動物は神話の記述や縁起に基づいて固定されて神社の境内で飼育されるようになりました。
更に、今でもよく神社で見かける狐のように元々は神使であったものが祀られる稲荷神社のようなものも出来ました。筆者の実家の近くには小さな稲荷神社があって子供の頃は毎日通って狐を見ていた記憶があります。ここで日本で神使とされる動物をあげていきます。
十二支
十二支は下の神話で詳しく紹介しますが神使とされています。猫も十二支の仲間入りするはずがネズミに騙された!という話はよく聞きますよね。この間ゲームで「十二支対決」というのを開催していました。猫の恨みを晴らすために!
蜂
- 蜂も神使とされていて二荒神の神使なんだそうです。
亀
- 松尾大社のオオヤマグイノカミが神様です。
カニ
- 金刀比羅宮の神様の神使とされています。
ウナギ
- 三嶋大社の三嶋大明神が神様です。
オオカミ
- 奥多摩・秩父地方の神社の神様の神使とされています。
鯉
- 大前神社の神様の神使とされています。他にもカエルも神使とされていました。
このように普段何となく見ている動物も実はそれぞれの神様の神使であって私たちに何か神からの伝言を伝えようとしているのかもしれませんね!一体何を伝えたいのか気になるところです。
神話にまつわる動物と神話
十二支
十二支とはその通りの12種類の動物からなっている干支で、戦国時代の前に日本に伝承されてきました。十二支は子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥で構成されています。
なぜ12の動物がこの動物たちなのかは諸説あります。12種類の動物からなる干支は、戦国時代の前に日本に伝承されていました。
お稲荷さん
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お稲荷さんとは食べ物の事ではなくて、狐の事ですね。ちなみに狐の神様で有名なのは伏見稲荷神社です。元々は五穀豊穣と商売繁盛の神様がいる神社なので狐のことではないのです。ではなぜ狐?
それはその当時の狐が穀物を食い荒らすネズミを捕食してくれたり、色やしっぽの形が稲穂に似ている!ということからお稲荷さん=狐になったんだそうな。なので狐が稲荷神ではなくて神使で稲荷神の言葉を伝えるために存在していたという事ですね。
狗神
狗神の意味は犬ではなくて犬の霊が憑いたものです。西日本で最も広く伝わっていて狐の生息していない四国を狗神の本場であると考える説もあります。狗神の狗ってあまり見かけない字ですよね。
屋久島ではなまって「インガメ」種子島では「イリガミ」とも言われていて特定の人間に憑依させて使役する呪詛で恐れられつつも民間では大流行だったんだそうです。
POINT
平安時代に流行った犬神を憑依させる方法
飢餓状態の犬の首を打ちおとす。その首を辻道に埋める。人々が頭上を往来することで怨念の増した霊を呪物として使えるようになる。特定の人にその霊を憑依させる。
平安時代に流行った犬神を憑依させる方法
- 飢餓状態の犬の首を打ちおとす
- その首を辻道に埋める
- 人々が頭上を往来することで怨念の増した霊を呪物として使えるようになる
- 特定の人にその霊を憑依させる
憑依すると永久的にその人に憑いて願い事を叶えると言われていて平安時代には呪術に対する禁止令が発令されるまでになりました。
弁財天の白蛇
弁財天の白蛇の正体は神道では市杵嶋姫でギリシャ神話ではメデューサなんです!ということはメデューサに白蛇がついている悪魔であって同時にメデューサ=白蛇でもあると言われています。
弁天は古代インドでは「川の神様(水神)」だったことやインド古来の蛇、龍を進行するのも相まって神使は蛇や龍だとされていたんだそうです。
狛犬
QUOTE
獅子や犬に似た日本の獣で、想像上の生物とされる。 引用元:wikipedia
アニメや映画、神社でよく見かける沖縄のシーサーのような犬なのか、獅子なのか…。というあの狛犬ですね。像として神社や寺院の入口の両脇や本殿・本堂の正面左右などに一対で向き合う形、または守るべき寺社に背を向け、参拝者と正対する形で置かれている事が多いです。
狛犬って神社の鳥居あたりでいつも目が合うんですよね…。ちなみに狛犬は対になっていて片方は口を開けていて片方は口を閉じているのですがそれにも理由があって、 口を開けている方が「阿形(アギョウ)」、口を閉じている方「吽形(ウンギョウ)」といって阿形は宇宙の全てを包含すると言われています。
阿吽の呼吸というのもここから来た言葉なんです!魔除けに用いていたことから「拒む魔犬」という意味で狛犬と呼ばれるようになったという説がありました。拒む魔を犬…。
三大狸伝説
ぽんぽこたぬきさんを主役にした伝説「三大狸伝説」と呼ばれる神話が日本にあります。1つ目は「狸囃子」と言って千葉県木更津市にある証城寺に伝わる神話です。歌にもありますよね!夜な夜な聞こえてくる祭囃子の音ですが追いかけても音の主はわからない…。
もしかして音の主はたぬきではないか!と思っても証拠もない…。という神話で、実際には当時秋の収穫祝いに催される祭囃子の練習の音だったのでは?とも言われているお話です。ジブリの平成ぽんぽこ大合戦でもあるようにたぬきは人を化かすのが上手ですからね。謎です。
2つ目は「分福茶釜」で、貧乏な古道具屋さんが茶釜を譲りうけたことから始まり実はその茶釜はたぬきが化けていた!という話ですね。のちに騙したお詫びにたぬきが見世物小屋で綱渡りなどの芸を披露して大人気になってお金持ちになった!というお話です。
3つ目は「八百八狸物語」で、享保の大飢饉に起きた御家騒動をモチーフにして江戸時代に作られたお話です。松山藩の家老、久兵衛が横領を企てたことから話は始まります。
久兵衛は後藤小源太に、その当時松山城を守っていた古狸の『隠神刑部』(いぬがみきょうぶ)と、 その眷属、八百八匹の退治を頼みます。この隠神刑部はジブリの平成ぽんぽこ大合戦の長老のモデルになったとされています。
麒麟
麒麟とはあの首の長いキリンではなくてビールのパッケージになっている霊獣のことです。麒麟は中国のもっとも古い神話に登場します。頭には1本角が生えていて口から火を吐き、鳴き声は雷のようで凶を追い払うとされています。凄いですね。
性格はとても温厚、ですが戦闘能力は高く獣類の長とも言われていて麒麟に従わない獣はいなかったとされています。身長は5mで5色に色分けされていて中国の五行説にかかわりがあるとされています。
五行説
- 聳孤(しょうこ)青・木の属性
- 炎駒(えんく)赤・火の属性
- 麒麟(きりん)黄・土の属性
- 索冥(さくめい)白・金の属性
- 角端(かくたん)黒・水の属性
というように属性があるんですね!かっこいいです。ちなみに、中国では4柱の神獣がいるとされていて「麒麟」「鳳凰」「応龍」「霊亀」と言って、四大星獣・四神と呼ばれています。
あおによし神鹿
鹿の神様は古事記にあるアメノカクノカミだそうで、現代でも鹿を神の使いの役割として敷地内に飼っている神社も多いです。奈良の鹿さんは挨拶してくれて凄くお行儀が良いですが海外からの旅行者さんのマナー次第では狂暴になってしまうとニュースで見た記憶があります。
弥生時代までは鹿を食べることもあったようですが、稲作農耕が開始されてから鹿を食べることが少なくなったので鹿を「霊獣」として扱う傾向が増えて来たんだそうです。鹿って食べられるんですね。
日本神話に登場する伝説の生き物
今回は日本神話や守護獣、動物神についてまとめているのでここで日本神話に登場する伝説の生き物をご紹介します。世界にはギリシャ神話やローマ神話で有名で私たちも知っている伝説?の人物や動物はいますが日本にはいるのか筆者は気になっていたのです。
八咫烏
八咫烏(やたがらす)は、日本神話で神武東征の時にタカミムスビによって神武天皇のもとに遣わされて、熊野国から大和国への道案内をしたとされる伝説のカラスです。
三本足のカラスで現代では日本サッカー協会のシンボルマーク、日本代表エンブレムの意匠として用いられています足が三本のカラス…。伝説感がプンプンしますね。
ですが八咫烏もタカミムスビという神からの使いで神武天皇のところへ行ったわけですから神使ということですね。カラスって知能は小学生並みと言いますし相当賢いところを買われていたんでしょうね。
ヤマタノオロチ
ヤマタノオロチは日本神話に登場する伝説の生き物で漢字で書くと「八岐大蛇」で、八つの頭を持つ大蛇です。ヤマタノオロチと言えばスサノオノミコトが退治した蛇で有名ですよね。ゲームでもよく出てきます。
ある日、スサノオが天より降ってくると川の方で泣き声が聞こえて、見に行くとそこには美しい娘を前にして二人の男女が泣いていました。その二人に話を聞くと目の前にいる娘「クシナダヒメ」をヤマタノオロチにささげねばならないと。
そこでスサノオはヤマタノオロチを倒したらクシナダヒメと結婚したいとお願いして承諾してもらって、クシナダヒメを櫛の姿に変えさせて自分の髪に差して戦ったというお話です。
あなたの守護獣がわかる!診断メーカー
動物には仕える神様がいるわけですが、今回筆者は「私の守護獣って何だろう」とふと思いました。そこで調べてみるとなんと守護獣がわかる診断メーカーを見つけたのでご紹介したいと思います!
守護獣診断こちら名前を入れると診断してくれるのですが同じ名前で何度診断しても結果は変わらないようであだ名で試したり本名で試したりして自分の守護獣ってこれなんだ!と友人と盛り上がるのにも最適だと思います。
もちろん干支ごとに守護尊はいますが、自分個人の守護獣って知りたいと思いませんか?嘘だと思ってぜひ診断してみてください!!
まとめ
今回は日本神話、神使、伝説の生き物など色々なことをまとめてきました。筆者が驚いたのは鯉も神使だったということです!一体水の中を泳ぎながらどのように神使としての役目を果たしていたのかとても気になるところです。
そしてもう1つ驚いたのが稲荷神社など動物を祀っているのはその動物が神様だからだと思っていたのですが、神としている場合もあるが基本は神使として祀られているという事実に驚きました。ちなみに稲荷神社に油揚げをお供えするのはネズミの代わりなんだそうです。
まさかネズミは奉納できませんからね…。狐のしっぽや色などで油揚げとはなかなか昔の人も良いセンスです。あなたの守護獣がわかる診断メーカーもご紹介しましたので真に受けすぎずに「私の守護獣って!」と話のタネにぜひお使いください。
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