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ショートの時は?黒留袖での髪型4つのルールと結婚式の着物ヘアカタログ

更新:2020.06.19

新郎新婦の母親や仲人として黒留袖で結婚式に出席する事になってしまった。着物一式は何とかなるけれど髪型はどうしよう?そんなお困りの方に黒留袖にふさわしい髪型を着物のルールと共に解説します。ショートヘアの場合のアレンジ、若い人向け髪型などもご紹介。安心して和装で結婚式にご参列ください。

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黒留袖は一番格式の高い着物

黒留袖は第一礼装

留袖とは、上半身が無地で裾に模様が入った着物を指します。家紋を入れ、比翼仕立て(襟や袖口、裾を二枚仕立てにする)にします。地色が黒なら黒留袖、黒以外を色留袖と呼び、黒留袖が一番格が高いとされています。下に着物の格を紹介します。

着物の格

  • 【第一礼装】
  • 打掛、黒留袖、本振袖、喪服
  • 【第二礼装】準礼装、略礼装
  • 色留袖、訪問着、振袖、色無地(紋付)、江戸小紋(紋付)
  • 【外出着】
  • 付け下げ、小紋、紬の訪問着、無地の紬、絞り、お召、更紗など
  • 【街着・普段着】
  • 紬、絣、黄八丈、ウール、銘仙、木綿、浴衣
きもののさが美

五つ紋、白の比翼仕立ての黒留袖は、お客様を迎える立場の方の第一礼装です。結婚式では新郎新婦の母親、祖母、姉妹などの親族、仲人が着用します。お招きされた側、つまりお客様側の場合は、黒留袖は招待側と同格になり、かえって失礼になると考えられています。色留袖程度にしましょう。

色留袖は黒留袖に準じる

留袖は、振袖と異なり未婚既婚を問わず着ることができる着物です。結婚式で黒留袖に抵抗のある若い既婚の姉妹や振袖を卒業した未婚の親族は色留袖を着ると良いでしょう。色留袖の場合、五つ紋で第一礼装、三つ紋で準礼装になります。着用範囲が広く、親族に限らず、披露宴にお招きされたお客様側でも着用可能です。

振袖は未婚の女性に限る

振袖は未婚女性の礼装です。袖の長さによって格が変わります。大振袖とも言われる袖の長い本振袖は第一礼装です。振袖は友達の結婚式のお呼ばれに花を添える意味でも素敵ですね。その場合中振袖でも構いません。小振袖はお茶会や気軽なパーティー程度に留めましょう。

訪問着は結婚式に着て行っても良い?

上半身にも模様が入った華やかな訪問着。ひとつ紋をつけると準礼装として扱われます。結婚式のホスト側、ゲスト側どちらが着用しても大丈夫です。ただ、紬は格が一段落ちますので避けてください。また母親や仲人など主役に近い関係の方は第一礼装の黒留袖がふさわしいでしょう。

結婚式参列の時の着物と洋服の髪型の違い

着物の場合は襟足をすっきりさせる

着物の場合、襟にかからないように髪の毛を上げましょう。後姿の美しさも着物の魅力のひとつです。特に黒留袖などの礼装の場合は、遅れ毛が出ないようにすっきりさせるのが礼儀です。襟足のお手入れも忘れずに。

洋服の場合はアップにしなくても構わない?

黒留袖を着用するような立場で結婚式に参列する場合は、洋服でもなるべく顔に髪の毛がかからないようにセットしましょう。着物と違って洋服の場合、襟元のデザインによってはアップにしなくても大丈夫なものもあります。アップにしない場合でも、後ろでまとめるなど前に垂れ下がってこないような髪型を選びましょう。

きちんと感をだすのは着物も洋服も同じ

とはいえ、きちんと結い上げた髪の毛は、和装洋装を問わず、折り目正しい印象を与えます。どんなにきちんとした服装をしていてもボサボサ髪では失礼です。遅れ毛ほつれ毛のないきれいにセットされた髪型は相手への礼儀でもあるのです。

黒留袖を着た時の髪型4つのルール

毛先を見せない

少しでも小顔に見せたくて、前髪や側面の毛を下したくなる人もいると思います。しかし黒留袖の場合は毛先が顔にかかるような髪型は厳禁です。だらしなく見え、失礼に当たります。ショートの場合も髪がなるべく顔にかからないようにしてください。きっちりまとまっていればショートは毛先が見えても大丈夫です。

丸顔や顔の大きさが気になる場合は美容師さんに相談してください。きっとあなたに似合う髪型を提案してくれるでしょう。この記事で後ほど紹介する髪型も参考にしてくださいね。


毛先を散らさない

和装でもパーティーヘアの場合、特に最近は華やかさを出すために毛先を遊ばせたアップにする場合があります。しかし第一礼装である黒留袖の場合は、毛先は散らさずにきちっとまとめましょう。

髪の毛を盛りすぎない

黒留袖の場合、礼儀正しく控え目な印象を与える髪型にしましょう。華やかな盛り髪は花嫁やそのお友達にまかせて、迎える側の黒留袖には落ち着いた髪型を合わせましょう。

髪飾りは格の高い物を

着物の場合、帯留や草履、バッグ、扇子、髪飾りなどの小物も格合わせと言って着物の格にふさわしい物を合わせなければなりません。小物にもそれぞれに格があるのです。

黒留袖の場合、鼈甲や蒔絵、螺鈿や真珠などの宝石をあしらった高級感のある髪飾りがふさわしいとされています。できれば、櫛や簪(かんざし)のように伝統的な形のものがおすすめです。

では、次に黒留袖にふさわしい髪型を紹介していきます。同じように見えてそれぞれ違いがありますので、ご自分の好みの髪型を見つける参考にしてください。

黒留袖にふさわしい髪型10選

1.美しい夜会巻

夜会巻は日本髪に準じるものとして鹿鳴館の時代に始まったものです。今では和装洋装を問わず大人気です。この方の場合、やや短めの髪をうまくまとめています。黒の豪華な塗りの簪も更に格を上げています。

2.きっちり面を出したスタイル

こちらはきれいに髪の毛の面を見せたスタイルです。後ろの毛流れがアクセントになっています。このタイプは頭の形がきれいな方には特におすすめです。

3.きれいなロングヘアの流れを生かして

ロングヘアの場合、ボリューム感のある夜会巻を作って華やかに髪の流れを見せることができます。こちらもボリュームがありつつきれいにまとめられています。特にうなじをうまく髪の毛で覆ってすっきり見せている点に注目です。

4.低いシニヨンの位置が落ち着きを見せる

同じように生え際をうまく髪の流れで隠しています、低い位置にまとめた髪にボリュームがあるので、髪の前面もポンパドゥール風に立たせて大人っぽく豪華な雰囲気に仕上がっています。

5.カールで華やかさを演出

髪の毛の生え方の都合で生え際がすっきりしない場合、このようにシニヨンを襟にかからない程度の位置に低めにすることもできます。単にまとめるのではなくカールを見せる事で華やかな印象です。

6.トップにボリュームを持たせて

トップ位置を高めにすると若々しい感じが出ます。この方の場合ポップな髪飾りも印象的ですね。カジュアルすぎると感じる場合は髪飾りを伝統的な物に変えると良いでしょう。

7.髪飾りで格式を出す


こちらはねじりタイプのややカジュアルな髪型です。落ちついた清楚な印象です。髪飾りを格式のある物にすることで留袖にも使えます。

8.和装でも洋装でも大丈夫

低い位置の落ち着いたシニヨン。髪飾りを変えることで洋装でも和装でもフォーマルでもカジュアルでも万能です。ディップなどで遅れ毛を押さえながら自分ひとりで充分作れる髪型です。

9.お母様には無理だけどお姉さまなら

毛先を散らす髪型は黒留袖としてはマナー違反です。けれど主役から少し遠い若い親族の場合この程度の遊びは許されるでしょう。この場合髪飾りは格式を守りましょう。

10.留袖でも訪問着でもすてき

髪を上げて上からかぶせたタイプの髪型。ボリュームの位置や量によっては旅館の女将風に見えてしまうので注意が必要ですが、留袖でも訪問着でもどちらにも似合う髪型です。髪飾りで格を出してください。

ショートヘアの場合の黒留袖用髪型5選

1.あごくらいのボブでもきれいなアップに

アップにするにはそれほど長い髪は必要ではありません。ボブヘアでもあご先くらいの長さがあれば、このくらいのアップは不自然にならずきれいにできます。

2.肩に着く長さがあれば編み込みで若々しく

もう少し長く肩先に着く程度の髪の毛であれば、襟足を編み込みにしてまとめる事もできます。真珠を飾ってより華やかに若々しくなりました。

3.短い前髪も立ち上げられます

前髪が短い場合もこのように流してスプレーで固める事によってきれいに立ち上げられます。襟足も内側にまとめて美しいまとめ髪になりました。

4.ウィッグで華やかにまとめる

どうしても襟足が短すぎてまとめられない場合、ウィッグをつけて自然なまとめ髪に見せることもできます。この方の場合、きれいなカールを見せつつ毛先の見えないタイプのウィッグで華やかさを演出されていますね。

5.襟足すっきりショートならそのままでも

ベリーショートの場合、思い切ってそのままの髪型での参列も検討してみてはいかがでしょうか。櫛型などショートヘアでも使える髪飾りもあります。そのままの場合襟足の無駄毛は理容室などできっちりお手入れしておきましょう。

また、以下の記事ではショートヘアが似合う人の条件や特徴などが記載されています。黒留袖に似合うショート・ボブアレンジの参考にしてみてください。

黒留袖を着た時に心がける7つの行動マナー

1.末広を帯の間に挿す


末広がりでめでたいにかけて、末広と呼ばれる祝儀扇は忘れずに帯の間にまっすぐ、またはやや斜めに挿します。金屏風の前でお客様を迎える立礼の際には両手で持ちますが、普段は挿しっぱなしです。うっかりパタパタ仰がないようにしましょう。

2.背筋を伸ばして小股で歩く

黒留袖に限らず着物の場合は裾の乱れに気をつけて行動しましょう。洋服のように大股でぱっぱと歩いては足元が見えて見苦しいです。着物の場合素肌を見せてはいけません。

慣れない草履にどうしても足元が気になるかとは思いますが、顔を上げ背筋を伸ばしましょう。そして歩幅は狭めに内またでゆっくり歩くと美しく優雅に見えます。草履はひきずらないように注意してください。

3.お辞儀はゆっくり慌てず

結婚式ではお辞儀をする機会の多いもの。ついペコペコ頭だけ下げそうになってしまいます。意識して腰から優雅にゆっくり曲げるようにしましょう。背筋が伸びて美しい礼は見ていて気持ちが良いだけでなく、相手への心からの礼儀を感じさせます。

4.手を上げる時は袖口に気をつけ控え目に

着物の袖口は大きいため、いつもの調子で手を上げると肘まで見えてしまいます。黒留袖に限らず着物を着て手を上げる際には、脇を閉めてもう片方の手で袖口を押さえるようにして、見える肌は最小限にしましょう。

5.階段を上がる時は、袖と上前を持つ

着物での階段の上り下りは、うっかりすると裾をふんだり、袖をひきずったりして、危険です。袖は軽く手にかけ、着物の上前を少し持ち上げて、体をやや斜めにすると安心して楽に上り下りができます。

6.椅子に座る時は袖を膝の上に畳む

椅子に座る時は帯をつぶさないように浅めに腰掛けましょう。どっかりと背もたれにもたれるのは厳禁です。また袖が床に付かないように膝の上に重ねましょう。

7.食事の時はナプキンを帯に挟んでも良い

慣れない着物、うっかり食べ物をこぼして汚したら大変。食事の時はナプキンを膝の上に置きますが、着物の場合滑りやすいので、帯に挟んでも失礼ではありません。

結婚式での留袖のマナーまとめ

基本はただひとつ、動作は慌てずゆっくり行いましょう。着物は裾や袖が長いのでうっかり踏まないように気をつけて落ち着いて行動してください。いつもより動きの大きさを控え目に、背筋を伸ばし自信を持って優雅に振る舞ってください。

着物に似合う髪型10選~黒留袖以外の着物の場合

1.三つ編みぐるりヘア

側面を三つ編みでぐるりと巻いて華やかさを演出しています。友人の結婚式などの場合、髪飾りも三つ編み部分に小さく散らすと可愛らしく、より華やかになります。

2.毛先を巻き込んだシニヨンスタイル

街着から振袖まで応用範囲の広い巻き込みシニヨン。毛先を巻きこめる長さがあれば簡単にできます。遅れ毛を始末すれば礼装にも使えます。髪飾りで雰囲気を演出してください。

3.編み込みスタイル

毛束を少しずつねじりながら編み込んでいくことでボリュームのあるアップスタイルができました。およばれからちょっとしたお出かけまで応用範囲の広い髪型です。

5.ウィッグで

お団子ウィッグと和風髪飾りでで簡単に和装美人になれます。ウィッグの下は自髪を小さくまとめているだけ。自分の髪だけではボリュームが出ない方におすすめです。

6.アシンメトリな感じがすてき

髪を巻いてカールをつけ、アシンメトリにまとめています。余り長い髪でなくても充分作れます。髪の毛のボリュームと髪飾りとでバランスを取ったセンスが素敵です。

7.シンプルなお団子ヘア

どんな着物にも似合うシンプルなお団子ヘア。シニヨンの位置を低めにすると落ち着いた大人の雰囲気になります。小さめのお団子も清楚な雰囲気を演出します。

8.高めのお団子は若さを強調

同じシニヨンでもお団子の位置が高めだと若く見えます。うなじの美しさも強調され着物におすすめです。ただ、お団子を頭のてっぺんで結うのは子供っぽくなるので避けた方が無難です。

9.落ち着いた大人の三つ編みヘア

下の方で三つ編みを作り、まとめた髪の上にかぶせてアクセントにしています。上部はきれいな髪の面を見せることで華やかさと大人の落ち着きを両立させている髪型です。

10.ロングをボブに見せる

ロングヘアの毛先を内側に巻き込んでボブに見せています。襟足がすっきりし、まとまった感が出ますので、ロングヘアの若い方でアップしたくない場合は試してみてください。

上記の黒留袖以外の着物に似合う10通りの髪型以外にも以下の記事をチェックしましょう。着物や和装に合う髪型を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

着物の髪型を研究するなら着物雑誌がおすすめ

着物雑誌ではモデルさんがその着物を引き立てる素敵な髪型をしています。着物雑誌は着物を良く知る専門家が作っています。着物の格にも合わせて髪型を作っているはずです。着物用ヘアカタログとしても利用しましょう。

まとめ

黒留袖を着る機会はそれほど多くありません。慣れない着物、アップにするには短すぎる髪。黒留袖に対して及び腰になるかもしれません。しかし、同じ第一礼装のイブニングドレスが夜にしか着られないのに対して、黒留袖は時刻を選びません。

お招きした相手への最上級のおもてなしの気持ちを表すのが第一礼装。せっかくの機会です、黒留袖を着ることを楽しんで下さい。式場の美容室も上手に利用してください。

たくさんの結婚式を経験している美容師さんは、黒留袖にふさわしく、かつあなたに似合う髪型を提案してくれるはずです。マナーに合った髪型は相手へ好印象を与え、お祝いごとに華を添えることでしょう。

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