「ご連絡させていただきました」電話、メールでの使い方。正しい敬語か。
更新:2019.06.21
ビジネスメールのやり取りで「ご連絡させていただきました」という言葉はよく使われます。電話をしたけれど相手が出なかった場合など、気を使う場面で使う事も多い言葉です。正しい敬語なのか、上司に使っても大丈夫か、メールでの使い方は?などについてまとめました。最後に「お電話させていただきました」についても触れていますので、あわせてこの機会に使い方を確認しておきましょう。
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INDEX
「ご連絡させていただきました」使い方。敬語なのか?
「ご連絡させていただきました」は正しい敬語ではない
「ご連絡させていただきました」はビジネスシーンでよく使われるのを耳にする言葉です。「連絡をお願いします」と言われ「ご連絡させていただきます」と答えるような場合は問題ありません。しかし、こちらの用事で勝手に連絡したような場合に「ご連絡させていただきました」というのは失礼にあたります。
「ご連絡させていただきました」が失礼に当たらないのは、相手が連絡を待っていた場合だけです「させていただく」という言葉は謙譲語です。相手の許可を得ている事柄について、相手に恩恵を与えることをへりくだっている形になります。
身の回りの世話をしても良いという許可を与えられている人が「お部屋を掃除させていただきました」「お食事をご用意させていただきました」「お洋服をクリーニングさせていただきました」「雨が降っていたのでタクシーをご用意させていただきました」などの形で使ったとしたら、使い方を間違ってはいません。
使わない方がいい場合が多い
「ご連絡させていただきました」は常に間違いと言う訳ではありませんが、間違いになってしまう事が多いです。「させていいただく」が「させてもらう」の謙譲語であるためです。「させてもらう」は相手の許可のもとで相手の恩恵になるような行為をするという意味の言葉です。
メール・電話で使う場合
メール
「ご連絡させていただきました」は電話やメールでよく使われます。「忙しいかと思いましたのでメールにてご連絡させていただきました」のような使い方の場合は、メールの方が相手の利益になると考えてのことだろうと考えられるので失礼にあたらないです。しかし、基本的には「ご連絡いたしました」と書いた方がいいです。
電話
「先ほどご連絡させていただきました田中です」というように名乗ることがありますが、「させていただく」には、そうすることによって相手に恩恵を与えたというニュアンスがあるため、この使い方は避けた方がいいです。「ご連絡させていただきました」ではなく「先ほどご連絡いたしました」と言うようにしましょう。
「お急ぎかと存じましたので電話にてご連絡させていただきました」であれば、間違いにはならない場合もありますが、「ご連絡させていただく」というと高飛車な印象になってしまうことが多いです。連絡したと言いたい時は「ご連絡いたしました」と言った方がいいでしょう。
「ご連絡させていただきました」上司に使ってもOK?
失礼になることが多い
「させていただく」は謙譲語のため上司に使っても良いように思えてしまいます。しかし、「させていただく」は、相手の許可のもとで相手に恩恵を与えることをへりくだって表現することばです。部下が連絡することが上司にとって恩恵になるという考え方は失礼にあたります。上司には使わないようにしましょう。
使うと間違いになる場面
こちらから急に連絡したような場面では「ご連絡させていただきました」はほぼすべて間違いになります。「先ほどご連絡させていただきました」「その件は追ってご連絡させていただきます」「ご連絡させていただこうと思っておりました」などは丁寧に言っているようで高飛車な表現になってしまっています。
「させていただく」は謙譲語です。相手の許可を得た上で相手に恩恵を与えることをへりくだって表現しています。相手の許可を得ていないことをしている場合、相手に恩恵を与えていない場合に使うと非常に失礼な表現になります。
「ご連絡させていただきました」は、「あなたのためになることを知らせてあげました」を丁寧に表現しています。「その件は追ってご連絡させていただきます」は「その件について追ってとてもためになることを知らせてあげます」を丁寧に言った表現です。使わない方がいいです。
「ご連絡させていただきました鈴木です」
「ご連絡させていただきました鈴木です」というような表現を電話口で使う人は多いです。しかし「させていただく」が相手に恩恵を与えることをへりくだって言う言葉だという事を考えると失礼な表現になってしまいます。「ご連絡いたしました鈴木です」が正しいです。
「先日お話しした件でご連絡させていただきました」
「させていただく」は相手にとって利益になることをへりくだっていう表現ですので、これが当てはまる場合は失礼な表現ではありません。入社試験の合格の知らせなどの場合は「先日お話しした件でご連絡させていただきました」と言ったとしても間違った使い方ではありません。
相手から強く依頼されて、それを受けることにした。という場合に「ご連絡させていただきました」と言うのも間違いにはなりません。何度も食事に誘った相手が「予定が合いそうな日をご連絡させていただきました」と言ったというような場合は相手は正しい敬語を使っています。
「ご連絡させていただきました」使わない方がいい場面
基本的には「させていただきました」は使わない
相手がその連絡を心待ちにしているわけでは無い場合は使わない方がいいです。営業の電話や何かを頼みたくて連絡したような場合に「させていただきました」を使うと失礼になります。
連絡したことを相手が知っている場合
相手が待っているであろう連絡であっても、伝言を何度も残したり、留守電をいれるなどした場合は、あえて「ご連絡させていただきました」を繰り返す必要はないです。連絡したにもかかわらず返事をしない相手を暗に責めるようなニュアンスになってしまいます。連絡をしたことよりも返事を待っていることを伝えましょう。
相手からの求めで連絡したのではない場合
こちらから誘っている食事会などで「日程の件でご連絡させていただきました」というように言うのは失礼にあたります。「お願いしたいことがあってご連絡させていただきました」なども正しい敬語ではありません。このような場合は「ご連絡いたしました」が正しいです。
「ご連絡させていただきました」と言われたときの返事
連絡を待っていたとき
「お誘い頂いた食事会に参加したいと思いご連絡させていただきました」「わが社で一緒に働いてもらいたいと思いご連絡させていただきました」「折り返し連絡をとのことでしたのでご連絡させていただきました」
「食事会をしたい」「その会社で働きたい」「連絡が欲しい」というこちらの意向に沿うことをへりくだって伝えてくれています。お礼を言い、嬉しいと伝えましょう。
特に必要のない連絡だった場合
「食事会をしませんかと思ってご連絡いたしました」「御社で働きたいと思いご連絡させていただきました」「出張中とのことで、お戻りになりましたら折り返し頂きたいと思いご連絡させていただきました」
上記のような依頼の連絡の場合は「させていただきました」の使い方は間違っています。しかし単に丁寧に言いたかったのだろうと推測できます。相手からの連絡に対するこちらの意向を伝えるようにしましょう。
「ご連絡させていただきました」の言い換え
「させていただく」は誤用になりがち
「ご連絡させていただきました」は誤用になりがちです。「させていただく」が相手の許可を得ていること、相手にとって恩恵になること、を前提にしつつそれをへりくだって言う表現であるためです。「ご連絡させていただきました」以外に「連絡した」を丁寧に言いたい時に相応しい言葉を覚えておきましょう。
「ご連絡いたしました」
「連絡した」ことを丁寧に言いたい時は「ご連絡いたしました」と言います。「ご連絡させていただきました鈴木です」は「ご連絡いたしました鈴木です」と言うと不自然ではありません。「食事会にお誘いしようと思ってご連絡させていただきました」では高飛車ですが、「ご連絡いたしました」であれば丁寧な表現です。
「お電話させていただきました」は正しい?
「お電話させていただきました」の意味と使い方
「お電話させていただきました」も「ご連絡させていただきました」と同じように、相手の許可を受けて電話をした、また電話することによって相手が恩恵を受けるという場合には正しい表現として使う事ができます。
例えば、営業の電話をかけた相手に「今忙しいので、〇時くらいにかけ直してもらっていいですか?」と言われたのに対して、「先ほどはお忙しいところ大変失礼いたしました。〇〇の件でお電話させていただきました。」とかけ直す場合であれば「お電話させていただきました」を相手に違和感を与える事なく使う事ができます。
まとめ
「ご連絡させていただきました」や「お電話させていただきました」は使い方を間違ってしまいがちな敬語です。しかし、使った方がいい場面もあります。謙譲語「させていただく」の意味を押さえて上手に使いこなせるようになりましょう。
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