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家紋「丸に橘」の意味・由来は?丸橘の苗字・家柄・家系・武将も

更新:2019.07.01

あなたは、家紋「丸に橘」の意味や由来について知っていますか?当記事では、いわゆる「丸橘」の家紋の意味と由来とその歴史、そしてそれを歴代使用してきた武将や有名人などについても分かりやすくご紹介していきます。ぜひ参考にしてみてください。

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家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来とは?

家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来①永遠を表すものの象徴

永遠

家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来の1つ目は、「永遠を表すものの象徴」です。これは、「橘」という植物の特徴に由来しています。ミカン科に属する橘は、寒い冬にでも関係なく、年中育つことのできる植物です。この特徴が不老不死などの「永遠を表すものの象徴」として橘が扱われるようになった理由の一つとされています。

上記の理由から、古くから自分の力の支配を永遠のものにしたいと願う武将などに永遠の強さの象徴そして好んで用いられてきました。また、古くから不老不死の象徴としても橘が和歌などの中で頻繁に使用されてきたとされています。橘という植物自体の特性とその家紋が結びついているというのは興味深いですね。

家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来②女官の「県犬養三千代」の存在

江戸

家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来の2つ目は、女官の「県犬養三千代」の存在です。飛鳥時代末に、長年元明天皇に遣えた女官の県犬養三千代という女性がいました。この女官の長年の功績を称えて、元明天皇が当時大変可愛がっていた右近の橘の花を浮かべた杯と「橘宿祢」の名前を彼女とその家族に授けたと言われています。

これが家紋「丸に橘」・丸橘の一番最初の由来であるとされています。当時の元明天皇も長く使えた者に橘にちなんだ名前を与えるなんて、とても粋ですよね。また名前というのは、後世にも引き継がれるものなので、その後の家族にも当然影響していきます。それにしても、飛鳥時代末期とは今から考えるとかなり前ですよね。

家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来③橘氏から家紋の使用が広まった

京都

家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来の3つ目は、「橘氏から家紋の使用が広まった」です。先に県犬養三千代という女官とのその家族から橘名が使用されるようになったとお伝えしましたが、実はこの当時はまだ「家紋」というものが存在していませんでした。しかし、平安時代となって橘家は多くの貴族を輩出することになります。

このことがきっかけで、他の家の調度品などと区別をつける目的、また家のシンボルとして橘の紋様を使用するようになりました。このことが、後のそれぞれの家で家紋が作られるようになるきっかけとなったと言われています。このように見ていくと、橘家紋は家紋の歴史の中でも非常に重要な役目を果たすものだと言えますね。


家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来④他氏族による流用で広まった丸に橘家紋

竹

家紋「丸に橘」・丸橘の意味や由来の4つ目は、「他氏族による流用で広まったのが丸に橘家紋」ということです。当初、橘紋は橘氏のみが使用する家紋でしたが、後に勢力を増してきた藤原家に敗れてからは、この藤原家も同じ橘紋を使用するようになりました。これにより、橘家以外の橘紋の流用が広がりを見せていきます。

当時、家紋は今で言う、ネームバリューを持ったブランドのようなものなので、橘家のブランド力にあやかりたいとする他氏族がこぞって使用するようになったと言います。その流れで今日にも様々な形の橘紋が存在するとされています。

家紋「丸に橘」・丸橘を使用した武将や家柄は?

家紋「丸に橘」・丸橘を使用した武将や家柄①橘氏

塔

家紋「丸に橘」・丸橘を使用した武将や家柄の1つ目は、「橘氏」です。先述した通り、橘紋を使用するきっかけとなったのは最初に橘名を授かった橘氏とその氏族です。この氏族がこの紋を使用していたというのは、紋の名前と名前が一致するので一目瞭然、分かりやすいですよね。

ちなみに、橘紋を使用する地域は北関東では少なく、特に近畿地方で多いとされます。関西出身の方なら、この橘家紋をどこかで見かけたことがある!ということがあるかもしれませんね。

家紋「丸に橘」・丸橘を使用した武将や家柄②井伊家

仏閣

家紋「丸に橘」・丸橘を使用した武将や家柄の2つ目は、「井伊家」です。井伊家と言えば、井伊直弼が有名ですが、この井伊家も家紋「丸に橘」・丸橘を使用していました。この井伊家の家紋は別名、「彦根橘」とも言われ、橘家の家紋に酷似していますが、良く見ると中の花や枝のデザインが異なります。


この井伊家の橘紋は、後に二つに分かれて使用されるようになったとも言われています。このように、武将や家柄という視点から家紋を見ていくと、また新しい側面が垣間見られて非常に興味深いですね。

家紋「丸に橘」・丸橘以外の橘紋3選!

家紋「丸に橘」・丸橘以外の橘紋①橘崩し

神社

家紋「丸に橘」・丸橘以外の橘紋の1つ目は、「橘崩し」です。実は、橘を使用した家紋には、「丸に橘」・丸橘以外にも数多くのものがあります。「橘崩し」は、橘の花の周りにある葉が、丸く縁になるようデザインされたものを指します。全体としては円系の形をしており、葉以外は丸橘とそっくりです。

家紋「丸に橘」・丸橘以外の橘紋②橘菱

富士

家紋「丸に橘」・丸橘以外の橘紋の2つ目は、「橘菱」です。これは、橘の葉の部分がひし形に型取られたデザインの家紋となります。実は、家紋にはこの橘菱のようにひし形のものが非常に多いとされます。他にも今回ご紹介している丸橘や六角のものなどもありますが、どちらかと言うとこれらは珍しい家紋に数えられます。

家紋「丸に橘」・丸橘以外の橘紋③橘に水

水

家紋「丸に橘」・丸橘以外の橘紋の3つ目は、「橘に水」家紋です。これは、橘の花が水に流れる様子を描いたものとされ、流れるような水の動きが印象的なデザインとなっています。その他にも、「井筒に橘」や「変わり橘蝶」など、丸橘以外にも橘家紋には多くのデザインが存在します。何だかおもしろいですね。

橘を家紋とする苗字とは?


橘を家紋とする苗字①中村氏

本殿

橘を家紋とする苗字の1つ目は、「中村氏」です。「中村」という氏名は、元々、村が発展するにつれて分村や子村を作っていく際に、その元になった村を指すものとして生まれた名前であり、苗字とされています。中村姓を持っていらっしゃる方はドキっとしたかもしれません。

この村の中の位置に合わせて、例えば「下村」「上村」そして「中村」とつけられていったのがその名前の始まりであるとされています。そして、この中村という苗字はその後、橘を家紋にする苗字の一つとされるようになりました。このように、名前の成り立ちからその歴史をひも解くと非常に面白いことが分かりますね。

橘を家紋とする苗字②赤松氏

街並み

橘を家紋とする苗字の2つ目は、「赤松氏」です。実は、橘の苗字は兵庫県が一番多いとされています。その兵庫県で南北朝時代に播磨国を支配下に置いていたのが大族である赤松氏でした。赤松氏自身は村上源氏の出身で橘紋ではありませんでしたが、家臣には橘紋を持つ者が多くいたとされます。

このように、近畿地方、特に兵庫県では橘を家紋にする苗字を持つ方が沢山いるというのは非常に興味深いですね。もしかすると、あなたの苗字も橘ではなくても調べていくと、家紋が橘だった!なんてことが起こるかもしれません。特に近畿・兵庫県周辺出身の方は調べてみる価値がありそうです。

ここまで、特に橘を家紋にする苗字についてご紹介してきました。下記関連記事内では、憧れるかっこいい苗字について分かりやすくまとめています。可愛い、または珍しい苗字が目白押しです。また苗字と名字の違いについても分かりやすく解説しています。興味のある方は、こちらの記事の内容もぜひ参考にしてみてください。

橘家紋を持つ武将や有名人は?

橘家紋を持つ武将や有名人①井伊直弼

武将の馬

橘家紋を持つ武将や有名人の1人目は、「井伊直弼」です。井伊直弼は、徳川家康の忠臣として活躍した有名な武将ですよね。彼は初め、捨て子として育てられるなど厳しい環境に置かれますが、最終的には徳川家康の重臣に登りつめる偉業を成し遂げた男として知られています。

井伊直弼は関ヶ原の戦い後、すぐに死亡してしまいますが、きちんと子孫を残したので井伊家の名前とその家紋は残ることとなりました。

橘家紋を持つ武将や有名人②赤松家の重臣・小寺氏

鳥居

橘家紋を持つ武将や有名人の2人目は、「赤松家の重臣・小寺氏」です。戦国時代に西播磨の国人として遣えていた小寺氏は、赤松氏と同族でした。この氏族は赤松家の重臣と知られ、橘家紋を授けられていたと言われています。

橘家紋を持つ武将や有名人③黒田官兵衛孝高氏

神社

橘家紋を持つ武将や有名人の3人目は、「黒田官兵衛孝高氏」です。播磨国の国人・であった小寺氏に仕えた黒田氏は、小寺氏の家紋「橘に藤巴」を授かったとされています。ちなみに、この黒田氏は小寺氏が織田信長に敗れると織田信長、豊臣秀吉に遣えることとなり、後の筑前国福岡藩の大名になったとされています。

橘家紋は日本人や日本人の特性を表す大事な家紋!

日本

当記事では、特に「橘家紋」と呼ばれる家紋の意味や由来、そしてそれが受け継がれている苗字や橘家紋の他のデザインの種類などについて詳しくご紹介してきました。橘という植物の特性が表すように、橘家紋は日本人の家柄や日本人の力強さやたおやかさを象徴する大切な家紋であるとも言えます。

また、当記事でご紹介したように、それぞれの家紋を辿るとその家や家柄の歴史が辿れるという意味では非常に貴重なものでもあるということもできますよね。ぜひあなたも今回の記事の内容を参考にして日本の名前やその他日本を象徴するものについて興味を持ち、学びを深めてみてください。きっと新たな発見があり楽しめます。

下記関連記事では、日本人の特性や性格について分かりやすくめとめています。日本人同士ではどうしても気付けないものでも、外国人から見るとそれが新鮮に映り、自分たちの新たないいところ・悪いところについて気付けるかもしれません。ますますオリンピックなどで注目が高まる日本です。ぜひ参考にしてみてください。

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