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論評の書き方とは?書き出しの例や大学の課題におけるポイントも

更新:2019.06.21

「論評」という言葉の意味をご存知でしょうか?あまり馴染みがないまま、いきなり大学で「論評を書いて下さい」と言われて焦る学生は多いです。そこで今回は、論評の書き方や書き出し例文、レポートでの書き方について詳しくご紹介していきます。

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論評とは一体何?どんな意味があるの?

論評の意味は「物事の結果を論じること」

論理

論評の意味について説明します。論評とは、「物事の結果を論じること」という意味の言葉です。ある事象や現象、または誰かの論の結果や概要などを評論することを指します。基本的には、「論を展開している人の出した結論を批評すること」という意味で使われますが、物事に対して何か論を展開すれば、それは論評になります。

論評は「客観的に物事を判断するもの」

判断

論評は「客観的に物事を判断するもの」という意味も含まれています。例えば感想文などは、自分の感情や「どう思ったのか」といった主観的な目線が主となります。ですので、自分の好き嫌いや経験則に基づく話などを織り込んでも問題ありません。

しかし論評は、客観的な目線が何よりも必要です。「この論文はどうであるのか」「あの物事はこういう面がある」など、論評する対象が中心でなくてはいけません。

論評の書き方5選!どのようなことに気をつければ良いの?

論評の書き方①批評する物事の概要を詳しく書く

ノートにメモをする人

論評の書き方の1点目として、批評する物事の概要を詳しく書くということがあります。論評は、自身が批評する内容を全く知らない人が読む可能性があります。予備知識がない人にも分かってもらえるようにしなくてはいけません。ですので論評を書く際は、評論対象の事象や書物などの概要を述べる必要があります。

自分の取り上げる分野の概要を説明することで、問題点や評論の軸となる考えを読者に伝えることができます。なるべく端的に、でも詳しく概要を書くことを心がけてみてください。また、評論の対象が書物や論文である場合は、その本や論文の作者、作者の受賞歴、他の著書などを書くのが一般的です。

論評の書き方②批評したい点を根拠に基づいて説明する

説明する男性

論評の書き方の2点目として、批評したい点を根拠に基づいて説明するということがあります。論評を書く目的は、対象の評論です。自分が感じた問題点や、逆に賛成だと思った点を取り上げる必要があります。しかし、ただ「この考えに賛成です」「この思考はおかしい」と言うだけでは論評になりません。

論評をする際に最も重要なのは、「自分がどう感じたか」という感想ではありません。「この作者はこう結論づけているが、その結果とは相容れない研究結果が発表されている。ゆえに、この作者の出した結論は間違っている」などという、明確な根拠が必要になります。

論評の書き方③評論部分以外の内容は書かない

禁止

論評の書き方の3点目として、評論部分以外の内容は書かないということがあります。特に論評の対象が書物だった場合はなおさらです。書物に対する論評は、まだその文章を読んでいない人、または読むべきか迷っている人が参考にする場合が多々あります。書物の重要な部分を書いてしまうと、購買意欲が下げる原因になります。

書物の概要を説明することは必要ですが、内容の肝には触れず、あくまで「あらすじ」のような形で取り上げましょう。そして、自分が批評する部分以外のネタバレは極力してはいけません。また、評論対象が重要なネタバレになってしまう場合は、その論評は書かないほうが良いです。

論評の書き方④論評を読む相手がいるという意識を持つ

相手がいる意識

論評の書き方の4点目として、論評を読む相手がいるという意識を持つということがあります。論評というものは誰かに向けて発信するものです。論評を読む読者が必ずいますし、その人達に伝えることを意識しないといけません。自分だけの、独りよがりな文章ではなく、相手に伝える文章を書く必要があります。

自分が取り上げた事象・書物を「面白い」と感じてもらい、興味を持ってもらえるよう常に意識しましょう。また、「この論評を読むのはどのような人たちか」といった読者層のことも念頭に置き、層に合わせた言葉遣いなどを心がけるとより良い論評になります。

論評の書き方⑤自分の意見をまとめてから書く

考えをまとめる男女

論評の書き方の5点目として、自分の意見をまとめてから書くということがあります。自分のその場その時の感情に合わせて文章を書いても、論理が破綻したり何が言いたいのかわからない文章になってしまいます。

まずは自分の感じた感想などをまとめます。そして、「なぜその感想を持ったのか」という根拠を考えます。更に、論評対象と他の書物などを比較し、相違点などをまとめておくと良いでしょう。こういった下準備をすることで、読者に伝わりやすく、わかりやすい論評が完成します。


論評の書き出し例文4選!

論評書き出しの書き方・例文①著者の出身地を述べる

本

論評書き出しの書き方・例文1例目として、著者の出身地を述べるということがあります。ここでの著者とは、論評対象の書物を書いた人物を指します。論評を書く人物ではありませんので注意してください。読者は著者との出身地が同じというだけで親近感を抱き、「この論文読んでみようかな」という気持ちになりがちなのです。

読者の興味関心を惹きつけるためには、読者と著者との共通点を増やすことが最も有効です。著者と出身地が同じである読者は、論文に対して興味を持つでしょう。そうすると、あなたが書いた論評にも興味を持ってもらえやすくなります。

例文として、次のようなものがあります。「この著者は〇〇県の出身である」「〇〇県出身の作家は多くいるが、彼もその一人である」「この著者は、著者の出身地である〇〇県から着想を得て書かれたものである」

論評の書き出しの書き方・例文②論文や書物の誕生の経緯を書く

何かを書く男性

論評書き出しの書き方・例文2例目として、論文や書物の誕生の経緯を書く、ということがあります。この論文がどのような研究から生まれたものなのか、大本となっている先行研究はどのようなものなのか、どういった経緯で出版に至ったのかなどの誕生の経緯を書きましょう。そうすることで読者が論に入り込みやすくなります。

例文として、次のようなものがあります。「ここでご紹介する論文は、〇〇という研究から生まれた」「長い休養期間を経て、10年ぶりに発表されたのがこの作品だ」「〇〇という問題は、▲▲が■年に発表した研究結果から明らかにされたものだ」「作品が発表されるまで、実に○年の月日が流れた」

論評の書き出しの書き方・例文③自分の感想をまず述べる

感想を書く女性

論評書き出しの書き方・例文3例目として、自分の感想をまず述べるということがあります。その事象に対して自分が抱いた感想を、一番最初に持ってくる書き方です。他の人との比較や、世間一般的な感想と比較した感想が書かれることが多いです。この書き方は、読者に大きなインパクトを与えます。

ただしこの方法は、一歩間違うとただの感想文になってしまったり、文章の構成が非常に難しくなってしまいます。論評を書き慣れている人はこの方法でも良いでしょう。しかし、あまり論評を書いた経験がない人がこの書き出しを採用する際は、少々危険が伴います。初心者の方は、あまり使わないほうが良い書き出しです。


例文として、次のようなものがあります。「この本を読んだとき、まず私の頭に浮かんだのは〇〇という感想だった」「〇〇。それが、この事象に対して私が持った感情である」「一般的に〇〇と言われることの多い本著だが、私は世間とは真逆の感想を抱いた」

論評の書き出しの書き方・例文④著者・論者の概要を述べる

何かを書く男性

論評書き出しの書き方・例文4例目として、著者・論者の概要を述べるということがあります。著者はどのような考えを持っている人なのか、どういった受賞歴や発表論文があるのか、といったことを書きましょう。論評対象が学問や政治の場合は、世間一般的に考えられている概要を説明すると良いでしょう。

例文として、次のようなものがあります。「著者は、絵画への造詣が深い人物である。今回の作品にも、その特徴がよく表れている」「この論文の著者は経済学を中心に幅広い見解を持っている人物である」「彼は過去に〇〇や△△についての論文を発表している」

大学の課題・レポートでの論評書き方3選!書き方のポイントとは?

大学の課題・レポートでの論評書き方ポイント①主観的な文を書かない

主観的な女性

大学の課題・レポートでの論評書き方ポイント1つ目として、主観的な文を書かないということがあります。大学一年生の場合は特に、ただの「感想文」を書いてしまいがちです。自分の感想ではなく、根拠に基づいた批判に重点を置くことを忘れないようにしましょう。

大学の課題・レポートでの論評書き方ポイント②引用を正しく使う

引用

大学の課題・レポートでの論評書き方ポイント2つ目として、引用を正しく使うということがあります。論の中の文章と自分の考えを比較する場合、内容をレポートに書くことがあるでしょう。そのときは、ただ文を丸写しするのではなく「引用」扱いにするのがポイントです。

またこちらに、論評以外のレポートや卒業論文の書き方についての記事を載せておきます。論評以外のレポートの書き方も知りたいという方は、こちらの記事も参考にしてみてください。

大学の課題・レポートでの論評書き方ポイント③著者の概要はあまり書かない

著者について調べる男性

大学の課題・レポートでの論評書き方ポイント3つ目として、著者の概要はあまり書かないということがあります。大学の課題で出される論評対象が指定されている場合、教授はその物事についての知識がある状態です。また、大学の課題で評価されるのは「生徒の論の組立」です。

もし、論評の書き出しなどで作者の概要や出身地などを長々と書いてしまっては、「文字数稼ぎだ」と思われてしまいかねません。自由に内容や書物を選ぶ場合も含め、著者の概要や受賞歴などは書かない方が良いです。

論評と似た意味を持つ言葉!意味の比較も

論評と書評の意味の比較:対象としている物事が違う

書評を書く男性

論評と書評の意味の比較として、対象としている物事が違うということがあります。論評が問題とする対象は、書物や論文、政治的な問題や経済状況など多岐に渡ります。一方、書評が対象とするのは書物のみです。

またこちらに、書評の書き方についての詳しい記事を載せておきます。書評についてもっと詳しく知りたい、という方は是非参考にしてみてください。

論評と講評の意味の比較:評論の仕方が違う

評価する女性

論評と講評の意味の比較として、評論の方法が違うということがあります。論評は根拠を基に論理を展開し、評価をするという意味があります。一方講評は、「何が問題なのか指摘して正す」という評論方法です。論評には立場は関係ありませんが、講評は「上の者から下の者に送る評価」という意味があるのです。

書き方・ポイントを抑えて良い論評を目指しましょう!

論票には様々な書き方やポイントがあります。それら一つ一つを抑えつつ、個性を出すことができれば、良い論評になるでしょう。「読んで良かった」と持ってもらえるような有意義な論評にするためにも、今回ご紹介したコツを意識して、論評を執筆してみてください!

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