レポート・卒論の考察の書き方|考察の書き方の例文を紹介!
更新:2019.06.21
レポートや卒論には、毎年多くの大学生が書き方に頭を抱えています。論題を立てて、考察をして、実験や調査を繰り返して、結論を出す…レポートや卒論を作り上げる際には、様々な工程がありますよね。今回の記事では、レポート卒論の工程の中でも考察の書き方についてまとめています。
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。
INDEX
レポートの考察の書き方は?
卒論の考察の書き方①レポートは調べ学習である
ざっくり言うと、レポートというのは「調べ学習」のようなものです。レポートを課した人はある程度、どんな答えが出てくるかを予想しています。それに無理に合わせる必要はありませんが、ある程度の道筋は建てられているのが前提なので、書き方に悩んだら、それに沿っていくのが王道でしょう。
調べ学習なので、既存の知識や情報を集めることが大切です。調べ学習は、ある程度「着地点(結論)」が想定されて出題されます。そこへどんな根拠・思考の元、たどり着いたかを示すものが「考察」になりますので、調べたことや実験結果を織り交ぜ、どうして「着地点」へたどり着くことになったのかを説明しましょう。
卒論の考察の書き方②評価する人が求めていることをつかもう
レポートにおける考察とは、授業や実験ででた結果を元に、どうしてこのような結果になったのか、どうしたら違う結果を導き出せるかを、自分なりに考えてまとめるものです。
レポートは評価の対象になるものですから、評価する人が何を見たいのかによって、書き方を考える必要があるでしょう。評価の対象になる項目は一般的には以下のようなものです。
レポートの評価対象になる項目
- 考察力
- 資料を読み取る力
- 客観的で論理的な思考力
- 文章力
ですから、この項目で高評価をもらえるように文章をまとめていく必要があります。資料を正しく読み取り、その内容から客観的・論理的に考察をめぐらせ、相手が読みやすいような文章を書くことが大切です。広い視野が大切になってきますので、下のページを参考にしてみてください。
RELATED ARTICLE
WORK-SKILLS > 仕事・スキル 2019.06.21視野を広げる方法11選!ものの見方や考え方を広げるコツは?
卒論の考察の書き方はどうすればいいでしょう
卒論の考察の書き方①卒論は新しい発見について書くものです
レポートは調べ学習であるとお話しましたが、卒論はそれとは違い、新しい発見について書くものです。自分で行った調査や実験の結果をまとめ、今までには論じられてこなかった、新しい発見や、自分の考えたオリジナルの説について書くのが目的です。論文の一番大事なところは「未知の情報を述べる」点です。
レポートと異なり、自分独自の発想や調査方法に価値がありますので、「なぜこのような実験・調査を行うことにしたのか」「そのためにどのような手法をとったのか」「どのような結果が得られたか」「そこからどんな結論が導き出せたか」というのが大切です。オリジナリティーが命と言えるでしょう。
卒論の考察の書き方②論文は同じ分野の研究者へ向って発信するものです
卒論を含む「論文」というのは、基本的に同じ分野の研究者に向って、自分のオリジナリティーを発信するものです。そのため、「同じようなテーマで他の人はどのように研究してきたか」を論じるのも大切です。「他の人の研究」を論じることにより、「自分は違う考えですよ、新しい発見ですよ」ということが示せるのです。
または、「前の人はここまでしか研究していないが、自分はその先を研究しました、その結果こういうことが新たにわかりました」というような論理展開も可能です。やはり同じジャンルの研究者がどのような論文を出しているか、できるだけ多く文献を読み、考察することは重要と言えるでしょう。
考察にはどういう言い回しが適しているでしょうか
考察に限らず、レポートや論文を書いていると、なんだかみんな同じ書き方になってしまいませんか?メリハリをつけて読みやすい文章にするためにも、言い回しのレパートリーを増やしましょう。書き方に悩んだら、以下の「適した言い回し」を参考にしてください。
考察の言い回し例
- まず最初に、○○の問題について考察する。
- 第一に○○である。第二に××である。第三に……
- 初めに~、次に~、最後に~。
- これに対しては○○と考えることができる。一方こちらに対しては~。
- 最近の研究で、○○は××であると言われている。しかし本研究では~であるということがわかった。
- 上記の理由から○○であると言える。
- 以上を要約すると、○○は××であると考えられる。
- この実験の考察から○○であることがわかった。
- したがって、○○については、××であると言うことができる。
- これまでの考察で○○であることを明らかにした。そこで次に××について検討する。
- ○○の調査によれば××であるということができる。
- ○○の図(表)から導き出せることは××である。
- 確かなのは○○は××であるということである。
- ○○からすぐにわかるように、××である。
- ○○と断定することはできないが、××であることは十分に考えられる。
- ○○と仮定すると、××である。
- ○○については××な結果が得られるものと予想をした。しかし、△△という結果が導き出された。その理由としては~。
- ○○について××という手法で調査(実験)したが、△△という手法でも試したい。
- ○○について、××という可能性が考えられる。
- ○○は××であると言うことができる。その結果、△△についても同様の結果を期待することができる。
考察の書き方の例文:レポート編
レポートの考察ではこんな要素を盛り込もう
では具体的にはどんなことについて書けばいいのか、まだ書き方に迷ってる方もいるでしょうから、具体的な「レポートに書くべき要素」を挙げます。
考察に盛り込みたい要素
- 想定した結果と、実際の結果の比較
- 器具や材料を正しく用いることが出来たかどうか
- 室温や、その他環境的な要因による影響があったかどうか
- 測定方法の精度
レポートの考察の例文はこちらです
上で書いたように、レポートは調べ学習なので、例文としては以下のようになるかと思います。他にもいろいろな書き方がありますが、一つの参考にしてください。上に書いた「レポートの考察に盛り込む要素」を当てはめながら書いてみてください。
良い考察例文
- このような結果になったのは、○○と××が△△な反応を起こしたためである。
- 結果として○○が予想されたが、××となった理由は、以下のようなものが考えられる。
- ○○という結果が出たが、××な結果にするためには、以下のような改善が必要である。
- 本研究(調査)では○○という結果を得たが、××という手法をとれば、別の結果を得られると予想する。
また、良くない考察の例文も載せておきます。つい感想や反省を書きたくなってしまうものですが、そういったものはあまり必要ありません。あくまでも論理的な事実を書きましょう。
良くない考察例文
- とても面白い実験だった。(感想は必要ないです。)
- もっと注意して実験を行なうべきだった。(漠然とした反省は必要ないです。)
- ○○はどうして使うのかわからなかった。(考察に質問を入れるのは良くありません。自分で調べましょう。)
考察の書き方の例文:卒論編
卒論の考察ではこんな要素を盛り込もう
卒論(論文)での考察の立ち位置は、「結果」(調査や分析、実験の結果)と、「結論」(どんな新しいことがわかったか)を結ぶものです。ですので、結果の内容を補足し、どのような思考によって結論に至ったか、というプロセスを説明していくことになります。具体的に卒論(論文)の考察に盛り込みたい要素を列挙します。
卒論の考察に盛り込みたい要素
- 結果を自分なりにどのように解釈・思考して結論を導き出したかの流れ
- 結論に至るまでの条件や、限定的範囲
- 材料や方法で書いた内容についての補足
- 結果をどのように発展させ、利用することができるか
- 先行研究の結果との比較
- 考察、結論に至った理由の引用
- 今後の課題や、展望(どのように利用することができるかなど)
- 研究の結果、どのような問題が解決されるか、一般的な学術意義
実験で使うべき試薬を間違えて、思わぬ結果が出た……普通なら失敗だと捨てるものから、新発見があった、という例を耳にしたことがありますか?その例のように、同じ結果でも、どのような考察を行なうかが重要であり、それがあなたのオリジナリティーを示せるポイントになります。説得力のある書き方が重要になってきます。
卒論の考察の例文はこちらです
卒論は分野が非常に多岐に渡りますが、このように書くとまとまるであろう例文をいくつか挙げてみます。レポートの考察と同じく、感想を書く必要はありません。
良い考察例文
- 実験の結果から考察されるのは、○○は××なためではないかということである。以下にその根拠を述べるものとする。
- ○○な結果が得られると予想したが、結果は××であった。その理由としては次のようなことが考えられる。
- これまで、○○とは××と言われていたが、別の結果が得られた。その理由としては△△と考えられる。
- ○○な結果を得るためには、××の部分を△△のように改善すべきであると考えられる。
- 序章で○○を明らかにすることを述べたが、本研究では××ということが明らかにされた。
- 本研究で得られた結果は、今度○○のような発展に用いることができると考えられる。
- 本研究では○○という結果を得たが、さらに精度をあげるには××という調査方法も一考の価値がある。
- 本研究で用いた○○という手法は、××にも応用できるものと考える。
- ○○な結果を予想したが、××という結果になった。その理由としては△△が不足していた(精度が足りなかった)という点が挙げられる。
- ○○な結果を予想したが、その通りの結果を得ることができた。
- ○○な結果を得ることができたので、次に××についても同じ調査を行なう必要があると思われる。
良くない考察例文
- ○○な結果が得られるものと予想したが、得られなかった。次は頑張りたい。
- ○○な結果が得られ、嬉しかった(びっくりした・驚いた等の感想)
- 今回の結果を将来に生かしたい。
- もっと注意深く実験(調査)すべきであった。
考察の書き出し・結論の書き方
考察と結論の違い
「考察と結論って、どう違うのか」「どういう差異をつけて書けばいいのか」で悩む人も多いかと思います。そこで、「考察は何のために書くのか」について以下に挙げます。
考察は何のために書くのか
- どういう発想で結論を出すに至ったか、その流れをわかってもらうため。
- 最初に設定した仮説が立証されたのか、否定されたのかを論じるため。
- 自分の出した結論に反論された場合、それを否定する論拠を示すため。
- 自分の出した結論に、納得してもらえるような説得をするをするため。
結論では、はっきりと「研究の結果、こういうことがわかった」と書くわけですが、どうしてそういう考えに至ったかを説明して、納得してもらい、反論するために考察があるわけですね。
書き出しはどういう形が良いでしょうか
「書きづらい考察も、書き出せてしまえばスムーズにいくのになぁ」という方も少なくありませんので、考察の書き出し例を挙げてみます。
書き出し文例
- この章では、序章で述べた○○について、本研究で得られた結論について考察していく。
- 本研究では調査の結果、○○という結果を得た。このことから論じることが出来るのは~。
- 本研究では調査の結果、○○という結果ることを予想したが、結果は××というものであった。その理由について次のように考察したい。
- 本研究の結果、○○ということがわかったが、はっきりさせておくべき点がもう一つある。それは××である。
- 本研究では、○○ということがわかったが、それを解決した今、残る問題は××についてである。
- ○○ということを解決した後、残る問題は××である。それについて論じたい。
- ○○ということに関して、××の観点から論じたい。
- ○○を議論するのに、××の面からアプローチしたい。
結論はどう書けばよいでしょうか
最後に、結論の書き方についてまとめます。結論というのは、調べたり、研究したりした結果得られたものですので、簡潔にまとめて書きます。どうしてそういう結論に至ったのか、ということは「考察」で十分に述べたはずなので、繰り返しになりすぎないように、書き方を工夫しましょう。
結論の書き出し例文
- 手短に言うと、結論として○○ということが出来る。
- 以上が○○についての要点である。
- 今までの議論で、○○は××であることがわかった。
- ○○は××であることが明らかになった。
- ○○は××であると言ってもいいだろう。
- ○○は××であるとみなすことができる。
- ○○は××と結論すべきである。
- 本研究(調査)の結果、○○は××であるという結論に達した。
- 結論として言えることは、○○は××であるということである。
- 本研究(調査)の結果を総合的に判断すると、○○は××であると結論づけられる。
考察でしっかり論じることができれば、結論は短く簡潔なほうが印象に残ります。ダラダラとした文章を読むよりも、スパッと言われたほうが理解も早いという経験は、誰しもあるものです。もしもまだ言い残したことがあるのなら、それは考察に書くようにしましょう。
結論でも、考察と同じように、感想や質問、「今度はうまくいくように頑張りたい」というような漠然とした反省は書くべきではありません。うまくいかない結果に終わったとしたら、考察に「次は○○を××にしたらうまくいくと思われる」というように書くようにしましょう。
レポート・卒論での考察の書き方がわかっていただけたでしょうか
レポート・卒論を書くのにはかなり根気や集中力が必要ですね。でもなかなか集中できないのもよくあることです。そんな時は以下のページが参考になります。
集中力を高める方法10選!勉強効率を上げるトレーニングもご紹介!さまざまな例文や言い回しを交え、レポート・卒論での考察の書き方についてご紹介させていただきました。長い論文になればなるほど、集中力もとぎれがちになるとは思いますが、上の例文などを参考にして、うまくまとめられることを願っています。頑張っていいレポート・卒論をまとめましょう。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。