海苔を消化できるのは日本人だけ?外国人だと消化不良になる理由
更新:2021.05.18
海苔は日本人だけしか消化できないという噂をご存じですか?日本食に欠かせない食べ物である海苔ですが、外国の人は海苔を食べると消化不良を起こしてしまう可能性があるんです!今回は、この噂に関連する日本人しか持たない分解酵素を生み出す微生物の存在などをご説明します!
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INDEX
海苔ってそもそも何?
海苔は海藻の一種
日本人には非常になじみ深く、日本の食卓には無くてはならない存在である「海苔」ですが、そもそも海苔についてあまり詳しくご存じないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。あまりにも身近すぎる存在だと意識して接する機会も少ないですし、詳しい事を知らなくても当然ですよね。
海苔とはそもそも海藻の一種です。字の通り、「海の苔」と書くくらいですから、海に生息する苔や藻の一種であると言う事がお分かり頂けるかと思います。日本人は海藻をよく食べる民族だと言いますよね。実際「わかめ」などといった海藻は日本人にとって身近な存在です。
海苔には「シアノバクテリア」「緑藻」「紅藻」といった物質が含まれており、海苔一つにとっても様々な種類や分類分けがなされています。普段食べている海苔は食用として分類されていますが、海苔の中にも食べる事のできない種類もあるのです。
海苔は古くから日本では親しまれている食べ物であった
海苔は日本人にとって非常に身近な食べ物ですが、その歴史は古く701年の大宝律令にも「海苔」の事を指しているであろう記述がみられるほど、古くから日本人に親しまれてきた食材なのです。また日本が世界に誇る日本食の一つである「寿司」にも海苔は欠かせないアイテムですよね。
軍艦巻などに用いられますし、海藻の風味豊かな味わいがお寿司の美味しさを際立たせてくれます。海苔の歴史に関して申し上げると、古くは天然の海苔のみを採取するのが一般的でした。しかし、江戸時代にはすでに海苔の養殖技術が確立されており、江戸湾では海苔の製造が活発だったと言われているのです。
海苔は寿司に欠かすことのできないアイテムであるとご紹介しましたが、なかでも「手巻きずし」には海苔は必須アイテムですよね!以下の記事では、そんな手巻きずしのおすすめの具材だけでなく、定番のものや変わり種のレシピや材料についてもまとめてあるので、是非合わせてチェックしてみてくださいね!
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海苔は日本人しか消化できないと外国で発表されたのって本当?
海苔は日本人しか消化できないとフランスの研究チームが発表した
「海苔は日本人だけしか消化できないと外国で発表された」という噂を耳にしたことはありませんか?日本人にとっては古くから親しまれている海苔ですが、外国人にとってはあまりなじみ深い食材ではないと言われています。しかし、だからと言って日本人しか海苔を消化できないとは本当なのでしょうか。
この研究を発表したのはフランスの微生物学研究チームで、2010年に「海苔は日本人だけしか消化できない」と発表されました。人種は違えど同じ人間ですから、日本人だけ海苔を消化することができないという説には疑問を持たれる方が多いかもしれませんね。
確かに、日本における海苔の歴史は非常に古いですし、日本食においてはポピュラーな食材です。しかし、お隣の国である韓国には「韓国海苔」という特産物がありますし、日本人しか海苔を消化できないという話は信じがたいです。しかし、海苔は海苔でも「生海苔」が日本人にしか消化できない食べ物なのです。
外国では海苔を「Nori」と表現する
日本や韓国などでは料理に使われることも多くなじみ深い食材である海苔ですが、ヨーロッパや欧米などの国において海苔とはどのような存在の食材なのでしょうか。近年では日本食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど、世界中で日本食が注目されており、日本食を好む外国人が増えてきました。
そのため、海苔も必然的に外国人の口に入るようになっているのですが、外国では一般的に「海苔」を「Nori」とそのままローマ字読みで表現しています。海苔は日本でなじみ深い食材ですが、日本にしか生息していない食材ではありません。海藻の一種ですから世界中のあらゆるところに生息していることが考えられます。
それなのに、「海苔」の外国では日本語と同じように「Nori」と表現するのはなんだか違和感を感じますよね?これには外国と日本における「海苔」や「海藻」への考え方の違いが影響しているのです。
外国人にとって海藻の一種である海苔は本来嫌われる食べ物
「海苔」は海外でも「Nori」と表現されるとご紹介しましたが、海苔をはじめとする海藻を英語で表現すると「seaweed」(シーウィード)となります。この言葉を外国人に伝えると、非常に嫌な顔をされると言われているのですが、実は英語圏において「weed」という単語は嫌がられる植物に使う事が多いのです。
使い方は様々ですが、英語圏において「weed」(ウィード)というのはウイルスのような存在として扱われるのです。つまり英語で海藻を意味する「seaweed」にも使われていることから分かるように、海藻は外国では非常に嫌われる存在であり、外国の人は海藻を食べる文化があまりないのです。
最近では、日本食や寿司がアメリカをはじめとする世界中に広まったため、海苔をはじめとする海藻を食べられないという外国人の数も減ったようですが、あまり海外に詳しくない田舎の地方の外国人にとっては海藻や、海藻の一種である海苔という存在は、食べることが理解できない存在なのだそうですよ。
どうして海苔は日本人しか消化できない?
そもそも海苔は消化不良を起こしやすい食べ物
海苔を食べるのは日本独自の文化であるという事がお分かり頂けたかと思いますが、ではなぜ生海苔は日本人だけしか消化できない食べ物であると言われているのでしょうか?そもそも海苔というのは消化不良を起こしやすい食べ物だと言われています。加熱された海苔は問題ないのですが、生海苔は消化しにくいのです。
海苔の外側を形成している物質が、普通の消化液では消化できない物質になっており、生海苔は生きた海苔そのままの状態であるため、その物質が破壊されることがないのです。そのため、生海苔をそのまま口にいれてしまうと、その物質を体内で分解や消化することができなくなり、消化不良に陥るのです。
そもそも食べ物の消化には、腸の中に含まれている様々な菌が働いて消化活動を行っているのです。そのため、消化不良の時などは真っ先に腸内環境の改善が重要視されるのです。この腸内の微生物には実に様々な種類の微生物があり、人種によってはその微生物が少なかったり、無かったりするのです。
海苔を分解してくれる腸内酵素を生み出す微生物は日本人だけしか持たない
食べ物を消化するには腸の中に生息している菌や微生物の働きが重要であるとご紹介しましたが、生の海苔を分解してくれる腸内の微生物というのは日本人しか持っていないと言われています。この微生物は、日本人の腸内にのみ生息し、生海苔の細胞壁を分解するための腸内酵素を生み出す働きがあるのです。
つまり日本人しか生海苔を消化できないということは、この生海苔の外側を構成している物質を分解してくれる腸内酵素を生み出す微生物は日本人しか持っておらず、外国の人はこの微生物を体内に持っていないということなのです。同じ人間であるにも関わらず、人種によって違うとは興味深いですよね。
日本人しか、生海苔の外側の細胞壁を分解する働きを生み出す微生物を持っていないという事は、日本人はもっておらず、外国人は持っている微生物や腸内細菌も存在する可能性があるということです。ではなぜ人種によってこのような違いが生まれてくるのでしょうか?
日本人だけは古くから海苔を食べ続けているため分解できる
人種によって、持っている腸内細菌や微生物に違いがあるというのは、その人種の「食」にまつわる歴史にルーツとヒントがあります。日本では大昔から海苔を食べるという文化がありました。古くから海苔を食べている日本人のDNAには海苔を分解するための遺伝子が自ずと組み込まれているのです。
これも人間の進化の過程の一つと言ってもいいかもしれませんが、実際に日本人が古くから海苔を食べていた事によって、海洋性バクテリアを体内に取り込むようになり、生の海苔でも消化できるような遺伝子が日本人には勝手に組み込まれるようになったのです。
今では、日本食や寿司が世界に広まった事によって、外国人でも海苔を食べることにあまり抵抗を持たないようになってきていますから、もしかすると何百年後には日本人だけでなく、全ての人間が生海苔を食べても消化することができる微生物を腸内に持つように進化していくのかもしれませんね!
日本人以外の外国の人が海苔を消化できないと言うけど食べても平気なの?
日本人以外の外国人が海苔を食べても問題はない
「海苔は日本人しか消化できない」と2010年にフランスの研究チームが発表しましたが、それでは海苔は外国の人は食べてはいけないのでしょうか?確かに生海苔の外側を構成している物質を体内にいれた場合、日本人しか持っていない微生物がないと分解することができないというのは事実です。
しかし、現在では日本食が世界中でブームになっていますし、日本食の代表格でもある寿司には特に海苔の存在が必要不可欠になってきます。そのため、実際は日本人以外の外国人が海苔を食べたとしても問題はないのです。
日本食の代名詞でもあり、海苔が重要アイテムとなる寿司ですが、そんな寿司屋には「回転ずし」という庶民的な寿司が一般的かもしれません。しかし回らない寿司屋というのも存在しますよね。回らない寿司屋にはマナーや決まりが存在するのですが、それに関して以下の記事でまとめてあるのでチェックしてみてください!
加熱処理してある海苔ならば外国人でも消化できる
生の海苔は日本人しか持っていない微生物でないと分解する事ができないため、外国人は生の海苔を食べると消化不良を起こしてしまうという説ですが、これは「生」の海苔に限ったことであるため、加熱処理してある海苔であれば、外国の人が食べたとしても消化不良は起こさず問題ありません。
この日本人だけしか持っていない微生物が生みだす腸内酵素によって分解される海苔の細胞ですが、これは加熱処理すると細胞が熱によって破壊されます。そのため焼き海苔などといった加熱加工された海苔は外国人でも問題なく食べる事ができるのです。
「海苔」というと、イメージされるのは焼き海苔であることが多いかと思います。実際に寿司などに使われている海苔は全て焼き海苔ですし、韓国海苔も焼き海苔を加工した食べ物ですよね。生の海苔を食べる人や、機会というのはなかなか無いほど、焼き海苔が定着しているかと思います。
生の海苔は日本人だけしか消化できない
日本人であっても「海苔」は「焼き海苔」というイメージがありますが、焼き海苔は加熱加工された加工品であるため、生の海苔とは味や風味にも大分差がありますし、見た目も全く違います。そもそも海苔は海藻の一種ですから、生の海苔というのがふにゃふにゃとした見た目が特徴的です。
ただ、新鮮な海苔が採れる地方では、生の海苔を日常的に食べる事が多いですし、生海苔を好きと言う方も多いのではないでしょうか。そんな生海苔ですが、これは日本人しか消化することができず、外国人が食べると加熱処理がされていないため、消化不良を起こしてしまいます。
日本人しか持っていない微生物というのは、生の海苔の外側を構成している細胞を分解する腸内酵素を生み出すという微生物です。そのため加熱処理をしていない生の海苔であっても日本人は分解・消化する事ができるのです。加熱処理された焼き海苔などはこの細胞が熱によって破壊されているので外国人でも大丈夫なのです。
日本食になくてはならない海苔の魅力を知ろう!
いかがでしたか?日本人にとって「海苔」というのは非常に身近な存在ですよね。どこの家庭にも必ず海苔は置いてあるでしょうし、海苔は日本食にとっては欠かせないアイテムです。実際に、日本ではかなり古い時代から海苔を食べていた歴史がありますから、日本人にとって海苔は当たり前の食べ物です。
しかし、海苔や海藻を食べない文化のある外国人は、生の海苔の外側を構成している細胞を消化するための微生物が、体内に備わっていません。この微生物は日本人しかもっておらず、それは古くから日本人が海苔を食べていた事が理由なのです。
加熱処理してある海苔であれば外国人でも消化不良を起こすことなく食べられますし、日本食の重要なアイテムである海苔の文化をしっかり守っていきたいですよね!
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