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クロッキーの描き方のコツは?人物のスケッチの画力が上がる練習方法は?

更新:2019.06.21

クロッキーって聞くとスケッチブックの名前かと思ってしまいますよね。クロッキーは物などの動きを端的に捉えて描いた絵のことで、じっくり描くのが苦手な人にもオススメです。今回はクロッキーの描き方のコツや人物スケッチの練習のやり方について詳しく説明しますので楽しみにしてくださいね。

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クロッキーとは?

クロッキーとは短時間で描いたスケッチ

クロッキーとは短時間で描かれたスケッチです。通常鉛筆や木炭など単色で描かれます。こう言われても「そもそもスケッチとは何?」と用語がよく分かりませんよね。そういう方のためにまずは用語の説明から始めましょう。

様々な下絵や練習画の技法と説明

技法 説明 精密さ
クロッキー 人物や物の動きを端的に捉えた下絵。余計な物をそぎ落として輪郭だけを描くことが多いです。日本語では速写と訳されます。 粗い
スケッチ 対象物の陰影やその周辺まで描き、絵画の下絵として描かれることが多いです。日本語では写生と訳されます。
デッサン 対象物の立体感や質感まで表現した技法。日本語では素描と表現されます。 精密

美術の授業ではスケッチ(写生)は風景を描き、デッサンは彫刻などを見ながら描くことが多いですね。どれも下絵として使われることがほとんどなので人が描いたものはあまり見たことがないかもしれません。もっと細かく描いた鉛筆画のやり方に鉛筆精密描写というものもあり、美大の受験の時に課題とされたりします。

動きを捉えるにはクロッキーが最適

実際に素早く動くものに対していきなりスケッチや鉛筆デッサンをしようとすると、鉛筆でサイズを測る前に形が変わってしまうので難しいです。そんなときクロッキーで「感覚的に」「素早く」絵を描く練習をすることで、瞬間的な動きを捉える力が身につきます。

またクロッキーは1枚だけ描くというよりも、連続して何枚も描くことでカメラの連写のように動きを写し取っていきます。傍目には落書きのように何を描いているのか分からない場合もありますが、本人が分かれば大丈夫です。多い人は1回でスケッチブック1冊使ったりします。

画力が上がるクロッキーの描き方のコツは?

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ①消しゴムは使わない

画力の上がるクロッキーの描き方のコツの1つめは、消しゴムは使わないことです。上手く描けないとすぐ消しゴムを使って描き直そうとしてしまいますが、クロッキーでは描き直しているうちに動きが変わってしまいますので、あえて消しゴムは使いません。


変な線を描いてしまった場合でもそのまま描き続けるか、気になる場合は次の紙に変えましょう。そうやっていくとあっという間にスケッチブックがなくなりますので、コスパを抑えたい方には100均のスケッチブックがオススメです。下記の関連記事ではクロッキーにおすすめな100均のスケッチブックを紹介していますよ。

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ②大まかな輪郭を捉える

画力の上がるクロッキーの描き方のコツの2つめは、大まかな輪郭を捉えることです。部分よりも全体を捉えるようにしましょう。例えば人物を描くとき、頭から描いて鼻や目を描くというような細部を描いていたら、もう体は次の動きになってしまっていますよね。

ですので描くときは一気に、体全体を1本の線のようにザックリと描いていきます。外側の輪郭が出来てから徐々に細部に移ります。中には輪郭だけの人もいるくらい、大切なのは「動き」を捉えることなのです。

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ③対象物を見る時間を長くする

画力の上がるクロッキーの描き方のコツの3つめは、対象物を見る時間を長くすることです。絵を描くことに必死になるあまり、スケッチブックにばかり目をやりがちですが、大切なのは動きを捉えることですので、スケッチブックに目をやる時間よりも対象物を見る時間を長く取りましょう。

とは言っても最初はなかなか難しいと思いますので、コツはスケッチブックを縦に持ち、目線の先に対象物とスケッチブックの両方が見えるようにすることです。これで首を動かさなくても目線だけで両方を見ることができ、対象物を見ながら絵を描くこともできます。

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ④描きたいものだけに絞る

画力の上がるクロッキーの描き方のコツの4つめは、描きたいものだけに絞ることです。例えば対象となる人物の着ている服が素敵だとか、描きたいと思った理由ってありますよね。その場合は重点的に描きたい部分を主体に描いていきます。


体はザクッとした輪郭のままで、スカートのヒラヒラ感とか服の柄とか、心に留めておきたい物をメインに描くことで写真にはないクロッキーの良さが出てきます。クロッキーはメモのように後で自分が分かるように描けばいいのです。その瞬間の気持ちや閃きなど自分の描きたいものを分かりやすく表現しましょう。

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ⑤紙とペンを持ち歩く

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ5つめは、紙とペンを持ち歩くことです。クロッキーは紙とペンさえあればどこででも短時間で出来るので、いつでも気が向いたときにやりやすいです。紙とペンを普段から持ち歩く癖をつけておき、いろんな場所でいろんなものを描いてみましょう。

紙はメモ帳のような小さなものだと本当にメモのようになってしまい、動きの迫力がなくなってしまいますので、最低A4くらいのサイズで紙いっぱいに大きく描いていきましょう。

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ⑥とにかく手を動かす

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ6つめは、とにかく手を動かすことです。「上手く描けなかった」や「どうやったらいいか分からない」など初めはモヤモヤしてくるかもしれませんが、そういうことは一切忘れて心を無心にして描きましょう。

とにかく見たままに雰囲気を紙に写し取るように無心で手を動かしていけば、そのうち自分なりにコツがつかめてくるはずです。頭で描こうとせずに感覚的に描けるようになることが大切です。

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ⑦制限時間を設ける

画力が上がるクロッキーの描き方のコツ7つめは、制限時間を設けることです。制限時間がないと同じ絵を描き続けてクロッキーなのかスケッチなのか分からないような絵になってしまいますので、描くスピードを上げるために必要です。

大体30秒で1枚くらいの割合で制限時間を設けるといいでしょう。ただしそれだとほとんどなにも描けてないような場合はもっと長い時間から始めて、徐々に短くしていけば大丈夫です。制限時間があると緊張感も出てきますし、止まっている物でも瞬間的に形を捉える力が身につきますよ。


人物のスケッチの画力が上がる効果的な練習方法は?

人物のスケッチの画力が上がる効果的な練習方法①街へ出る

人物のスケッチの画力が上がる効果的な練習方法の1つめは、街へ出ることです。街にはスケッチのモデルになるような人物で溢れています。公園やカフェなど人の多いところは、ちょっと座ってスケッチするのには最適です。

誰かにモデルになってもらって描くのもいいですが、モデルを意識していない人たちをモデルにすることで自然な動きの絵になりますのでおすすめです。

人物のスケッチの画力が上がる効果的な練習方法②人間観察を日課にする

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#銚子#双眼鏡#兄弟#新日本フィル#吉鶴

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人物のスケッチの画力が上がる効果的な練習方法の2つめは、人間観察を日課にすることです。人物がどういう動きをするのか目に焼き付けることでデッサンのスピードも速くなります。もちろんただ見ているだけでなく、デッサンもやりましょう。

いろんな人物や物をデッサンすることによって、それをつなぎ合わせてスケッチをするときにイメージを掴みやすくなります。また人物をよく知ることによって、魅力的なポーズや動きも分かってきますのでおすすめです。

人物のスケッチの画力が上がる効果的な練習方法③いろんな画材で描いてみる

人物のスケッチの画力が上がる効果的な練習方法の3つめは、いろんな画材で描いてみることです。クロッキーもスケッチも鉛筆とは限りません。筆ペンや木炭、中には着彩されたものもあります。対象となる人物を表現するにはどんな画材を使うのがいいのか、自分で研究してみるといいですよ。

下記の関連記事はカリグラフィーでも使われているおすすめのペンを紹介した記事です。どうせなら描きやすいペンを使った方がストレスなく絵がかけますので、ぜひこちらも試してみてください。

クロッキーのやり方について学べるおすすめの書籍は?

クロッキーのやり方について学べるおすすめの書籍①人体クロッキー

クロッキーのやり方について学べるおすすめの書籍の1つめは、「人体クロッキー」です。こちらは初めて人物を描く方や独学で描こうとしている人におすすめです。人体の仕組みを解剖学レベルから写真を多く使って説明してありますので、字を読むのが苦手な人にも読みやすい1冊です。

クロッキーのやり方について学べる書籍②スカルプターのための美術解剖学

クロッキーのやり方について学べるおすすめの書籍の2つめは、「スカルプターのための美術解剖学」です。こちらは少々高価ですが、絵を描く人向けに分かりやすく、人体の仕組みについてイラストで解説してあります。難しい内容が多い解剖学について絵や写真が多いので、読みやすく分かりやすいです。

クロッキーのやり方について学べる書籍③アニメーション・イラスト入門

クロッキーのやり方について学べるおすすめの書籍の3つめは、「アニメーション・イラスト入門」です。この本はウォルト・ディズニーのアニメ制作をしていた著者がキャラクターの動きの付け方などを描いた本です。

実際の人物よりもかなりデフォルメされていますが、その自由な動きや表情などは見ていて飽きません。ディズニー好きやクロッキーで人物画上達の目的がアニメやイラストを描くという方には特におすすめです。

クロッキーで基礎画力をアップさせよう

さて今回はクロッキーの描き方のコツや人物のスケッチの画力が上がる練習のやり方についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?絵はすぐに上達するものではありませんが、毎日クロッキーを続けることで基礎画力が必ずアップしますので、ぜひ頑張ってくださいね!

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