法事での黄色の水引の使い方は?のし袋/不祝儀袋/香典袋/黄のし/封筒
更新:2019.06.21
法事で使うのし袋や不祝儀袋、香典袋の水引は一般的に黒と白が多いですが、黄色の水引、いわゆる黄のしがあるのをごぞんじですか?黄色の水引はどのような場面で使うのか見たこともない人も多いと思います。そこで黄色の水引をどこで使うのか、使う場面やルールについて見ていきたいと思います。
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黄色の水引を使う地域とは?
黄色の水引は主に関西地方で使われている
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黄色い水引は主に関西地方で使われる場合が多くなっています。黄色の水引は法事で使用されます。法事とはお葬式が終わってから個人をしのんで一年に一回、3年に一回と定期的に親類などが集まって法要を行うことです。その時に黄色と白の水引が使われます。
黄色の水引は黄のしとも言われ香典袋や不祝儀袋に使われる
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法事にはお布施としてお金を入れる袋が使われますが、のし袋、不祝儀袋や香典袋とも呼ばれます。黄色の水引は黄のしともいわれます。特に京都府を中心に北陸や山陰などで使われることが多くなっています。
水引の起源は飛鳥時代までさかのぼる
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水引の起源は飛鳥時代にまでさかのぼります。その当時は日本から隋に遣唐使が盛んに送られていた時代でした。隋への貢物には献上品であることを示す紅と白に染めた麻の紐がかけられていました。その紅と白の麻の紐が、贈り物や特別な時に使うのしとして現在では形を変えて使われているといわれています。
また別のエピソードもあります。室町時代、日本は明という今の中国と貿易をしていました。明からの輸入品には赤と白の紐がかけられていましたがそれは本来、明の人たちが輸入品とその他の品物を見分ける目印だったそうです。
この紅白の麻ひもは当時高級な染料を使用していたため、日本人たちはこの紅白の紐は贈答品に対しての文化だと勘違いしたようです。それ以降日本では赤と白に染め分けた紐を贈答品に用いて現在でも特別な時にのし袋や不祝儀袋に使用するようになりました。
水引が黄色になったいわれは冠婚葬祭の格式と染色技術に関係がある
水引が黄色になったのはこんないわれがあります。昔の日本では冠婚葬祭にも格式があると考えられていました。冠婚葬祭の中で最も格式が高いと考えられているのは婚礼で、弔事が一番低いと考えられていたのです。当時の染色技術で色出しの難度が高いのが金色で、よって金色が婚礼で使う最高級の色になったのです。
金色に続いて銀色、紫、赤、藍色そして緑から黄色、最後に黒が来ます。黒は染色の難易度が一番低く、よって格式が低く忌みにつながるとされ、お葬式などの弔事に使われるようになったそうです。
黄色の水引の色は神聖で特別な色でもある
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黄色の水引の発祥は京都といわれていますが、当時の京都では皇室への献上品は専用の水引があり、高級な赤の染料で染めていましたが、見た目が濃い松葉色(濃い緑色)で黒白の水引と見間違えやすいものでした。そこでお葬式で見分けがつきやすいように黄色の水引も使用するようになったといわれています。
もともと仏教では黄色は極楽浄土をあらわす神聖な色だともいわれています。また神道でも黄泉の国はなくなった人の行く場所だとされていますが、その黄泉の国をあらわす色が黄色だともされています。黄色は古来から特別な意味があるようです。
黄色の水引に合わせて新盆、初盆参りのマナーについても併せて見ておきましょう。どんな服装をすればいいのか迷うことも多いお盆ですが、下の記事を読めばもう心配いりません!
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黄色の水引を使う場面とルール8選
黄色の水引を使う場面①四十九日後の法事で使う
黄色の水引を使う場面の1つ目は四十九日後の法事です。法事の際のお布施としてお金を入れる際に、黄色の水引を使った香典袋に入れます。黄色の水引は葬儀の際には使われず、四十九日後の法要で始めて使われます。葬儀やお通夜では関西地方でも黒と白、または黒と銀の水引を使う場合が多いようです。
黄色の水引を使う場面②僧侶のお車代やお供物料も封筒ではなく黄のしを使う
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黄色の水引を使う場面の2番目は、僧侶へのお車代やお供え料として使う場合です。僧侶へのお車代は僧侶の交通費です。お供え料というのは法事に来た人たちが、施主にお供え物のお金として渡すことです。その際にお金は封筒などではなく、関西地方では香典袋に黄のしを使います。
法事では仏壇にお供えする品物を持ちよりますが、お供え物に具体的なルールはありません。個人が好きだったお菓子や日持ちのする食べ物などが一般的です。地域や家庭によっては仏壇へのお供え物は食べ物ではなく、お金をお供えするというところもあります。その際に使うのし袋や不祝儀袋・香典袋に黄のしを使います。
黄色の水引を使う場面③戒名を書いていただいた時
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黄色の水引を使う場面の3番目は、戒名を書いていただいた時があります。戒名というのは本来仏の弟子になったことをあらわすことで、仏教徒の慣習の一つです。本来は出家して仏門に入り、戒律を受け入れた弟子たちに与えられる名前です。クリスチャンの人たちでも、キリスト教に入る時に名前をもらいますね。
戒名は現在では出家しなくも、故人をたたえ浄土に往生するためにお寺の住職から名前を授けてもらうのが一般的になっています。名前をいただいた時に戒名を授けていただいたお礼として戒名料を払いますが、その時に香典袋や不祝儀袋、黄のしを使います。
黄色の水引を使う時のルール①水引の結び方は結びきりを使う
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黄色の水引を使う時のルールの1番目は、水引の結び方は結びきりを使うということです。のしの結び方には種類がありますが結婚式などの水引には蝶結び、または花結びなどといわれる結び方を使います。この結び方は何度でも結びなおすことができるので、何度あっても嬉しい出来事に使います。
逆にお葬式などの弔事は何度もあってほしくないということから結びきりを使います。結びきりは一度結ぶと再びほどくことが困難で、何度も簡単に結びなおすことができません。一度で終わる、繰り返さないように、という意味があります。弔事は何度もあってほしくないので、一度で終わるという願いが込められています。
黄色の水引を使う時のルール②表書きは「ご霊前」や「ご仏前」にする
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黄色の水引を使う時のルールの2番目は表書きは「ご霊前」や「ご仏前」にするということです。のし袋や不祝儀袋、香典袋の表は書く言葉が決まっていますので、忘れないように記入するようにしましょう。その際ボールペンなどではなく筆を使って書きます。手軽な筆ペンを利用すると良いでしょう。
表書きは水引の上、中央に記入するようにします。「ご霊前」は宗教を問わずほとんどの宗教に使うことができますが、浄土真宗では「ご仏前」にします。その他には「御香儀」「御香料」「御供」なども使うことができます。神道では「御玉串料」、キリスト教では「御花料」などと書いても良いでしょう。
黄色の水引を使う時のルール③のしの中の金額を書くときは漢字を使う
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黄色の水引を使う時のルールの3番目です。のしの中に入っているお金の金額を記入するときは漢字を使って表記します。一は壱、二は弐、三は参というように普段使っている漢数字とは異なるので注意しましょう。これは数字の改ざんを防ぐ目的からこのような漢字を使うのですが、最近はアラビア数字も使われています。
黄色の水引を使う時のルール④お布施を入れるときは表向きで入れる
黄色の水引を使う時のルールの4番目です。のしの中にお布施を入れるときは表向きで入れるということです。お布施というのはお金のことで、お通夜や葬儀、法事で使いますが、意外なことにお金をのしに入れる場合は「慶事」のやり方で入れます。お通夜や葬儀は弔い事なので弔事のやり方で入れないように注意します。
「慶事」のやり方はお金の表側(顔が描いてある法)をのしの表側に来るように揃えて入れます。その他のお車代やお供物代、戒名代もすべて同じやり方です。どうして弔事のやり方ではないのかというとお寺にとっての不幸があったわけではないので、お寺の住職に渡す場合は普通の「慶事」のやり方にします。
中のお布施に使うお金は新札を用意しておきましょう。新札が用意できないときはなるべく綺麗な状態のお金を使うのがマナーです。ただし、お通夜や葬儀の時のお布施の際に、必ずしも新札を用意できるとは限りません。その場合はなるべく綺麗なお札をお渡しするようにすればよいでしょう。
黄色の水引を使う時のルール⑤のし袋の裏側には住所・氏名を書く
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黄色の水引を使う時のルールの5番目です。のし袋の裏側には住所・氏名を書くということです。ご不祝儀袋や香典袋に大抵は内袋が付いています。その内袋の後ろ側に名前と住所を記入するようにします。ご不祝儀袋に内袋が付いていない場合もありますが、その時は袋の内側に住所・氏名・金額を記入します。
関東地方の法事の水引は?
関東地方では法事の水引は黒・白が使われている
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黄色の水引は主に京都を中心とした関西地方で使われていますが、それでは関東地方では使われているのでしょうか?関東地方では法事などの弔事に使うのし袋に黒・白の水引が使われています。黒白、または黒と銀、または双銀です。
黄色の水引は日本古来の風習が残る地域が多い
黄色の水引の黄のしは日本全国どこに行っても使われているというものではありません。日本古来の習慣が色濃く残る京都などの地域は別として、黄色の水引を使う習慣は関東から北の地域では薄れてしまったのかもしれませんね。
黄色の水引は日本人の優しさの表れでもある
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黄色の水引は主に法事で使用され、その由来も諸説ありますが、最後にもう一つのいわれもご紹介しましょう。弔事は本来悲しいもので、一般的には黒と白で弔事を表します。この黒と白を使うとあまりに悲しみが強いので、それを和らげるために法事での水引には黄色と白の黄のしを使うようになったということです。
昔から黒は弔事で最高位の色になります。その一歩手前の色が黄色なので悲しみの心を鎮めるために使うようになったともいわれています。人を思いやる優しさが、黄色を水引の色に選ばせたということでしょうか。日本人の人を思いやる優しさが溢れている気がしますね。
マナーについてもっと詳しく知りたい方は次の記事もチェックしてみてください。お見舞金の袋の正しいマナーについて書かれています。包み方や渡すときのポイントも抑えてありますので、これを読んでおけば万全です。
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