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神主の服装は何種類?浄衣の着方&女性神職の衣装や宮司のなり方も

更新:2021.04.16

神主さんの服装がどのようなものがあるのか気になりますよね。今回は、神職の仕事や衣装の種類をご紹介いたします。烏帽子、袴や浄衣の着方、女性の神主さんの衣服などです。他にも神主さんと宮司さんの違いなどを簡単にご紹介いたします。

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男性の神主の服装の種類は?

男性神職の服装|大祭のときに着られる正服

男性神主の大祭のときに着られる服装は衣冠単衣といわれます。これは平安時代の文官が来ていた服装が簡略化されたものだといわれています。男性の神主は冠、単衣、袍、笏、奴袴、浅沓を着用します。正服では、身分によって冠、袍、袴は色や紋が身分によって変わります。下の表を参考にしてください。

身分による変化

特級 文小菱繁文 色・黒 紋・輪無唐草 色・白固織 紋・文藤の丸
一級 文小菱繁文 色・黒 紋・輪無唐草 色・紫固織 紋・文藤の丸
二級上 文小菱繁文 色・赤 紋・輪無唐草 色・紫固織 紋・文藤の丸共緯
二級 文小菱繁文 色・赤 紋・輪無唐草 色・紫平絹 紋・無し
三・四級 遠文 色・青緑 紋・無し 色・浅黄平絹 紋・無し

男性神職の服装|中祭のときに着られる斎服

男性神主が中祭のときに着られる服装は斎服といわれます。こちらは大祭のときに着用する正服とは違い、身分関係なく白地に無地のものを着用します。着用する衣服の種類は、正服と同じものです。そのため、全身が真っ白だった場合は中祭だと考えることができます。

男性神職の服装|小祭・その他儀式で着られる狩衣・浄衣

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#神主#神社#奉納#祭事

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男性神主が小祭やその他儀式で着るのは狩衣と浄衣です。狩衣は日常的にも着られるもので、冠の代わりに烏帽子、狩衣、笏、差袴、浅沓を着用します。狩衣を着る場合は下に単衣は着なくてもよいとされています。また、狩衣には色の指定もありませんが袴に関しては神職の身分に応じた色や紋を選んで着用しなければいけません。

もう一つの浄衣は神事専用の服装です。パッと見は純白の狩衣のように見えますが、狩衣は必ず紋が入っているのに対し、浄衣は紋を入れてはいけないことになっています。また、袴は斎服のときと同じように身分関係なく白の紋無しで統一して穿くことになっています。一見同じ白色の斎服と間違えやすいので気をつけてください。

女性の神主の服装の種類は?

女性神職の服装|大祭のときに着られる正服


女性も男性の神主と同じく三つの服装に分けることができます。女性の神主が大祭のときに着られる正服は、髪上具・唐衣・表衣・単衣・切袴・扇・帖紙・浅沓を着用します。

こちらも男性の神主と切袴の色によって階級を見分けることができます。また、女性の場合は唐衣や表衣には色の指定がないため、自由な色を組み合わせることができます。

女性神職の服装|中祭のときに着られる斎服

女性の神主が中祭のときに着られる服装は、大祭のときに着られる正服と同じものを着用します。これは、男性女性共に変わりありません。こちらは階級に関係なく白地の生地に模様が入っていないものを着用します。女性、男性にかかわらず神主の全員が白い装束だったのならば、中祭だと思っていただくとあっています。

女性神職の服装|小祭・その他儀式で着られる常服・浄衣

女性の神主が小祭、その他の儀式で着られるのは常服と浄衣です。着用するものは額当・表衣・単衣・切袴・扇・浅沓です。常服は表衣と切袴は身分に応じた色のものを着用します。浄衣は斎服と同じく白地で模様が入っていないものを身につけます。

是非神社に参拝する際には、神主さんの衣装も気にしてみてはいかがでしょうか。また、神社へお参りするときやお礼参りするときには、下記のサイトを参考にして正しいお参りの仕方を参考にしてみてください。

神主の服装の一つである浄衣の着方は?

神主の衣装|浄衣・狩衣の着方


浄衣の着方は、狩衣と同じように着用することができます。どちらか一方が着用できるようになれば、自然と両方着用することができます。一回ではなかなかうまく着ることはできないと思いますので、日々の練習が大切です。

浄衣・狩衣の着方

  1. まず初めに、あらかじめ小袖を着用して帯を結び。足袋を穿いておきます。
  2. この時烏帽子も着用できるようであれば着用しておきます。
  3. 差袴を穿きます。前紐を帯び上に当てて後ろに回します。
  4. 紐を後ろで交差して前へ持ってきます。前でも紐を交差します。
  5. 交差した紐を内側に折り返します。後ろ側で蝶結びます。
  6. 後ろ紐をとって、前で交差し片側の紐を、前紐が交差している部分の下からくぐらせて、前で蝶結びします。
  7. 浄衣(狩衣)を広げて持ちます。
  8. 首紙といわれる部分を広げて首に回して蜻蛉といわれるボタンのようなところに留めます。
  9. 浄衣(狩衣)の上前と下前の中央の縫い目部分を合わせて持ち上げて、ずれないように袴の中に入れます。
  10. 腰帯を持ち、後から腰の上に当てて両端を前へまわします。真ん中で蝶結びをします。
  11. 袴に入れた部分を引っ張り出して、繰り上げた部分を両手で下げて形を整えます。
  12. 袖は右から通してから、左を通します。
  13. 袖をとり流します。笏を持ったら完成です。

神主の装束である袴や烏帽子などの各名称

神主の男性・女性別の服装や浄衣の着方をご紹介いたしましたが、服装を紹介する中で見慣れない言葉があったと思います。その服装の名称や意味などを知っておくと、今後とても楽になります。

神職の服装の名称

  • 冠(かんむり)雛人形のお内裏様が被っているもの。
  • 単衣(ひとえ)裏地のない着物。本来は肌着だったが中着に変化した。
  • 袍(ほう)衣冠束帯のときに着られる上着のこと。
  • 笏(しゃく)お内裏様が持っている細長い薄い板。
  • 奴袴(ぬばかま)指貫(さしぬき)の袴の略語。
  • 浅沓(あさぐつ)桐の木を彫って作られた木の靴。
  • 烏帽子(えぼし)冠を簡略化したもの。上に長い。
  • 狩衣(かりぎぬ)平安時代の普段着。略服されたもの。
  • 差袴(さしこ)別名巫女袴。指貫の裾を切った袴。
  • 髪上具(かみあげぐ)女性の髪の毛をまとめるもの。
  • 唐衣(からぎぬ)平安時代の女性用礼服。十二単の一番上に着るもの。
  • 表衣(うえのきぬ/ひょうい)一番上に着る上着。
  • 切袴(きりばかま)歩きやすく作られたもの。
  • 扇(おうぎ)儀礼・芸能で使われるもの。
  • 帖紙(たとうがみ)懐に入れておく紙。
  • 額当(ぬかあて)薄絹でできた額当。

宮司(神主)のなり方は?

神主になるには資格が必要

神主になるためには資格を取る必要があります。取得する方法としては、大学の神道科(4年制)、神社にある神職養成所(2年制)、神職要請通信教育を修了する(2年制)の三つの方法があります。神道科がある大学は、現在は2校のみ取得することができます。

大学は、一般の方も受験できますが神職養成所は神社本庁からの推薦状が必要です。推薦状は宮司さんの知り合いを作りお願いをして書いてもらいましょう。また、通信教育は、急に神職として働くことになったなど急を要する人が対象です。また、こちらも神社本庁の推薦が必要です。

神主になるための就職活動


資格を取得したのならば、次に就職活動です。神社会に就職することを奉職と呼びます。神職の求人は一般的には公にはされていません。大学や学校側に直接求人が来ます。その後は、一般的な就職と同じく各神社で面接試験を受けて就職します。

一般企業とは違い、併願はできません。一つ受けたらそこの合否ができるまでは、ほかの神社を受けることはできません。奉職をするときに、自分と相性がいい神社を基準にするのも一つの選び方です。下記のサイトで、自分と相性のいい神社を見つけてみてはいかがでしょうか。

神主の仕事内容や給料

神主の主な仕事内容

神主になった場合の仕事内容は、神と人をつなぐことが主です。そのために、神様をお祭します。このお祭をするときは、歩き方や動作の角度まで細かく決められており、細心の注意を払って神様に、私たちのお願い事を丁寧に伝えてくれます。そのほかにも、日常的に行われている掃除や朝拝・夕拝などもあります。

掃除をして境内を綺麗にすることによって穢れを取り除く意味があります。朝拝・夕拝は、お祭している神様に祝詞を唱えることをいます。毎日欠かさず行われるものです。私たちが神主と最もかかわりがあるときは、授与所や社務所でのやり取りだと思われます。授与所や社務所での仕事も神主の仕事です。

また、神社では人前で文字を書いたり、筆を使って字を書いたりする機会が多く存在しています。面接の一部などで、字のきれいさを見る神社も存在しています。いざ、御朱印を書くときになって、字がかっこよくないと参拝者はがっかりしてしまいます。下記のサイトなどをみて、綺麗な字を書けるように練習しておきましょう。

宮司や権禰宜など神主の役職

皆さんが神主さんといっているのは、実は役職ではなく神職の俗称として扱われています。簡単に言うと漁業関係者に魚屋さんといっているようなことです。そんな神主の中にも役職があります。役職は「職階」といわれます。上から宮司・権宮司(ごんぐうじ)・禰宜(ねぎ)・権禰宜(ごんねぎ)・出仕です。

このほかにも「身分」といわれる階級や「階位」といわれるものがあります。身分の見分け方は正服でご紹介いたしました。階位は上の役職になるために必要な資格のようなものです。上の役職になりたければ、資格を必ず取る必要があります。それは、どんな場合でも変わりはありません。

神主の階位

  • 浄階 最高位、長年神道に貢献した人に与えられる名誉階。
  • 明階 別表神社の宮司・権宮司になるために必要な階位。
  • 正階 県社の宮司、別表神社の禰宜になるために必要な階位。
  • 権正階 村社や郷社の宮司に必要な階位。
  • 直階 権禰宜に必要な基礎的な階位。
  • 別表神社(べっぴょうじんじゃ)とは神社本庁が定めた規模の大きい神社。平安神宮や明治神宮など

神主の給料

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所持金 #金 #給料

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神主になった場合の給料は大体月収20万から40万前後だといわれています。この給料は、参拝者の祈禱料から賄われています。一般企業と同じく全体の総収入から、神社の維持費や必要経費が差し引かれます。そして残りを階級に準じて神主に分配されます。そこは、通常の企業と同じように考えて大丈夫です。

神主の給料の条件は一般企業とは違い決められています。どれだけ収益が上がっている神社であっても上限は月60万とされています。ただし、この上限いっぱいまでもらっている人は少ないといわれます。一般的には、通常企業の新入社員ぐらいの金額が相場だと思えば、大丈夫だと思われます。

神主の労働時間

神主の労働時間は神社によって違いがあります。大きな神社などは、その分神主が多くいます。そのため、通常の企業のように時間によって働くことが決められていたりします。一方で家族経営などの神社の場合は、勤務時間があやふやな場合があります。休日に関しても、急な祝詞などが入ってしまえば潰れてしまうこともあります

神主の仕事は、ほぼ一日拘束されると思った方が心持が楽になると思われます。一般企業とは違い、神様に使える仕事なので、心身ともに使えられるかたが神主には向いていると思われます。

神主さんの服装や仕事を知って神職を目指そう!

いかがでしたでしょうか。神職には祭の種類によって、服装も変わります。神職を目指すのならば、覚えておくといいでしょう。また、神職を目指していない方でも神主さんの役職の見分け方を覚えておくと、神社に行った時の楽しみが増えると思います。是非、正しい参拝のやり方を覚えてお参りに行ってみてください。

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