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グラスリッツェンのやり方5選|ガラスに絵を削るグラス加工のコツも

更新:2019.06.21

ガラスに美しい彫刻を施すグラスリッツェンが人気です。グラス加工した作品をSNSで公開している方もいて、「自分も挑戦してみたい」という人も増えています。 ガラスに絵や模様を入れるグラスリッツェンは難しそうに思われがちです。そこで、初心者の方でも楽しめるやり方やコツについてご紹介します。

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グラスリッツェンとは?

ガラスを削って描くダイヤモンドポイント

グラスリッツェンはヨーロッパ伝統のガラス工芸です。ダイヤモンドポイントと総称されるガラス工芸のひとつで、手彫りのものをグラスリッツェンと呼びます。今はルーターでガラスを削った作品も含まれることがありますが、本来のグラスリッツェンは全てが手彫りのガラス工芸品です。

ダイヤモンドポイントの歴史は16世紀ごろまで遡ります。ダイヤモンドポイントとは、先端に付いたダイヤモンド針でガラスを削り、模様を描く技法です。まったく機械に頼らないため作品の数は少なく、良いものは希少価値があり高額です。ガラス工芸だけで生活するのは難しいなどの理由から、徐々に衰退しました。

グラスリッツェンとメグロー派

衰退したガラス工芸を、20世紀後半にスイスのメグロー夫人が復活させました。その新技法がグラスリッツェンです。グラスリッツェンはスイス(ドイツ)語の造語です。新しい道具や下絵などが製作され、手彫りで作られた絵画のように繊細なガラス工芸品の芸術的価値は高まりました。

グラスリッツェンのやり方とは?

グラスリッツェンの道具を揃えましょう!


ヨーロッパの伝統と芸術的な意味を持つグラスリッツェンですが、今は趣味として初心者でも楽しめるようになりました。それでは、グラスリッツェンの具体的なやり方についてご紹介します。

まずは必要な道具を準備します。専用の道具を除けば自宅で用意できるものも多いので、手軽に始められるでしょう。下絵は決まったデザインもありますし、自分の好きな絵や模様を用意しても大丈夫です。

グラスリッツェンに必要な道具

  • ダイヤモンド針と専用ホルダー(ペンと呼ばれています)
  • ルーター
  • ガラス器(グラスや皿など)
  • 下絵
  • ハサミ(下絵を切り取ります)
  • セロハンテープ(下絵を貼ります)
  • 油性ペン(ガラスに下絵を写します)
  • 除光液とティッシュペーパー(油性ペンのあとを消します)
  • 濃い色の布(下絵と削った線を見やすくします)
  • タオル(削った粉を拭き取るために濡らして使います)
  • メガネ、マスク(削った粉が入らないように使うと良いでしょう)

グラスリッツェンの道具の販売店

グラスリッツェン専用の道具は身近なところで購入できます。Amazon・楽天・Yahoo!やガラス工芸品・ハンドメイドを扱うネット通販、ホームセンターや100均などです。

100均で取り扱っているルーターの価格は600~800円くらいです。電池式なので連続稼働時間は5分程度になります。ネット通販や店舗では、電池式やアダプタ付属のルーター、ダイヤモンド針と専用ホルダーが購入できます。価格は1,600円くらいから10,000円を超えるものまで様々です。

まずは手軽に100均のルーターから始めてみて、慣れてきたらもっと本格的に道具を揃えるとよいでしょう。どれにすればいいか迷うという方は、初心者向けのスターターキットを検討してみてはいかがでしょうか。価格は3,000円くらいからで、セット内容によって変わります。

初心者でもできるグラスリッツェンのやり方と手順


道具が揃ったら、いよいよ実際にグラスリッツェンを始めましょう。ここでは基本のグラス加工のやり方をお伝えします。初心者の方は道具に慣れるために、シンプルなデザインからグラス加工を始めると良いでしょう。

グラスリッツェンの手順

  1. グラスと彫りたい絵や模様の下絵を準備します。
  2. 下絵を切り取り、グラスの内側にセロハンテープで貼りつけます。
  3. 油性ペンで下絵をグラスに写します。
  4. 写し終えたら下絵を剥がし、濃い色の布をグラスの内側に当てて表面を削ります。
  5. まず下絵の輪郭を削ります。
  6. 輪郭が終わったら、内側を削ります。
  7. 最後に、彫り残しがないか全体を確認します。
  8. 隙間などがあれば、その部分を削りましょう。
  9. 油性ペンのあとを除光液で拭き取れば完成です。

これがグラスリッツェンの基本的なやり方です。ガラスを削ってグラス加工をするといっても、それほど難しい作業ではないと感じていただけたでしょうか。ペンでもルーターでもガラスを削るのは同じですが、使い方には少しコツがあります。次は、グラスリッツェンのやり方のコツをお伝えします。

POINT

グラスリッツェンの作品に色付けしたい!

グラスリッツェンの作品に、色付けをしてみたいという方もいます。ガラスに色付けする方法は、顔料やスプレーを使うなど様々です。そんな色付けに使える絵の具が100均で購入できます。発色の美しいガラス絵の具です。ガラス絵の具の使い方についてご紹介している記事がありますので、合わせてご覧になって下さい。

グラスリッツェンのやり方のコツ5選

グラスリッツェンのやり方のコツ①グラスに絵や模様を写すコツ

絵や模様を写すときには、グラスの厚みで下絵がダブって見えます。ずれがないかこまめに確認するのがコツです。初心者の場合はシンプルなデザインから始めることをおすすめします。グラス加工をする場合、複雑な絵や模様を写すだけでも大変です。複雑なデザインは慣れてから挑戦すると良いでしょう。

グラスリッツェンのやり方のコツ②線を見やすくするコツ


下絵を写したらペンかルーターでグラス加工していきます。透明なグラスはそのままだと削った線が見えづらいので、グラスの内側に濃い色の布を入れて、確認しながら作業をするのがコツです。またグラスに残った削り粉は、濡れタオルなどで拭きましょう。

グラスに限らずガラス製品は滑りやすいので、持つにしろ削るにしろ、手や腕がぶれないように安定させて作業します。力を入れすぎると、削り過ぎたりヒビが入ったりするので注意が必要です。また、丸みのあるグラス加工は滑りやすいので気をつけましょう。

グラスリッツェンのやり方のコツ③グラス加工をするときのコツ

グラスリッツェンの要になる道具は2種類です。ひとつが全てを手作業で行うダイヤモンド針と専用ホルダーで、もうひとつが電池や電源を使うルーターです。道具は鉛筆を握るように持って使います。少しねかせて余分な力を入れずに削るのがコツです。

下絵はなぞるように薄く削ります。表面に白く傷をつける感じにするのがコツです。まず輪郭を削り、それから模様の内側全体を削ります。全体を繰り返し削りながら濃淡をつけましょう。明るい場所で作業を行い、ときどきグラスを光にかざして濃淡のバランスを見るのもコツです。

グラスリッツェンのやり方のコツ④ペンで削るときのコツ

手彫りの線は細いので、少しずつ重ねて削るのがコツです。少し時間はかかりますが、グラスリッツェンの繊細さを存分に表現できます。先端のダイヤモンド針は使っていると鉛筆のように減っていくので、摩耗する部分が偏らないようにときどき角度を変えて使いましょう。

ペンを使ってグラス加工する場合は、自分の手で少しずつ削るので、絵や模様を繊細に表現できます。力加減もしやすく、削り過ぎる心配はそれほどありません。そのぶん、線が細く作品の完成には少し時間がかかります。

グラスリッツェンのやり方のコツ⑤ルーターで削るときのコツ

ルーターの場合は削り過ぎないことがコツです。ルーターはダイヤモンド針が回転してグラスを削ります。手彫りよりも線が強くしっかりでるのが特徴です。広い範囲を削るときに便利ですが、力加減には多少の慣れが必要になります。ダイヤモンド針の摩耗が偏らないようにするのはペンと同じです。

ルーターは便利ですが、手彫りと違ってどうしても線にブレが生じます。そのためルーターは、どちらかというと繊細な表現よりも広範囲を削るのに向いている、と言われます。また針が高速で回転しているので、思うようにガラスを削るには慣れも必要です。

ガラスを削るグラスリッツェンをより安全に楽しむために

グラスリッツェンはお子様と一緒に楽しむこともできます。ガラスを削ると粉がでるので、保護のためにメガネやマスクを着用すると安心です。ご自宅に犬や猫など動物がいるという方は、作業する場所にも注意しましょう。

初心者も楽しめるグラスリッツェンで世界にひとつだけの作品を作ろう!

専用の道具と自宅にあるもので始められるグラスリッツェンは、グラス加工のやり方もそれほど難しくはありません。ちょっとしたコツさえつかめばオリジナル作品も作れます。世界にひとつだけのグラスリッツェンは、プレゼントにも喜ばれるでしょう。趣味にもプレゼントにもおすすめのグラスリッツェンをぜひ楽しんで下さい。

POINT

グラスリッツェンを素敵にラッピング!

グラスに限らずガラス製品に絵や模様を削るグラスリッツェンは、相手に合わせたオリジナル作品なら最高のプレゼントになるでしょう。せっかくなのでラッピングにもこだわってみてはいかがでしょうか。ラッピングに関する記事も合わせてご覧ください。ガラス製品なので箱を使ったラッピングがおすすめです。

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