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北欧神話の神々・登場人物20選!ゲルマン・ケルト神話をわかりやすく解説

更新:2019.06.21

皆さんは、北欧神話をご存知でしょうか?北欧神話はゲルマン民族に伝えられる神話です。そんな北欧神話の登場人物、神々をご紹介いたします。クーフーリンで有名なケルト神話との違いやラグナロクまでの簡単なあらすじや系図、北欧神話が基になったゲームや映画なども併せてご紹介いたします。

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北欧神話の世界観|成立した場所・時代は?

北欧神話はゲルマン人に伝わる物語

北欧神話は、スカンディナビア神話とも呼ばれています。スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランドに伝わる神話です。北ゲルマン民族によって信仰や物語が集約されたものです。

北欧神話が確立された時代は13世紀

北欧神話は、現在の記録では13世紀まで遡ることができます。キリスト教が主流になった世界でも2世紀以上も口承で伝えられていました。13世紀以降に原典とされる「エッダ」や「ヴォルスンガ・サガ」が作られたとされています。

クーフーリンで有名なケルト神話との違い

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ゲルマン人に受け継がれている北欧神話は、クーフーリンなどが有名な登場人物として挙げられるケルト神話と間違えられやすいです。ケルト神話は、フランスやアイルランド、ブルテン島などに伝わる神々の物語です。ケルト神話とゲルマンに伝わる神話はルーン文字が出てくることによってたびたび混同されやすい物語です。

ケルト神話は、ゲルマン人と違いケルト人に伝わる神話です。また、ケルト神話は、世界の始まりについても書かれていないため、そこもゲルマンに伝わる北欧神話との違いといえます。ケルト神話と北欧神話は日本人から見れば同じ北欧の物語と思えますが、ケルト人とゲルマン人という違う民族に伝わる物語です。

北欧神話の世界観|創世神話・あらすじ

創世神話の分類:世界巨人型・死体化生型

北欧神話は、生命・世界の始まりから神々の滅びまでを描いた物語です。創世神話の分類としては、世界巨人型・死体化生型に分類されます。世界巨人型・死体化生型とは、神や巨人の死体から天体、自然現象などが生まれたという物語の形です。

北欧神話のざっくりとしたあらすじ:創生から終焉まで

北欧神話の始まりは、大きくあいた淵「ギンヌンガガプ」と呼ばれる場所から生まれた巨人族のユミルから世界が始まったとされています。ユミルが基になり、物語の主要人物である最高神のオーディン・トール・ロキが生まれます。そこから、世界の終わりであるラグナロクまで、3柱を中心に物語が進んでいきます。

北欧神話の神・登場人物とその伝説紹介20選

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の主神オーディン

北欧神話の主神はオーディンとされています。ゲルマン神話、北欧神話の主役の一人といえる登場人物はオーディンです。オーディンは、主神にして戦争と死の神、詩文の神でもあります。自らの知識を高めるために、片目や命すら差し出します。

愛馬は、スレイプニール。フギンとムニンというワタリガラスを使役し、足元にはゲリとフレキという二匹の狼を連れています。主に老人として描かれていることが多いです。

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の雷神トール

北欧神話の最強の神は雷神トールとされています。北欧神話の登場人物のうちトールは主役の一人といえます。トールは雷神の他には、戦神、農耕神ともされています。元々は、オーディン同格以上の地位があったが、戦士階級の台頭によって息子の地位に下りました。外見は、赤髪赤目、赤ひげの大男として描かれています。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話のいたずら好きの神ロキ


北欧神話のいたずら好きの神はロキとされています。北欧神話の登場人物の主役の一人はロキです。ロキは、巨人の血をひいていながら雷神トールと義兄弟になりアスガルドに住んでいました。男神ですが、時には女性や他の生物に変化したり、他者を変化させたりすることがあります。

北欧神話の序盤では、オーディンやトールと共に旅に出たりしますが、バルテルを殺害後、ラグナロクでは巨人族を率いてアース神族を滅ぼすために出陣します。

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の最高位の女神フリッグ

北欧神話の愛と結婚・豊穣の女神はフリッグとされています。フリッグは、オーディンの妻でバルトルの母です。そのため、女神の中では最高位だといえます。予言の能力を持っているとされます。

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の光の神バルドル

北欧神話の光の神はバルドルとされています。バルドルは、最も懸命で美しく万人に愛されていたとされます。悪夢を見るようになり、母神のフリッグから心配されバルトルは生物・無生物が傷つかないように約束させますが、ヤドリギの木だけは約束ができずにロキの思惑によってヤドリギの木で殺されてしまします。

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の盲目の神ヘズ

北欧神話の盲目の神はヘズとされます。ヘズは、バルドルの弟で盲目であるがゆえに仲間外れにされていたところロキに騙されて、バルドルにヤドリギを投げて殺害してしまいます。

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の初めて生まれた神ブーリ

北欧神話における最初にユミルから生まれた神はブーリとされています。ブーリは、雌牛のアウズンブラ塩の氷をなめていると生まれたとされています。

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の最高神の父ボル

北欧神話における最高神の父はボルとされています。ボルはブーリの息子で、ベストラとの間に、オーディン、ヴィー、ヴェーという三人の息子を作っています。

北欧神話の登場人物・神々|アース神族|北欧神話の兄弟ヴィーとヴェー

北欧神話における最高神の兄弟はヴィーとヴェーとされています。ヴィーとヴェーは、オーディンと共に原初の巨人ユミルを殺害したとされています。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話の原初の巨人ユミル

北欧神話の原初の巨人はユミルとされます。ユミルは、自然に生まれて、ユミルの体の各所から他の巨人が産み落とされました。ユミルは、およそひ孫とされるオーディン・ヴィリ・ヴィーに殺され、その死体が世界を作りました。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話の賢者の神ミーミル


北欧神話における賢者の神はミーミルという巨人だとされています。ミーミルは、オーディンの伯父にあたり相談役だったとされます。ミーミルは、賢者の泉を守っていたとされています。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話の運命の女神ノルン

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#water #spirit #norsemythology

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北欧神話における運命の女神はノルンとされています。ノルンは通常三人の巨人の姉妹として描かれています。長女はウルズ、次女ヴェルザンディ、三女スクルドです。彼女たちの登場によってアスガルドの黄金時代は終わりを告げられたとされています。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話の霜の巨人の王スリョム

北欧神話における霜の巨人の王はスリョムとされています。スリョムは、トールの武器であるミョルニルを盗み、返す代わりにフレイヤを妻にと望みます。フレイヤは拒否し、代わりにトールが女装して乗り込みます。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話の女巨人アングルボサ

北欧神話におけるフェンリル・ヨルムンガンド・ヘルを産んだ女巨人はアングルボサとされています。一説では、産んだのではなく、ロキがアングルボサの心臓を食べることによって生まれたともいわれています。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話の炎の巨人スルト

北欧神話のムスペルヘイムの入口を守る炎の巨人はスルトとされています。スルトは、世界がムスペルヘイムとニヴルヘイムしかなかった時から存在していたとされています。ラグナロクまでは、登場しません。

北欧神話の登場人物・神々|巨人族|北欧神話の死者の国の女神ヘル

北欧神話の老衰・疾病による死者の国を支配する女神はヘルとされています。ロキと巨人のアングルボサとの間に儲けた子どもとされていて、上半身は人肌で、下半身は腐っているとされています。北欧神話の中で唯一、死者を生き返らせることができる女神です。

北欧神話の登場人物・神々|ヴァン族|北欧神話の女神の一柱グルヴェイグ

北欧神話におけるヴァン神族とアース神族の争いの原因となったのがグルヴェイグとされています。アース神族によって体を槍で貫かれ三回焼かれたが蘇ったとされています。このことによって、あるいはグルヴェイグによってアース神族が侮辱されたとしてヴァン神族とアース神族の争いが始まったとされています。

北欧神話の登場人物・神々|ヴァン神族|北欧神話の豊穣の女神フレイヤ

北欧神話における豊穣の女神はフレイヤとされています。フレイヤは、非常に美しい女神であるとされています。豊穣の女神であるため性には奔放で、近親間でも肉体関係があったとされます。

北欧神話の登場人物・神々|半神族|北欧神話の戦乙女ワルキューレ

北欧神話における勝敗を決める複数の阪神はワルキューレとされています。ワルキューレは戦場で、死を定めて勝敗を決める女性的な存在です。

北欧神話の登場人物・神々|魔物|北欧神話の巨大な狼フェンリル


北欧神話の神々に災いをもたらすとされた巨大な狼はフェンリルとされています。フェンリルは、ロキと巨人のアングルボサとの間に生まれた長子とされています。

ラグナロクでは、オーディンを飲み込み、ヴィーサルに殺されるとされます。フェンリルには、太陽と月を追いかけて飲み込んでしまう、スコールとハティという子孫がいます。

北欧神話の登場人物・神々|魔物|北欧神話の巨大な毒蛇ヨルムンガンド

北欧神話の神に災いをもたらすといわれた巨大な毒蛇はヨルムンガンドとされています。ヨルムンガンドは、ロキと巨人のアングルボサとの間に生まれた次子です。海に捨てられましたが、海の底に横たわったままミッドガルドを取り巻く巨大な蛇に成長しました。トールとは、死闘を繰り広げる仲で、最後は相打ちに終わります。

北欧神話の押さえておくべき重要用語10選!武器/逸話/種族

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【種族】巨人族

霜の巨人とも呼ばれる登場人物が巨人族です。巨人族は、超人的な強さを持っており大自然の精霊とされています。アース神族やヴァン神族とは、敵対する関係にあります。一方では、結婚する側面を持ち、神族とは切っても切れない関係です。巨人族と定義されているものは、神や人間に敵意を持っているものと考えられます。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【種族】アース神族

アース神族は、オーディンを中心とした血族です。アースガルズに住んでおり、そこが世界の中心とされています。北欧神話は、このアース神族が中心となった物語です。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【種族】ヴァン族

ヴァン神族は、豊穣と平和をつかさどる神々が属されています。神話では、たびたび巨人族と混同されており、美麗な巨人族を称されることもあります。ヴァン神族は、ヴァナヘイムに住んでいるとされています。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【武器】ミョルニル

ミョルニルは、トールが持っているハンマーです。何度ふるっても壊れることはなく、投げても必ず的に当たりブーメランのように自分の手に必ず戻ってくるという性質を持っています。それに加えて、自由自在に大きさを変更できますが、柄が短いという欠点もあります。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【武器】グングニル

グングニルは、オーディンが持っている槍です。的には必ず当たり、敵を倒した後は、自動的に持ち主に戻るとされています。さらには、グンニグルの矛先を向けられた相手は必ず負けるとされています。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【逸話】ユグドラシル

ユグドラシルは一本の大きな架空の木です。世界を表している巨木で、九つの世界を内包する存在です。ユグドラシルを中心に九つの世界がつながっています。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【逸話】アスガルド

アスガルドは、アースガルズともいわれています。アスガルドは、アース神族が住んでいる場所です。天上にあり、男神が集まる館「グラズヘイム」や女神が集まる「ヴィーンゴールヴ」、会議をする平原「イザヴェル」があるとされています。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【逸話】ミッドガルド

ミッドガルドは、ミズガルズともいわれています。ミッドガルドは、ユグドラシルの中央付近に当たり、天井のアースガルズと地下のヘルヘイムに挟まれています。周囲は水、海洋に囲まれています。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【逸話】ヘルヘイム

ヘルヘイムは黄泉の国。死者の国とされています。ロキの娘である「ヘル」が納めており、ユグドラシルの地下にあるとされています。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【逸話】ヨトゥンヘイム

ヨトゥンヘイムは、ヨーツンヘイムともいわれています。巨人族が住んでいる場所です。東に位置するとされており、アスガルドとの間にはイヴィング川が流れています。

ゲルマン・ケルト神話の重要用語【逸話】ラグナロク

ラグナロクは、神々の運命の日。終焉の日のことです。この日に、古の神々は滅び、生き残った者たちが、新たな世界を築いたとされる日です。

北欧神話を元にした面白い作品は?映画/漫画/ゲーム

ゲルマン・ケルト神話の神々・系図が元になった作品【映画】マイティーソー

宇宙

アメリカ映画のマイティー・ソーは、北欧神話をもとに作成されています。題名でもある「ソー」は、雷神の「トール」のことです。北欧神話をもとには作られていますが、アメコミヒーローものなので、原点はかなりいじられています。

ゲルマン・ケルト神話の神々・系図が元になった作品【漫画】魔探偵ロキ

本

魔探偵ロキは、日本の作品です。名前の通り、邪神の「ロキ」が主人公となっています。探偵もので、魔を集めることを目的とされています。

ゲルマン・ケルト神話が元になった作品【ゲーム】パズドラやドラクエ

ゲーム

北欧神話の登場人物は、あらゆるゲームに様々な形で登場しています。例えば、パズドラならば、「フレイヤ」「トール」「ロキ」といったキャラクターがカードとなって登場しています。ドラクエは、シリーズによっては、その世界観が北欧神話を参考にしたものとして使われています。

北欧神話の神々の物語を読んでみよう!

いかがでしたでしょうか。北欧神話は、創生から終焉まで描かれた物語です。登場人物は、どこか人間らしく共感できる部分も多くあると思います。また、神々ならではの複雑な家系図も面白いです。興味を持っていただけたのならば、是非とも北欧神話を一度読んでみてはいかがでしょうか。新しい発見が見つかるかもしれません。

以下の記事ではエジプト神話について紹介しています。北欧神話以外にも、地域によって神々の伝説や言い伝えが異なるので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。

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