Large thumb shutterstock 609739646

口内調味とは?口中調理/汚い/食事作法/海外の反応/三角食べ

更新:2021.05.12

「口内調味」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「口中で自ら調理する」という日本独自の文化に、海外では「汚い」と不評を買いがちです。今では日本人でも理解している人が少なくなったこの「口内調味」について、今また少し注目してみましょう。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。



口内調味とは?

様々な食事作法が存在する

楽しい食事

食事をする上で意識的にやっているかどうかに関わらず、様々な食事作法が存在します。特に日本は食事作法に厳しい国としても知られており、動きのひとつひとつが「行儀」や「マナー」に直結します。今回はそんな食事作法のひとつ、「口内調味」について紐解いていきましょう。

「口内調味」の意味

ハートで口元を隠す女性

食事作法のひとつである「口内調味」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。文字通り「口内で調味をすること」で、複数の食べ物を口中で混ぜ合わせることで自分の好みに調味しよりおいしく食べるという方法です。言葉自体は比較的新しいのですが、日本人が古来より大切にしてきた日本独自の文化です。

口内調味のやり方は?

口内調味という「口中での調理」のやり方

積み上がるトースト

口内調味がなぜ日本独自の文化なのかと言えば、それは白米を食べるからです。日本において食事時によく見られる光景と言えば、右手に持ったお箸で他の食材を食べ左手に構えた茶碗から白ごはんを食べ、口中で自分の好みの濃さや味付け調理して味わうというスタイルです。これが正に口内調味であると言われることが多いです。

口内調味には明確な定義がない

スーパーで自由に遊ぶカップル

日本においてよく見られる口内調味が白米とおかずだというように言いましたが、これはあくまで「よく見られる」というだけで実は口内調味には明確な定義がありません。例えば刺し身と醤油、餃子とタレなど口中で咀嚼し混ざり合い更に唾液が出ることで全体の「味」であるというのもまた口内調味であるという場合もあります。

口内調味の効果

口中で調理することで味の調整

調味料たち

口内調味の効果の筆頭はもちろん口中で調理をすることで各自で味の調整ができることです。同じものを食べても味の濃淡は人それぞれですが、口内調味をすることで口中で自分好みの濃さに調整できるので好き嫌いを除けばみんなが美味しく食事をすることが出来ます。


口中で調理することで満足感を得て食べ過ぎ防止

ヘルスメーター

ひとつだけの料理を食べ続けると、人間は満足感が得にくいので必要以上に食べようとする傾向があります。しかし口内調味で口中で調理をして様々な味に変化をつけることで少ない量でも満足考えやすくなるので口内調味は食べ過ぎ防止に効果があると言われています。

おいしい食事の前では注意していたって食べすぎてしまうことはあるものです。そして後になって後悔が襲ってくるのも世の常です。思わず食べすぎてしまって落ち込んでいる時にはその後の行動で巻き返しましょう。こちらの記事を参考に対処法を覚えましょう。

口中で調理することで塩分過多防止

山盛りの砂糖

濃い味付けのおかずには白米が欲しくなるという日本人は多いですが、これは体から何かしら偏っているという警告サインでもあります。濃い味付けのおかずと味の淡白な白ごはんを自ら混ぜることで塩分などの濃度のバランスを取ることが出来ます。こうすることで、塩分過多になるのを防止できるのです。

口内調味の代表格「三角食べ」とは

「三角食べ」の意味とやり方

壁にかかる三角のオブジェ

口内調味には有名で代表格とも言える「三角食べ」という食べ方が存在します。これは「ごはん」「主菜」「副菜」を一口毎に順番に摂取するという食べ方で、日本では家庭や小学校の給食時などに教育として取り入れられている場合があるほどです。「副菜」には汁物も含まれており、全てを満遍なく同様に食べることが出来ます。

最近は「三角食べ」をする人が減っている

ラーメン

近年海外文化の流入が目覚ましく何もかもを便利にすることが求められており、それは食の世界でも起きています。例えば丼ものは白米の上に主菜を乗せることで食事の簡易化が進められています。また「塩分控えめ」という文言もよく見受けられますが、味が薄いために「三角食べ」をする必要性が徐々に無くなってきています。

口内調味の代表格「三角食べ」のメリット

三角食べのメリット①栄養素の吸収率が上がる


野菜たち

三角食べは白米、主菜、副菜を交互に食べる食べ方と言いましたが、この食べ方が栄養素の吸収率に影響してきます。栄養素を吸収しようとした時に重要なのが唾液です。三角食べをすることでおかずと白米を一緒に口にすると食べごたえが増し咀嚼の回数が増えます。そうすると唾液量が増えるので栄養素の吸収率が高まるのです。

三角食べのメリット②血糖値の急激な上昇を防止

大きなアイスを食べる女性

一時期「炭水化物ダイエット」や「糖質制限ダイエット」などが爆発的にブームを呼びましたが、炭水化物とは血糖値に影響してくるものです。つまり、白米ばかり食べてしまうと血糖値が急上昇します。三角食べは全てを満遍なく、しかも白米以外からまず摂取するので血糖値の急激な上昇を抑えます。

三角食べのメリット③満遍なく栄養が摂取できる

冷蔵庫から食材を取り出す男性

肉や野菜、白米など一種類のものを集中的に食べることを俗に「ばっかり食べ」と言います。このばっかり食べを繰り返していると他の食材が口に入る前に満腹感を感じてしまったり、また同じものを集中的に食べることで満腹中枢がすぐに空腹信号を送ってしまい結果間食をしてしまったりと、栄養が偏る危険性があります。

口内調味の代表格「三角食べ」のデメリット

三角食べのデメリット①口内調味ではひとつひとつの食材の味が分かりにくい

パズルを組み合わせる所

三角食べで口内調味をした場合、多めに頬張ってしまったりすぐに次の食材を口に運んでしまうとひとつひとつの食材の味を楽しむことが難しくなります。三角食べをする場合には、少しずつ口に含むことやゆっくりと食事を進めることを心がけましょう。そうすることで口内調味を行いながらも食材を楽しむことが出来ます。

三角食べのデメリット②口中に汁気がある事で咀嚼が疎かになる可能性がある

肉うどん

三角の一角である「副菜」には一般的に汁物も含まれています。汁物を他のものを口中で調理する時に汁を飲み込む流れで他の食材も同時に飲み込んでしまい、結果的に咀嚼の回数が減ってしまうことがあります。咀嚼は食事にとって重要な要素ですので、しっかりと咀嚼することを心がけたほうが良いでしょう。

三角食べのデメリット③献立によって苦痛を伴う

号泣する幼児男子

三角食べは日本独自のやや古めな文化であり、海外にそのような考え方はありません。しかし海外の食文化は近年怒涛のように日本に流れ込んできており、一般家庭の食卓でも海外発祥のメニューはよく見受けられます。日本食のみの食卓であれば三角食べは凡そ問題ありませんが、献立によっては向いていない場合もあります。

口内調味について海外の反応は?

海外の食事作法とは

料理の仕上げをする調理人

海外では欧米ではコース料理のように「ひとつのメニューを食べきってから次のメニューを食べ始める」という食事作法が一般的で口内調味の概念がそもそもありません。実は世界的に見れば「ばっかり食べ」がメジャーなのです。では、海外の人達は口内調味を知った時どんな反応をするのでしょうか。

口内調味への海外の反応は「汚い」

全身で拒否を表す女性

海外の反応は「汚い」「気持ち悪い」といったものが大多数です。特に欧米において食事とは「調理が完了されたものを食べるもの」であり、わざわざ口中で混ぜて別物にしてしまうというのは汚い上に理解が出来ないことです。欧米人は白米とおかずを出しても淡白な白米だけ食べきってしまうことがある程です。

米が主食の他国の食事作法とは

東南アジアは「乗せる」

東南アジアでは米が主食で、実は国民一人あたりの米消費量は日本人を有に超えている国がたくさんあります。では、彼らがどのように米を摂取しているかといえば、「乗せて」食べる口外調味です。日本で言うところの丼ものにしてしまって皿の中で調味が完了している国がほとんどです。

韓国は「混ぜる」

韓国も米を主食に食べる文化がありますが、彼らの米の食べ方は基本的に「混ぜて」食べる口外調味です。分かりやすい例を挙げると石焼ビビンバがその筆頭で、食材を焼いた石の食器の中で満遍なく混ぜ合わせることで全体の調和が取れた味付けを自分で作り上げていきます。日本人は逆にこれを汚いと感じる場合があります。

中国は「調理済み」と「混ぜる」のハイブリッド

中国は韓国と同じく「混ぜる」口外調味と「混ざって出てくる」ものの混合です。例えばチャーハンは調理段階で混ぜ合わされており食事をする本人にすることはありませんし、天津飯や日本で言うところのかた焼きそばを指す炒麺は味を付けられた状態で出てくる上に皿の上で更に混ぜ合わせる口外調味の食事です。

世界的にも食べられており日本人にとっては心のふるさとのような存在である白米について、もっと詳しく知りたい方はぜひこちらの記事も読んでみてください。近年定着しつつある「パン食」との比較で白米への理解がぐっと深まります。

日本のその他食事作法への海外の反応

音を立てて麺類をすするのは汚い

うどんを食べる女性

日本では蕎麦屋などで音を立てて麺類をすする風景はもはや風物詩ですが、海外において「すする」という概念はそもそも余りなく汚い印象です。海外では「ズルズルと音を立てて食べること」を主に「スラーピング」と言いますが、この文化が無いためにすすれない人が多く含んだ分量だけを噛んで食べる人がほとんどです。

食後の挨拶「ごちそうさまでした」にびっくり

お祈りをする少女

日本では食事をする時に多くの人が「いただきます」と言って食事を始めます。これは海外でも同じで、発声者は違いますが「食事のスタート」を意味する「召し上がれ」などの言葉が存在する国があります。しかし海外には「食事の終了」を告げる「ごちそうさま」は無く、初めて見る海外の人はびっくりするそうです。

食器を手に持って食べるのが新鮮

サラダを手に持って食べる女性

日本独自の食事作法で意外とマイナーなのが、「食器を手に持って食事をする」というものです。日本では茶碗などは手に持つのが当たり前ですが、海外ではそのような文化はなく、皿を手に持つのはテーブルがない場合ぐらいです。しかし近年の日本食ブームに伴い、海外の日本食レストランなどでは少しずつ浸透しつつあります。

口内調味は日本の美徳

向かい合って食事を楽しむカップル

口内調味は海外では汚い食べ方として見られがちですが、食事作法は各国違うものでありそれぞれに美徳があるのです。日本人にとってカレーを手で食べる、ごはんをフォークで食べることに汚いと思うことがあるのと同様です。しかし口内調味にはコツがあるので三角食べをする際などは十分注意して美味しく食事をとりましょう。

●商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。