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オイルフィニッシュとは?オイルステインやニスの木の塗装の方法も

更新:2019.06.21

最近は木の質感を活かすオイル塗装が人気ですね。今回はオイルフィニッシュについてご紹介します。オイルステインやニスとの違い、亜麻仁油などオイル仕上げに使えるオイルも載せていますので参考にどうぞ。オイルフィニッシュについて知ってDIYを充実させましょう。

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オイルフィニッシュとは?

オイルフィニッシュの特徴①オイル仕上げにする塗装方法

オイルフィニッシュの特徴1つ目は、オイル仕上げにするために使われる塗装方法であることです。オイル仕上げというのは、オイル塗料を木材にしみこませて仕上げることです。オイル塗料はそのまま使えてムラにもなりにくいので、塗装が苦手な方や初心者でも簡単に塗れます。

オイルフィニッシュの特徴②オイルステインとは異なる塗料

オイルフィニッシュの特徴2つ目は、オイルステインとは異なる塗料だということです。よく間違えられやすいオイルステインは、着色用の油性塗料になります。これだけでは表面の保護ができない上に色落ちしてしまうので、上からニスなどを塗ってカバーします。

オイルフィニッシュの特徴③オイルステインや水性ステインの後に使える

オイルフィニッシュの特徴3つ目は、オイルステインや水性ステインの仕上げに使えることです。完全に乾燥させてからオイル塗装しましょう。乾ききらないまま上塗りすると色が剥げてしまいます。ちなみに、ニスの上から塗ることはできません。

オイルフィニッシュのメリットとデメリット5選

オイルフィニッシュのメリット①木目が活かせる

オイルフィニッシュのメリット1つ目は、木目が活かせることです。オイルステインも木目が出ますが、こちらは無色のものがほとんどなので自然な木目で、木材本来の色が活かせます。また、ニスよりも膜が薄めで木の質感も楽しめます。ニスはつるつるした感触ですが、オイルフィニッシュはザラザラ感があります。

オイルフィニッシュのメリット②ニスより自然

オイルフィニッシュのメリット2つ目は、ニスより自然に見えることです。ニスは膜が厚い分ツヤが出て、木目や木肌が不自然に見えます。つや消しのニスも販売されていますが、完全につやを消すわけではなく、鈍い光沢感が残ります。木そのものを楽しむならオイルフィニッシュがおすすめです。

オイルフィニッシュのメリット③木が呼吸ができる

オイルフィニッシュのメリット3つ目は、木が呼吸できることです。木は切られてからも呼吸しているため、水分を吸ったり吐いたりしています。膜の薄いオイル塗装なら呼吸を妨げないので、部屋の湿度を調整する効果が期待できます。また、木が伸び縮みできることで寿命が長くなります。丁寧に使えば長持ちします。

オイルフィニッシュのデメリット④ニスよりもろい


オイルフィニッシュのデメリット4つ目は、ニスよりもろいことが挙げられます。浸透するタイプなので膜をはらず、汚れや傷が付きやすいという欠点があります。特に色の付いた汚れはすぐに拭き取らないとシミになってしまいます。特にテーブルなど実用性のある家具にオイル塗装をする場合は、こまめに手入れしましょう。

オイルフィニッシュのデメリット⑤乾燥に時間が必要

オイルフィニッシュのデメリット5つ目は、乾きにくいという欠点です。ニスは数時間で乾燥しますが、オイル塗装は半日以上かかります。

また、塗りすぎによっても乾きにくくなります。また、木材によっては延々と吸い込んでしまうものや吸い込みの悪いものがあり、さらに乾燥に時間がかかってしまいます。塗装した後はしっかり塗料を拭き取る必要があります。

オイルフィニッシュに必要な道具5選

オイルフィニッシュに必要な道具①オイル塗料

オイルフィニッシュに必要な1つ目の道具は、オイル塗料です。オイルフィニッシュ用の塗料を使うと間違いがないですが、市販で食用油として売られている亜麻仁油など、塗装に使えるものがあります。オイル塗料はほぼ植物油でできており、安全性が高いことで人気です。

オイル塗料には乾燥剤や膜を張るもの、揮発性が高い原料などが加えられているため、完全に安全というわけではありません。とは言っても、口に含まないものなら十分なレベルの安全性です。食器やカッティングボードなど食べ物を乗せるものにオイルフィニッシュ塗装をするなら、食用油一択でしょう。

オイルフィニッシュに必要な道具②布

オイルフィニッシュの塗装に必要な道具2つ目は、布です。オイルステインなどはハケを使って塗りますが、オイルフィニッシュではオイルを木材に付けて伸ばす作業になるので布の方が向いています。最後の拭き取りも布で行うので確実に必要な道具です。また、ハケと違い少量ずつ塗装できるため、付けすぎずにすみます。

オイルフィニッシュに向く布は、Tシャツなどの綿100%の柔らかい素材のものです。家になければ100均などでふきんを購入しましょう。汚れが付いているものは使えません。

オイルフィニッシュに必要な道具③紙やすり

オイルフィニッシュに必要な道具3つ目は、紙やすりです。下地処理の際に使用します。100番台から300番台の中で3枚ほどあると表面が滑らかになります。紙やすりだけでもやすりがけはできますが、木片など硬いものに巻き付けて使った方がかけやすくなります。

紙やすりには耐水性のあるものがあります。耐水ペーパーというものですが、これは水や油につけても使えるため、摩擦熱が起こりにくく研磨した後に出る粉が飛び散らないという利点があります。必要に応じて紙やすりと使い分けましょう。

オイルフィニッシュに必要な道具④手袋

オイルフィニッシュに必要な道具4つ目は、手袋です。手のべたつきや臭いが付くのを防ぎます。食用油は安全なので直接手に触れても問題はありませんが、落とすのは大変です。油を排水口に流すことにもなるので、手袋をした方が良いでしょう。


手袋はゴム手袋がおすすめです。厚地で丈が長いものなら、ずれて外れることがなく袖にオイルが付くのを防げます。オイル塗料の場合は、付着を防ぐためにマスクやエプロンもあると安心です。ものによっては有機溶剤などが含まれますので、皮膚や口から吸入しないように防御しましょう。ゴム手袋はこちらで紹介しています。

オイルフィニッシュに必要な道具⑤オイルステインなどのステイン剤

オイルフィニッシュに必要な道具5つ目は、オイルステインなどのステイン剤です。着色に使います。カラーオイルに好みの色がなかった場合はこちらを使いましょう。オイルステインには水性・油性があり、水性ステインは原液のままでも水で薄めて使うこともでき、一度塗りも可能です。臭いも少なく扱いが楽です。

油性のオイルステインはペイント薄め液を使うか、そのまま使うかして塗装します。水性のものより浸透性に優れ、染まり方がきれいで乾きやすいのがメリットです。色の種類は水性ステインの方が揃っています。好みに合わせて選んでください。オイルステインについては、こちらの記事も参考になります。

オイルフィニッシュに適しているオイルとは?

オイルフィニッシュ向きのオイル①乾性油

オイルフィニッシュ向きのオイル1つ目は、乾性油です。乾性油は空気と接して固まる油のことで、オイルフィニッシュだけでなく絵具にも使われています。不飽和脂肪酸が多く、ヨウ素130以上のものが乾性油に分類されます。亜麻仁油が代表的な乾性油です。

乾きにくい不乾性油には、オリーブオイル・椿油・菜種油などが挙げられます。こちらはリノール酸やオレイン酸を多く含むため、酸化しにくく乾燥しないと言われています。食用油やスキンケア用品に使われます。

どちらにも属さない半乾性油には、ごま油・菜種油などがあります。この油は多少固まるだけで完全には固まらないため、乾きづらいので使えません。サラダ油には菜種油が含まれているため、こちらもオイルフィニッシュ向きではありません。

オイルフィニッシュ向きのオイル②亜麻仁油

オイルフィニッシュ向きのオイル2つ目は、亜麻仁油です。ダイエットや健康に良いと人気の油ですが、塗装の定番でもあります。色は黄色っぽく、半透明です。耐水性があるのでテーブルなど実用的な木工品に塗装できます。また、木工品だけでなく革の仕上げにも使われます。

オイルフィニッシュ向きのオイル③えごま油

オイルフィニッシュ向きのオイル3つ目は、えごま油です。ごまの名前がありますが、シソの仲間でごまとは関係ありません。えごま油を使った塗装は歴史があり、番傘などの防水剤として利用されてきました。こちらも黄色がかった色味です。独特の匂いがあるので、使用する際はしっかり乾燥させましょう。

オイルフィニッシュ向きのオイル④紅花油


オイルフィニッシュ向きのオイル4つ目は、紅花油です。食用油として一般的ですが、乾性油なので塗装に向いています。油として使われるようになる前は色素の原料として栽培されていました。亜麻仁油よりは乾燥に時間が必要ですが、黄色っぽくなりにくくきれいな色を保てるのでおすすめです。

オイルフィニッシュの塗り方とは?

オイルフィニッシュ塗装の手順①塗装前の準備

オイルフィニッシュ塗装の手順1つ目は、塗装前の準備です。きれいに塗装するために手を抜けない作業です。まず、きれいな乾いた布で表面のほこり汚れを簡単に落とします。その後、紙やすりを100番台から順にかけていきます。木目に沿って研磨しましょう。木目に逆らうと表面を傷めてしまいます。

滑らかになってきたら200番、300番台と数字を上げていきます。なお、表面があまりザラザラしていないようなら100番台のものはいりません。表面がつるつるになったら布で粉を落とします。木材にヤニがあるようならペイントうすめ液を使って拭き落としましょう。

オイルフィニッシュ塗装の手順②オイルステインなどで着色する

オイルフィニッシュ塗装の手順2つ目は、オイルステインなどで着色することです。カラーオイルを使う、または着色しない場合はこの工程を飛ばします。導管が目立つものは、オイルステインを塗装する前にとの粉を塗っておくときれいに木目が出ます。

オイルステインは、布にオイルステイン塗料を付け、塗り広げていきます。乾いてしまう前に乾いた布ですりこみながら拭き、余分な塗料を拭き取って十分に乾燥させます。水性は1回だけでも大丈夫ですが、油性のものは2回以上塗って色を定着させましょう。

オイルフィニッシュ塗装の手順③亜麻仁油などのオイル塗料を塗る

オイルフィニッシュ塗装の手順3つ目は、亜麻仁油などのオイル塗料の塗装です。布にオイルを染み込ませ、くるくると回すようにして平均的にすりこんで10分ほどおき、その後木目に沿って拭き取り乾燥させます。乾燥させる時間はオイルの種類によりますが、早いもので30分ほど、遅いもので半日です。

乾燥させた後は300番台の紙やすりで研磨します。必要なら再度オイルで塗装し、乾燥させてやすりがけする作業を2,3回繰り返します。最後に1日以上放置して完全に乾燥させます。

POINT

換気はしっかりと

オイル塗料には有機溶剤が入っています。換気をしないと中毒になりますので、窓を開けるなどして風通しをよくしましょう。

オイルフィニッシュ塗装の手順④布で拭く

オイルフィニッシュ塗装の手順4つ目は、きれいな布で拭くことです。ニスならやすりがけをするところですが、オイルはムラになりにくく、膜もごく薄いので布で簡単に拭くだけで十分です。オイルが布に付くようなら、乾燥していないことになります。

オイルの付いた布は1枚ずつ日陰で乾燥させるか、水に浸けてから捨てましょう。そのまま捨てると燃える可能性があります。また、積み重ねて放置したり、日光に当てるのも危険です。オイルが余った場合は入っている入れ物のまま保管し、使い切ってから捨てます。オイル塗料は開封してから2~3年はもちます。

おすすめオイルフィニッシュ5選

おすすめのオイルフィニッシュ①DIYで人気のワトコオイル

おすすめのオイルフィニッシュ1つ目は、ワトコオイルです。木そのままの色を楽しめるナチュラルのほか、マホガニーなどのカラーオイルがあります。木材を問わず使用でき、濡れたような色合いがおしゃれとDIYをする人から大人気のオイルです。成分は亜麻仁油をベースに有機溶剤などを含みます。

別の色と混ぜて使えるので、組み合わせてオリジナルの色を作れます。塗りたては色が濃いように感じますが、匂いと同じように時間が経つと落ち着きます。

おすすめのオイルフィニッシュ②ニスで上塗りできる木彫りオイル

おすすめのオイルフィニッシュ2つ目は、木彫りオイルです。ニスで有名な和信ペイントの商品で、乾燥させてから1週間以上おけば油性ニスが上塗りできる珍しいタイプのオイルです。粘度は低く塗りやすいのでムラができません。完全に乾く前に拭くことで膜ができなくなり、落ち着いたツヤが出ます。

成分には有機溶剤とウレタン樹脂が含まれます。そのため、ペイントうすめ液で塗料を薄めることができ、拭き取らない場合にはニスのように膜ができます。乾燥時間は1時間半と短いのも便利です。色は1色のみで、カラーオイルはありません。

おすすめのオイルフィニッシュ③木工用フィニッシュフォーミュラ

おすすめのオイルフィニッシュ3つ目は、木工用フィニッシュフォーミュラです。マヌカハニーやマヌカオイルを含む天然由来の成分で、安全性の高いオイルです。食器など口にするものにも塗装できます。また、木の質感を活かすだけでなく、抗菌作用や撥水効果もあり機能的にも優れています。

ミツロウとオイルが混ざっているのでワックスとオイルの中間のような使い心地です。使い方は布に取り、塗布した後10分放置してから布で磨くだけと手軽なのも良いところです。色は付いていません。匂いも少ないので使いやすい商品です。

おすすめのオイルフィニッシュ④塗装用の亜麻仁油

おすすめのオイルフィニッシュ4つ目は、塗装用の亜麻仁油です。食用油と同じく100%亜麻の種から作り出したオイルで、食用よりも耐光性があり、日光に晒される場合でも使えます。亜麻仁油特有の黄色っぽい色は付きますが、自然な風合いが出ます。

危険な成分はありませんが、匂いがあるため時間を置いてから使うと良さそうです。他のオイル塗料よりも安価なので、大量に使用するときに気軽に使えますね。ちなみに、この亜麻仁油はネット通販よりもホームセンターのほうが安く購入できます。

おすすめのオイルフィニッシュ⑤自然派塗料のオスモカラー

おすすめオイルフィニッシュ5つ目は、オスモカラーです。自然塗料を使用し、子どものおもちゃにも使える安全なオイルです。成分はひまわり油やアザミ油、ワックス類をミックスさせています。使用するオイルは分子が小さく、浸透しやすい分耐久性も他のものより高いのが特徴です。

また、有機溶剤が含まれないため主剤が多く、1回の使用量が少量で済むのでコスパの良いオイルです。通常の透明タイプのほか、ワックスタイプ、1回塗り用のオイル塗料などが販売されています。

オイルフィニッシュをDIYに取り入れよう!

オイルフィニッシュはワトコオイルが一番人気ですが、他にも亜麻仁油などの使えるオイルがたくさんあります。速乾性のものや耐久性があるものなど機能的なオイルがあるので、色々試してみてください。オイルフィニッシュができるとDIYの幅が広がりますよ!

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