旅館の心づけ(心付け)の相場とマナー|仲居さんへのチップの渡し方は?
更新:2019.06.21
海外のホテルでは、チップの支払いは当たり前ですが、日本の旅館でも「心づけ(心付け)」という習慣があるのを、ご存知ですか?基本的に仲居さんに渡すことが多いのですが、いざ渡すとなると相場やマナーが気になりますね。心付けの渡し方について、詳しく見てみましょう。
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INDEX
旅館の仲居さんに渡す心づけ(心付け)とは?
仲居さんに渡す心づけ(心付け)とは①お世話になることへの挨拶
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心づけ(心付け)とは、お世話になる人に渡す、金銭や品物のことです。旅館に宿泊するときは、担当の仲居さんに、お世話になることの感謝や挨拶を含めて渡します。
基本的に日本の旅館やホテルは、サービス料込みの料金設定となっているため、渡さなくても良いという意見もあります。しかし、特別な配慮への感謝、迷惑をかけることへの手間賃としての心づけもあるので、ケース・バイ・ケースで準備しておくと安心です。
仲居さんに渡す心づけ(心付け)とは②チップとは少し意味が異なる
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仲居さんに渡す心づけ(心付け)は、チップとは少し意味が異なります。海外のホテルやレストランなどにおけるチップは、労働への対価という意味合いを含みます。つまり、お世話した人が受け取るべき、当然の権利なのです。
心づけは、あくまでお世話になることへの挨拶、または感謝の気持ちを表すためのものです。チップのような強制力があるわけではありません。
仲居さんに渡す心づけ(心付け)とは③高級旅館では気遣い返し
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仲居さんに心づけを渡したとしても、お客さんへの対応が変わる訳ではありません。きちんとした旅館であれば、一定の水準のサービスを、常にキープしているものです。しかし、高級な旅館であれば、心づけに対する感謝として、さりげない気遣いを返してくれることもあります。
感謝の気持ちを表したのに、逆に感謝を返されるという、微笑ましい光景になりますね。心づけを渡すことで、ほっこりした気持ちになれたら素敵です。
旅館の仲居さんへの心づけ(心付け)の金額相場は?
一般的には1000円~3000円が相場
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旅館の仲居さんに渡す心づけ(心付け)の金額相場は、一般的に1,000円~3,000円です。宿泊するお部屋のグレードや、人数に応じて選んでみましょう。少人数であれば1,000円、家族連れなどであれば3,000円ほど渡すケースが多いです。
もちろん、この金額が絶対というわけではありません。あくまで気持ちなので、そのときに妥当だと思う金額を包みましょう。宿泊料の1~2割が相場という説もありますが、1,000円~3,000円の幅で迷ったときの、目安ていどに覚えておけば大丈夫です。
高級旅館の常連さんなら5,000円が相場
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高級旅館の常連さんの中には、5,000円ほどを相場に心づけを渡す人もいます。しかし、こちらの金額は、常連さんであるが故です。いつも宿泊していることを覚えてくれている、好みなども把握してくれている、特別なおもてなしをしてくれるといったケースに渡します。
とくに常連さんというわけでも、特別な対応をしてもらったわけでもなければ、高級旅館でも1,000円~3,000円で大丈夫なので安心してください。
団体はグループまとめて1万円が相場
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仲居さんに渡す心づけの金額が、1万円を超えるケースは、よほどの大人数の団体さんで宿泊したときです。人数が多いだけに、「お手間をとらせます」といったような意味で包みます。もちろん1人の金額ではなく、グループまとめての相場です。
こちらも、団体は必ず1万円以上というわけではありません。もっと少ない金額でも大丈夫です。「1・3・5」などのキリのよい数字を目安に、心づけの金額を選びましょう。「そこそこの人数だから5,000円」といった感じで渡してくださいね。
お菓子などで渡してもOK
心づけは、何も現金に限ったものではありません。自分の地元のお菓子などを、お金の代わりに心づけとして渡してもOKです。その際のお菓子の値段の相場も、やはり1,000円~3,000円ほどを意識しておきましょう。
仲居さんたちがいる地方では、珍しいお菓子などにしておくと喜ばれます。また、お菓子ならば全員で分けやすいので、仲間や調理場の人などと、全員で楽しむことができます。
心づけ代わりのお菓子って、どんなのが良いの?と思った方は、こちらの記事で紹介されているスイーツをチェックしてみてくださいね。手土産に最適なものがまとめられているので、参考になりますよ。
チップではないので渡さなくてもOK
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心づけは、チップとは異なるので、絶対に必要なものではありません。実際に、旅館に泊まる人で心づけを渡すのは、三組に一人程度の割合です。渡さなくてもOKなので、心配せずに過ごしましょう。
なかには、心づけを受け取らないポリシーの旅館も存在します。「お気持ちだけいただきます」と、やんわりと断られることもあるかもしれませんが、ガッカリする必要もありません。自分の仕事を評価してもらえたと、気持ちだけでも励みになる仲居さんも多いからです。
旅館への心づけ(心付け)のマナー|包み方や渡し方は?
旅館への心づけ(心付け)のマナー①お金が見えない包み方で
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旅館への心づけ(心付け)では、むき出しのお金を渡してはいけません。お金が見えないように、包んで渡すようにしましょう。このとき使用するお金は「お札」です。硬貨は入れないように注意してくださいね。海外でのチップであれば、お金をそのまま渡しても硬貨を渡しても失礼ではありませんが、心づけは違います。
包み方は、ポチ袋や白い封筒に入れる方法で十分です。表書きは、書かなくても大丈夫です。気になる場合は、「松の葉」または「花一重」と書くと良いですね。松の葉や花びらほどの、わずかなものという意味があります。シンプルに「寸志」や「心づけ」でも大丈夫です。
また、懐紙に包んで渡すという方法もあります。事前にポチ袋や懐紙を準備できなかった場合は、せめてティッシュでも良いので包むようにしましょう。ちょっとした折り紙で、ポチ袋や封筒を作る方法もあるので、気になる方には、こちらの記事の折り方が参考になります。
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POINT
お金の折り方
ポチ袋や懐紙など、小さめのものに包む場合は、お札を折ってから入れますね。肖像画が印刷されている側を表にして、左側→右側の順に3つ折りにしましょう。封筒に入れる場合は、封筒の上側にお札の肖像画がくるように入れます。
旅館への心づけ(心付け)のマナー②人に見えない渡し方で
旅館への心づけ(心付け)のマナーでは、他の人に見えないタイミングでの渡し方がベストです。ロビーなど、人目がある場所で渡すのは避けたいですね。タイミングとしては、お部屋に案内してくれた仲居さんの去り際を見計らって、そっと渡すのが良いでしょう。
旅館によっては、部屋付きの仲居さんが挨拶にくることもあるので、そのときに渡すのも良いですね。「お世話になります」という意味を含めて渡します。
宿泊する前は必要ではないと思っていても、思わぬことでお世話になったり、サービスが嬉しく感じたりすることもあります。心づけは「感謝の気持ち」を表すものなので、宿泊した後に渡しても、マナーとしておかしくはありません。最後の朝食の後に、「ありがとうございました」という意味を含めて渡してもOKです。
旅館への心づけ(心付け)のマナー③簡単な一言で
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心づけを渡すときのマナーとして、簡単な一言を添えて渡したいですね。しかし、なんと言ったら良いのか迷ってしまうこともあります。心づけを渡す習慣がある人たちは、次のような一言を添えています。
心づけを渡すときの一言
- 「お世話になります」
- 「ほんの気持ちですけれど…」
- 「少しですが、お受け取りください」
- 「心ばかりのものですが」
- 「おかげさまでゆっくり過ごせました」
また、仲居さんの立場上、一度は「お気遣いなく~」と答えなければいけません。あっさりと引き下がらず、再度「感謝の気持ちですから」と渡せばOKですね。2度目もやんわりと断られたら、旅館のポリシーで禁止されている可能性が高いです。無理に渡すのもマナー違反なので、感謝の言葉だけを伝えて、宿を満喫しましょう。
旅館でのマナーは、心づけの渡し方だけではありません。旅館での楽しみといえば温泉ですが、こちらのマナーも確認しておいてみませんか?こちらの記事の内容が役に立ちますよ。
旅館への心づけ(心付け)が必要になるケースは?
旅館への心づけが必要になるケース①団体で利用する
旅館への心づけが必要になるケースとして考えられるのは、団体での利用をするときです。食事の配膳や布団の準備ひとつにしても、団体だと仲居さんや旅館の負担が倍増しますね。駅までの送迎のお世話になる可能性も高いです。
大人数で利用するので「お世話になります」という気持ちや、「いつもより手間をかけました」といった気持ちで準備するとよいでしょう。
旅館への心づけが必要になるケース②部屋付きの仲居さんがいる
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高級な老舗旅館を利用すると、部屋付きの仲居さんが決まっている場合があります。昔からのしきたりという意味で、心づけを準備しておいた方が良いケースですね。もちろん、対応してくれる仲居さんも、経験のあるプロが揃っています。
お部屋に通されたあと、仲居さんが自己紹介つきで挨拶にきたら、部屋付きの人だと思って大丈夫です。部屋で食事を配膳してくれたら、間違いありませんね。
旅館への心づけが必要になるケース③子どもや介護が必要な同行人がいる
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小さな子どもや、介護が必要な同行人がいる場合は、心づけを準備しておくと良いでしょう。子どもの場合、どんなに注意していても、備品を壊したり汚したりしてしまうことも考えられます。また、介護が必要な場合は、仲居さんがいろいろと手伝いを買って出てくれることでしょう。
お世話になりすぎて心苦しいと思ったら、多少の心づけを準備しておくと、安心してお願いができるようになります。お互いのためにと、渡しておくと良いでしょう。
旅館への心づけが必要になるケース④特別な対応を求める
特別な事情があって、旅館側に特別な対応を求めるときに、心づけを渡すようにすると良いですね。お部屋のグレードを上げてもらった、記念日の演出のためにケーキを準備してもらった、家族でどうしても飲みたいお酒だったので持ち込みを許可してもらったなどのケースで、渡す人がたくさんいます。
少し無理をお願いするという自覚があるときは、心づけを準備しておきましょう。こちらの気が楽にになりますし、頼みやすくなりますよ。
旅館への心づけが必要になるケース⑤長期で滞在する
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特定の旅館に長期滞在すると、仲居さんと顔見知りになることがあります。長期のお客さまなので、好みや生活パターンを理解してくれます。ちょっとした世間話が弾むこともあるでしょうし、いつもの時間に姿が見えないと、心配してさりげなく様子を見に来てくれることもあるでしょう。
親身になってくれる旅館相手であれば、ちょっとした心づけを添えることで、感謝の気持ちを返しやすくなります。長期滞在を視野に入れたとき、心に留めておくと良いですね。
旅館への心づけは泊まる人の気持ちしだい
旅館への心づけ(心付け)は、チップとは違い、絶対に必要なものではありません。あくまで、感謝の気持ちを伝えるための習慣です。心づけを渡すのも、渡さないのも、泊まる人の気持ちしだいで大丈夫なのです。
渡した方が気持ちよく過ごせると感じた場合は、相場の金額などを参考に準備してくださいね。心づけを渡すことに慣れないうちは、ぎこちないかもしれませんが、それも楽しい旅の思い出の一つとなりますよ。
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