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アラブの民族衣装について!男性・女性の伝統衣装は?着用シーンも

更新:2022.03.05

アラブの民族衣装や伝統衣装はご存知ですか?厳しい環境のなかで培われてきた文化ですが、とても魅力的なんです。今回は、アラブ地方の民族衣装・伝統衣装について男性・女性別に紹介します。アラブ文化を語るのに切っても切れない宗教や気候についてもご紹介します。

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アラブってどんな国・地域・地方?

「アラビア語」を話す人々がいる国々の総称

アラブは、主にアラビア語を話す地域をそう呼びます。アラビア語は日本ではマイナーな言語かもしれませんが、世界では23か国も話されている言語です。その言語を話している地域に住む人々のことをアラブ人と呼びます。また、このアラブにアラビア語を公用語としないイランやトルコなどを含んだ地域を中東といいます。

アラブの気候

アラブの民族衣装や伝統衣装を語るのに切っても切れないものは、気候です。アラビア半島をはじめエジプトなどアフリカ大陸では、昼間は気温50℃にも近くなるほどの高温に乾燥した砂漠地帯が続いています。さらに夜になると気温はマイナスにになることもあるため、厳しい過酷な環境といえます。

イスラム教の広まる地域

そんな厳しく過酷な環境では、宗教が生まれ定着しやすいといえます。宗教とは、いわば生きやすくするための攻略本です。戦争で夫や父親を亡くした女性や子供を守るため、食べ物で人々が苦しまないため、さまざまなきまりごとがあります。それを記したのがコーランです。

過酷な気候に加え、このコーランのきまりごとがアラブの民族衣装や伝統衣装には重要です。成人した女性は家族以外の男性には肌や髪を隠さなければいけません。近年では政治と宗教を分離する考えが定着し禁止する国もあるようですが、今でもその文化は絶えることなく続き、進化しています。

アラブの女性用の民族衣装・伝統衣装6選!

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装①ヒジャブ

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装1つ目は、ヒジャブです。ヒジャブは、日本にいても見かけることがあるのではないでしょうか。最も一般的なムスリムの女性の衣服で、顔を出しその周りの頭や髪をこのヒジャブで隠しています。

デザインもさまざまで、ヒジャブの下は普通にTシャツにジーパンだったり、カットソーを着ていたり、かわいいヒジャブを身に着けオシャレを楽しんでいます。観光地化していない地域ではヒジャブをしていないとかなり視線を感じます。

POINT

ヒジャブのとめかた

ストールのような布をヒジャブとして巻いているムスリムの女性を見かけたことがあると思います。どんなふうに留めているかご存知ですか?実は、待ち針のようなもので留めているんです。アラブの国に行くと、コンビニのような商店のレジの横に針山があり、待ち針をすぐ購入できます。

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装②アバヤ

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装2つ目は、アバヤです。アバヤは、基本的に色は黒で、目の周り以外をすべて覆い、体のラインを隠すようなかたちのワンピースです。強い日差しからも身を守ることができます。主にアラビア半島の国々でよく見る民族衣装です。


サウジアラビアでは、女性が外出する際にこのアバヤを身に着けることを義務付けています。また、ムスリムでない観光客であってもモスクなどにはこのアバヤを身に着けていないと入れません。観光地化しているモスクでは、アバヤを貸し出してくれます。

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装③ニカーブ

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装3つ目は、ニカーブです。ニカーブとは、アラビア語で「マスク」を意味しています。言葉通り目以外をすべて隠すマスクです。

最近ではカラフルなヒジャブやニカーブを見かけることも多くなりました。このようなパステルカラーのアイテムでロリータファッションを楽しむムスリム女子も多くなっているんです。

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装④ブルカ

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装4つ目は、ブルカです。ブルカとはヒジャブの一種で女性の顔をかくすヴェールです。顔の部分はネット上になっています。アフガンなどで着用している方が多いようです。私自身もエジプトで生活していたことがありますが、アバヤまでは見たことがありますがブルカは見かけませんでした。

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装⑤ブルキニ

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装5つ目は、ブルキニです。ブルカとビキニを合わせた、近年登場したムスリム女性用の水着です。アラビア半島や地中海に面したエジプトなどは、綺麗なビーチが多いのですが、宗教的な理由で海水浴をしている方は少ない印象です。

実際私も、エジプトの海で海水浴をしていると、通りすがりの現地のおばあさんに、こんな格好で海に入るなんて、と怒られてしまいました。このブルキニがあれば、おばあさんも納得してくれたかもしれません。

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装⑥ガラベイヤ

アラブの女性用民族衣装・伝統衣装6つ目は、ガラベイヤです。ガラベイヤは、女性用という決まりは特になく男性用のガラベイヤもあります。しかし、現地の市場に行くと圧倒的に女性用のガラベイヤ専門店が多いです。

色も柄もさまざまできれいで、圧倒されてしまいます。ゆったりとした造りなので、日本に帰って部屋着にしたいという女性も多いです。

アラブの男性用の民族衣装・伝統衣装5選!

アラブの男性用民族衣装・伝統衣装①カンドゥーラ


アラブの男性用民族衣装・伝統衣装1つ目は、カンドゥーラです。カンドゥーラは、マキシ丈のワンピースのような衣装です。下にはTシャツを着て腰巻をしている人が多いようです。襟の部分や模様、色などでだいたいどの国の人なのかがわかります。

カンドゥーラに使われている生地のことを「トーブ」といいます。地産地消が多い民族衣装の素材ですが、実は日本製の生地が大変人気なんだそうです。次いで韓国など意外と輸入に頼っています。

アラブの男性用民族衣装・伝統衣装②ビシト

アラブの男性用民族衣装・伝統衣装2つ目は、ビシトです。ビシトは、カンドゥーラの上に羽織る上着です。砂漠は暑いと思われがちですが冬の夜などはとても寒くなります。上着も必要不可欠です。

アラブの男性用民族衣装・伝統衣装③クーフィーヤ

アラブの男性用民族衣装・伝統衣装3つ目は、クーフィーヤです。クーフィーヤは、アラブ人の男性の頭に巻いているターバンのような布のことです。赤と白のチェック模様のような柄のクーフィーヤを巻いたアラブ人を想像する人は多いと思います。

アラブの男性用民族衣装・伝統衣装④ターキーヤ

アラブ人の男性用民族衣装・伝統衣装4つ目は、ターキーヤです。ターキーヤは、クーフィーヤがずれてしまうのを防ぐのにクーフィーヤの内側にかぶる内帽です。ターキーヤをかぶるだけの地域もあります。

アラブの男性用民族衣装・伝統衣装⑤イカール

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アラブの男性用民族衣装・伝統衣装5つ目は、イカールです。イカールは、黒くて丸い輪っかです。ターキーヤをかぶり、クーフィーヤを巻いて、最後にこのイカールでとめます。羊毛やラクダの毛でできているものもあります。現地ではイカールの専門店があります。

こちらのターキーヤ、クーフィーヤ、イカールの組み合わせをみるだけでアラブという感じがします。地方によってクーフィーヤの柄や巻き方なども違います。強い日差しや砂ぼこりから体を守ってくれるアイテムの一つです。

以下では、世界のかっこいい男性の民族衣装について紹介しています。世界の男性の民族衣装について気になる方はぜひ参考にしてみて下さい。

アラブの民族衣装・伝統衣装を着用するシーンは?

ラマダーン期間中


アラブ人がアラブの民族衣装・伝統衣装を着用するシーンは、ラマダーン期間中です。ムスリムにとって大切な期間なので、ムスリムらしい服装をする人も増えます。

ラマダーン期間中は、夜明けから日没まで断食します。断食中は食事だけでなくケンカや悪口などよくないものとするものを避け、欲の一切を我慢しつらい経験をムスリム同士で乗り越えることにより団結心や分け合う心を育みます。

POINT

!رمضان كريم(ラマダーンカリーム)恵み多い月ラマダーンおめでとう!

ラマダーンの代名詞とも言える断食ですが、どんな印象をお持ちでしょうか。飲まず食わずで1か月を過ごす苦行でしょうか。しかし、ラマダーン期間中は昼間なにも飲まず食わずなのは事実ですが、夜になると街はライトアップされ、おいしい料理がたくさん準備され、お祭り騒ぎなのです。1日我慢した食事や水、お砂糖たっぷりの紅茶、フルーツなど、これらを日没に家族みんなでいただく一口目は、格別なのだそうです。

アラブの民族衣装は日常的な衣服

ここまでご紹介したアラブの民族衣装・伝統衣装のほとんどが、日常的にアラブ人が着ているものです。日本人のようにイベントごとがあるから和装する、というわけではありません。日常的に、または宗教的に、地方によっては法律的に、普段している格好なのです。

アラブ人の結婚式

会場は男女別々

アラブの人々の結婚式は、男女別々の部屋で行われます。そのため、花嫁も招待客もアバヤを脱ぎ、豪華でセクシーな洋装のドレスでお祝いします。男性はカンドゥーラを着用していることが多いです。近年では男女同じ会場で行うことも増えているようですが、その場合には招待客も花嫁もヒジャブやアバヤを着用します。

幸せを呼ぶおまじないヘナタトゥー

アラブの結婚式では、女性はヘナタトゥーを施します。ヘナタトゥーとは、ヘナという植物をコーヒーや紅茶、レモン汁などと一緒に練ってつくったペーストで肌を染めることです。だいたい1~2週間で自然に消えていきます。幸せをよぶおまじないとして、中東やインドで広く行われています。

結婚式は女性が集まって、花嫁にヘナタトゥーをしていきます。「幸せに暮らしていけますように」という祈りをこめて、手や足に模様を描いていきます。

以下では、ヘナタトゥーのおすすめデザインについて紹介しています。しあわせのおまじないヘナタトゥーに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。マタニティーヘナも近年人気です。

行われるのは木曜日

アラブの地域では、結婚式は木曜日に行われることが多いです。これは金曜日が一般的にお休みのため、日本でいう土曜の夜にあたるからです。木曜日の夜になると、街のあちこちで結婚式が始まります。また、誰が参加してもいいようで、私も見ず知らずの人をお祝いしたことがあります。

以下では、結婚式のテーマの決め方、素敵な結婚式の準備について紹介しています。お葬式にはお経をあげ、結婚式は教会で挙げる日本ですから、いっそのことアラブの結婚式を考えてみるのはいかがでしょうか。

国によって違うカンドゥーラ

地方によって違う民族衣装カンドゥーラ①サウジアラビア

地方によって着方や形が違う民族衣装カンドゥーラ1つ目は、サウジアラビアのカンドゥーラです。基本白で、首元には立襟がついています。ネクタイのようなものはありません。クーフィーヤは白と赤のチェックを着用する人が多いです。

地方によって違う民族衣装カンドゥーラ②UAE

地方によって着方や形が違う民族衣装カンドゥーラ2つ目は、UAEアラブ首長国連邦のカンドゥーラです。こちらも基本は白色で、クーフィーヤも白の人が多いです。首にはネクタイのようなものがしてあります。サウジアラビアのカンドゥーラがタイトめなラインなのに対し、UAEのカンドゥーラはゆったりとしています。

地方によって違う民族衣装カンドゥーラ③オマーン

地方によって着方や形が違う民族衣装カンドゥーラ3つ目は、オマーンのカンドゥーラです。襟はなく、首からはやや短めのタッセルがぶら下がっています。タッセルは、香油などがしみこませてあったりして、いい香りがします。クーフィーヤは着用していない人が多く、ターキーヤのような帽子をかぶっています。

地方によって違う民族衣装カンドゥーラ④バーレーン

地方によって着方や形が違う民族衣装カンドゥーラ4つ目は、バーレーンのカンドゥーラです。バーレーンのカンドゥーラは、唯一アラビア半島の国ではシャツに色があるものを好んで着る人が多いです。胸元にポケットがついているものも見られます。クーフィーヤは普通に着用しています。

地方によって違う民族衣装カンドゥーラ⑤カタール

地方によって着方や形が違う民族衣装カンドゥーラ5つ目は、カタールのカンドゥーラです。光沢のある白い生地を使用している場合が多く、立襟です。クーフィーヤは翼を広げた鳥のように広げてイカールで留めることが多く、クーフィーヤの質が少し硬めです。

アラブの民族衣装・伝統衣装を楽しもう!

いかがでしたでしょうか?アラブの国々の民族衣装や伝統衣装を女性・男性別に紹介させていただきました。アラブでは公共の場で写真撮影をすることがあまりよしとされていないため画像は少ないのですが、近年もそれぞれの地方でどんどん進化を遂げています。

日本でも着られそうなガラベイヤや、ヒジャブ用のスカーフなどきれいな生地のものもたくさんありますので、興味のある方はぜひ調べてみてください。最近はネットで購入できます。

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