中国の民族衣装について!男性・女性の伝統衣装は?着用シーンも
更新:2022.03.05
今回は日本とお隣の国である中国の民族衣装についてご紹介します。男性・女性別の伝統衣装や着用シーン、さらに伝統衣装の歴史もお伝えしていくので、中国文化に興味のある方や、どんな民族衣装があるのか知りたい方は、ぜひチェックしてくださいね!
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INDEX
中国ってどんな国・地域・地方?
世界最大の人口を誇る国
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中国は日本の西隣に位置し、世界最大の人口を誇る国であります。その人口は13億8千万人以上で、世界最大級だといわれています。日本の人口が1億2667万人であり、この数字は世界11位。このように日本と中国を比べても、中国の人口は非常に多いということが伝わってきますよね!
また、中国の総面積は約900万km2で世界3位、日本は約40万km2で世界62位であることからも、人口だけでなく総面積も桁違いだということが伺えます。海を挟んだ日本のお隣の国である中国ですが、文化や習慣、考え方のほか、人口や面積にも大きな違いが表れています!
POINT
中国の首都はどこ?
世界最大の人口を誇る中国ですが、首都は北東に位置する北京(ペキン)市です。上海(シャンハイ)市と勘違いしやすいですが、どちらも中国の巨大都市として知られています。ちなみにペキン市の人口は2152万人であり、現在も中国の経済を支え続けています!
地方も合わせると56もの民族が存在する
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人口も面積も日本と桁違いの中国ですが、地方を合わせると56もの民族が暮らしています。中国には主に漢民族が、92%とほとんどを占めています。つまり残りの8%が、少数民族で構成されています。漢民族の次に多いのが中国南部で暮らすチワン族、東北部で暮らす満族、中国最大のイスラム民族である回族と続きます。
中国は地理的にモンゴルやベトナム、インドなどさまざまな国と隣接していることからも、文化の影響を受けやすく、実に多くの民族が暮らしていることが想像できます。さらにおもしろいことに、中国の民族ごとに民族衣装や伝統衣装にも違いがあります!日本の伝統衣装=着物ですが、中国では民族ごとに異なるようです。
中国の女性用の民族衣装・伝統衣装2選!
中国の女性用の民族衣装・伝統衣装①漢服
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中国の女性用の民族衣装・伝統衣装の1つ目は、漢服(かんぷく)です。この漢服は中国語では汉服と書き、ハンフーと読みます。そんな漢服は今よりはるか昔、紀元前2500年から1600年までの間、中国で暮らす漢民族の間で着用された伝統衣装です。中国の歴史は長いですが、漢服にも約4000年と長い歴史があります。
「漢服」というとイメージがなかなか湧きづらいですが、中国王朝を題材にしたドラマなどに出てくる皇帝や皇族が着ている伝統衣装というと、想像がつきやすいのではないでしょうか?約4000年と、長い歴史のある漢服。当時漢服を着ていた中国人たちはどんな思いで過ごしていたのだろうと、思いを馳せてしまいますよね。
鮮やかな色合いが美しい伝統衣装
中国の伝統衣装である漢服の特徴は、やはりその色合いの美しさ。SNSを見てみると、鮮やかな赤や水色、グリーンなど、さまざまな色の漢服があることが伺えます!またペールピンクやペールブルーといった、可愛らしい印象の強い漢服もあるようです。さらに白の漢服は、より高貴で神聖なオーラが漂っています。
POINT
和服の原型ともいわれている漢服
漢服は和服の原型にもなっているといわれています。そう言われてみると、漢服の鮮やかさや襟元、袖のデザインなどは、どことなく日本の伝統衣装である着物を連想させますよね。そのため漢服は、日本人にも合わせやすい外国の民族衣装といえるでしょう!
中国の女性用の民族衣装・伝統衣装②チャイナドレス
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中国の女性用の民族衣装・伝統衣装の2つ目は、チャイナドレスです。「中国の民族衣装と聞いて、漢服よりチャイナドレスを思い浮かべた!」という方も多いのでは?足にスリットの入ったセクシーなチャイナドレスは日本でもコスプレイベントやハロウィンで着る女性もいるため、漢服より知名度がある分馴染みがありますよね!
そんなチャイナドレスは中国では旗袍(チーパオ)と呼ばれ、実は中国で大多数を占める漢民族の伝統衣装ではなく、実は満州族の伝統衣装なのです。中国最後の王朝・清王朝を築き上げた満州族は騎馬民族なので、移動手段として馬が使われていました。女性も馬に乗りやすくするため、両足に深いスリットが入ったようです。
POINT
日本以外でも着られているチャイナドレス!
実はチャイナドレスは、日本以外にも台湾や香港などでも着られています。美しく色気のあるチャイナドレスは、女性なら一度は試してみたくなりますよね!
伝統衣装の美しい柄にも注目を!
セクシーな印象の強い、中国の満州族の伝統衣装であるチャイナドレス。男女ともに足元のスリットに「綺麗だな〜」なんて見惚れてしまいがちですが、さまざまな柄や刺繍にも注目してみましょう!日本人女性にも馴染みやすい花柄や、写真のようにちょっと個性的な柄のチャイナドレスもあり、実はとても種類が豊富なのです。
また、ここまで読んで「中国人の女性って、なんでこんなに綺麗なのだろう?」と疑問を抱いた方も多いはず。日本は可愛い系が、中国は美人系のイメージが強いですよね!こちらの記事には中国人の女性が綺麗な理由や、メイクの特徴がまとめられています。中国人の美の秘訣が知りたい方は、ぜひこちらも参考にしてくださいね。
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中国の男性用の民族衣装・伝統衣装について!
男性も女性と同じく漢服を着用する
中国の男性用の民族衣装・伝統衣装として、女性と同じく漢服が挙げられます。男性の漢服には種類があり、また身分によってもどの漢服を着るか、もしくはどの装飾をつけるか、きちんとしたルールがあったようです。今では誰もが好きな色の伝統衣装を試せるといえますが、昔はそういうわけにはいかなかったようです…
例えば当時の貴族が着る漢服は、柄が豪華、裾が長いといった特徴が挙げられます。反対に庶民の着る漢服は、裾が短かったといわれています。日本でも身分により衣の色が変わっていたことから、日本も中国も衣服の色や柄、もしくは裾の長さで身分を分けていたということが伺えます。
ちなみに日本で聖徳太子が定めた冠位十二階は、位が高い順に濃い紫、薄い紫、濃い青、薄い青、濃い赤、薄い赤、濃い黄色、薄い黄色…という順番で、色分けされていました。最下位は黒と薄い黒。現在も紫と聞いて高貴な色とイメージする方が多いかもしれませんが、この感覚は昔から変わっていないといえるでしょう!
中国の漢服は男性も妖艶な印象に!
中国の民族衣装である漢服は、袖や袴がゆったりしたデザインになっています。歩く度にふわりと揺れる漢服は、男性もなんだか妖艶な印象になりますよね!きっと当時の中国でも、そんな漢服を着た妖艶な男性に心を奪われた女性がたくさんいたのではないでしょうか…?中国の民族衣装は、どこか優艶なものが多いですよね。
男性は漢服にプラスして幞頭をかぶることも!
中国の男性は漢服にプラスして、唐朝時代は幞頭(ぼくとう)をかぶっていたといわれています。幞頭は、四角い布で髪をまとめる頭巾のようなもの。唐朝時代はこの幞頭が大流行し、中国の男性は漢服+幞頭というスタイルが定番だったようです!また幞頭のほかに、冠や帽子をかぶっていた男性もいます。
女性の場合はどうなのかというと、漢服にプラスして冠や櫛を身につける女性が多かったようです。髪にも真珠や花を飾り付けていたようです。美しい漢服にこのようなきらびやかな装飾をほどこせば、高貴な雰囲気に仕上がりますよね。想像するだけで「当時の漢服を着た高貴な人たちに会ってみたい!」という気持ちになります!
ちなみに「世界各国のかっこいい男性民族衣装を見たい!」という方におすすめなのが、こちらの記事。ここにはアジアや中東、ヨーロッパの男性民族衣装がそれぞれまとめられています。普段なかなか見れないからこそ、どんな民族衣装があるのか気になりますよね。興味のある方は、ぜひこちらもチェックしてみてください!
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中国の民族衣装・伝統衣装を着用するシーンは?
結婚式や成人式に民族衣装を着用する中国人も!
そんな中国の男性・女性の民族衣装である漢服は、結婚式や成人式など、特別な日に着用されています。ちなみに中国の結婚式では、漢服のほか赤い婚礼服が着られることもあります。また中国人女性からも、白のウェディングドレスは人気のようです。
日本でも伝統衣装である着物を着る夫婦や、西洋式にタキシードやドレスを着る夫婦がいます。また日本人女性からも、白のウェディングドレスは人気がありますよね!日本と中国は別の国ではありますが、このように似たような文化や考えを持っているのはとても興味深いことだといえるでしょう。
一時伝統衣装を着て旅行をするトレンドもあった
さらに中国では一時伝統衣装である漢服を着て旅行をしたり、街を出掛けたりするトレンドもあったよう!日本でも着物を着て外出したりする人はいるもの、トレンドとなり大勢の日本人が再び着物を着ることはありませんでした。やはり伝統衣装は洋服に比べ着るのが面倒、動きづらいという理由から、躊躇してしまいますよね。
この漢服を着て旅行をするというのは、1980年〜1990年生まれの中国人の間に起こったトレンドだったといわれています。洋服が一般的になった現代、街中で伝統衣装である漢服を着たらかなり注目を浴びそうですよね!また旅行先で友達と一緒に漢服を着るのも、また違った旅の思い出となり心に残るといえるでしょう!
現代の漢服事情
実は民族衣装を着ている中国人はほとんどいない
では現代で漢服を着ている中国人をよく見かけるかというと、そういう訳ではないようです。中国では普段着として漢服を着ると、なんと周囲から「何かのイベントにでも行くのだろう」「コスプレでもしているのだろうか…?」という目で見られてしまうそうです。
日本では着物を着てもそういう風には取られないので、この点は日本と中国の伝統衣装に対する感じ方の違いだといえるでしょう。ですが日本でも着物を着ている人はいますが、昔に比べ少数派となってしまいました。中国でも日本でも、街中で伝統衣装を見かける機会が少ないというのは、少し悲しいことでもありますよね。
民族衣装である漢服事情は中国の歴史が大きく関わっている
まず中国に西洋文化が入ってきた時代、日本と同じように西洋化が進み洋服を着る中国人が増え始めました。そして1966年〜1976年の間、毛沢東による共産主義の思想に基づいた文化大革命が起こり、漢服を含め旧文化を否定する運動がはじまります。
当時は人民服が強制され、漢服を着るのは禁じられていました。このような歴史があったことから、中国では一度漢服を着用するという文化が消滅してしまいます。中国人が伝統衣装である漢服を着なくなったのは、歴史が大きく関わっているといえそうです。
今では中国の伝統衣装である漢服を復興させようとする動きも!
一度消滅してしまった民族衣装の文化ですが、今では中国の経済発展に伴い自分たちのアイデンティティを探そうと、「中国の誇りや旧文化である漢服をもう一度復興させよう」と考える中国人が多いようです。また中には漢服同好会を作る中国人や、漢服で集まるイベントを開催する中国人もいるほどなのだそう。
このように中国では漢服復興運動は盛り上がりを見せていて、先ほどもお伝えしたように、漢服を結婚式などに着る中国人も増えている傾向があります。さらに普段着として漢服を着るとまだまだ浮いてしまう中国ではありますが、最近では実用的なデザインの漢服なども売られ、普段着として愛用している中国人もいるようです。
POINT
中国では伝統衣装を着ている少数民族もいる
そんな中国ですが、今でも伝統衣装を着用している漢民族以外の少数民族もいるようです。一言に中国の民族衣装や伝統衣装の文化といっても、中国にいる民族ごとに文化が異なるのもおもしろいですよね!
中国の民族衣装・伝統衣装を楽しもう!
今回は中国の民族衣装である漢服やチャイナドレス、そして幞頭をご紹介しました。チャイナドレスと同じく、漢服を着た中国人はどこか妖艶で美しい印象を与えてくれます。また漢服やチャイナドレスと一言にいっても、その柄や色、刺繍はさまざま。実際身につける際は、どのデザインにしようか迷ってしまいそうですよね。
そんな中国の民族衣装は歴史的な事情により着る習慣が少ないとのこと。着物を着る文化を持つ日本人からしたら悲しいことですが、漢服復興運動というものがあることから、今後漢服の文化が復活する日もそう遠くはないのではないでしょうか?中国に漢服の文化が定着したときは、ぜひ一度漢服で街を歩いてみたいものですよね。
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