組紐の作り方と飾り結びの結び方・使い道は?几帳結び/吉祥結び/菊結び
更新:2019.06.21
美しい伝統の装飾品「組紐」が、映画で取り上げられたことにより再び人気になっています。自分でもできる飾り結びの結び方をマスターして、アクセサリーを作ってみませんか?アジアンノットとも呼ばれる飾り結びのうち、代表的な几帳結び、吉祥結び、菊結びの簡単な作り方をご紹介いたします。
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INDEX
飾り結びに使いたい組紐とは?作り方も!
仏教とともに伝来した伝統的な装飾品「組紐」
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組紐とは、日本の伝統工芸の一つで、細い絹の糸などを組みながら編んで作られる紐です。仏教の伝来とともに、仏具や経典などの装飾品として日本に伝わりました。その後、礼服、武具の飾り、茶道具の飾りなどに使われるようになり、豊臣秀吉が美術工芸品の製作を推奨したことから、組紐を職業とする人が現れました。
江戸時代頃には、組紐の製造はますます盛んになり、種類も増えました。武家社会に浸透し、武具などの装飾品として重宝され、美的センスを競うアイテムとなりました。江戸時代の末期頃には、女性たちの着物の帯締めにも使われるようになり、着物の装飾品として浸透しました。
最近の組紐
武具や着物の装飾品として大人気だった組紐ですが、明治以降、武具は身近な生活から消え、その後、着物も使用頻度が下がっていき、組紐を使う機会は減ってしまいました。人気の手芸としては続けられていますが、日常的に使う人は少なくなっていました。しかし、高品質でデザインも良い組紐は、別の使い方をされ始めました。
アメリカにあるスポーツブランド「ナイキ」は、製造しているシューズの紐に伝統的な平打ちの組紐を採用し、2001年に発売されました。最初、話を受けた老舗の組紐店は、前例がないことや伝統の維持の点から一度は断ったそうですが、のちに承諾し、新しい製品が製造されました。
また、大ヒットした映画「君の名は。」の主人公が、組紐を身につけていたことにより、若い人たちにも知られるようになり、身近なアクセサリーとしても再び注目が集まっています。また、東アジア地域の結び方も加えて、アジアンノットと呼ばれるようにもなっているようです。
組紐の簡単な作り方
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組紐作りには、「組紐ディスク」と呼ばれる、切り込みの入った円形の器具を使います。番号のつけられたディスクに紐を通し、順番通りに紐を編んでいくことで組紐ができあがります。組紐ディスクは、手芸用品店などに販売されています。また100均にも売っています。
使う紐は、刺繍糸やレース編み用の糸など、細めの紐を使います。どちらも手芸用品店で購入できますし、100均などにも販売されています。一色で編んでもいいですし、お好きな色を組み合わせてもいいでしょう。
4本の紐を使った組紐は、初心者でも簡単に作ることができます。4本とも同じ色で作るとシンプルに、4本とも違う色で作るとところどころに模様が入り、カラフルなできあがりになります。8本、16本と使う紐の数を増やすことで、より複雑な模様の入った複雑な組み方ができるようになります。
代表的な飾り結び|几帳結びの結び方
代表的な飾り結び|几帳結びとは
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几帳結びは、古くから、几帳やついたての飾りとして使われていた結び方です。形は、カタバミをかたどっていると言われています。ひょうたんをの房を結ぶ時などにも使われます。
几帳結びは、組紐を使っても美しく仕上げることができますが、少し太めのカラフルな紐などを使っても、美しく仕上げることができます。また、几帳結びをアクセサリーに使う場合などは、皮ひもなどを用いても良いかもしれません。
代表的な飾り結び|几帳結びの結び方・作り方
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几帳結びは、さほど複雑な結び方ではありませんが、初めて結ぶ場合は、紐があまりに長すぎると難しいかもしれませんので、短めの紐から始めてみると良いでしょう。
几帳結びの結び方
- 組紐を横に伸ばして持ちます。
- 左側から小さく輪を作り、左手親指で押さえます。
- 左側の端の紐から2つ目の輪を作り、左手親指で押さえます。
- 右側の紐の途中に3つ目の輪を作り、1つ目の輪に通します。
- 紐の右端を3つ目の輪に通します。
- そのまま2つ目の輪にも通します。
- 紐の右端をそのままゆっくりと引っ張ります。
- 紐の左端を持ち、3つ目の輪の下から通します。
- 3つの輪と紐の両端をゆっくりと引っ張りながら形を整えます。
- 形を整え、しっかりと締めたら、できあがりです。
代表的な飾り結び|吉祥結びの結び方
代表的な飾り結び|吉祥結びとは
吉祥結びは、お守りの結び方の一つです。招福、平安、健康を祈る結び方で、縁起の良い、おめでたいものとして親しまれています。吉祥結びは、花のような可愛らしいデザインで、花びらの大きさで大きく印象が変わりますので、アレンジも楽しめそうです。
代表的な飾り結び|吉祥結びの結び方・作り方
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吉祥結びは、几帳結びよりさらに複雑な結び方になりますので、初めて結ぶ場合は、まずは結びやすい紐を選んでから結び始めると良いでしょう。吉祥結びは少し難しい結び方ですが、マスターすると、様々なものの飾りとして使えとても便利です。
吉祥結びの結び方
- 紐を二つ折りにして持ち、7cmほど下を左手で持ちます。
- 右側の紐で同じく7cmほどの輪を2つ作り、左手で合わせて持ちます。
- 紐の両端を2つ目と3つ目の輪の間にかけます。
- 2つ目と3つ目の輪を場所を入れ替えるようにねじります。
- 3つ目の輪をさらにねじり、1つ目の輪の左まで持っていき、親指を外します。
- 2つ目の輪を、親指を通していた穴に通します。
- 少し輪を引っ張り、真ん中の紐の結びをしっかりと整えます。
- 左手で結び目の下を抑え、紐の両端を左側の輪と真ん中の輪の間にかけます。
- 左側の輪を右へ、真ん中の輪を下へ折ります。
- 右側の輪は、左側の輪と真ん中の間へと通します。
- 再び、輪を引っ張りながら、中央の結び目を整えます。
- 裏返し、輪と輪の間にある小さい輪を引っ張り、形を整えます。
- 形を整え、しっかりと締めたら、できあがりです。
代表的な飾り結び|菊結びの結び方
代表的な飾り結び|菊結びとは
菊結びとは、菊の形をかたどった飾り結びです。菊結びは「聴く」に由来していて、物事を理解したり、周りとの調和をとったりするという意味があります。そのため、菊結びは、物事をスムーズに進めるための縁起のいい飾り結びです。
代表的な飾り結び|菊結びの結び方・作り方
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菊の花のように可愛い菊結びは、使い道もたくさんありますので、ぜひマスターしたい飾り結びです。菊結びは、吉祥結びと非常に似た結び方で、少々難しいかもしれませんので、結びやすい紐を使って結んでみましょう。
菊結びの結び方
- 机の上に、一筆書きの十字になるように紐を置きます。
- *左、上、右の端に輪ができるようにします。
- 下の2本を折り、左側の2本の上に乗せます。
- 左側の輪になった2本を折り、上の2本の上に乗せます。
- 上側の輪になった2本を下に向けて折ります。
- 右側の輪になった2本を左に向けて折り、最初に移動させた端の部分の2本にくぐらせます。
- 輪になった3ヶ所と端になっている部分を、4ヶ所同時に引っ張ります。
- 中央の結び部分を整えます。
- 再度、下に紐の端が来るように十字に置きます。
- 下の2本を折り、左の2本の上に乗せます。
- 左の2本を折り、上の2本の上に乗せます。
- 上の2本を下に向けて折ります。
- 右の2本を左に向かって折り、端の2本の下をくぐらせます。
- 飛び出している4ヶ所を同時に引っ張ります。
- 中央の結び部分の形を整えます。
- 裏返し、結びの横に4ヶ所ある輪を引き出します。
- 形を整え、しっかりと締めたら、できあがりです。
アジアンノットの簡単な飾り結びの結び方は?
アジアンノットは最近人気の結び手芸
View this post on Instagram開扇玉房結びのピン。 ガラスに飽きるとこんなのも作っていました。 #飾り結び #アジアンノット
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アジアンノットとは、日本の手芸会社が提唱している結び手芸のことで、特に東アジア地域に伝統的に伝わる紐を結んだ装飾を作る手芸のことを指します。アジアに伝わる結び細工に総称はなく、アジアンノットも手芸会社の作った造語です。
日本では飾り結びと呼ばれるアジアンノットですが、日本の飾り結びや中国の中国結び(チャイニーズノット)を元に、より自由に様々なものが作られ、新しい結び方や作り方も作られています。
簡単なアジアンノットの結び方|総角結び
アジアンノットは、飾り結びも含めた結び方の総称ですので、上記にご紹介した作り方も含まれます。それ以外に作りやすいアジアンノットの作り方の「総角結び」をご紹介します。
総角結びの結び方
- フックや釘など、引っ掛けられる場所を準備します。
- 紐の中央をフックに引っ掛けます。
- 左側の端から軽く結び目を作り、右側の端を通します。
- 右側の端も結びます。
- 左右の結び目の輪の部分を絡ませるようにし、逆側から引っ張ります。
- 中央の結び目を整え、しっかりと締めて、できあがりです。
飾り結びのアレンジ方法は?
飾り結びのアレンジ方法と使い道①飾り結びのブレスレット
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組紐を飾り結びにして作るブレスレットです。作り方は結び方次第で、組紐の太さや、飾り結びの大きさで、豪華なものからシンプルなものまで、サイズも雰囲気も大きく変えることができます。
作り方と材料を様々に変え、皮ひもを使ったり、リボンを使ったりしても、可愛く仕上げることができます。また、途中に天然石などを通しても、素敵になりますし、飾り結びの縁起の良さをますます増してくれるかもしれません。
飾り結びのアレンジ方法と使い道②飾り結びのアクセサリー
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浴衣などによく合いそうな飾り結びのアクセサリーです。ピアスやペンダントなどが作れます。天然石や様々なパーツと組み合わせることで、普段使いにもフォーマルにも和装にも、様々なシーンで活躍してくれそうです。
飾り結びのアレンジ方法と使い道③飾り結びのヘアゴム
ヘアゴムを直接飾り結びにした飾り結びのヘアゴムです。長いヘアゴムを直接飾り結びにするので、その後の加工などが必要なく、簡単に作ることができます。
ただし、ヘアゴムは、通常の飾り結びなどに使う組紐よりも滑りやすく、また伸縮しますので、通常の組紐での飾り結びより難しく感じるかもしれません。コツが必要かもしれませんが、試してみてください。
飾り結びのアレンジ方法と使い道④飾り結びの風鈴
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風鈴に使う紐を飾り結びにしたアイテムです。通常の風鈴は、ガラスに絵を描いたり、加工をしたりしますが、透明の風鈴を使い、中に見える紐の部分と、たれの部分を飾り結びにしています。
夏の風物詩である風鈴も、さらに涼しげになり、そして招福や健康などに縁起の良い飾り結びを加えて、暑い夏も安心して乗り切れそうです。
飾り結びのアレンジ方法と使い道⑤飾り結びとつまみ細工のコサージュ
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飾り結びのタッセルを使ったコサージュです。花の部分はつまみ細工で作られています。神社やお寺でも見かけそうな豪華なタッセルをつけることで、飾り結びの印象もまたグッと変わりますので、より一層アレンジが楽しめます。
組紐や飾り結びとも相性バッチリの、こちらも和の伝統工芸「つまみ細工」も組み合わせると、飾り結びのアレンジの幅はもっと広がりそうです。こちらの記事も参考に、オリジナルのアクセサリーを作ってみてはいかがでしょうか。
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組紐は、道具を揃えるのも始めるのも簡単なハンドクラフトです。作業自体も簡単で、楽しく続ければ、誰でも美しい組紐を作ることができます。それでいて、できあがった組紐は、アクセサリーなどに加えてプレゼントに添えるなど、様々なことに使用することができて便利です。
飾り結びは、奈良時代にはすでに装飾品として使われていた、歴史の長い装飾品です。歴史の中で、多くの武具を飾り、衣装を飾ってきた飾り結びは、現代の生活も美しく彩ってくれます。
お守りなどで馴染み深く、縁起の良い飾り結びは、お部屋に飾ってもきれいですし、プレゼントのリボンなどにも喜ばれます。歴史的にも愛され続けている組紐と飾り結びを楽しんでみましょう。
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