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青空文庫のおすすめの名作12選|人気のミステリー・SFや短編小説も

更新:2019.06.21

青空文庫は、無料で膨大な数の文学作品を楽しめるデータベースです。名作から人気の作品をこれでもかと読めるのでおすすめです。今回は、青空文庫で公開されている多くの作品のなかから、短編と長編別にわけておすすめ作品をまとめて紹介していきます。

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青空文庫とは?

ミステリーからSFまで数ある名作を無料で楽しめる

数ある文豪の名作が読める場所

青空文庫は、著作権切れになった作品や著者自身が許可した作品を無料で読むことができることが特徴です。データは全て電子上に公開されており、公式サイトに訪問すればSFやミステリーをはじめ、沢山の作品を読むことが出来ます。また、パソコン以外にもタブレットやスマートフォンでも読むことができるのでおすすめです。

Kindleを利用しても読める

Kindleを利用しても読める

青空文庫は公式サイト以外にもKindleを通して閲覧することも出来ます。 Kindleにおいても公開作品数は公式サイトとほぼ変わりないので、移動先での利用などにおすすめです。読み方は通常の本を購入する時と同じで、金額は公式サイト同様に無料です。場所によって使い分けていくと良いでしょう。

無料で読める青空文庫のおすすめ名作6選|短編

青空文庫のおすすめ名作短編①瓶詰地獄(夢野久作)

瓶詰地獄は、日本探偵小説三大奇書のひとつとして有名な「ドクラ・マグラ」の作者でもある夢野久作のミステリー短編小説です。その作風はミステリー小説と言うには独特な雰囲気を持っており、読む人をその世界観に引き込ませる魅力があります。瓶詰め地獄は掌編と言われる短編で、3部構成となっていることが特徴です。

この方式は、夢野久作作品では「少女地獄」や「押絵の奇跡」といった作品にも使われています。この作品では砂浜に流れ着いた瓶のなかに入っていた手紙の内容が淡々と描かれています。しかしその中身はよくよく読んでいると矛盾が含んでおり、何度も読み返して推理を楽しめる作品なのでおすすめです。


青空文庫のおすすめ名作短編②桃太郎(芥川龍之介)

桃太郎と言えば、子どもに人気な昔話のひとつですが、青空文庫で公開している芥川龍之介が書く桃太郎もおすすめです。子ども向けのような柔らかな表現ではなく、文豪作品らしいダークで時には目を覆いたくなるような表現もあるので、子どもの頃に一度桃太郎を読んだことがある人は、その違いを楽しむのにもおすすめです。

本編には他の昔話に関するパロディ要素も含まれているので、大人が読んでも十分に楽しめる作品です。内容自体も数分で読めるので、はじめて文学作品を読む人にもとっつきやすいつくりとなっています。

青空文庫のおすすめ名作短編③白痴(坂口安吾)

白痴は、有名な文豪のひとりである坂口安吾の代表作と言える作品です。太宰治、石川淳、織田作之助などと同時期に活躍していた文豪で、白痴の発表をきっかけに脚光を浴びることになりました。当時の有名な文豪の作品を楽しみたい人や、坂口安吾に興味がある人が最初に読む作品としてもおすすめです。

白痴は、戦時下にある鎌田が舞台となっています。その内容は生活に困窮しながら離れ小屋に生活していた主人公のところに、白痴の女性が忍び込んでいるところから始まります。この作品は、坂口安吾の評論分である堕落論とも関連しているという説もあり、同じく関連のある「戦争と一人の女」と一緒に読んでも楽しめます。

青空文庫のおすすめ名作短編④檸檬(梶井基次郎)

文学作品のなかでも読んでおきたい作品としてよく名を挙げられるのが、梶井基次郎の檸檬です。その内容は、実に「詩的である」の一言に尽きます。人間が持つ感情の些細な機微を檸檬という題材を通して描くことで、梶井基次郎の世界観をこれでもかと感じることができる作品です。


青空文庫のおすすめ名作短編⑤千年後の世界(海野十三)

青空文庫でSF作品の短編を探しているのなら、海野十三の千年後の世界がおすすめです。海野十三は、日本SFの始祖の一人と呼ばれる人気作家で、たくさんの名作を生み出しています。そのなかでも千年後の世界は、短編小説のなかでも評価の高い作品のひとつとなっているため、初めて海野十三作品を読む人におすすめです。

その内容は、主人公が冷凍保存から目を覚ました千年後の世界から始まります。当時過ごしていた時代とは大きな異なりに戸惑いながら、迎える結末は短編なのに大変密度の濃い内容となっています。SFらしい世界観とブラックユーモアが適度に融合されており、どこか手塚治虫を彷彿とさせるような雰囲気を感じさせてくれます。

青空文庫のおすすめ名作短編⑥少女病(田山花袋)

青空文庫でちょっと癖のある名作を読みたいなら、田山花袋の少女病がおすすめです。田山花袋は自然主義に分類される文豪のひとりで、代表作である「蒲団」と同じ年代に発表された作品となっています。蒲団は中編小説ですが、対して少女病は短編となっているので短時間でさらりと読みたい人におすすめ名作です。

その内容は、雑誌社で働いている主人公が、通勤途中の電車で見かけた少女に妄想を募らせる物語です。女性にはない男性の心理描写は、人によって好き嫌いがわかれるからもしれませんが、代表作の蒲団を彷彿とさせる田山花袋らしい世界観を如実に感じ取ることができる作品となっています。

無料で読める青空文庫のおすすめ名作6選|長編

青空文庫のおすすめ人気長編①源氏物語(紫式部)


誰もが知る作品のひとつとして挙げられるのが、紫式部の源氏物語です。平安時代に発表された長編小説のひとつで、同時に紫式部が書いた唯一の作品です。今では世界各国でも翻訳されて親しまれている作品で、日本においては漫画や映画、ドラマといった様々なメディアミックスが行われています。

源氏物語は、3部から構成されている作品で、1部と2部は光源氏が主人公ですが、3部は薫と言われる別の人物が主人公になります。その内容は恋愛遍歴が激しい点が挙げられがちですが、そういった要素なども含めて当時の時代における価値観や考え方をそのまま投影されていることから、歴史と言う観点においても楽しめます。

青空文庫のおすすめ人気長編②吾輩は猫である(夏目漱石)

吾輩は猫であるは、夏目漱石が初めて書いた長編小説です。物語の始まりが特に独特で、発表された1905年当時でも高い評価を得た作品でもあります。夏目漱石の代表的な作品のひとつですが、一説ではエルンスト・テオドール・アマデウス・ホフマンというドイツの作家が書いた長編小説に影響を受けたと言われています。

肝心の物語は、吾輩という猫が捨てられた後にとある教師の家に住みこむことから始まります。全編を通して主人公の猫が物語の語り部を担っており、日々の出来事や思想について淡々と綴られています。構成は全10話と読みごたえのある長さとなっており、読書好きだけでなく猫好きにも読んで欲しい作品です。

青空文庫のおすすめ人気長編③審判(フランツ・カフカ)

青空文庫においてフランツ・カフカと言えば「変身」が人気ですが、同じくらい評価が高いのが審判です。日本においても多くの翻訳家を通して何度も出版されており、そういった点からも人気であることがわかります。その理由として挙げられるのが、この作品は「未完である」という点です。

しかし結末部分に関してはしっかり書かれており、断片的な部分を除けばそれでもちゃんと読める作品になっています。内容としては理由不明のまま裁判にかけられた男が、虚しくも処刑される過程を描いたものになっており、フランツ・カフカらしい雰囲気を感じさせる作品となっています。

青空文庫のおすすめ人気長編④斜陽(太宰治)

青空文庫でぜひ読んでおきたい作品のひとつとして挙げられますが、太宰治の斜陽です。戦後、人々が没落していく様を描いた内容となっており、当時この作品から「斜陽族」という流行語が誕生しました。それほどの影響力がある作品であることから、太宰治の代表作として挙げられる小説作品です。

青空文庫のおすすめ人気長編⑤破戒(島崎藤村)

島崎藤村の名作として挙げられるのが、破戒という作品です。元々は教師として、そして詩人として活動していた島崎藤村が、初めて小説家として書いた作品でもあります。その内容は教師の主人公が自身の出生に苦しみ、その内容を告白する物語となっており、夏目漱石にも認められた作品です。

青空文庫のおすすめ人気長編⑥細雪(谷崎潤一郎)

戦時中、戦後を駆け抜けた谷崎潤一郎の細雪もまた青空文庫で読める作品のひとつです。大阪を舞台に旧家の四姉妹の日々を綴った作品となっており、三島由紀夫をはじめとした多くの著名人から評価の高い作品です。また、船場言葉という今で言うところの大阪弁を用いて書かれていることも特徴です。

青空文庫で読書を楽しもう!

今回は、青空文庫で無料で楽しめるおすすめ作品についてまとめて紹介しました。短編と長編、どちらにおいても読みごたえのある人気の作品となっており、読書が好きな人もそうでない人も楽しめるものばかりです。そのほかにも沢山の名作が公開されているので、興味がある人は青空文庫で読書を充実させてください。

では、あなたは青空文庫をどのように読みますか?青空文庫の短編小説を読むとしたら、お風呂読書がおすすめです。以下の記事ではお風呂読書を楽しむ方法を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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