【時候の挨拶】12月上旬/中旬/下旬の季節の挨拶と季語は?手紙の書き出しも
更新:2019.06.21
お手紙で想いを伝えるのは素敵です。頂いた側も手書きのお手紙だと嬉しいものですね。そこで、12月の時候の挨拶とはなにか?季節の挨拶の挨拶とはなにか?季語やその手紙の書き出しはどうしたらよいのか?の疑問を解消しながら、例文を交えご紹介していきたいとおもいます。
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INDEX
12月の時候の挨拶と季語は?
12月の時候の挨拶について!
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手紙とは一般的に、書き出しの言葉である「頭語」で始まり、結びの言葉である「末文」で終わります。結びの言葉は、書き出しの言葉に対応させて書きますので、決まった組み合わせがあります。覚えておくとよいでしょう。そして、送る相手との関係や内容によって、合うものを選択するようにしましょう。
そして、頭語の後に来るのが【時候の挨拶】です。お手紙のなかに季節やそれに沿った労いなどを感じさせるものは、頂く側にとってもうれしいもの。ぜひ、皆さんも各月の時候の挨拶を使い分けてみてほしいものです。時候の挨拶には定型句も用いられますが、お相手や内容によってはご自身で考えられたものでも構いません。
手紙の構成
- 1・前文
- ①書き出しの言葉
- ②時候の挨拶
- ③安否の挨拶:まずは先方の安否を尋ね、次にこちらの様子を書く。お礼やお詫びの言葉を加える場合もこの項に書く。
- 2・主文:手紙を出す目的と要件を相手に伝わるように書く。
- ①書き起こし:例)さて・早速ですが・このたびは・ところで など
- ②本文
- 3・末文
- ①結びの挨拶
- ②結びの言葉:書き出しの言葉に対応させる。
- 4・後付け
- ①日付
- ②署名:自分の名前
- ③あて名:相手の名前
- 5・添え書き:主文に書き忘れたことがある場合に書く。
年間のイベントで12月は、「クリスマス」「御用納め」「年賀状」があります。また、12月は【師走】と言われるように、バタバタと走り回るような忙しさを感じさせる月でもありますので、お相手の健康を気遣う労いの言葉や、その年にお世話になった感謝の気持ちを言葉にして時候の挨拶と共に書かれるといいでしょう。
例):早いもので今年も暮れようとしております。どのような1年になりましたか?
12月の季語について!
QUOTE
季語(きご)とは、連歌、俳諧、俳句において用いられる特定の季節を表す言葉を言う。 引用元:wikipedia・季語
12月は1年のうちで「暮れ」にあたります。そして師走である12月全般の季語としては、1年の締めくくりとして言葉が多くなっています。また、生活面での行事など多いのが特徴です。時候や生活、地理、天文などの分野ごとに一覧にまとめますので、季節の挨拶を交えたお手紙を書く際の参考にしてみてはいかがでしょうか?
12月(師走)の季語一覧
【時候】 | 大晦日 師走 年の内 年の暮 行く年 |
【天文】 | 名残の空 |
【生活】 | 飾売 賀状書く 門松立つ 御用納 暦売 終相場 正月事始 歳暮 畳替 年越 年忘 年賀状 晦日蕎麦 餅 |
【行事】 | 除夜の鐘 年越の祓 札納 |
【上旬編】12月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び
【上旬】12月の季語
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12月の初旬は二十四節気(立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒)のうち【小雪】の末候(12/2~6頃)にあたります。小雪とは、雪が降り始める頃で、積もるほどは降らないというところから来ています。
12月上旬の季語
- 初冬の候・初冬のみぎり・初冬の折
- 小雪の候・小雪のみぎり・小雪の折
- 橘の候・橘のみぎり・橘の折
12月の上旬は橘(たちばな)の実が黄色くなっていく頃。古くから日本に自生していた橘は、現在の蜜柑のことで、常緑植物であることが永遠を意味していて、橘は不老不死の実として古来の日本人から大変、重宝されました。日照時間の短くなる時期ですから、ビタミンを摂取できることを自然に体が認識していたのでしょうね。
【上旬】12月の時候の挨拶
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また、小雪が終わり、【大雪】の初候(12/7~10頃)に移り変わるのもこの頃です。大雪とは本格的に冬が到来する時期。南北に細長い日本列島では、北と南、太平洋側と日本海側でも格段に寒さのレベルに違いがありますので、受け取り手の土地柄や生活に沿った時候の挨拶や季節の挨拶文を送られるとよいでしょう。
【上旬】12月の時候の挨拶を使った季節の挨拶・書き出し
それでは、12月を上旬・中旬・下旬と分類し、そのお手紙の書き出しと結びをご紹介していきます。目上の方などの改まった形式のお手紙とプライベートなどの親しい方へのお手紙とに分けています。その違いについて一緒に見ていくことにいたしましょう。
【12月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 小雪の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
- 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)のみぎり、先生におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
次に、11月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、プライベートなどの親しい方に対してのやさしめの表現のものをいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。
【12月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- 街を歩けば、クリスマスのイルミネーションがまばゆく感じられます。
- 師走に入り、なにかとあわただしく時間が過ぎていきます。
- 気づけばもう1年も終わりに差し掛かろうとしています。
【上旬】12月の時候の挨拶を使った手紙の結び
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12月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方への改まった表現のものをご紹介します。結びの文章の組み合わせは「季節感のある言葉」+「相手を気遣う(労う)言葉」が基本です。
【12月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 小雪の折、貴社益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
- 寒気厳しき折、貴社の皆様方のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
次に、12月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、プライベートなどの親しい方に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。気持ちを込めて言葉にするといいですね。
【12月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- こころ踊る華やかな時期ですが、お体にも気をつけてよいお年をお迎えください。
- なにかとあわただしく、時間だけが過ぎていくように感じられますが、ご自愛くださいませ。
- 本格的な冬を迎え、忙しい師走ですが、お体には気をつけてお過ごしください。
【中旬編】12月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び
【中旬】12月の季語
12月の中旬は二十四節気(立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒)のうちで【大雪】の次候(12/11~15頃)から末候(12/16~20頃)にあたります。
12月中旬の季語
- 師走の候・師走のみぎり・師走の折
- 寒気の候・寒気のみぎり・寒気の折
- 霜夜の候・霜夜のみぎり・霜夜の折
【中旬】12月の時候の挨拶
熊は穴にもぐり、りすやカエルなども冬籠りをはじめる12月中旬は、鮭が川を遡上し、本格的な寒さに向けて準備を始める頃。自然の一部である私たちはというと、年末年始に向け、仕事納めのための残務整理や忘年会などに忙しい時期となります。忙しなく過ぎていく時間の中でのお手紙には、相手への配慮が必要となります。
【中旬】12月の時候の挨拶を使った季節の挨拶・書き出し
12月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙の例文をご紹介します。季語では堅苦しいイメージになってしまいそう...。しかし、礼儀正しい印象を与えたいお相手に季節の挨拶を取り入れた手紙を書きたいという時の参考にしてみてくださいね。
【12月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 師走の候、貴社ますますご発展のこととお慶び申し上げます。
- 鮭魚群(さけのうおむらがる)のみぎり、先生におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 忘年会多き寒気の候、貴社の皆様におかれましては、ご壮健のこととお慶び申し上げます。
次に、12月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、プライベートなどの親しい方に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。自分が感じていることに加え、受取り手がどのように感じているかも想像しながら書くとよいでしょう。
【12月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- クリスマスのイルミネーションとBGMに心が弾む季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
- 今年も残り僅かばかりの日々となってまいりましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますか?
- 冬将軍の到来で、寒さも日ごと厳しくなってきましたが、風邪などひかれていませんか?
【中旬】12月の時候の挨拶を使った手紙の結び
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12月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、改まった表現のものをご紹介します。受取り手の健康への気遣いや社業の繁栄を祈る言葉と共に、迫りくる年末の季節感を盛り込んだ一言を加えるといいでしょう。
【12月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 大雪の折、貴社益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
- 初氷の候、先生におかれましてはご無理をなさいませんよう、お祈り申し上げます。
- 年の瀬を迎え、ご多忙の時期に恐れ入ります。貴社の皆様方のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
次に、12月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、親しい人に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。年の瀬の慌ただしさを労う言葉で結ぶと喜ばれるでしょう。
【12月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- こころ踊る時期ではございますが、お体にお気をつけてお過ごしください。
- 残りわずかな日々ですが、お元気でお過ごしください。来年もお互いがんばりましょう。
- 日ごとの寒さが厳しくなる中で、新しい年を迎える準備にお忙しいかもしれませんが、お風邪などひかぬよう、ご自愛くださいませ。
【下旬編】12月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び
【下旬】12月の季語
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12月の下旬は二十四節気のうちで【冬至(とうじ)】の初候(12/22~25頃)から次候(12/26~30頃)にあたります。また、12月31日の大みそかも含みます。ぜひ、季語に取りいれてみてください。
12月下旬の季語
- 歳末の候・歳末のみぎり・歳末の折
- 歳晩の候・歳晩のみぎり・歳晩の折
- 冬至の候・冬至のみぎり・冬至の折
【下旬】12月の時候の挨拶
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一年のうちで最も昼が短く夜が長くなる冬至。寒さを乗り切り、栄養価の高いかぼちゃを食べたり、柚子湯に浸かって無病息災を願う言葉を文面の中に加えるといいでしょう。そして、クリスマスや大みそかの頃でもありますので、季節の挨拶文に盛り込むといいでしょう。
【下旬】12月の時候の挨拶を使った季節の挨拶・書き出し
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12月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、目上の方への改まった表現のものをご紹介します。受取り手は、1年の終わりの忙しさに目が回っているかもしれません。シンプルに本文に入れるようなその時節を感じることができるような言葉を選ぶとよいでしょう。
【12月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 行く年を惜しみながらも活気溢れるこの季節、貴社益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
- 歳晩の候、先生におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 歳末の候、貴社の皆様におかれましては、ご壮健のこととお慶び申し上げます。
次に、12月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、プライベートなどの親しい方に対して送るやわらかめの表現のものをご紹介します。師走の受取り手の生活もイメージしながら気持ちを込めて書くとよいでしょう。
【12月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- 今年も数日となりましたが、皆さまお元気でいらっしゃいますか?
- 新年の準備も終わり、一息つきたい頃ですが、ご多忙の折、お風邪などひかれていませんか?
【下旬】12月の時候の挨拶を使った手紙の結び
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12月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、改まった表現のものをご紹介します。手紙を書くときは、年の終わりですので受取り手の日常生活を配慮しつつ、気持ちが上向きになる言葉で結びの文章を紡ぐといいでしょう。
【12月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 活気溢れる1年となりましたこと、誠に感謝いたしております。迎える新しい年も貴社益々のご繁栄をお祈り申し上げます。
- 来年も先生のご指導を承りたくおもいます。ご健康をお祈りして、歳末のご挨拶とさせていただきます。
- 貴社の皆様とのお仕事は五悦のひとつとなりました。迎える新年におかれましてもご活躍とご発展の一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
【12月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- ご家族皆様の健やかなる新年をお迎えになられますよう、心よりお祈り申し上げます。
- 来年も素晴らしい年になるよう、心よりお祈り申し上げます。
- 〇〇様にとって、来年もますます輝かしい年となるようにお祈りしております。
手紙は「頭語」で始まり「末文」で終わる
頭語と末文の組合せ
せっかく、季語や時候の挨拶が素敵なものであっても「頭語」と「末文」がバラバラでは格好の悪いものです。手紙の前文は書き出しの言葉⇒時候の挨拶⇒安否の挨拶がその一連の流れとなります。また、末文は結びの挨拶⇒結びの言葉となっています。書き出しの言葉と結びの言葉はセットで覚えておきましょう。
書き出しの言葉と結びの言葉の組合せ
書き出しの言葉 | 拝啓 謹啓 | 前略(前文を省略するとき) | 拝復(返信のとき) |
結びの言葉 | 敬具(拝啓 謹啓 拝復に対応) | 草々(前略に対応) | かしこ(女性用の結びの言葉) |
風習を織り込んで風流な季語を
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江戸時代の風習に『七味・五悦・三會』というものがあります。大みそかの夜、除夜の鐘の音を聞きながら一年を振り返り、七つの美味しいもの、五つの嬉しかった出来事、三つの素敵な出逢いについて語る風習。お手紙の内容にも一年を振り返り、感謝や労いの言葉で紡いでいくと季節の挨拶も風流でよい印象ですよね。
12月の時候の挨拶を知って上手に手紙を書こう!
時候の挨拶に、季節の言葉となる季語を盛り込まれていると、センスの高さや感受性の豊かさ、教養の深さを感じられるものです。季語は、そう難しく考えなくても、五感で感じた事柄を言葉に載せてみるだけで大丈夫!クリスマスや年末の大掃除なども一般的になってきていますので、親しい関係の方へ使うのもOKなのです。
それでも、思いつかないなぁ~と感じられる方は、一覧表の季語に「候」「みぎり」「折」を付け加えてください。改まった語調となるため、取引先や上司、先輩などのビジネスシーンにおいても重宝します。その詳細について関連記事に書かれていますので、併せてお読みくださいね。
それでも急に手紙を書いて!と頼まれる事があるかもしれません。その時、“季語がわからない!”と焦ってしまうことでしょう。そんな時は【時下の候】がオールカバーしてくれます。これはぜひ、覚えておいてくださいね!SNSで気軽になったコミュニケーションの時代で季語のある手紙は素敵。ぜひ、書いてみて下さいね!
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