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【時候の挨拶】3月上旬/中旬/下旬の季節の挨拶と季語は?手紙の書き出しも

更新:2019.06.21

時候の挨拶は、手紙などで頭語に続く書き出しの言葉です。今回は、3月の季語を取り入れた季節の挨拶や、手紙の書き出しおよび結びの文章を、上旬、中旬、下旬に分けてまとめました。3月は季節や環境が変化する月です。適切な季節の言葉を使い、マナーにかなった手紙を書きましょう。

3月の時候の挨拶と季語は?

3月の時候の挨拶について

日本人が手紙を書く際に欠かせないのが、時候の挨拶です。時候の挨拶とは、手紙で頭語(拝啓など)の後に書く、季節に触れた挨拶の言葉です。日本にははっきりとした四季があり、日本人は昔から四季を見つめ、生活に取り入れながら暮らしてきました。手紙でも季節に触れるのは日本人の古くからの習わしとなっています。

また時候の挨拶には、相手の健康や様子を気遣う意味もあります。これも気遣いを良しとする日本ならではの伝統です。時候の挨拶には慣用句もありますが、季節感を取り入れながら相手に気持ちを伝えるよう自分なりの表現を交えると、相手の心により伝わりやすくなりますよ!

3月は春の兆しが見え、桃や梅、桜などの花が咲き始める美しいシーズンなので、時候の挨拶には植物の様子を入れると良いでしょう。また、季節の変わり目でもあり、太陽の光などに変化を感じやすい時期です。日頃忙しい生活を送っていても、少しだけ立ち止まって季節に目と耳を傾け、あなたなりの時候の挨拶を考えましょう。

3月の主な時候の挨拶

改まった感じの漢語調の挨拶 陽春の候、萌芽の砌、若草萌ゆる折、余寒の候、啓蟄の候、春燈の折、浅春の候、花見の砌、春分の候、弥生の候、陽炎の候、孟春の候、水温む候、山笑う候、春色の候
比較的やわらかい言葉を使った挨拶 寒さも緩み、雛祭も過ぎ、紅梅が目に鮮やかな、桃の香りが麗しく、桜の蕾も膨らみ始め、土筆がようやく顔を出し、春眠暁を覚えずと言いますが、春一番が吹き

3月の季語について

季語とは、俳句の中で用いられる「季節を表す言葉」です。手紙を書く場合の時候の挨拶には、この季語を取り入れて季節感を出す場合が多いです。また、桃の節句(3月3日)、啓蟄(3月6日頃)、彼岸の入り(3月18日頃)、春分の日(3月21日)など、3月の暦に基づいた季語を使うのもおすすめです。

3月の主な季語

暦・行事 仲春、弥生、早春、浅春、余寒、春寒、春めく、陽春、啓蟄、春分、彼岸、三月尽、雛祭、伊勢参り、孟春
天気・地理 春の空、朧月、春光、春風、春一番、春疾風、春雨、霞、陽炎、春陰、春の山、水温む、春潮、春田、残雪、雪解、山笑う
生き物 きじ、蛇、蛙、赤貝、桜貝、百千鳥、うぐいす、雲雀、燕、春いわし、白魚、はまぐり、あさり、しじみ、蝶、蜂、春の鹿、猫の恋
植物 沈丁花、つつじ、木蓮、木の芽、春林、春の草、双葉、つくし、梅、紅梅、初花、春蘭、桜、椿、すみれ、彼岸桜、枝垂れ桜、花、牡丹の芽、いよ柑、たんぽぽわらび、せり
生活 雪割、春衣、春燈、卒業、春愁、春袷、春眠、花見、梅見、初筏、種まき、春の炉

POINT

季語に「候」「折」「砌」を付けると漢語調の時候の挨拶になる!

時節という意味の「候(こう)」「折(おり)」「砌(みぎり)」を季語の後に付けると、漢語調の時候の挨拶になります。例えば、「春光」+「候」=「春光の候」、「梅見」+「折」=「梅見の折」となります。

季節の挨拶で気を付けたいこと

季節の挨拶を書くときは旧暦と新暦の「時差」に注意!

「陽春の候」「春暖の候」など漢語調の季節の挨拶で使われる言葉には、旧暦に基づいた季語を使っているものが多いのですが、旧暦と新暦の季節には約1~2か月の時差(ずれ)があります。季語を使って手紙を書く際は、そのずれに留意しながら、実際の季節感を基準に季節の挨拶を書くとよいでしょう。

相手の住む地域に合わせた季節の挨拶を選ぶ

日本は南北に細長い国であるため、地域によって季節感が違う場合があります。一口に3月と言っても、南の方では桜が開花しつつ、北海道ではまだ雪が降っていることも。相手の季節とあまりにも離れた季節の挨拶を書くと無神経と捉えられてしまう場合もあるため、相手の住む地域に合わせた季節の挨拶を選びましょう。

【上旬編】3月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び

【上旬】3月の季語

3月上旬に使うことができる季語は、三月、啓蟄、弥生、雛祭り、雛あられ、桃の節句、雛人形、甘酒、桜餅、向春、解氷、桃の蕾、上巳の節句、萌芽、上巳の節句、春一番、春風、早春、浅春、仲春、孟春、春寒、仲春、沈丁花、菜の花、すみれ、沈丁花、椿、桃、などです。

【上旬】3月の時候の挨拶

3月上旬といえば、まだ肌寒さが残りつつも、春の兆しを少しずつ感じる頃ですね。またこの時期には雛祭り(3月3日)や啓蟄(3月6日頃)があります。時候の挨拶には、こうした季節感や行事、暦を取り入れるといいでしょう。

3月上旬に使うことができる時候の挨拶は、啓蟄の候、早春の候、浅春の折、春寒の折、孟春の砌、解氷の砌、三月に入り、桜の蕾も膨らみ始め、桃の節句が過ぎて、寒さも一段落、三寒四温、冬の名残がまだ残り、寒かったり暖かかったり、うららかな日ざし、春一番が吹き、などです。

【上旬】3月の時候の挨拶を使った手紙の書き出し

3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、改まった表現のものをご紹介します。取引先や上司、恩師など、特に礼儀正しい印象を与えたい相手に手紙を書くときに使いましょう。

3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(改まった表現)

  • 早春の候、貴社におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
  • 春寒の折、御社の皆様にはお元気でご活躍のことと存じます。
  • 孟春の砌、○○様におかれましてはお健やかにお過ごしのことと存じます。

次に、3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、親しい人に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。ぜひ参考にしてくださいね。

3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(親しい人へ送るときの表現)

  • 春とはいえまだまだ冷え込む日も少なくありませんが、風邪など引いていませんか。
  • 桃の節句も過ぎ、近づく春を感じる嬉しい季節となりました。
  • 桜の蕾がふくらみ始めた今日この頃、皆様お変わりありませんか。

【上旬】3月の時候の挨拶を使った手紙の結び

3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、改まった表現のものをご紹介します。結びの文章の組み合わせは「季節を感じさせる言葉」+「相手を気遣う言葉」が基本です。

3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(改まった表現)

  • 啓蟄の砌、皆様のますますのご健勝をお祈り申し上げます。
  • 浅春の折、貴社のさらなるご発展を心より祈念いたしております。
  • 春の訪れとともに、皆様にも幸福が訪れることをお祈りいたしております。

次に、3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、親しい人に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。気持ちを込めながら書きましょう。

3月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(親しい人へ送るときの表現)

  • まだ寒さが残っておりますが、お元気でお過ごしくださいね。
  • 寒かったり暖かかったりの日々ですが、健康には十分気を付けてください。
  • 桜の花が咲く頃に会えるのを楽しみにしています。

【中旬編】3月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び

【中旬】3月の季語

3月中旬といえば、だんだん暖かくなってくる頃ですね。この時期に使うことができる季語は、春暖、軽暖、浅暖、早春、春光、萌芽、春の田、春の川、桜、桃、椿、春景、水温む、ホワイトデー(3月14日)、ひばり、つくし、おぼろ月、卒業、彼岸(彼岸の入りは3月18日頃)、などです。

POINT

「ホワイトデー」も季語なの?

俳句を詠む際には、「歳時記」と呼ばれる季語辞典に載っている季語を使います。この辞典にはいろいろな種類があり、改訂もされています。昔はなかった年中行事、例えばホワイトデーやクリスマスも、現代では広く認知されており、季節を感じさせる言葉として現代の歳時記に記載されています。よって、ホワイトデーも立派な季語なのです!

【中旬】3月の時候の挨拶

3月中旬には、3月上旬や下旬を連想させる季語を使った時候の挨拶も使うことができます。例えば、3月上旬を連想させる雛祭を使った「雛祭を過ぎ」、そして3月21日の春分の日を使った「春分の日を間近に控え」などといったように、組み合わせ次第でいろんなバリエーションを考案できますよ!

3月中旬に使うことができる時候の挨拶は、早春の侯、春寒ゆるむ候、季春の折、麗日の折、春色の砌、春暖の砌、浅春の砌、春一番が吹き、春の風が和やかな、暑さ寒さも彼岸までと言いますが、余寒も和らぎ、めっきり春めいてきましたが、野山の雪も解け、春もたけなわ、などがあります。

【中旬】3月の時候の挨拶を使った手紙の書き出し

3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、改まった表現のものをご紹介します。前述したように、季語に「候」「折」「砌」を付け加えると、漢語的で改まった時候の挨拶になります。いろいろ組み合わせてみてください。

3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(改まった表現)

  • 季春の折、貴社におかれましてはますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
  • 浅春の砌、○○様にはますますご健勝にてご活躍のことと存じます。
  • 早春の候、皆様におかれましてはますますご清祥のこととお喜び申し上げます。

次に、3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、親しい人に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。春の気配がだんだん強くなってくるこの頃なら、いろいろな言い回しを使うことができます。

3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(親しい人へ送るときの表現)

  • 寒さが次第に和らいできましたが、いかがお過ごしですか。
  • 桜の花が待ち遠しい毎日ですが、お元気ですか。
  • 寒さの中にも春の訪れを感じる今日この頃

【中旬】3月の時候の挨拶を使った手紙の結び

3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、改まった表現のものをご紹介します。相手の健康や繁栄を祈る際に季節を取り入れた一言を添えると良いでしょう。

3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(改まった表現)

  • 季春の折、皆様のご清祥とご活躍をお祈り申し上げます。
  • 春暖快適の候、皆様のご健勝を心よりお祈りいたしております。
  • 軽暖の砌、何卒ご自愛ください。

次に、3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、親しい人に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。この時期は季節の変わり目で体調を崩しがちです。相手の健康を気遣う一言が喜ばれるはずです。

3月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(親しい人へ送るときの表現)

  • まだ寒さが残るこの時期、お元気でお過ごしください。
  • 彼岸が過ぎ暖かくなったら、また元気にお会いしましょう。
  • 朝晩はまだ冷え込みます。お身体には気を付けてくださいね。

【下旬編】3月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び

【下旬】3月の季語

3月下旬は春分を迎え春の訪れがさらに顕著になるとともに、卒業や転勤、転居などで環境が変化する人も多い時期です。この頃に使える季語といえば、春分、春しぐれ、花の雨、春の土、春衣、春服、春の雪、彼岸、卒業、春暁、春の夜、うららか、日永、木の芽どき、花見どき、春日和、風光る、かすみ、などがあります。

【下旬】3月の時候の挨拶

3月下旬に使うことができる時候の挨拶は、春分の候、花時の候、春暁の折、日永の砌、旅立ちの春、春分を過ぎ、年度末となり、春眠暁を覚えずとも申しますが、梅の花も散り、桜の便りが待ち遠しい、日々春の兆しを感じるようになりました、すっかり春めいてきましたが、などです。

【下旬】3月の時候の挨拶を使った手紙の書き出し

3月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、改まった表現のものをご紹介します。手紙を受け取った相手が、もう目の前に来ている春を感じることができるような言葉を選びましょう。

3月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(改まった表現)

  • 日永の砌、皆様におかれましてはますますご健勝のことと存じます。
  • 春暁の折、ますますお元気でご活躍のことと存じます。
  • 花時の候、御社におかれましてはますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。

次に、3月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、親しい人に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。場所や年によっては、もう桜の開花が始まっている頃ですね。相手の地域に合わせた季語を選んで、気が利いた時候の挨拶を書きましょう。

3月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(親しい人へ送るときの表現)

  • 麗らかな春の光を感じる頃となりましたが、お元気ですか。
  • 暑さ寒さも彼岸までと言われるように、過ごしやすい季節となりました。
  • 桜の開花が待たれる今日この頃、お元気でお過ごしでしょうか。

【下旬】3月の時候の挨拶を使った手紙の結び

3月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、改まった表現のものをご紹介します。企業にとって3月下旬は年度末の大変忙しい時期であり、また担当者の転勤など変化の時期でもあります。手紙を書くときは、そういった相手の変化を心に留めながら、結びの文章を綴ると良いでしょう。

3月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(改まった表現)

  • 年度末のお忙しい時期とは存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
  • 新年度も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、心よりよろしくお願いいたします。
  • 春風の折、新天地でのご活躍を祈念いたしております。

3月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(親しい人へ送るときの表現)

  • 春の雨で風邪など引かぬよう、お体をご自愛くださいね。
  • 年度末でお忙しいとは存じますが、無理しないように。
  • 卒業後、新しい環境でも頑張ってくださいね。

3月に書く手紙には春を思わせる時候の挨拶を書こう!

時候の挨拶は、「季節を感じさせる言葉」と「相手を気遣う言葉」を組み合わせで成り立ちます。本記事では3月上旬、中旬、下旬に分けて季語や時候の挨拶をご紹介しましたが、この時期にこの挨拶を使わなければならないという決まりはありません。手紙を送る相手が住む地域の気候に合わせて臨機応変に使い分けましょう。

3月は草花や動物、太陽の光などの変化で春の訪れを感じるようになる季節です。暗くて長く感じた冬が終わりに近づき、次第に明るく暖かな春の気配が色濃くなる美しいこの時期、ぜひその変化を肌で感じ、言葉にしてみてください。きっとあなたなりの素敵な季節の挨拶が思い浮かぶはずです!

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