【時候の挨拶】11月上旬/中旬/下旬の季節の挨拶と季語は?手紙の書き出しも
更新:2019.06.21
お手紙で想いを伝えるのは素敵です。頂いた側も手書きのお手紙だと嬉しいものですね。そこで、11月の時候の挨拶とはなにか?季節の挨拶の挨拶とはなにか?季語やその手紙の書き出しはどうしたらよいのか?の疑問を解消しながら、例文を交えご紹介していきたいと思います。
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INDEX
11月の時候の挨拶と季語は?
11月の時候の挨拶について!
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手紙とは、書き出しの言葉である「頭語」で始まり、結びの言葉である「末文」で終わります。結びの言葉は、書き出しの言葉に対応させて書きますので、決まった組み合わせがあります。覚えておくとよいでしょう。そして、送る相手との関係や内容によって、合うものを選択するようにしましょう。
頭語の後に来るのが【時候の挨拶】です。お手紙の中に季節やそれに沿った労いなどを感じさせるものは、頂く側にとってもうれしいもの。ぜひ、皆さんも各月の時候の挨拶を使い分けてみてほしいものです。時候の挨拶には定型句も用いられますが、お相手や内容によってはご自身で考えられたものでも構いません。
手紙の構成
- 1・前文
- ①書き出しの言葉
- ②時候の挨拶
- ③安否の挨拶:まずは先方の安否を尋ね、次にこちらの様子を書く。お礼やお詫びの言葉を加える場合もこの項に書く。
- 2・主文:手紙を出す目的と要件を相手に伝わるように書く。
- ①書き起こし:例)さて・早速ですが・このたびは・ところで など
- ②本文
- 3・末文
- ①結びの挨拶
- ②結びの言葉:書き出しの言葉に対応させる。
- 4・後付け
- ①日付
- ②署名:自分の名前
- ③あて名:相手の名前
- 5・添え書き:主文に書き忘れたことがある場合に書く。
年間のイベントで11月は、「紅葉狩り」「喪中見舞い(年賀欠礼の返信)」があります。11月は、本格的な寒さに向けて日増しに寒さが身に染みてくる頃です。そのままを書いてもいいですが、やはり物悲しさを感じさせる文章よりも冬が訪れる歓びを書き著すといいでしょう。
例):ふと見上げると、紅葉が目を楽しませる季節となりました。
11月の季語について!
QUOTE
季語(きご)とは、連歌、俳諧、俳句において用いられる特定の季節を表す言葉を言う。 引用元:wikipedia・季語
11月は木枯らしが吹く季節。そして早い人では、そろそろ年末を意識し始める頃。11月全般の季語としては、秋までの実りを祝い冬を迎える準備を著す言葉が特徴的です。時候や生活、地理、天文の分野ごとに一覧にまとめますので、お手紙を書く際の参考にしてみてはいかがでしょうか?
11月(霜月)の季語一覧
【時候】 | 神無月 小春 冬めく 水始めて氷る 立冬 冬の日 |
【天文】 | 神渡し 時雨 初霜 初冬 冬凪 |
【地理】 | 初氷 |
【生活】 | 浅漬 北窓塞ぐ 霜除 棕櫚剥ぐ 生姜掘る 蕎麦刈 沢庵漬 べつたら市 目貼 炉開 |
【行事】 | 出雲大社新嘗祭 恵比寿講 神在祭 神送 感謝祭 九州場所 勤労感謝の日 熊手 七五三 神農祭 酉の市 新嘗祭 |
【動物】 | 熊穴に入る 柳葉魚 初鱈 冬の蝗 綿虫 |
【植物】 | 銀杏落葉 柿落葉 山茶花 柊の花 枇杷の花 冬紅葉 朴落葉 紅葉散る |
【上旬編】11月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び
【上旬】11月の季語
11月の上旬は二十四節気(立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒)のうち【霜降(そうこう)】の末候(112/~6頃)にあたります。霜降とは、朝晩、冷え込み、山や北国では霜が降りはじめる頃のこと。
11月上旬の季語
- 霜月の候・霜月のみぎり・霜月の折
- 立冬の候・立冬のみぎり・立冬の折
- 紅葉の候・紅葉のみぎり・紅葉の折
【上旬】11月の時候の挨拶
この頃には、紅葉は紅く銀杏は黄色く色づいてきます。山が秋色に染まることを山粧う(よそおう)と言います。椿の花が咲き始める【立冬】も11月の上旬ですから、季語として使われるとよいでしょう。
【上旬】11月の時候の挨拶を使った季節の挨拶・書き出し
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それでは、11月を上旬・中旬・下旬と分類し、そのお手紙の書き出しと結びをご紹介していきます。目上の方などの改まった形式のお手紙とプライベートなどの親しい方へのお手紙とに分けています。
【11月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 立冬の候、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお喜び申し上げます。
- 楓蔦黄(もみじつたきばむ)のみぎり、先生におかれましてはご健勝のこととお喜び申し上げます。
- 山茶花(つばき)の花が目を楽しませてくれる折、貴社の皆様におかれましては、ご壮健のこととお慶び申し上げます。
次に、11月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、プライベートなどの親しい方に対してのやさしめの表現のものをいくつかご紹介します。季節の挨拶にはどんなものがあるのか、ぜひ参考にしてくださいね。
【11月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- 街路樹の木々が染まり、あたたかな陽射しがまばゆく感じられます。
- 朝夕はすっかり冷え込むようになり、秋の深まりを感じます。
- 秋の夜長と落ち葉が風に舞う季節となりましたね。お元気ですか?
【上旬】11月の時候の挨拶を使った手紙の結び
11月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方への改まった表現のものをご紹介します。結びの文章の組み合わせは「季節感のある言葉」+「相手を気遣う(労う)言葉」を基本としています。
【11月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 立冬の候におかれましても、御社がさらにご発展されることを願っております。
- 落葉のみぎり、先生もお体ご自愛くださいませ。
- 末枯野美しき山野の候、貴社の皆様のご健康をお祈り申し上げます。
次に、11月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、プライベートなどの親しい方に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。気持ちを込めて言葉にするといいですね。
【11月上旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- また、ご一緒に紅葉狩りできる日をたのしみにしております。
- 秋の深まりを感じながら、お部屋でこたつを用意して、〇〇様にお会いできるのを楽しみにしておりますね。
- 木枯らしと乾燥でお風邪など召されぬよう、お気を付けくださいませ。
【中旬編】11月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び
【中旬】11月の季語
11月の中旬は二十四節気(立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒)のうちで【立冬】の次候(11/12~16頃)から末候(11/17~21頃)にあたります。
11月中旬の季語
- 向寒の候・向寒のみぎり・向寒の折
- 冷雨の候・冷雨のみぎり・冷雨の折
- 初氷の候・初氷のみぎり・初氷の折
【中旬】11月の時候の挨拶
冬の冷気に包まれ始め、朝には霜柱を見る頃です。木枯らしも吹き、物寂しさを感じる頃でもあります。感じたそのままを書くのではなく、七五三のお祝いもある時期となりますので、受け取り手の心あたたまるような季節の挨拶にするとよいでしょう。
【中旬】11月の時候の挨拶を使った季節の挨拶・書き出し
11月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙の例文をご紹介します。季語では堅苦しいイメージになってしまいそう...。しかし、礼儀正しい印象を与えたいお相手に手紙を書きたい!と、いう時の参考にしてみてくださいね。
【11月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 立冬を過ぎ、朝晩の冷気に身も心も引き締まります。貴社におかれましては益々ご発展のこととお喜び申し上げます。
- 水仙の花が咲く折、先生におかれましてはご健勝のことと存じ上げます。
- 向寒の候、貴社の皆様におかれましては、ご壮健のこととお慶び申し上げます。
次に、11月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、プライベートなどの親しい方に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。自分が感じていることに加え、受取り手がどのように感じているかも想像しながら書くとよいでしょう。
【11月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- 木枯らしが吹き、一日一日と冬に近づいているようです。お元気ですか?
- 冬隣の折ですが、〇〇様は寒さにもビクともせずにご精励なのでしょうね。
- そろそそ、鍋が恋しい季節となりました。
【中旬】11月の時候の挨拶を使った手紙の結び
11月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、改まった表現のものをご紹介します。受取り手の健康への気遣いや社業の繁栄を祈る言葉と共に、寒さの極まる季節感を楽しめるような言葉を加えるといいでしょう。
【11月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 初氷の候におかれましても、御社がさらにご発展されることを願っております。
- 柊挿すような先生のご教示を胸に精進いたします。お体ご自愛くださいませ。
- 木々の木漏れ日に喜びを感じる向寒の候、貴社の皆様のご健康をお祈り申し上げます。
次に、11月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、親しい人に送るやわらかめの表現のものをご紹介します。受取り手の癖や特徴を挙げながらも、それらを賞賛したり、気遣う言葉で結ぶと喜ばれるでしょう。
【11月中旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- 〇〇様も冬支度にお忙しいでしょうが、お元気でお過ごしくださいませ。
- 冬隣の折、〇〇様の励ましの言葉を思い浮かべながら、会える日を楽しみにしています。
- 鍋を囲みながら、また談笑する日まで、くれぐれも飲み過ぎないように気をつけてくださいね。
【下旬編】11月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び
【下旬】11月の季語
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11月の下旬は二十四節気(立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨・立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑・立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降・立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒)のうちで【小雪(しょうせつ)】の初候(11/22~26頃)から次候(11/27~12/1頃)にあたります。
11月下旬の季語
- 小雪の候・小雪のみぎり・小雪の折
- 暮秋の候・暮秋のみぎり・暮秋の折
- 菊花の候・菊花のみぎり・菊花の折
【下旬】11月の時候の挨拶
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陽射しが弱くなり、木々の葉が落ちて舗道を埋め尽くす頃です。冷たい北風が木の葉を落としたあとの木々は、冬の訪れを感じさせる象徴でもありますので、迎え来る本格的な冬の前に労いの言葉や冬の小物を使った言葉で季節の挨拶文を書くのもいいでしょう。
【下旬】11月の時候の挨拶を使った季節の挨拶・書き出し
11月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方への改まった表現のものをご紹介します。受取り手が、その時の季節を感じることができるような言葉を選ぶとよいでしょう。
【11月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 落葉の折、貴社におかれましては益々ご発展のこととお慶び申し上げます。
- 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)の候、先生におかれましてはご健勝のことと存じ上げます。
- 初鱈の候、貴社の皆様におかれましては、ご壮健のこととお慶び申し上げます。
次に、11月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しで、プライベートなどの親しい方に対して送るやわらかめの表現のものをご紹介します。受取り手のお住まいの地域に合わせた季語を選ぶと、配慮のできる方だと思われます。天気予報なども活用して、受取り手の生活もイメージしながら気持ちを込めて書くとよいでしょう。
【11月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の書き出し(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- すぎゆく晩秋の寂しさが身に染みる頃ですが、お風邪など召されていませんか?
- カサカサと舗道の落ち葉が耳を楽しませてくれています。お元気ですか?
- 焼きいものホッコリした甘さに体が喜んでいます。〇〇さんもお好きでしたよね?
【下旬】11月の時候の挨拶を使った手紙の結び
11月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結びで、改まった表現のものをご紹介します。手紙を書くときは、受取り手の体調の変化や日常生活において気にかかることなどを配慮しつつ、気持ちが上向きになる言葉で結びの文章を紡ぐといいでしょう。
【11月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(取引先、上司や先輩、恩師などの目上の方へ改まったお手紙)
- 落葉の折、師走に向け益々ご多忙の中で恐縮ではございますが、ご一考くださいませ。
- 朔風払葉(きたかぜこのはをはらう)のみぎり、先生もご自愛くださいますよう、末筆ながらお祈りいたしております。
- 初鱈の折、ますます寒気厳しい時節柄ではございますが、何卒、よろしくお願い申し上げます。
【11月下旬】季節の挨拶を使ったお手紙の結び(プライベートなどの親しい方に対してのお手紙)
- 晩秋深く、スルリと冬がやって来ます。ご健康とご多幸を祈っています。
- 〇〇さんのお好きなお芋でお菓子をつくってお待ちしています。くれぐれもお体にはお気をつけてお過ごしください。
手紙は「頭語」で始まり「末文」で終わる
頭語と末文の組合せ
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せっかく、季語や時候の挨拶が素敵なものであっても「頭語」と「末文」がバラバラでは格好の悪いものです。手紙の前文は書き出しの言葉⇒時候の挨拶⇒安否の挨拶がその一連の流れとなります。また、末文は結びの挨拶⇒結びの言葉となっています。書き出しの言葉と結びの言葉はセットで覚えておきましょう。
書き出しの言葉と結びの言葉の組合せ
書き出しの言葉 | 拝啓 謹啓 | 前略(前文を省略するとき) | 拝復(返信のとき) |
結びの言葉 | 敬具(拝啓 謹啓 拝復に対応) | 草々(前略に対応) | かしこ(女性用の結びの言葉) |
風習を織り込んで風流な季語を
11/22・23には「神農祭」が大阪で行われます。神農は農作を教え、医薬を作った伝説の帝王のことです。また、11月の酉の日には「酉の市」が東京浅草の鷲神社、大阪堺市の大鳥神社、そして酉の寺という別名も持つ長國寺など、主に鳥にちなんだ神社や寺で開催されます。
そうした、日常生活になじみ深い御祭りや、それらに関するものも季語にしてみると、風情のある季節の挨拶となりますよね。お手紙の内容にそれらの季語を取り入れ、受取り手に労いの言葉とともに繋いでいくといいでしょう。
11月の時候の挨拶を知って上手に手紙を書こう!
時候の挨拶に、季節の言葉となる季語を盛り込まれていると、センスの高さや感受性の豊かさ、教養の深さを感じられるものです。季語は、そう難しく考えなくても、五感で感じた事柄を言葉に載せてみるだけで大丈夫!紅葉狩りや温泉も時候の挨拶として一般的ですし、七五三の思い出を語られるのもいいでしょう。
それでも、思いつかないなぁ~と感じられる方は、一覧表の季語に「候」「みぎり」「折」を付け加えてください。改まった語調となるため、取引先や上司、先輩などのビジネスシーンにおいても重宝しますし立派な季節の挨拶文です。。その詳細について関連記事に書かれていますので、併せてお読みくださいね。
それでも急に手紙を書いて!と頼まれる事があるかもしれません。その時、“季語がわからない!”と焦ってしまうことでしょう。そんな時は【時下の候】がオールカバーしてくれます。これはぜひ、覚えておいてくださいね!SNSで気軽になったコミュニケーションの時代で季語のある手紙は素敵。ぜひ、書いてみて下さいね!
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