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【時候の挨拶】4月上旬/中旬/下旬の季節の挨拶と季語は?手紙の書き出しも

更新:2019.06.21

4月に送る手紙の中で使うことができる時候の挨拶をご紹介します。春は新しいスタートの時期。環境が変わった相手に手紙を書く機会なども多いですよね!春らしい季語を書き出しや結びにうまく使って、春ならではの季節の挨拶を用い、マナーにかなった手紙を書きましょう。

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4月の時候の挨拶と季語は?

4月の時候の挨拶について

時候の挨拶とは、季節感を取り入れた挨拶の言葉です。日本の四季には季節ごとにそれぞれ特徴があり、その移り変わりを愛でながら生活するのが、古くからの日本人の習わしでした。手紙を書く際にも季節について触れるのが伝統となっており、手紙の始まりの部分で相手を気遣う言葉とともに書くのが時候の挨拶なのです。

4月といえば「春」ですよね。上旬には桜が咲き誇り、大変美しい季節です。また、4月は日本人にとって、「入学」や「入社」、「新生活のスタート」など、新しいことを始める季節でもあります。こうした季節感を、ぜひ時候の挨拶に取り入れてみましょう。

4月の主な時候の挨拶

改まった感じの漢語調の挨拶 春和の候、穀雨の候、晩春の砌、春眠の砌、麗春の折、惜春の候、桜花の砌、清和の候、花冷えの折、陽春の候、春日の砌
比較的やわらかい言葉を使った挨拶 春たけなわ、葉桜の季節、菜の花も終わり、桜の花のたより、花冷えの季節、新緑まぶしい頃、うららかな春の訪れ、春爛漫の美しい季節、花の盛りが過ぎ、花だよりが伝わる昨今、

4月の季語について

季語とは、季節を表す単語のことを言います。季語が特に重要なのは、俳句を作る場合です。俳句は、五七五の中に必ず季語を入れることで成立するからです。

一方、手紙を書く上では季語は必ず使わなければならないものではありません。ただ、季語はその季節を表す非常に簡潔な表現です。よって、季語を手紙の挨拶の中に取り入れると、その季節に応じた挨拶を簡潔に行うことができて、大変便利です。

4月の主な季語

暦・行事 弥生、三王祭、穀雨、花祭、復活祭、春爛漫、春陽、春日、仲春、春粧、晩春、四月馬鹿(エイプリルフール)、都踊、東踊、黄金週間(ゴールデンウィーク)、昭和の日
天気・地理 花冷え、陽春、春風、軽暖、余寒、花曇り、春雨、おぼろ月、春一番、霞、清明、春の海、蜃気楼、風車、春深し、春暑し、春雲、花曇、花冷、春の闇、夕長し、春灯し、風光る
生き物 たにし、あわび、さざえ、あさり、うぐいす、蝶、ほたるいか、花いか、鉢、桜鯛、仔馬、落とし角、仔猫、燕の巣、蚕、春蝉、蠅
植物 ライラック、スイートピー、藤、チューリップ、菜の花、若草、青麦、大根の花、桜、松の花、雪柳、豆の花、木蓮、沈丁花、林檎の花、桜桃の花、梨の花、八重桜、残花
生活 花見、花まつり、遍路、巣立ち、遠足、朝寝、入学、入社、お花見、新社員、春眠、春の夢

季節の挨拶はどうやって作る?

季節の挨拶は「季語」に「候」「折」「砌」をつけて作る!

「季節の挨拶を手紙に取り入れるのが大切なのはわかっているけど、これって定型のものじゃないとダメなの?」と疑問に思っている方はいませんか?季節の挨拶は、定型のものじゃなくても大丈夫。しかも自分で簡単に作れるんですよ!

ちょっと改まった手紙を書く時には、漢語調の挨拶がいいでしょう。作り方は、漢字2文字の季語に、「候(こう)」「折(おり)」「砌(みぎり)」を付けるだけ。例えば、「春風」+「候」=「春風の候」、「晩春」+「折」=「晩春の折」という感じです。

POINT

「砌」ってどんな意味?

「砌(みぎり)」とは、「時節」「折」「頃」という意味です。そう、「候(こう)」や「折(おり)」と同じ意味なんです!だから、「候」「折」「砌」はほとんど同じ単語として使うことができます。

季節の挨拶では相手の住む地域に合わせて季節を選ぶ!


例えば、鹿児島に住んでいる人が東北の人に宛てて手紙を書くとしましょう。鹿児島では数日前に桜が満開で今はすでに散りかけているため、時候の挨拶の中では「葉桜の候」と書いてしまいがちです。

でもちょっと待ってください!鹿児島よりも北に位置する東北では、満開はおろか、まだ桜が5分しか咲いていない可能性があります。そんな地域に住む相手が「葉桜の候」と書いてある手紙を読んだら、違和感を持ってしまうかもしれません。

そういう事態を防ぐためにも、手紙を書く際に取り入れる季節の挨拶は、自分が住んでいる地域の季節ではなく「手紙を受け取る相手が住んでいる季節」に合わせて選びましょう。手紙を書く前には、相手方の地域の天気予報や桜の開花予想などのチェックをお忘れなく!

【上旬編】4月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び

【上旬】4月の季語

4月上旬といえば、いよいよ本格的に春めいてくる頃ですね。この時期のイベントとしては、入学式、入社式、エイプリルフール(四月馬鹿)などがあります。この時期に使うことができる季語は、花冷、桜花、陽春、春暖、早春、春爛漫、仲春、麗春、清和、桜花爛漫、入社式、入学式、四月馬鹿、などです。

POINT

入学式や入社式、四月馬鹿も季語なの?

季語は、俳句には欠かせない季節の言葉で、「歳時記」という辞典に記載されています。日本では、入学式や入社式は4月に行われる代表的な行事であり、四月馬鹿(エイプリルフール)も広く浸透している言葉なので、これらも季語として使われているんですよ!

【上旬】4月の時候の挨拶

4月上旬に使うことができる時候の挨拶は、花冷の候、桜花の折、陽春の砌、春暖の候、早春の折、春爛漫の候、仲春の砌、麗春の候、清和の折、桜花爛漫の砌、春の風が心地よい今日この頃、花だよりも伝わる頃、陽光がまぶしい季節、新しい門出を祝い、お花見が待ち遠しい、花冷えする今日この頃、などです。

【上旬】4月の時候の挨拶を使った手紙の書き出し

4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しのうち、「改まった表現」を使ったものを紹介します。改まった印象を与えたい相手や礼儀正しく接する必要がある相手に手紙を書く際に使いましょう。

時候の挨拶を使った手紙の書き出しは、基本的に「季節の挨拶」+「相手を気遣う言葉」という形で成り立ちます。これは、改まった表現の場合もやわらかめの表現の場合も同様です。

4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(改まった表現)

  • 桜花の候、皆様におかれましてはお元気でお過ごしのことと存じます。
  • 陽春の砌、ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
  • 早春の折、貴殿におかれましてはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。

次に、4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しのうち、親しい人などに宛てて書く際に使いたい「やわらかめの表現」を使ったものをご紹介します。

4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(親しい人へ送るときの表現)

  • 春の気配もようやく整い、暖かな日々がやってきました。
  • 春爛漫の今日この頃、お元気でお過ごしでしょうか。
  • 花冷えの日が続いておりますが、風邪など引いていませんか?

【上旬】4月の時候の挨拶を使った手紙の結び

4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びのうち、「改まった表現」を使ったものをご紹介します。改まった相手に手紙を書く際には参考にしてください。

4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(改まった表現)

  • 清和の候、貴社のさらなるご発展をご祈念いたしております。
  • 麗春の砌、御社のますますのご盛栄をお祈り申し上げます。
  • 陽春の折、貴殿の新しい門出を心よりお祈りいたしております。

次に、4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結びのうち、「やわらかめの表現」を使ったものをご紹介します。4月上旬は入学や入社など個人的な行事が多い頃です。新しい門出に胸を躍らせている相手の気持ちに寄り添った文を書くといいでしょう。

4月上旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(親しい人へ送るときの表現)

  • 花冷えのこの時期、どうかお体をご自愛くださいね。
  • 〇〇さんの新しい門出を、遠い地から応援しています。
  • まだ少し寒さが残っていますので、風邪などひかぬようお気をつけください。

POINT

「結び」と「書き出し」は被らないようにする!

「結び」は手紙全体の締めとなる文章ですが、冒頭の「書き出し」部分で使った言葉や表現を繰り返し使うと、くどい印象になります。「結び」では、「書き出し」で使ったものと同じ季語を使わないなど、少し工夫するよう心がけましょう。

【中旬編】4月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び

【中旬】4月の季語

4月中旬にもなれば、会社や学校などでもやっと新しい環境に慣れてきた頃ではないでしょうか。また気候もよく、春らしく明るい装いの人を多くみかける時期でもあります。

この時期に使うことができる季語には、穀雨、春粧、陽春、軽暖、桜端、桜花、春陽、おぼろ月、春雲、春の闇、若葉、春光、燕、ランドセル、仲春、春日、花曇、などがあります。

POINT

「穀雨(こくう)」って何?

穀雨とは「百の穀をうるおす春の雨」という意味です。これは、1年を季節ごとに24等分した「二十四節気」という分類の中の1つで、季節を表す言葉です。時期は4月20日頃で、田畑の準備が整い春の雨が降る時期のことを指します。

【中旬】4月の時候の挨拶


4月中旬に使うことができる時候の挨拶は、穀雨の候、桜端の砌、春日の折、仲春の候、春粧の砌、春の盛りが過ぎ、春風が心地よい季節、満開だった桜もすでに葉桜となり、新年度を迎えられお忙しいこととは存じますが、天候不順の今日この頃、新緑が目にまぶしい頃、連休まであとわずか、うららかな春の日、などです。

【中旬】4月の時候の挨拶を使った手紙の書き出し

4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しのうち、「改まった表現」を使ったものを紹介します。前述したように、漢語調の時候の挨拶は「季語」+「候」「折」「砌」で作ることができます。組み合わせは無限にあるので、いろいろ試して最適なものを見つけましょう。

4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(改まった表現)

  • 陽春の候、御社におかれましてはますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
  • 穀雨の折、〇〇様におかれましてはお元気でご活躍のことと存じます。
  • 若葉の砌、貴社の皆様にはますますご健勝にてご活躍のことと存じます。

次に、4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しのうち、親しい人などに宛てて書く際に使いたい「やわらかめの表現」を使ったものをご紹介します。

4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(親しい人へ送るときの表現)

  • 春たけなわの今日この頃、いかがお過ごしですか。
  • 先日までの寒さが嘘のように暖かい日々が続いております。
  • 桜がすっかり散り新緑がまぶしい季節となりました。

【中旬】4月の時候の挨拶を使った手紙の結び

4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びのうち、「改まった表現」を使ったものをご紹介します。取引先や上司、恩師、お世話になった方などに手紙を書く際に参考にしてくださいね。

4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(改まった表現)

  • 桜端の砌、御社のさらなるご発展を心よりご祈念申し上げます。
  • 春粧の折、皆様のますますのご健勝をお祈り申し上げます。
  • 仲春の候、皆様のご多幸をお祈り申し上げます。

次に、4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結びのうち、「やわらかめの表現」を使ったものをご紹介します。この頃は春も本番に近づいてきている頃です。春らしい表現を取り入れましょう。

4月中旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(親しい人へ送るときの表現)

  • 春は何かと体調を崩しやすい季節なので、健康に気を付けてくださいね。
  • 連休前でお忙しいことと思いますが、無理せぬように。
  • 新たな環境での生活、頑張ってくださいね。

【下旬編】4月の季語・時候の挨拶・書き出し・結び

【下旬】4月の季語

4月下旬の季語をご紹介します。この時期はゴールデンウィーク突入前または突入直後で、何かとあわただしかったりワクワクしたりする頃ですよね。祝日としては、4月29日の「昭和の日」があり、これも季語として使うことができます。

その他の4月下旬の季語は、黄金週間、春暖、麗春、春たけなわ、晩春、春爛漫、惜春、葉桜、新緑、菖蒲、菜の花、牡丹、青麦、春暑し、春雨、風光る、などがあります。

【下旬】4月の時候の挨拶

4月下旬の時候の挨拶には、麗春の砌、晩春の候、葉桜の折、新緑の候、春暖の砌、春爛漫の折、残り僅かな春、ゴールデンウィークもすぐそこ、連休前の多忙な時期、春も終わりに近づき、若葉が萌えいずる頃、行楽の好季節、春雨がしとしとと降り続く今日この頃、春風がさわやかな、菜の花が美しく咲き、などがあります。

【下旬】4月の時候の挨拶を使った手紙の書き出し

4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しのうち、「改まった表現」を使ったものを紹介します。新年度でフレッシュなスタートを切った方や、年度が変わり新たな事業に取り組む会社などに宛てて手紙を書くときに使いましょう。

4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(改まった表現)

  • 春暖の砌、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
  • 麗春の候、貴社におかれましてはますますご清祥のことと存じます。
  • 晩春の折、〇〇様におかれましてはお元気でご活躍のことと存じます。

次に、4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出しのうち、親しい人などに宛てて書く際に使いたい「やわらかめの表現」を使ったものをご紹介します。

4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の書き出し例(親しい人へ送るときの表現)

  • 若葉萌え立つ今日この頃、お元気でお過ごしですか。
  • 連休前で忙しい毎日だろうとお察しします。
  • 春爛漫のこの頃ですが、新天地での暮らしはいかがですか。

【下旬】4月の時候の挨拶を使った手紙の結び

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牡丹の花 すっごい華やか!

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4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結びのうち、「改まった表現」を使ったものをご紹介します。マナーを守りながら丁寧な言葉を選びましょう。

4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(改まった表現)

  • 晩春の砌、〇〇様のさらなるご活躍をお祈りいたしております。
  • 春暖の折、御社のますますのご発展をご祈念いたしております。
  • 新緑の候、貴社のさらなるご盛栄をお祈りいたしております。

次に、4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結びのうち、「やわらかめの表現」を使ったものをご紹介します。自分なりの結びの挨拶を考えるなら、深まってきた春の季節感を取り入れるとよいでしょう。

4月下旬の時候の挨拶を使った手紙の結び例(親しい人へ送るときの表現)

  • 連休が明けたらまたお会いしましょう。
  • 春とはいえ朝晩は冷え込みます。どうかご自愛ください。
  • 季節の変わり目、お元気でお過ごしくださいね。

4月に書く手紙には春らしい時候の挨拶を取り入れよう!

桜などの花々が咲き乱れ、太陽の光がまぶしくなってくる4月。まさに春本番という感じのこの季節には、春を連想させる時候の挨拶を使いましょう。ただし、手紙には「この季節の挨拶には絶対こう書くこと!」という厳しい決まりはありません。相手を想いながら季節を感じ、自分なりの表現を見つけてくださいね!

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