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「ご覧いただく」は正しい敬語?意味や例文・使い方・類語も紹介!【状況別】

更新:2019.06.21

「ご覧いただく」を使用しているビジネスパーソンはたくさんいますよね。今使っている「ご覧いただく」の敬語は正しい使い方ですか。誰にも何も言われないから大丈夫だと思っているあなた、改めて「ご覧いただく」の意味や使い方を見直してさらにビジネスライフを充実させていきましょう。

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「ご覧いただく」の意味

「ご覧いただく」の意味:見る

見る

「ご覧いただく」の敬語は「見てもらうことをお願いする」という意味になります。ビジネスシーンでは、上司や取引先に資料などを「見てもらいたい」ときに使う敬語になります。また、展覧会などで作品や商品をお客様に「見てもらいたい」ときにも使います。

「見る」という行動を相手にお願いするときは、尊敬語である「ご覧になる」を使います。また、「見る」という行動を自分がするときは、へりくだる言い方にするため謙譲語になり「拝見する」と言います。敬語の使い方を間違えると、相手に伝わる意味も違ってしまうことがあるので、混合しないように気を付けたいですね。

「ご覧いただく」は敬語として使える?

「ご覧いただく」は敬語として使えます

OK

「ご覧いただく」は敬語として使えます。自分よりも目上の人に何かを見てほしいことを伝えるときの「見てください」をきちんとした敬語にすると次の通りになります。「見て」の部分ですが、実際に見るのは目上の人の行動になるため、尊敬語で言い直すと「ご覧になる」になります。

「ください」は自分が相手にお願いすることになるので、謙譲語で言い直すと「いただく」となります。つまり、相手に「見る」ことを「お願い」するので、「ご覧いただく」は敬語として使える言葉になります。

「ご覧いただく」の正しい使い方と例文(会話・電話編)

「ご覧いただく」の使い方①:上司との会話編

上司

一番身近で「ご覧いただく」という敬語を使う人と言えば、上司ですね。毎日の仕事の中で上司に業務報告したり資料を渡したり関わりのない日はありませんよね。


例えば会議資料を確認してほしいときに「来週使う会議資料ができあがりました。資料を見てもらえますか」と伝える場合「ご覧いただく」を使うと次のようになります。

「課長、こちら来週の会議資料になります。お手数ですが、ご覧いただけますでしょうか。」となります。注目したいところは「ご覧いただけますでしょうか」と依頼するように渡すところです。「ご覧ください」だと少し威圧的な印象になります。上司にお願いしているので、少しでも柔らかい言い方を心掛けたいですね。

「ご覧いただく」の使い方②:取引先との電話編

電話

取引先の担当者やお客様と電話することありますよね。相手に失礼のないように「ご覧いただく」を使いこなしましょう。例えば「先日送った展示会の案内文を見てもらえましたか」を適切な「ご覧いただく」を使うと次のようになります。「恐れ入りますが、先日お送りしました展示会の案内文はご覧になりましたか。」

「見てもらえましたか」を相手に尋ねたいときは「ご覧になりましたか」と伝えましょう。電話は、相手の顔が見えず声だけのコミュニケーションになります。トーンや話すスピードも大切ですが、言葉遣いひとつで印象が良くも悪くも変わってしまいます。

「恐れ入りますが」などの、クッション言葉を上手に利用して丁寧な敬語を意識すると印象が良くなります。最初は慣れないかもしれませんが、意識して使っていくうちに身についていくので試してみてください。

「ご覧いただく」の使い方③:会議編

会議

社内外の会議やプレゼン等で、手元の資料やスクリーンを見てもらいたい瞬間ありますよね。そんなときは「ご覧いただく」を使って次のように伝えてみましょう。「詳細はお手元の資料をご覧ください。」「こちらのスクリーンをご覧ください。」

緊張する場面ではシンプルで良い敬語が「こちらの資料をご覧になられてください。」などと間違った敬語になってしまうことがあります。シンプルで簡潔に正しい「ご覧いただく」を使いこなしましょう。

「ご覧いただく」の正しい使い方と例文(メール・手紙編)

「ご覧いただく」の使い方①:メール編


メール

社内の上司や社外の取引先担当者、お客様に資料を添付したメールを送ることありますよね。メールに書き込む文章で悩んだことありませんか。メールだと記録に残りますし、失礼のないようにしたいですよね。メールの資料を見てもらいたいときは「ご覧いただく」を次のように伝えましょう。

「〇〇の件で資料を添付しますので、ご覧ください。」という敬語になります。他にも「ご覧くださいますようお願いいたします。」という表現もありますが、なんだか回りくどい印象になるので、「ご覧ください」と言い切ったほうがシンプルで伝わりやすいです。

「ご覧いただく」の使い方②:手紙編

文書

社外に案内状など文書の送付するときに使う「ご覧いただく」でも失礼のないような言葉を選ばないといけませんよね。手紙で同封した書類を見てもらいたいときは、次のように「ご覧いただく」を伝えてみましょう。

「詳細は同封した別紙をご覧いただきたく存じます。」または「ご覧いただけると幸いです。」という敬語になります。手紙などの郵送物も送付した相手の手元に残る書類になりますので「見てほしい」という気持ちを相手に伝えるためにも、正しい「ご覧いただく」を使って丁寧な敬語を心掛けましょう。

「ご覧いただく」の使い方③:ホームページ編

ネット

メールや手紙だけでなく、インターネットの中で見てもらいたいものを載せることがありますよね。例えば、会社のホームページで商品の紹介やイベントの案内、個人情報などの取扱いについての規定などが挙げられます。これらの案内を見てもらいたいときは次のように「ご覧いただく」を使って紹介しましょう。

「個人情報保護の取扱い規定は、下記をご覧ください。」とシンプルな敬語になります。不特定多数の相手に、見てほしいを伝えたいときこそ、シンプルでわかりやすい「ご覧いただく」の敬語を使うように意識してみると良いでしょう。

「ご覧いただく」を使うときの注意点

「ご覧いただく」を使うときの注意点:二重敬語「ご覧になられる」


悩む

「ご覧になられる」は一見問題なさそうに思われますが、二重敬語になります。二重敬語とは、敬語に直した言葉にさらに敬語を重ねて使うことです。わかりやすく説明すると、「役職名」に「様」をつけて呼ぶことが挙げられます。「〇〇部長様」は「部長」が継承になるので「様」はつけなくて良いのです。

では、「ご覧になられる」はどこが二重敬語になっているのでしょうか。「ご覧になる」の「になる」の部分をさらに丁寧に表現したのが「になられる」となり、「ご覧になられる」となっています。「見る」の尊敬語である「ご覧になる」は、この言葉だけで意味が伝わり、敬語として成り立っています。

つまり「になる」だけをさらに敬語に直す必要がありません。「ご覧になられる」を正しい言い方に直すと「ご覧になる」となります。意外と世の中で耳にすることがあり違和感がないように感じますが「ご覧になられる」は間違った敬語の使い方になりますので、注意しましょう。

「ご覧いただく」を使うときの注意点:二重敬語「ご覧になってください」

悩む

「こちらの資料をご覧になってください」と、見ることをお願いするときについ言ってしまいそうな敬語ですね。先ほどもありました通り、「見る」の尊敬語は「ご覧になる」で意味が通じます。「ご覧」と「になる」が組み合わさった言葉ではないため、「になる」の部分だけを敬語に直す必要がありません。

「ご覧になってください」を正しく直すと「ご覧ください」になります。つまり「こちらの資料をご覧ください」が正しい敬語になります。なんだか物足りなく感じるかもしれませんが、相手にも伝わりやすくシンプルであることがビジネスではスマートで良いですよね。

「ご覧いただく」の類語

「ご覧いただく」の類語①:見られる

見られる

「見る」の尊敬語には「ご覧になる」の他にも「見られる」があります。「ご覧になる」よりも敬語の丁寧さは低くなるため、目上の人と話す場面で、社内の雑談や飲み会の席などで少しフランクに使える尊敬語になります。ビジネスシーンでは「ご覧になる」を使うほうが相手に伝わりやすく丁寧な言い方になります。

「ご覧いただく」の類語②:お目通しいただく

お目

聞きなれない言葉ですが、「見てもらう」は「目を通してもらう」と言い換えることができます。「目を通してもらう」を丁寧にすると「お目通しください」となります。さらに、「ください」の部分をお願いするので謙譲語に直すと「いただく」となるため、「お目通しいただく」となります。

なお、「目を通す」とは一般的に「ざっくり全体を見ておいて」となるため、ビジネスシーンには不向きな敬語になります。会議の場などで資料を配る際に「お目通しいただいてお待ちください」などと伝えるのは、敬語がなっていないと判断される可能性があるため気を付けたいですね。

「ご覧いただく」の類語③:ご高覧いただく

お目

「ご高覧いただく」は「ご覧いただく」よりもさらに丁寧な敬語になります。身近な人や上司にはなかなか使うことがなく、取引先やお客様に、商品や展示品を見てもらいたいときに使う敬語となります。会話でもメールでもどちらでも使えますし、相手により丁寧に接する際に使ってみてください。

「ご覧いただく」と間違えやすい単語

「ご覧いただく」と間違えやすい単語①:ご拝見

悩む

「見る」の敬語で「拝見」という言葉はよく耳にしますよね。「拝見する」は「見る」の謙譲語になるため、「自分が見る」ことに対して使う言葉になります。つまり「ご拝見いただく」という言葉は、「ご」を付けることも間違いであり、「自分よりも相手を目下に見てお願いしている状態」となるため、大変失礼にあたります。

特にビジネスシーンで「ご拝見いただく」と、目上の方に伝えたら怒りを買うことになる可能性もあります。謙譲語と尊敬語が混合していて意味もよくわかりませんし、信用されなくなるきっかけにもなりかねないので、くれぐれも注意してください。

「ご覧いただく」を正しく使って信頼を勝ち取ろう

ビジネスシーンでは、資料や商品を誰かに「見てもらう」ことが日常的にあります。聞き流されてしまうことも多いかもしれませんが、言葉遣いに気を付けて社会人としてきちんとした姿勢を見せ続けることが、上司やお客様からの信頼にも繫がります。

普段なにげなく発している敬語は、実は間違っていたり、相手に失礼な言い方になっていることがあるかもしれません。メールや手紙では書き直すことができても、一度発した言葉は取り返しがつかないこともあります。普段から気を付けていれば、いざというときに迷うことなく敬語を使いこなすことができますよね。

紹介してきた注意点や例文を参考に、ぜひ「ご覧いただく」の敬語の意味を理解し、正しく使いこなしてスマートなビジネスライフを送りましょう。

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