「打診する」は正しい敬語?意味や例文・使い方・類語も紹介!【状況別】
更新:2021.04.16
ビジネスシーンでよく登場する、「打診する」という言葉。 アナタはきちんとした意味と、本来の使い方をご存知でしたか…? この記事では「打診する」という言葉の意味と敬語の正しい使い方、 例文や類語を紹介していきます。 あなたのビジネスライフにきっとお役に立てると思います!
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INDEX
「打診」するの意味
「打診する」の意味①医師が患者の身体を指や手で打ち聞こえる音で診察する
打診器や打診槌を用いて、医者が患者の体を叩いた音により、体の中の状態や様子を診察することが本来の「打診する」という意味です。
「打診する」の意味②相手の思いや考えを聞いて、事前に反応をうかがうこと
会話やビジネスの場での「打診する」は、前もってその事を話し、相手の様子を見ることによって、より良い結論を出すために行う行為です。
「打診する」が持つ意義を理解する
勘違いとして多いのが、「打診する」を同調するとかお願いするという意味でとらえている人が多いことです。相手に対し、物事を「お願い」しようとするときは、「要望する」「交渉する」などの言葉を使うことになります。「要望」「同調」は、答えを求めていたり、自分の意見に賛成してくださいという意味があります。
「結論」や」「答え」を求めるのではなく、相手がどのような考えを持っているのかを聞く行為そのものが「打診する」ことなのです。ビジネスに限らず、普段の生活においても、ほとんどの人が「打診する」ことをしています。意味を理解し、敬語を使って「打診する」さてそもそも「打診する」は敬語として使えるのでしょうか?
「打診する」は敬語として使える?
「打診する」は敬語として使うことができません
「打診」の言葉は名詞です。残念ながら敬語にはなりません。「いたします」というように、敬語を付けて使うか、「ご相談したいことがあるのですが」など別の言葉に置き換えて表現します。「打診」につける敬語は「する」が多いので、下記もチェックするとよいですよ。
では実際に「打診する」を敬語を使ったり、丁寧な言葉で置き換えるには、どうすればいいのでしょう。次は、TPOに応じた「打診する」の正しい敬語の使い方について状況別に見ていきましょう。
「打診する」の正しい使い方と例文(電話・会話編)
「打診する」の敬語の使い方①目上の人に対して
電話で話すときは、相手の顔が見えません。相手の反応や表情が直接見えないので、「打診する」の目的の相手の反応を見ることは、声だけで判断することになります。こちらから相手に「打診する」ときは、敬語を使い丁寧な言葉で言葉尻を下げず、相手が率直な思いを話せる雰囲気を作りましょう。
上司に対して使う場合は、「打診」の後に敬語をつけて、「打診させていただきます。~ました。」としましょう。また部下に「打診」を促すことを上司に伝える時は、「打診するよう申し伝えます」としましょう。謙譲語と敬語の使い方を工夫するとよいですね。
「打診する」の敬語の使い方②謙譲語を使う場合
敬語の中でも謙譲語を用いて「打診する」を使う時には、「私が打診いたします~いたしました」と使います。例えば、「〇〇社に~について私が打診いたします」とします。謙譲語やその他の敬語を付けない場合は、「私が〇〇社に~ついてそれとなく打診してみます」とするとよいでしょう。
「打診する」の敬語の使い方③別の言葉に置き換える
「打診する」という言葉を使わない場合は、「ご相談したいことがあるのですが、よろしいでしょうか?」と敬語を使って切り出したり、「今日は〇〇についてご意見をお聞きしたいのですが」というと「打診する」と同じ意味で言い換えることができます。こうすれば、「打診」に敬語をつけにくくても丁寧な敬語表現になります。
その他、「お考えをお聞かせください」「~ついてどう思われますか」などの言葉もあります。こうするときちんとした敬語が使えています。「打診」は物事に対しての相手の反応をみるということなので、答えを求めないようにします。言葉の意味を把握して、別の言葉に言い換えてみましょう。
電話では、敬語だけでなく、滑舌よく話さないと間違った内容でとらえられたりすることがありますので、「打診する」時は、敬語で言葉をはっきりと伝えるようにします。電話であっても話すときは笑顔を心掛けると、声のトーンも上がり相手に好印象を与えます。話し方のコツについて参考になる記事を載せておきますね。
「打診する」の正しい使い方と例文(メール編)
「打診する」の敬語の正しい使い方①目上の方に対して
メールは形に残るものなので、注意が必要です。直接「打診する」という言葉を使って書く場合は、きちんと敬語を使い丁寧な言葉で書きます。社外や上司に対してのメールでは、「先日、私より打診致しました件についてですが・・・」「本日は〇〇について打診させていただきました」と書きます。「させていただく」が敬語です
<敬語使用例>「〇〇会社 〇〇様。いつも大変お世話になっております。本日は、〇月〇日開催の御社展示会において、弊社も参加を打診させていただきたく、メールにてご案内いたしました。つきましては、ご検討いただきけましたら幸いです。」
「打診する」の敬語の正しい使い方②打診を受けた時
反対に打診を受けた時には、「先日、御社より打診をお受けした件ですが・・・」とか、別の言葉を敬語にして「先日お話いただいた件ですが・・」などとするのがよいでしょう。」先日の〇〇についての御社からの打診についてですが」のように敬語は使わずシンプルな書き方でも問題ありません。
<敬語使用例>「〇〇会社 〇〇様。いつも大変お世話になっております。先日、〇〇様より打診をお受けした(ご相談を受けました)件ですが、弊社で検討したところ、とても素晴らしい提案と感じました。もしよろしければ、お話を詳しくお聞かせいただきたく思います。」
「打診する」の敬語の正しい使い方③件名に「打診」を入れる
上記は「打診する」という言葉を用いた使い方をお話しましたが、一番ベストなのは件名に「打診する」という言葉を入れ、文章には入れない方法です。件名に入れることで、大まかのこちらの趣旨が伝わります。このメールの内容は、要望ではなく「打診」ですよ!ということが最初に分ります。メールには丁寧な敬語を使います。
例えば、「〇〇日程の打診についてのご案内」「〇〇商品追加発注についての打診について」などと書きます。その後の文章はきちんと敬語を使い、内容を書きます。文章の最後に「ご検討のほどお願いいたします」などの丁寧な敬語で締めくくりましょう。
<敬語使用例>〇〇部長 件名:「会議日程調整の打診について」先に決定しておりました〇〇の会議ですが、〇〇社の社長の訪問が決定し、準備等で調整が必要ではと思いましたので、下記に何日か候補を上げさせていただきました。つきましては、可能であれば日程のご調整をご検討いただければと思います。
「打診する」を使う時の注意点
「打診する」を使う時の注意点①「ご」「お」を使わない
その後の言葉を敬語にすることで丁寧な使い方ができる「打診」ですが、実際の「打診」という行動に「打診」の言葉を直接使うことは少ないのではないでしょうか?では、実際に敬語で「打診」するときの注意点についてご紹介します。
「打診する」は通常の言葉のように敬語にできません。「言った」という言葉の、「おっしゃった」のように分りやすい敬語がありません。「おビール」と同じで、「打診」の前に「お」や「ご」を付けて「お打診」「ご打診」と言わないようにしましょう。
「打診する」を使う時の注意点②最初にクッション言葉を使う。
人に打診するときは、最初や途中、最後などにクッション言葉を使うことで、敬語を使った丁寧な言い回しになります。「~についてご相談したいことがあるのですが・・」や「御社のお考えをお聞かせいただきたいことがあるのですが・・・」などの敬語を使った言葉を添えると、丁寧です。
「打診する」を使う時の注意点③言い換える言葉に注意
敬語が使いにくい「打診する」という言葉。言葉が持っている意味や他の言葉との微妙な違いを理解していないと、言い換える言葉を間違えてしまいます。「打診」は「あなたはどう思いますか?」「あなたの意見が聞きたい」という答えを求めない相談ですので、注意します。
またビジネス界では、それが大きな失態になる可能性もあります。また、意味をはき違えていると、大きな誤解が生じ、双方にわだかまりや仲たがいの原因を作ることもあります。反対に「打診」の意味を理解し、正しい敬語を使い言い換えると、好印象を与えます。
柔らかいニュアンスで、話を穏便に進めることもできる「打診する」はビジネスシーンでとても便利な言葉です。敬語を使っていても、間違った言葉に言い換えると大変です。次は、似た意味を持つ言葉や間違えやすい言葉などを紹介します。その言葉の敬語もチェックしてくださいね。
「打診する」の類語
「打診する」の類語①「意見を尋ねる」
類語は「打診」に使いづらい敬語を使いやすくします。ですが、意味の微妙な違いに注意してください。「打診する」は「相談」や「話を持ちかける」という意味。同じ意味を持つ言葉についてご紹介します。「意見を尋ねる」は、その案件の内容についてより真相をついた答えを求める表現です。
「打診する」より少し要求度合いが強いと言ったらいいかもしれません。取引先の人には、その案件の内容により使い分けたほうがよいです。敬語を使う時は「意見をお尋ねする」とします。
「打診する」の類語②「是非を問う」
「打診する」より結論や解答求める度合いを強めた表現で使われます。「打診」は回答を求める要素はゼロに近く「是非を問う」は言葉のごとく賛成か反対かを問う意味合いが含まれています。敬語を使う場合は「是非を問わせていただいてもよろしいですか」や置き換えた言葉を別の敬語する「是非を伺いたいのですが」とします。
「打診する」と間違えやすい単語
「打診する」と間違いやすい単語①「賛否を問う」
「打診する」を間違った使い方をしていませんか?意外と全く違う意味合いがあった間違いやすい単語を紹介します。「賛否を問う」は、自分の考えや議案などに対して、賛成かそうでないかを相手に尋ねることです。「打診する」は「賛否を問う」とは全く意味が違い、相手の意見や考えを聞くことです。
「賛否を問う」を敬語として使う場合は、「賛否を問わせていただきます」や、置き換えた言葉を敬語にして「賛否を伺わせていただきます」となります。
「打診する」と間違いやすい単語②「協議する」
「協議する」はある事柄を一人ではなく2人以上の人数で考えや案を出し合い、よい答えを出そうとすることです。「打診する」は結論を出す前に相手の思いを伺うもので「打診する」という言葉自体は、「答えを出す」ことではないのです。ちなみに「協議」も名詞なので、敬語を使う時は「協議させていただきます」になります。
なんとなく似ている、おそらく同じような語意だろうと思っていても随分と意味が違うことがわかりました。いくら敬語で丁寧に話したとしても、言い換えた言葉の選択を誤ると意味が変わってくることが分りましたね。
「打診する」は答えを求めない表現
「打診する」は敬語としては使えませんが、打診に付ける言葉を敬語にしたり、違う言葉に言い換えたとき、きちん敬語を使うと丁寧に伝えられます。またきちんと「打診」の意味を知っておくことが重要なことが分かりましたね。
様々な場で欠かすことができない「打診する」という言葉ですが、便利で効率のよい言葉なのです。正しい使い方と工夫した敬語を使った「打診」で素晴らしい社会人になってくださいね。
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