Large thumb shutterstock 521419069

「粗品」は正しい敬語?意味や例文・使い方・類語も紹介!【状況別】

更新:2019.06.21

みなさんは日常生活でよく見かける「粗品」という言葉の正しい意味や使い方をご存知でしょうか。謙譲語としてとらえることで、立場によって使い方や注意点も変わってくる言葉です。これから人に贈り物をする際、または受け取った際に使う機会があるかもしれない敬語として「粗品」を見ていきましょう。

※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。



「粗品」の意味

「粗品」の意味①粗末な品物

粗品1

「粗品」は文字通り、粗末な品物を表す意味合いになります。ただしこれは謙譲表現であり、実際に粗末かどうかということを問うものではありません。「粗品」が意味するところはあくまでも謙譲表現という要素であり、実際に粗末なものを指して「これは粗品ですね」といった使い方をしないのが一般的です。

「粗品」については相手に何かものを差し出す時に、もちろん相手のことを考えたチョイスはするのですが、決して値段が張るものでなくて申し訳ない、という配慮と謙遜を込めて使いますので言葉の意味通り相手方が心から粗末な品だと感じるものを指すことは非常に少ないと思われます。

「粗品」の意味②配布物

粗品2

「粗品」という言葉に関してはビジネスの場以外でも馴染みがある言葉であるかと思います。日常では、スーパーの福引等で当りが引けなかった場合にもらえるものとして、「粗品」と記されたタオル等をもらった経験がある方も多いかと思います。「粗品」は非常に日常でも使われる可能性が高い言葉になります。

また、ノヴェルティや試供品配布等多くの人に配布することが明らかなものの場合にもこの「粗品」という表記が一般的に使われます。そのため特定の人に対して贈る品物に対して「粗品」と表記する場合にはそのシチュエーションを考慮することが必須です。シチュエーションによっては相手に失礼に当たる場合があります。

「粗品」は敬語として使える?

「粗品」は敬語として使えます

粗品3

「粗品」は敬語として使えます。「粗品」についてはその言葉が指す品物の品質について謙遜する意味合いを含む謙譲語に分類されます。そのため、ビジネスの場では非常に使われる機会が多い敬語となりますので、使い方やその注意点をしっかり押さえておきましょう。


「粗品」の正しい使い方と例文(対面編)

「粗品」の使い方①対面の場合は基本的に口頭での使用を心掛ける

粗品5

「粗品」という言葉を使用する場合に一番に気を付けることは「粗品」の漢字2文字が実際に目に見える形で表記されるか否かという部分になります。実際に目に見える表記がなく口頭だけで使用する場合と、「粗品」としっかり表記がある現物が目の前にある場合で相手方の心象が大きく変わってくる点を意識する必要があります。

「粗品」という言葉はこちら側の気遣いが込められた言葉になりますが、決して相手方には心象良く感じられるシチュエーションではないため、「粗品」の基本的な使い方としては口頭ベースでの使用については基本的にOKであり、「粗品」と表記する現物を目の前に用意する場合には細心の注意を払う必要があります。

「粗品」の使い方②「粗品」と表記する場合には状況を考慮する

粗品6

「粗品」と表記することで相手方の心象が悪くなったり、「粗品」と表記されたものに対して悪い印象を持ってしまうリスクがあります。しかしながら適切なシチュエーションで品物に対して「粗品」と表記をすることで、こちら側の謙遜の心遣いが相手方に伝わりますので、「粗品」と表記する場合には注意が必要になります。

例えば「粗品になりますが…」という形で相手方に贈り物をする際に一言添える分には相手方が失礼と受け取ることはほとんどないかと思われます。何故ならそれはあくまでも軽い社交辞令であり、こちら側の態度としても品物に関しても相手方に対して失礼である要素が排除されるからです。

ですがそれが実際に品物に対して「粗品」と表記されることで「その品物がどんなものなのか」という部分がより強くフォーカスされることになりますので、その品物が「粗品」と表記するに適切がどうかが厳しく問われることになります。そのような間違いが出ないように、例文で正しい使い方を見ていきましょう。

「粗品」の使い方③「粗品」の例文(対面編)

粗品7

「粗品」の例文(対面編)

  • 〇粗品ではございますが、どうぞお収めください。
  • 〇暑い日が続きますね。粗品で恐縮ではございますが、冷たいものをおひとつどうぞ。
  • 〇アンケートにお答えいただいた方にもれなく粗品進呈!
  • ×粗品をありがとうございます。
  • ×結構な粗品をいただきましてありがとうございます。
  • ×こちら弊社の製品の粗品でございますので、どうぞお収めください。

まず「粗品」は当然、こちら側が相手側に差し出す品物を指す場合にのみ使用する言葉になりますので、相手方から受け取るものに対して「粗品」という言葉を使うのは禁句です。

また、例文のようにアンケート回答のおまけ等、おまけ程度の品物を最初から粗品と表記するのは問題はありません。ただし最後の例文のようにその会社の製品のような、あるいは相手の期待に応えるべく渡すものを「粗品」と評して渡すことは失礼に当たる場合が往々にしてありますので、注意が必要です。

対面で「粗品」と表記する場合にはその品物がおまけであって、先に相手方にそのおまけが何かを明記しない場合のみの使用に留めると間違いは出ないかと思われます。

「粗品」の正しい使い方と例文(電話・メール編)

「粗品」の使い方①電話での使用は基本的にOK

粗品8

電話での「粗品」の使い方も対面の際と同じ注意点になります。相手方からいただいた品に対して「粗品」と言わない限りはほとんどの場合で謙譲語と受け取られる場合が多くなりますので、その点だけ気を付ければ「粗品」という言葉を使っても問題は出ないものと思われます。

「粗品」の使い方②メールの場合は「粗品」と表記する状況を考慮する

粗品9

メールで「粗品」という言葉を使用する場合も電話の場合同様の注意点になりますが、メールの場合は大量に配布するような、例えば福引のはずれ景品のようなものを指す状況以外は他の類義語を使用した方が良いでしょう。「粗品」を使っても意味合いは通じるのですが、類義語を使った方が、相手方に対しては親切です。

何故ならメールでの文章の場合は対面時の時と異なり、安に「粗品」と品物に書いてある状況ではなく敬語として「粗品」を使うシチュエーションになるため、その言葉を使い慣れていないと「粗品」という響きに相手方が違和感を覚えてしまうからです。そのため「細やかですが」等、馴染みある類語を使用した方がいいでしょう。


「粗品」の使い方③「粗品」の例文(電話・メール編)

粗品10

「粗品」の例文(電話・メール編)

  • 〇この度はモニターにご協力いただきましてありがとうございました。今月ご協力いただいた方限定で粗品をお送りしておりますので、お受け取りください。
  • 〇皆様奮ってご参加くださいませ。なお、当日ご参加いただいた方には漏れなく粗品の用意がございます。
  • 〇遠方までお越しいただいた上に、粗品しかお渡しできず恐縮ではございますが、ご確認くださいませ。
  • ×粗品をお送りいたしますので、ご査収の程お願い致します。
  • ×粗品を頂戴しまして、ありがとうございます。

「粗品をお送りいたしますので、ご査収の程お願い致します。」については「粗品」と言っている物について「ご査収」いただくのは通常ではありません。「書籍をお送りいたしますので、ご査収の程お願い致します。」と、物を具体的に示すか「粗品をお送り致しましたので確認をお願い致します」等とするのが正しい使い方です。

また「粗品を頂戴しまして、ありがとうございます。」については相手方からいただいたものに対して「粗品」と言っているので、電話・メールの場合においてももちろん禁句となります。

「粗品」を使うときの注意点

「粗品」を使うときの注意点①:高価な品物には使用しない

粗品11

たとえ自分で渡すものを指して「粗品」と言ったとしても、その品物があまりにも高価なものになると相手方に嫌味と取られてしまうリスクがあります。謙遜も度が過ぎると、行き過ぎた敬語となってしまうことがあります。そのため「粗品」を使うのは相手方に渡す品物で安価なものを指す場合に限定して使うようにしましょう。

金額の目安としては3,000円を超えるものに「粗品」という言葉は使わない方が良いかと思われますが相手方にその品物の金額を示すような状況は中々ありません。安価なものであっても値段以上に見えるものも存在するので3,000円以上のもの、もしくは化粧箱を包装しているものは「粗品」としない方が良いでしょう。

「粗品」を使うときの注意点②:「粗品」と記すのは大量配布物に限定する

粗品12

「粗品」とするかしないのかの線引きは非常に難しいものがあります。相手方が「こんな高価なものを粗品だなんて…」と思ってしまえば、それは嫌味に取られてしまうリスクがあるでしょう。

そのため高価なものに対して「粗品」と称さないのはもちろんですが、使用は大量配布物に留めた方が良さそうです。「粗品」は何かのおまけ、あるいはアンケート等のささやかなお礼、そして福引の景品等、その品物をもらえてちょっとだけ嬉しい、といったシチュエーションでの使用に留めた方が良いでしょう。

「粗品」の類語

「粗品」の類語①つまらない物ですが

粗品13

「粗品」のそもそもの意味は「つまらない物ですが」と相手方に何かを差し出すニュアンスと同じです。ただし「つまらない物ですが」という言い回しについてはお土産やお中元・お歳暮、そして贈り物等幅広く使われますので、金額の制限が特にありません。

「つまらない物」と言って贈り物をする先には「結構なものをありがとうございます」という返礼がありますので、「つまらない物ですが」という言い回しの方が幅広く、そして間違いがない言い回しになります。

ただし、品物の但し書きとして「粗品」は何にも代えられない言葉となります。福引の景品に「つまらない物」と書かれているのは見たことないと思います。品物に直接記す場合には「粗品」、口頭の場合は「つまらない物ですが」と使い分けましょう。

「粗品」の類語②粗茶

粗品14

お茶をいただく際に「粗茶でございます」と添えて出される場合があるかと思います。これは「粗品」の「品」を具体的にした言い回しになります。他にも「粗菓」などという言い回しもありますので、覚えておきましょう。どれも意味合いは「粗品」のニュアンスと同じです。

「粗品」を使いこなしてビジネスパーソンとしての語彙を広げよう

「粗品」は対面や電話等の口頭で使用する際には非常に使える敬語表現になります。また、配布物に添える言葉としては最も使いやすい言葉となります。「粗品」を使いこなして、ビジネスパーソンとしての語彙を広げていきましょう。

●商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。