酸っぱいブドウと甘いレモンの意味!その他イソップ童話15選も解説!
更新:2019.06.21
イソップ童話の酸っぱいブドウと甘いレモンの逸話はご存じですか?イソップ童話には、かなり意味が深くて、現代でも充分に考えさせられる逸話がたくさんあるのです。今回はそんなイソップ童話からこれら二つのエピソードを中心に解説したいと思います!他人に話せば、ちょっとしたインテリにも見られるかもしれません!?
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INDEX
酸っぱいブドウと甘いレモン?
イソップ童話の歴史
日本でも古くから親しまれている「イソップ童話」ですが、その歴史ははるかに古く、そして実際の著者などは不明のままです。一応起源は古代ギリシャで紀元前6世紀頃、とされていますが、これも確たる証拠はありません。
日本語風に言えば古代ギリシャ人の「イソップさん」が著者とされていますが、「イソップさん」が実在した人物かも不明です。今我々が知っている「イソップ童話」は中世ヨーロッパで15~16世紀頃に書かれたものが土台になっています。少なくとも約2500年も前に謎の人物によって紡がれたのがイソップ童話なのです。
ちなみにいくらはるか昔に書かれた書物といっても、さすがに恐竜は出てきません…。もしイソップさんが恐竜マニアだったのなら、確実に書いていたででしょうね。「恐竜と蟻」など、深い教訓が込められていそうです。
イソップ童話の内容
内容は動物や自然現象などを主人公にして「教訓」を語っています。筆者は文庫本を所持していますが、なんとその逸話は500弱もあり、文庫にして450ページほどもあります。ちょっとした辞書みたいなものです。面白いのは、それらの全ての逸話が日本語に訳すとほぼ4、5行ほどで終わる超短編ということです。
二千年以上も前に書かれたものが、たった4、5行で現代人の心に充分響くのですから、イソップさん恐るべし、です…。とはいえ、実は内容的に現代ではNG扱いされるものも非常に多いです。非人道的な描写もあるので、うまく改変して世の中に広まっているものもあります。
有名なものは?
日本でも有名なイソップ童話
- ウサギとカメ
- 北風と太陽
どんなに童話に疎い人でもこの二つはご存じですよね?ウサギとカメは努力にまつわる話で、北風と太陽は着実さを物語る教科書的な逸話です。筆者も久々に読んでみましたが、中には「…それを言ったら…ねえ?」と苦笑いしてしまうものも多数ありました。
占い師という話があって、人からお金をもらって占っている占い師の家に泥棒が入ったらしく、占い師は自宅に大急ぎで戻ったという話なのですが、オチは「え?他人のことは占えるのに自分は占えないの?」というものでした…。この逸話の教訓は他人のことより自分のことを、というものなのですが…
ネタにされた占い師が不憫に思えてしかたありませんでした…。そういった逸話もたくさんあるので、実はイソップ童話という呼び方は適切ではなく「イソップ風寓話」と呼ぶのが適切だそうです。イソップ風、というのはイソップさんが描いたかどうか実際は不明だからですね。
酸っぱいブドウの意味と解説
酸っぱいブドウの物語
お腹を空かせたキツネがいて、木にはブドウがぶら下がっています。キツネはお腹が減っているので、ジャンプしてブドウを取ろうとするのですが、届きません。どうやっても取れないので、キツネは諦めます。そして捨て台詞をはきました。「どうせあれは酸っぱいブドウでおいしくないはずだ。届かなくてよかった」と。
酸っぱいブドウの解説
いやあ、なかなか性格に問題があるキツネですね!もちろん読んでいただければ分かるとおり、「負け惜しみ」に関する逸話です。イソップ童話の面白いのは、一つ一つの物語にいろんな意味が含まれていることです。上記の物語だけ読めば、「言い訳はダメ!」という意味に捉えてしまいますが、実はもう一つの意味があります。
酸っぱいブドウだから取らなくてよかった、というのは熟成、つまり「時間」も意味しています。自分の実力不足を時間のせいにするのはダメですよ、という意味も含まれているのです。いやあ、奥深いですねイソップさん!
酸っぱいブドウから学べること
心理学者のフロイトさんも酸っぱいブドウに着目
夢などの研究で有名なフロイトさんも、この酸っぱいブドウを参照したようです。心理学上では「自己防衛や合理化」の例えで酸っぱいブドウが使われています。余談ですが、フロイトさんの夢判断という著書も筆者は持っていますが、医学書レベルの難解な文が広辞苑並みの分厚さで羅列されております。もはや危険物ですよ…。
現代社会における酸っぱいブドウの教訓
ではこの酸っぱいブドウは現代社会ではどういった教訓になるでしょうか?筆者個人はこのように感じております。まず、当然負け惜しみはいけません、ということではありますが、それ以前に「自分の実力」の向上により貪欲になるべき、ということでしょう。
酸っぱいブドウかどうかは食べてみなければ分かりません。そして食べるにはキツネはジャンプ力を鍛えるしかありません。一度食べたいと思ったなら、結果、たとえ酸っぱいブドウでも意地でも食べる、という気構えとそれに対する努力が必要と筆者には感じられました。
現代では物が溢れています。実際ブドウではなくても代わりはたくさんあります。魚でも肉でもいいかもしれません。それでもやはりブドウを食べたいと思ったら、どんなに酸っぱいブドウでも食べる努力をするべきなのではないでしょうか?
POINT
言い訳無用!
時間のせいにしても、難癖つけてもいけません。酸っぱいブドウに手が届くまで筋トレしましょう。
甘いレモンの意味と解説
甘いレモンの法則
お次は甘いレモンの法則をご紹介します。甘いレモンの法則とは、酸っぱいブドウと対になるような意味で使われています。自分が必死になってようやく手に入れたレモンを「これは甘いレモンだ」と言い張ることを指しています。甘いレモンなわけはありません。間違いなくそれは酸っぱいです。
でも自分が必至で手に入れた物なので、「これは甘いレモンなんだ!甘いレモンがおいしくないはずがない!」と自分に言い聞かせているのです。つまり、その物自体の価値以上の価値を与えて充足感を得るという心理ですね。これもなかなか奥深いですね…。
甘いレモンの解説
例えばすごく高価な服を買ったとしましょう。お店で試着した時は店員さんに褒められ、自分でも似合うと思っていたのに、いざ実際私生活で着てみると、「…なんか…微妙…?」と内心思ってしまった、と…。でも高かったし、間違っても「買って失敗だった!!」とは思いたくありません。
するとこの女性はこう思ったりします。「さっきご飯食べ過ぎてお腹がちょっと出てるだけ!消化すればもっとスマートになるはず!そしてこの服も似合うはず!」…この女性はどれほどの量のご飯を食べたのでしょうね…まさに甘いレモンの法則です。
買って失敗した!という後悔をしないよう合理的に自己防衛しているしている、ということですね。またまた余談ですが、筆者の知人で、ダイエットをしているややふっくらした女性がいました。彼女は筆者にこう言いました。「私今ダイエット中だから夕飯抜いているの!」そしてビールを飲みながらおつまみを食べていました…。
甘いレモンから学べること
現代社会における甘いレモンの教訓
彼女は夕飯さえ抜けば、ダイエットに値すると思っていたようですが…数か月たっても体形に変化が見られなかったことは言うまでもありませんよね…。さて、ではこの甘いレモンは一体現代社会ではどのような教訓を我々に与えてくれるのでしょうか?
手に入れたものを過大評価して自分を納得させるということは、つまりその物自体の価値を見誤っている、さらに言えば「自分に対して嘘をついている」ということでもあります。さっきの女性で言えば、高い服を買ってやはり失敗したから、次からは流されずにより慎重になろう、と失敗を今後に活かすことが重要ですよね?
酸っぱいブドウを自己向上と見るならば、甘いレモンは「冷静かつ正確な自己分析」ではないでしょうか?現代はストレス社会ですから、ストレスを回避、発散するために、色んなことを試している方がいると思いますが、その方法は自分に適していますか?本当に価値のある行動ですか?そういう分析が重要、ということでしょう。
POINT
レモンはやはり酸っぱいもの
認めましょう。自分が持っているものがレモンならば、酸っぱいという事実を…。甘いレモンはこの世に存在しませんよ。
イソップ童話(酸っぱいブドウと甘いレモンを除く)
ライオンを見たキツネ
初めてライオンをみた時は怖かったキツネも三回会えば話しかけるほど仲良しになったという話。習慣は恐怖ですら和らげるそうです。…いや…でも…写真の方と仲良くなるのはちょっと…。
老人と死神
老人が薪を拾って担いでると、疲れたので死神を呼んだ話。現れた死神がどうして自分を呼んだか聞くと老人は薪を担いでほしいと頼んだそうです。これはどんなに大変でも生きていきたいという人間の願望を示しています。
犬とウサギ
犬がウサギを捕まえると、なめたり噛みついたりしたという話。ウサギは犬にこう言いました。「敵か味方か分からないから、噛むのかなめるのかはっきりしてくれ」と。どっちつかずの態度は良くないですよ、という教訓ですね。
人殺し
人を殺した男が追われていると狼に会い、川辺の木に隠れると蛇がいて、川に飛び込んだら結局ワニに食べられてしまったという話。悪人には逃げ道はないということですね。
女と雄鶏
女が飼っている鶏は一日一個の卵を産んでいたので、女はもっと餌をあげたら一日二個卵を産むと考えて餌の量を増やしたら、鶏は太り過ぎて一個も卵を産まなくなったという話。余計な物まで欲しがると、全てを失うことにもなるというお話ですね。
旅人と熊
二人の旅人が熊に出会うと、一人はさっさと木に登り、一人は逃げ遅れ地面に伏して死んだふりをしました。すると、熊は地面に伏した男の耳元で何かをささやいたらしく、木に登った男がそれを問うと熊は「危機の時に自分だけ逃げるような友人とは旅をするな」と言ったそうです。災いは真の友情を試すという教訓ですね。
肉を運ぶ犬
肉をくわえた犬が、水面に映った自分を見て、てっきり他の犬が自分より大きな肉をくわえていると思い、自分の肉を捨て水面に飛び込んだ話。二兎を追うものなんとやら、と同じ教訓ですね。
ライオンとカエル
ライオンがカエルの鳴き声を聞くと、自分よりも大きな動物だと思い恐れていました。でもカエルが現れると、ライオンはあっさりとカエルを踏み潰してしまったという話です。おしゃべりが過ぎると災いが起きますよ、という教訓です。
怪我をした狼と羊
怪我をした狼が倒れて空腹で困っていると羊が通りました。狼は言いました。「水さえ持ってきてくれれば餌は自分で探すから大丈夫」と。すると羊は言いました。「水をあげたら、あなたは自分を食べるんでしょう?」猫をかぶっても嘘はばれますよという話ですね。
旅人と運の女神
旅人が疲れて井戸の近くで倒れた時のこと。運の女神が現れて言いました。「もしその井戸に落ちたら、運の女神である自分を責めるのでしょう?」悪いことがあると、自分の不注意でも、すぐ神様や運のせいにするのはいけませんよ、という教訓ですね。
ロバとセミ
ロバがセミの鳴き声に心を打たれ、何を飲み食いしたらそんな鳴き声になるのか聞いたところ、セミは「露だ」と答えました。それからロバは露ばかりをなめ続け、結局餓死してしまったという話です。自分に合っていないものを望むと不幸になるという教訓です。
猪と狐
猪が一生懸命爪を研いでいると、狐は聞きました。「どうした今まったく危険がないのに、そんなに必死で爪を研いでいるの?」猪は答えました。「危険になった時には爪を研いでいるひまがないからだ」まさに備えあれば憂いなし、ということですね。
ライオンと狐
狐がライオンにいつも「一匹しか子供を産まない」とけちをつけるとライオンは「でも俺はライオンだ」と言ったそうです。量より質、という話ですね。…しかし、よく狐が出てきますね…。古代人にとって狐は特別だったのでしょうか?
犬と肉屋
肉屋の主人が忙しくしているとその隙に犬が「心臓」を盗んでいったようです。それに気付いた肉屋は「心臓は盗まれたが、用心する心を今貰った」と言いました。失敗から学ぶという教訓ですね。しかし、心臓と心をかけるとは…うまいこと言いますね!
蚊とライオン
ライオンと戦う蚊がライオンの顔を刺すと、ライオンは自分の顔を爪でひっかいて死んでしまいました。蚊は喜び勇んで巣に帰ろうとするとクモの巣にひっかかり、クモに食べられて死んでしまいました。百獣の王にも勝った自分がまさかこんなところで、と蚊は後悔したそうです。調子にのってはいけませんよという戒めですね。
酸っぱいブドウと甘いレモンなどから学ぼう
教訓を活かそう!
酸っぱいブドウや甘いレモン、そして上に挙げた話はごくごく一部です。ざっとこれの30倍も他にあります。あまりにも狐やライオンなど、同じ動物が出るので、初めは混乱しますが読み進めると、より難解でより複雑な物語も出てきます。そして一つ一つに深い意味が込められています。
現代社会でも通じます!
筆者は別にイソップさんの営業マンではありませんが…。主題の二つ「酸っぱいブドウ」と「甘いレモン」だけでも、あれだけの意味が込められているのですから、一冊読破したのなら「歩く教訓辞典」と呼ばれるほどになれるでしょう!
はたしてそれが誉め言葉になるかどうかは未知ですが…。冗談はさておき、自分の人生にとても役立つことが「物語」を読んでいるだけで吸収できるのですから、筆者としてはおススメの一冊です!値段も文庫ならば700円ほどなので、朝の通勤などで、スマホをいじる代わりにイソップを読むというのはいかがでしょうか?
載っている話は、ほとんど現代でも通じます。というよりも、きっと古代も現代も人の心はそんなに変わっていない、ということなのかもしれませんね!?
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はイソップ童話を解説させていただきました!酸っぱいブドウや甘いレモンも興味深いですよね?筆者としてはけっこう「老人と死神」の話はお気に入りです!おじいさんが死神呼んで、薪持ってよ…とせがむ場面をイメージすると、なんだか滑稽で笑えるようでもあり、実は意味が深かったり…。
こうした逸話が満載のイソップ童話、ぜひ一読をおススメします!ちなみにですが、けっこう血なまぐさい話も中にはあるので、そういった話が苦手な女性は、読む時注意してくださいね!
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