メールでの「お願いできますでしょうか」の正しい使い方は?例文も紹介
更新:2019.07.04
メールでの「お願いできますでしょうか」という表現は、ビジネスでよく使われている丁寧語の敬語表現であるものの、他にふさわしい言い換え表現がたくさん存在します。ここではビジネスで依頼をする際の正しい敬語表現やそれらを使う場合の注意点を紹介していきます。
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メールでの「お願いできますでしょうか」は正しい敬語?
メールでの「お願いできますでしょうか」は正しい敬語ではない
メールでの「お願いできますでしょうか」は正しい敬語ではありません。ただし、現代のビジネスにおいて「お願いできますでしょうか」「お願いできませんでしょうか」などといった表現は一般的に使われています。こういった誤用表現も、使われる回数が増えると許容されてくる場合もあります。
例えば「お伺いいたします」という言葉も間違いですが、「お伺いできますでしょうか」「お願いできますでしょうか」という言葉を使わないように意識すると、言葉が出てこなくなる社会人は少なくないものです。それほどに「お伺いできますでしょうか」「お願いできますでしょうか」などの誤用表現は浸透しているのです。
しかし、周囲に許容されているとはいえ、このような誤っているとわかっている表現は極力避けるべきでしょう。そのためここでは、なぜ誤った表現なのかを説明するとともに、言い換え表現についても紹介していきます。
「お願いできますでしょうか」は正しい敬語ではない理由①二重敬語
「お願いできますでしょうか」は正しい敬語ではない理由の1つ目は、この表現が二重敬語であるためです。二重敬語とは、丁寧語・謙譲語・尊敬語を重ねて使うことを意味します。例えば「お伺いいたします」は「伺う」という謙譲語表現に「いたします」という謙譲語表現が重ねられています。正しくは「お伺いします」です。
「お願いできますでしょうか」は一見二重敬語には見えないのですが「お願いできます」が一つの丁寧語表現であり、また「でしょうか」の「で」は「です」という丁寧語を省略している表現になります。つまり「お願いできますでしょうか」は、寧語を連続で使っている二重敬語に該当することになります。
このように普段から何気なく使っている敬語が、実は間違っていることに気付かないことは意外に多いものです。下記の関連記事は「いただきます」という、ビジネスパーソンであればほとんど毎日何度も使っている表現の注意点をまとめたおすすめの内容ですので、こちらも確認し参考にしてみてください。
「お願いできますでしょうか」は正しい敬語ではない理由②押しつけがましい
「お願いできますでしょうか」は正しい敬語ではない理由の2つ目は、押しつけがましいことです。「お願いできますでしょうか」は二重敬語で正しい敬語ではないとはいえ、そこまで厳密に注意をする人は多くありません。そのため、言葉遣いに厳しい業界でなければ許容されている表現であると言えます。
しかし仮に許容されていたとしても、「お願いできますでしょうか」は質問形で相手に投げかけているとはいえ、基本的にお願いしていることをやってもらうのが前提の依頼表現になっています。そのため、相手やお願いの内容によっては押しつけがましく強制感があるように聞こえることもあるので注意が必要です。
メールでの「お願いできますでしょうか」に代わる正しい丁寧語の敬語表現
メールで依頼する場合の正しい丁寧語の敬語表現①お願いしたく存じます
メールで依頼する場合の正しい丁寧語の敬語表現の1つ目は「お願いしたく存じます」という表現です。「お願いできますでしょうか」という表現よりも畏まった言い方であり、敬語表現としても間違っていないので丁寧さが求められる場面では積極的に使いたい言い回しです。
メールで依頼する場合の正しい丁寧語の敬語表現②お願いできたら幸いです
メールで依頼する場合の正しい丁寧語の敬語表現の2つ目は「お願いできたら幸いです」という表現です。この表現は「お願いできますでしょうか」よりも控え目に聞こえるのでおすすめです。またより丁寧に伝えたい場合には「お願いできたら幸いでございます」という言い回しを使います。
メールで依頼する場合の正しい丁寧語の敬語表現③ありがたく存じます
メールで依頼する場合の正しい丁寧語の敬語表現の3つ目は「ありがたく存じます」という表現です。この言い回しは「お願いできたらありがたく存じます」「~していただけますとありがたく存じます」といった形で使います。押しつけがましくない、好印象を持たれる依頼の表現になります。
メールでの「お願いできますでしょうか」に代わる状況別に使い分けたい表現
状況別に使い分けたいメールでの依頼表現①お願い致します
状況別に使い分けたいメールでの依頼表現の1つ目は「お願い致します」という表現です。「お願いできますでしょうか」「お願いできたら幸いです」という表現は丁寧ですが、相手も断りやすい依頼の表現です。一方で「お願い致します」には一定の強制感があるので、強くお願いしたい時に選びたい表現です。
状況別に使い分けたいメールでの依頼表現②引き受けて頂けないでしょうか
状況別に使い分けたいメールでの依頼表現の2つ目は「引き受けて頂けないでしょうか」という表現です。この表現は控え目な表現でありながら、何とか引き受けて欲しいと強く願っている思いを伝えることができる表現です。相手の情に訴えかけて依頼をする場合にはうってつけの表現で、ビジネスの場でも十分に通用します。
状況別に使い分けたいメールでの依頼表現③ご承諾いただけましたら幸いです
状況別に使い分けたいメールでの依頼表現の3つ目は「ご承諾いただけましたら幸いです」という表現です。何かを承諾して欲しい場合には「お願い」という表現を使うよりは「ご承諾いただく」という言い回しを使った方が相手のYESを引き出しやすくなるのでおすすめです。
メールで依頼する場合の例文集
メールで依頼する場合の例文①快く引き受けてもらえる例文
メールで依頼する場合の例文の1つ目は、快く引き受けてもらえる例文を紹介します。「ご多忙のところ恐れ入りますが、納品期日の前倒しをお願いできたら幸いでございます」といった形で使います。「幸いでございます」を使うことで、相手も出来る限り引き受けようとしてくれる可能性が上がります。
メールで依頼する場合の例文②申し訳ないお願いの場合
メールで依頼する場合の例文の2つ目は、申し訳ないお願いの場合を紹介します。申し訳ないお願いの場合には「お手数をおかけし大変申し訳ありませんが、納品場所の変更をお願いできたら幸いでございます」といった形で使います。「お手数をおかけし」など、前置きをするとより相手への配慮が伝わる表現になります。
メールで依頼する場合の例文③引き受けてもらえる可能性が低い場合
メールで依頼する場合の例文の3つ目は、引き受けてもらえる可能性が低い場合を紹介します。引き受けてもらえる可能性が低い場合には「納品が今週中に完了しなければ契約を打ち切ると言われております。大変恐縮ではございますが、納品期日の前倒しをお願いできましたらありがたく存じます」といった形で使います。
引き受けてもらえる可能性が低い場合は最初に依頼内容を端的に伝え、次に何故その依頼内容になるのか、その背景を説明します。そして丁寧にお願いする表現を使い、依頼をします。
メールで依頼する場合の例文④相手を出来る限り立てる表現
メールで依頼する場合の例文の4つ目は、相手を出来る限り立てる表現を紹介します。相手を立てる場合には「担当が椎名様に変わってからクオリティが上がったと弊社内で評判でございます。恐れ入りますが、引き続き納品をご継続いただけましたらありがたく存じます」といった形で使います。
相手を褒めた後に依頼すること、また極力丁寧な表現を意識することで相手も断りづらくなります。依頼する際にはいかに相手を立てるかが重要になります。また、どんなに相手を立てても正しい敬語を使えなければ意味がありません。下記の関連記事は正しい敬語を確認するのにおすすめの内容ですので参考にしてみてください。
メールで依頼する場合の例文⑤当然のこととして依頼する場合
メールで依頼する場合の例文の5つ目は、当然のこととして依頼する場合を紹介します。「納品期日が過ぎております。ご多忙と存じますが、至急納品をお願いしたく存じます」といった形になります。「お願いいたします」と言い切っても問題ありません。相手に過失がある場合や緊急性がある場合はこのような表現を使います。
メールで依頼する場合の注意点まとめ
メールで依頼する場合の注意点①差し出がましい依頼にならないようにする
メールで依頼する場合の注意点の1つ目は、差し出がましい依頼にならないようにすることです。メールで依頼をする場合には表現を間違えると「やってもらって当たり前」という高飛車な印象を相手に与えてしまい、そのような印象を与えると依頼を引き受けてもらえないどころか今後の関係性にも響いてきます。
そのため「お願いいたします」「お願いできますでしょうか」というやってもらうことが前提の言い回しは使うシーンを考えるようにしましょう。
メールで依頼する場合の注意点②基本的に相手に任せる疑問形の聞き方をする
メールで依頼する場合の注意点の2つ目は、基本的に相手に任せる疑問形の聞き方をすることです。「引き受けていただけないでしょうか」などといった疑問形の言い回しの方が相手はYESかNOかを判断しやすくなります。また「幸いでございます」といったへりくだった表現も同じ効果になります。
メールで依頼する場合の注意点③相手の状況に合わせて表現を変える
メールで依頼する場合の注意点の3つ目は、相手の状況に合わせて表現を変えることです。必ずしも丁寧な依頼方法がいつでも適切とは限りません。締め切りを守らない相手や過失があり内容の理解に乏しい状況では、強めに依頼する表現も時には必要です。状況に合わせた依頼表現を意識しましょう。
「お願いできますでしょうか」や言い換え表現を駆使して上手に依頼しよう!
「お願いできますでしょうか」や言い換え表現を駆使することで、ビジネスでは相手との関係性を良好に保ちつつ、自分の考えている通りに物事を進めることができます。どのような表現で依頼するのかはまさにビジネスの肝となります。ここで紹介した依頼表現の知識を是非あなたのビジネスで役立ててくださいね!
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