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アイヌ語・アイヌ人の名前6選!アイヌの子供の人名の付け方の特徴は?

更新:2019.06.21

あなたは、アイヌ人を知っていますか?この記事ではその歴史に加え、アイヌ語由来の子供の名前のつけ方、男性・女性の人名、かわいい女の子向けの名前など具体的にお伝えしています。自然や動物にまつわる名前の多い奥深いアイヌ語について知ることのできる内容です。ぜひ参考にしてみてください。

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アイヌの人はどんな民族?

アイヌ人は北海道の先住民族

五稜郭

アイヌ人は北海道の先住民族です。かつて北海道は「蝦夷(えぞ)」と呼ばれ、日本ではないとみなされていました。明治以降になり北海道も日本の一部になったのです。アイヌ人はもともと北海道や樺太、カムチャッカ半島の南に住んでおり、独自の文化を築いていた先住民族なのです。

アイヌ人の歴史を語るうえで差別を欠かすことはできず、現在はアイヌ人やアイヌの子孫の人々が全国各地に広がっていますが、今でも差別を受けることがあると訴えています。

アイヌの人は独特な顔立ちが特徴

美人

アイヌ人は独特な顔立ちが特徴的です。北海道ではアイヌ人の人は顔を見ただけで分かると言われるほど日本人離れした美しい顔立ちをしています。一般的にアイヌ人の顔立ちの特徴として言われるのは彫の深い顔、くっきりとした二重まぶた、ウェーブがかった髪の毛です。

アイヌ人は古モンゴロイドに属しており、アイノイドと呼ばれる人種に区分されています。いわゆる縄文人と言われる人々です。もともと本州の人は新モンゴロイドであり弥生人とされていました。中世以降この古モンゴロイドと新モンゴロイドがブレンドされ、日本人は両方がミックスされた人種になっているのです。

アイヌ語を話す

会話

アイヌの人々はアイヌ語という独自の言葉を話します。日本には地方によって方言が存在しますがアイヌ語は方言ではなく一種の言語です。アイヌ語は独特な発音が特徴的で、アイヌ人自体が文字を持たない民族であったため口伝えでアイヌ語は伝わっていきました。

現在では流暢なアイヌ語を話す人はいないに等しく、アイヌ語を守る文化活動が盛んに行われています。また、北海道の地名の多くはこのアイヌ語が由来となっており、「留萌(るもえ)」や「札幌(さっぽろ)」など独特な響きの地名が北海道に多いのはアイヌ語がルーツだからなのです。

現在では北海道で暮らすアイヌ人の人々も普通の日本語を話します。北海道では北海道弁と言われる方言があるのですがなかなか馴染みがない方言ですよね。以下の記事ではそんな北海道弁について詳しくまとめられていますから是非チェックしてみてくださいね!

アイヌ人はすぐに名付けない!名前が決まるまでのあだ名の特徴は?

かわいい子には汚い名前をつける


赤ちゃん

アイヌ人は生まれてきた子供にすぐ名前をつけることはしません。子供が生まれてから数年の間はあだ名をつけて、そのあだ名で名前を呼んでいたのですが、アイヌ人は子供に対してわざと汚いあだ名をつけるという特徴がありました。例えば「祖父の肛門」や「糞女」などです。

大分ひどいあだ名ですよね。何故このような汚いあだ名をつけていたのかについては後ほどご説明いたしますが、生まれてきた子供が可愛ければ可愛いほど汚い名前をつけるべきだという考えがあったそうです。また、女の子なのに男の子の名前であったり、その逆のケースもあったそうです。

子供の性格がはっきりするまであだ名を使う

天使

生まれてきた子供にわざと汚いあだ名をつけていたアイヌ人ですが、一体いつまでそのあだ名を使っていたのでしょうか。家庭や地域によって違いはあったようですが、子どもが成長し、その子の癖や性格が現れた時期に正式な人名を名づけたそうです。年齢で言うと3歳~7歳までの間に人名をつけたと言われています。

正式につけられた人名には、その子供の性格や見た目、親の願いだけでなく、赤ちゃんの頃の思い出などを由来として名前をつけていたんだそうです。ただ、人名をつけても不幸な出来事があったりすると名前を変更するという文化もあったようですからアイヌ人にとって名前は一生ものではなかったようです。

神様に連れて行かれないようにする意味があった

子供

子供が生まれてからしばらくはあだ名をつけ、しかもわざと汚いあだ名をつける風習のあったアイヌ人ですが、何故わざと汚いあだ名をつけていたのでしょうか。「肛門」や「糞」など本当に汚いあだ名をつけていたのですが、それには深い理由がありました。アイヌ人は「カムイ」と呼ぶ神様とともに生きていると考える民族です。

しかしカムイには悪いカムイも存在します。生まれてきた子供にかわいい名前をつけてしまうと、悪いカムイがその子供をさらっていってしまうと考えられていたのです。ですからアイヌの人々は生まれてきた子供がカムイにさらわれて行かないようにわざと汚いあだ名をつけていたのですね。

アイヌ人の名前の付け方の特徴は?

死んだ人の名前は避ける

赤ちゃん

アイヌ人は名前を名づける際に死んだ人の名前を避ける特徴がありました。例えば亡くなったおじいさんやおばあさん、両親に縁のある亡くなった方などに敬意を表して子どもにその人の名前やちなんだ名前をつける両親は少なくはないかと思います。周りから咎められる行為でもありませんよね。

しかしアイヌではそのような行為は忌み嫌われました。亡くなった人の名前を子供につけるのは不吉だとされていたのです。もちろん人名ですから、子供につけた名前の人が過去に死んではいるのですが、身内や知り合いで亡くなった方の名前をつけることはしませんでした。


その子供にちなんだ名前にする

子供

アイヌ人は生まれてすぐに名前をつけることはせず、その子供がある程度成長し、癖や性格などが現れてからきちんとした人名を名づけると先ほどご紹介致しました。それには名前にその子にちなんだものを名付けたいという想いもあったとされています。

その子供の性格などを加味して名前をつけるだけでなく、その子供が幼い頃の思い出などを名づける場合もありました。例えば赤ちゃんの頃ご飯の上に大便をした子には一生ご飯に困らないようにとの意味が込められた名前をつけられたそうです。

動物神など縁起のいい名前をつける

赤ちゃん

アイヌの人々は子供に名前をつける際、縁起の良さも考慮したと言われています。今でも子供に縁起のいい名前をつける人は多いですよね。アイヌではカムイと呼ばれる神様たちを信仰する文化がありました。カムイは火や水などの自然現象だけでなく動物にも宿ると言われていたのです。

中でも北海道に広く生息するヒグマは「キムンカムイ」と呼ばれ大事にされてきました。子供に名前をつける際、このような動物のカムイなどを由来として名づけるケースも少なくは無かったそうです。強い子に育ってほしいなら強い動物を。海や波のように穏やかに育ってほしければ自然カムイの名前を由来としたのですね。

厳しい冬の寒さが特徴的な北海道ですが、アイヌの人々も冬にちなんだ名前を子供につけたことでしょう。以下の記事では冬生まれの女の子にぴったりな名前を紹介しています。冬生まれの女の子の名前に困ったら是非参考にしてみるといいかもしれませんよ!

アイヌ人女性に多い名前3選

アイヌ人の女の子に多い人名①アベナンカ

火

アイヌ人女性に多い人名、1つ目にご紹介するのは「アベナンカ」です。これは「アベカムイ」「アペフチカムイ」と呼ばれる火の神様を由来とした名前です。火は古くから神様が宿るとされてきましたが、アイヌ民族も例外ではありません。美しい火にはカムイが宿るとされ崇められてきました。

また、寒い北海道では火が重要な役割を果たしていたと想像できます。美しく、人々の生活に欠かすことのできない火のように重要な女性に育ってほしいという願いをこめてこの名前をつけるアイヌ人が多かったのではないでしょうか。

アイヌ人女性に多い人名②ウヌカル


見る

アイヌ人女性に多い人名、2つ目は「ウヌカル」です。これには出会うという意味があるのですが、実はこの名前は男女両方に使われていたのです、現代でも「いおり」や「あすか」など男女兼用で使用することのできる名前は多いですが、古くのアイヌでもその傾向があったのですね。

人と人の出会いは人生の中でも重要ですし、宝と言えます。そんな出会いにちなんだ名前をつけるのはなんだかロマンチックで素敵ですよね!素敵な人々と出会った人生を豊かにしてほしいという両親の願いがこもった名前だと想像できます。

アイヌ人女性に多い人名③カズクチ

泣く

アイヌ人女性に多い人名、3つ目にご紹介するのは「カズクチ」です。この名前には少し歴史的な意味が加わります。カズクチとはアイヌ語で「泣女」という意味があります。これは千島アイヌという千島列島に居住していたアイヌ人がつけた名前なのですが、この千島アイヌはロシアとの関係により千島を追い出されます。

明治維新後にロシアと日本で締結された千島・樺太交換条例によって、千島アイヌの人は祖国を追われてしまったのです。そんな年に生まれた子供や名前をつけることになった女の子に対して「カズクチ」と泣く女という意味のある名前をつけたのです。悲しい名づけ理由ですよね。

アイヌ人男性に多い名前3選

アイヌ人男性に多い人名①イソンノアシ(狩りの名人)

男性

アイヌ人男性に多い人名、1つ目にご紹介するのは「イソンノアシ」です。これは狩りの名人という意味が込められています。人々は昔、狩りをして生計を立てていました。動物を狩る事によって食糧を得ていたのです。そしてその狩りの仕事はほとんどが男性によるものでした。

アイヌ人も例外ではありません。自然豊かな北海道では多くの動物が住み、狩りの獲物も豊富でした。アイヌ人の男性は家族の為毎日のように狩りに出かけて行ったとされています。そんな狩りの名人になるようにとの願いが込められた、あるいは子供のころから狩りの素質があった子につけられた名前なのですね。

アイヌ人男性に多い人名②エコリアチ(宝物を集める)

宝石

アイヌ男性に多い人名、2つ目は「エコリアチ」です。これには「宝物を集める」という意味がありました。宝物には様々な定義があります。金銭的に値打ちの高いものも宝物と言えるかもしれませんが、その人にとって重要なものも宝物と言えますよね。宝物をたくさん集められるようにとの意味がこもった名前です。

今回はアイヌ人の名前に特化してご紹介していますが、アイヌには魅力的な文化がたくさん存在します。中でもアイヌの民族衣装は独特でとても素敵です。以下の記事ではアイヌの民族衣装について詳しくまとめてありますから是非参考にしてみてくださいね!

アイヌ人男性に多い人名③アンラ(クロユリ)

花

アイヌ人男性に多い人名、3つ目にご紹介するのは「アンラ」です。これはクロユリという意味があります。クロユリとは北海道から本州南部まで生息する植物ですが、北海道のクロユリは大きくて、たくさん花がつくとされています。アイヌの人々にとっても馴染みのある花だったのです。

日本人の命名に使えるアイヌ語3選

日本人の命名に使えるアイヌ語①レラ(風)

風

日本人の命名に使えるアイヌ語、1つ目にご紹介するのは「レラ」です。レラとは風という意味のあるアイヌ語なのですが、響きが美しくまるでおとぎ話の主人公のような名前ですよね。アイヌ語では「レイラ」とも言うそうで、どちらとも女の子の名前には素敵な響きです。

実際に「レラ」や「レイラ」という名前の日本人は多いですし、日本だけでなく世界でも通用する名前です。アイヌ語を由来としてこの名前をお子さんにつけるご両親も多いそうですから比較的メジャーな名前です。

日本人の命名に使えるアイヌ語②リム(波)

海

日本人の命名に使えるアイヌ語、2つ目にご紹介するのは「リム」です。これは波という意味のあるアイヌ語で、周囲を海に囲まれた北海道ならではの言葉ですよね。男の子でも女の子でも使える響きが特徴的ですし、呼びやすいというのもいいポイントですよね。

日本人の命名に使えるアイヌ語③シリト(大地)

大地

日本人の命名に使えるアイヌ語、3つ目にご紹介するのは「シリト」です。これには大地という意味があり、広大な北海道の豊かな大地を表現するアイヌ語です。日本人の男の子は名前の最後に「と」のつく子が多いですから不自然ではありませんし、「大地」という意味も男の子らしいですね。

「シリト」という音は漢字も当てやすく、漢字の意味も併せて考えると凄く素敵な名前を名づける事ができるかもしれませんね!他にもアイヌ語には現代の名前でも通用するような言葉がたくさんありますから参考にしてみるといいかもしれません。

アイヌの文化を知ってみよう!

いかがでしたか?アイヌは北海道の先住民族です。古くから独自の伝統と文化を築き上げた民族で、そのどれもが魅力的なものばかりです。今回はアイヌの名前についてご紹介しましたが、他にもアイヌ文化は素敵なものばかりですから是非勉強してみるといいかもしれませんね!

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