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アイヌの民族衣装について!男性・女性の伝統衣装は?着用シーンも

更新:2022.03.05

アイヌとは北海道に古くから住んでいる先住民族で、民族衣装や伝統衣装など独特な文化を持ちます。そんなアイヌの女性、男性が身に着ける衣装をご紹介します。また、現在アイヌ文化に触れられる場所やイベントなどの情報もまとめました。

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アイヌってどんな国・地域・地方?

アイヌとは北海道地方にいる先住民

アイヌとは、古くから北海道地方に居住してきた先住民族です。つまりアイヌとは、国ではなく北海道内に住んでいる民族を指す言葉です。元々独自の文化を持つ民族でしたが、現在は日本国民として生活しています。

元々アイヌ民族は狩猟採集民族と言って、狩りをしたら物々交換で生活をするという独自の文化を持っていました。しかし現在ではそのような文化も薄まり、ごく普通の日本国民という立場となっています。

しかし現在でも北海道にはアイヌ民族の血を引き継ぐ人々がいる為、定期的にアイヌの文化を広める活動やイベントなどを行っています。独自文化を持つアイヌには、独自の民族衣装も存在します。

アイヌは独自の文化や言葉などが特徴

アイヌ民族は元々日本語ではなくアイヌ語という独自の言葉を使っていました。アイヌとはアイヌ語で「人間」を意味します。アイヌ民族は自然界に存在するすべてのものに、心があるという考えを持っています。

それらのように自然のものを「カムイ」と呼び、それに対してカムイに属さない人間が「アイヌ」と呼ばれるようになりました。このように、アイヌには独特の言葉の文化が存在します。

実は北海道の地名は、約8割がアイヌ語由来と言われています。例えば札幌(さっぽろ)や稚内(わっかない)などの地名は、元々アイヌ語だったのを漢字にしたと言われています。アイヌ文化にもなじみ深い札幌には見どころもたくさんあります。こちらの記事を参考に観光も楽しんでくださいね!

アイヌ民族は現在は首都圏などにも居住している

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#阿寒湖界隈 #アイヌコタン #結構好き

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元々は北海道に居住する先住民族だったアイヌ民族ですが、現在は普通の日本人とほとんど変わりない生活をしています。そして生活場所も北海道に限らず、首都圏などあちこちに移動しています。

その為昔のようにアイヌ語を主な言語とし、文字を使わず独自の文化で生活するというアイヌ民族は、現在は見られないと考えていいでしょう。しかし現在もアイヌ民族はその文化を未来に継承しようとしています。

その為定期的にアイヌ文化を紹介するイベントやお祭りなどを開催しています。もしアイヌ文化に興味があるという方は、北海道でそのようなイベントを楽しんでくださいね。

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装4選!

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装①女性用のアミプ


アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装、1つ目は女性用のアミプという衣装です。アイヌには非常に独特な民族衣装が存在します。その特徴は、個性的な模様でしょう。

アミプとはアイヌに伝わる民族衣装・伝統衣装全体を表す言葉です。その形は着物に似たシルエットですが、衽(おくみ)がなく袖が筒状になっているのが特徴です。

着物に比べて動きやすそうで活動的なデザインも特徴ですね。これは、アイヌ民族が狩猟民族であり、自然を動き回っては狩りをしていたからでしょうか。

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装②女性用のアットゥシ

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装、2つ目は女性用のアットゥシという衣装です。アットゥシとはアミプの中でもオヒョウやシナノキの樹皮で作られた繊維を使用しているものです。

植物から取った繊維で作られた民族衣装というのも、自然を愛するアイヌならではという印象ですね。こちらもやはり、独特な模様の入ったデザインが特徴です。

この模様は刺繍として入れるものもあれば、アップリケのように切った生地を縫い付ける方法もあります。同じアイヌでも住む地域によって模様が異なるそうですよ。

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装③ルウンペ

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装、3つ目は女性用のルウンペという衣装です。ルウンペとは同じアイヌに伝わる衣装でも、一部の地方で作られるデザインのものを指します。

道南地方の中でも、噴火湾沿岸地方に伝わる伝統衣装です。そのデザインの特徴は、長方形に切った綿布をアップリケのように衣装に貼り付け、更に刺繍を施したというものです。

幾何学模様のような独特の刺繍が印象的ですね。アイヌに伝わる伝統衣装は、それぞれに個性の違う模様が楽しめるので、どのようなデザインがあるかじっくり見てみるといいでしょう。

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装④チヂリ

アイヌの女性用の民族衣装・伝統衣装、4つ目は女性用のチヂリという衣装です。チヂリとは石狩川の上流部や十勝地方に伝わる伝統衣装で、アップリケを使わず生地に直接刺繍する技法を使っています。

直接刺繍を入れる技法が用いられた理由は、昔このあたりの地方では綿布の流通が乏しかったからだと言われています。こちらの画像は、伝統的なチヂリを用いて、現代風にアレンジしたものです。

細かい刺繍の柄が施されたスカートは、アイヌの伝統を感じつつ現代風でおしゃれですね。民族衣装のニュアンスを取り入れながらも、普段着として着られそうなデザインです。

アイヌの男性用の民族衣装・伝統衣装3選!


アイヌの男性用の民族衣装・伝統衣装①アットゥシ

アイヌの男性用の民族衣装・伝統衣装、1つ目は男性用のアットゥシという衣装です。アットゥシは男女問わず着られる衣装で、デザインも男女で大きな違いはありません。

アットゥシに使われるオヒョウという樹木は、北海道に多く自生しています。ニレ科の落葉高木で、縦に裂ける繊維質の樹皮は非常に強靭です。丈夫だからこそ、衣装の原料にも使われているのですね。

このオヒョウから取れる繊維は、アイヌ民族が狩猟につかう際の紐にも使われるほど、アイヌ文化に根付いています。樹皮から作られる衣服はあまりないので、実際に着心地を試してみたいですね。

アイヌの男性用の民族衣装・伝統衣装②カパリアミプ

アイヌの男性用の民族衣装・伝統衣装、2つ目は男性用のカパリアミプという衣装です。カパリアミプとは、北海道の日高地方に居住するアイヌ民族に伝わる民族衣装です。

カパリアミプの特徴は紺地の綿布に白い綿布で作られたアップリケを施し、独特の曲線が特徴な模様を施したデザインです。こうして見ると、それぞれの地域ごとに微妙な違いがありますね。

アイヌの民族衣装・伝統衣装は一つの文化として紹介されることもありますが、それぞれの地域に伝わるデザインの違いを楽しんでみてもいいですね。

アイヌの男性用の民族衣装・伝統衣装③チヂリ

アイヌの男性用の民族衣装・伝統衣装、3つ目は男性用のチヂリという衣装です。チヂリ派アップリケを使わず生地に直接刺繍を入れた技法の民族衣装です。

女性用で紹介し対象は現代風にアレンジしたものでしたが、こちらはアイヌに伝わる伝統的なデザインの衣装です。細やかな刺繍の模様は、アイヌ独特の雰囲気ですね。

アイヌの伝統衣装に伝わる刺繍やアップリケは、左右対称で幾何学的な模様が一般的です。独特の模様は一つずつ見ても飽きないほど奥深いので、是非実物を見て楽しんでくださいね!

アイヌの民族衣装・伝統衣装を着用するシーンは?

アイヌの民族衣装・伝統衣装を着用するシーン①北海道アイヌ文化フェスタ

アイヌの民族衣装・伝統衣装を着用するシーン、1つ目は東京で開催された北海道アイヌ文化フェスタです。これは、東京でアイヌの文化に触れることを目的としたイベントです。


東京ドームで開催された「ふるさと祭り東京2018」で行われ、アイヌ文化の展示やアイヌ文化のステージなど、アイヌに伝わるものが東京で楽しめました。

今年の開催はすでに終了していますが、来年の「ふるさと祭り東京」でも同様の企画が楽しめるかもしれません。北海道までいけないという方は、東京のイベントを楽しんでみてくださいね。

アイヌの民族衣装・伝統衣装を着用するシーン②まりも祭り

アイヌの民族衣装・伝統衣装を着用するシーン、2つ目は釧路市で毎年行われているまりも祭りです。まりも祭りは国の特別天然記念物であるまりもを保護する目的で、伝統的に開催されているお祭りです。

このお祭りではアイヌ民族の男性によって「まりもを迎える儀式」や「まりもを送る儀式」などの伝統的な儀式も行われます。普段はなかなか見られない光景なので、是非お祭りに参加してみてくださいね。

このお祭りでは民族衣装を見にまとったアイヌ民族によるアイヌ民族舞踊、タイマツ行進といったものも見られます。アイヌの衣装や伝統文化に興味がある方は、是非行ってみましょう。

アイヌの民族衣装・伝統衣装を着用するシーン③オッパイ山祭り

アイヌの民族衣装・伝統衣装を着用するシーン、3つ目は上士幌町で開催されるオッパイ山祭りです。ユニークな名前のお祭りですが、これはクマネシリ岳とピリベツ岳という二つの山が、通称オッパイ山と呼ばれていることに由来します。

この山は民族発祥の地と言われており、神様や自然界の精霊に祈りをささげる儀式「カムイノミ」というものが行われています。この儀式はアイヌの伝統的な民族衣装を見にまとい、様々なイベントとともに楽しめます。

神聖で伝統的な儀式ですが、アイヌの文化に触れるような狩猟体験、古式舞踊、アイヌの伝統料理の試食など、アイヌ文化に触れられる楽しいイベントでもあります。

アイヌの民族衣装・伝統衣装が見られる場所は?

アイヌの民族衣装・伝統衣装が見られる場所①アイヌ民族博物館

アイヌの民族衣装・伝統衣装が見られる場所、1つ目はアイヌ民族博物館です。アイヌ民族博物館は、北海道白老郡にある博物館でアイヌ民族に伝わる伝統などを展示していた場所です。

アイヌ語で「大きい湖の集落」を意味する、ポロトコタンという施設の一つです。しかし、2018年現在はリニューアルオープンに向けて休館しています。2020年に新ポロトコタン・アイヌ民族博物館として再オープンするので、その日を楽しみに待ちましょう!

アイヌ民族博物館にはアイヌ民族の民族衣装や伝統衣装が飾られているほか、沢山の資料を展示、保存しています。2020年のリニューアルオープンではますますパワーアップし、体験型のフィールドミュージアムとして楽しめる予定となっています。

アイヌの民族衣装・伝統衣装が見られる場所②阿寒湖アイヌコタン

アイヌの民族衣装・伝統衣装が見られる場所、2つ目は阿寒湖アイヌコタンです。阿寒湖アイヌコタンとは、約120人のアイヌ民族が生活する集落のことです。

民芸品などが売られ、観光地としても非常に人気のスポットです。一歩足を踏み入れると、そこはアイヌ独自の文化が色濃く残る景色が広がり、まるで別世界に来たような感覚ですよ!

アイヌの民族衣装にも見られる独特な柄をペイントした建物や、木彫りのトーテムポールなどが飾られた風景は、まるでおとぎの世界のようです。阿寒湖へ行くなら是非とも立ち寄りたい場所です!

民族衣装以外のアイヌ文化は?

アイヌ古式舞踊

アイヌに伝わる伝統的な文化、1つ目はアイヌ古式舞踊です。アイヌには昔からお祭りや祝宴などで歌や踊りを披露する文化があります。これがアイヌ古式舞踊です。

アイヌ語で歌は「ウポポ」、輪舞が「リムセ」と言います。しかしすべてが同じものではなく、同じアイヌ民族でもその地域によって歌や踊りが異なります。

アイヌ刀というアイヌに伝わる刀を用いた、剣の舞という迫力のある舞踊もあります。1984年には国の重要無形民俗文化財に指定され、更のその後の2009年にはユネスコ無形文化遺産に登録されました。

アイヌ料理

アイヌに伝わる伝統的な文化、2つ目はアイヌ料理です。アイヌ民族は狩猟民族なので、狩りで仕留めた鹿や熊の肉などを食べます。また、鮭やタラ、ニシンなどの魚や、山菜、ドングリといった植物も食べられます。

調味料は塩の他、近代になると味噌も使われていました。また、出汁をとる文化もあります。主な料理はオハウと呼ばれる煮込み料理で、獣肉や魚肉、山菜、野菜などを煮込んだ具沢山の鍋のようなものです。

また、穀物で作ったサヨというお粥、チタタプという肉や魚のたたき料理などもあります。これらのアイヌ料理は、都内にも進出しているアイヌ料理専門店で食べられます。アイヌ料理とは違いますが北海道には美味しいお土産もたくさんありますよね。こちらの記事でご紹介している北海道土産も楽しんでくださいね!

アイヌの民族衣装・伝統衣装を楽しもう!

アイヌには独自の文化が根付いており、民族衣装や伝統衣装も他にはない個性と魅力があります。現在も見られるアイヌの衣装や伝統文化に触れてみましょう!

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