ギリシャの男性・女性の名前と意味10選!ギリシャ人の人名の付け方は?
更新:2019.06.21
ギリシャの有名人といえば、ソクラテスなどの歴史上の人物を思い浮かべる方が多いと思いますが、現代の名前はどんな感じなのでしょうか?今回はギリシャ人名について集めました。ギリシャ語由来のものや聖書由来のものなど、ギリシャの男性・女性の名前をご紹介します。
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INDEX
ギリシャの名前の付け方の特徴は?
ギリシャの名付け方①ヨルティのある守護聖人にちなんで名付けられる
ギリシャの名付け方1つ目は、守護聖人にちなんで名付けられることです。多くのギリシャ人が東方正教会を信仰しており、守護聖人とされる人物の名前を子どもに与えます。守護聖人が守っているのは、聖人にまつわる地域や職業です。例えば、十二使徒のペトロはかつて漁師だったため、漁師の守護聖人となっています。
東方正教会の守護聖人にはそれぞれ聖名日と呼ばれる記念日があり、キリスト教では珍しく、聖母マリアにも聖名日があります。ちなみに、2月14日のバレンタインデーは聖ヴァレンティヌスの聖名日となっています。基本的には亡くなった日を聖名日とするようですが、関係のない日が聖名日になったりすることもあります。
この聖名日はギリシャ人の間で誕生日よりも重要視され、オノマスティキ・ヨルティと呼ばれるお祝いの日となっています。守護聖人と同じ名前を持つ人を周りがお花などでお祝いし、当人はケーキで周りをもてなします。ギリシャは甘いものが豊富な国です。こちらの記事で現地のお菓子が紹介されているのでご覧ください。
ギリシャの名前の付け方②古代からの伝統で名前を引き継ぐ
ギリシャの名付け方2つ目は、古代からの伝統があることです。具体的には、祖父の名前を孫息子が、祖母の名前を孫娘が引き継ぎます。兄弟の場合には、兄に父方の祖父の名を、弟に母方の祖父の名前を与えるそうで、3人以上の場合は他の親族から名前が付きます。よって家族の中で同じ名前が延々と続いていきます。
そのために同姓同名も多くなります。直接対面すれば誰か分かりますが、書類では判断が難しいですね。区別をどうしているのかというと、両親の名前や番号で区別するんだそうです。また、地域ごとで多い名前もあり、ロードス島では男性形のTsambikos、女性形のTsampikaという名前がほとんどです。
ギリシャの名付け方②男の子にはsかcで終わるギリシャ語名を付ける
ギリシャの名付け方3つ目は、男の子にはsかcで終わるギリシャ語の男性名を付けることです。昔からソクラテスなど語尾がsで終わるのがほとんどで、現代でも男性名は~オスや~ヌスで終わります。これは、スを付けることで名詞が主語に変化することに由来し、古代からの習慣が現代でも引き継がれた感じです。
ギリシャの名付け方③女の子にはaかiで終わるギリシャ語名を付ける
ギリシャの名付け方4つ目は、女の子にはaかiで終わるギリシャ語の女性名を付けることです。こちらも古くからの伝統で、男性名にaを付けて女性名として利用していました。iで終わる名前は、アフロディティなど神話由来のものが多いです。古代ギリシャ語では語尾がeでしたが、現代ギリシャ語ではiになっています。
ギリシャの男性に多い名前と意味5選
ギリシャ人の男性に多い名前・意味①Giorgos(ヨルゴス)
ギリシャ人の男性に多い名前1つ目は、ヨルゴスです。ゲオルギオスの短縮形で、農夫・大地で働く人の意味があります。聖ゲオルギウスにちなみ名付けられる名前です。聖ゲオルギウスは信仰を放棄しろという命令に背き殉死したことで、ギリシャ正教では重要人物とされ尊敬される存在です。聖名日は4月23日です。
この聖ゲオルギウスはドラゴンを退治した伝説があります。カッパドキアというトルコ南西部に生贄を求めるドラゴンがいて、それを退治する代わりに現地の人々を改宗させた、という内容です。ギリシャの陸軍の旗にはこの伝説をモチーフとした図案が描かれています。ちなみに、これを記念する竜の奇跡の日は10月27日です。
ギリシャ人の男性に多い名前・意味②Yannis(ヤニス)
ギリシャ人の男性に多い名前、2つ目はヤニスです。イオアンニスの省略形でラテン語形ではヨハネになります。ヘブライ読みではヨハナンとなり、神は優しいという意味を持ちます。一般的にキリスト教の使徒ヨハネにちなんで名前が付けられます。聖名日は東方正教会では10月9日、カトリック教会では12月27日です。
ヨハネはどの宗派でも聖人として扱われています。一説によるとヨハネはイエスキリストから寵愛を受けていたとされ、磔にされたときに足元にいたり墓が空と聞いて最初にたどり着いたのもヨハネと言われています。一方で、これらの記述が見られるのはヨハネによる福音書のため、この説を否定する人間も多くなっています。
ギリシャ男性に多い名前③Konstantinos(コンスタンティノス)
ギリシャ人男性に多い名前3つ目は、コンスタンティノスです。ラテン人名のコンスタンティヌスが由来で、不変の・不動のという意味になります。大体はローマ帝国皇帝のコンスタンティヌス大帝にあやかって名付けられます。彼は、皇帝で初めてキリスト教を公認したことで東方正教会では聖人に列せられています。
コンスタンティヌスはディオクレティアヌス帝の統治ののちに起こった内乱を鎮め、帝国を再統一しました。政策としてローマからのちにコンスタンティノープルと呼ばれるビザンチンに遷都しており、これが東ローマ帝国の礎になったという説があります。コンスタンティノープルは現在イスタンブールと呼ばれる地域です。
ギリシャ人の男性に多い名前・意味④Demetrios(ディミトリス)
ギリシャ人男性に多い名前4つ目は、ディミトリスです。ギリシャ人名であるディミトリオスの派生形で、ギリシャ神話に登場する女神のデメテルが由来とされています。デメテルはギリシャ語で意味は大地の母です。ギリシャでは、正教会の重要人物である聖ディミトリオスにあやかり名付けられます。聖名日は10月26日です。
聖ディミトリオスの生涯は聖ゲオルギウスによく似ています。彼はテッサロニキで生まれ、熱心なキリスト教信者で宣教をしていましたが、投獄されても改宗することはありませんでした。テッサロニキにあるアギオス・ディミトリオス聖堂はディミトリオスを記念する礼拝堂として建てられたもので、世界遺産に登録されています。
ギリシャ人の男性に多い名前・意味⑤Nikolaos(ニコラオス)
ギリシャ人の男性に多い名前5つ目は、ニコラオスです。ギリシャ語で民衆の勝利という意味があり、かなり古くから使われている名前です。ギリシャでは、ミラのニコラオスと呼ばれる聖人から名付けられます。彼はアナトリア半島の生まれで大主教を務め、大変尊敬されていたようで聖名日は12月6日と12月9日の2回です。
ニコラオスには弱者を救った話が残されています。ある貧しい家で娘を売りに出さなくてはならなかったところに、金貨を投げ入れたことでこれを止めた、という話が代表的です。また、暴風を鎮めるなど数々の奇跡を起こしたことから奇跡者という称号が与えられています。彼の遺体はサン・二コラ教会に収められています。
以下の記事ではかっこいいギリシャ語が紹介されており、男の子の名前に使えそうな単語や女の子向けのかわいい名前を知ることができます。
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ギリシャの女性に多い名前と意味5選
ギリシャで多い女性の人名①Maria(マリア)
ギリシャで多い女性の人名1つ目は、マリアです。ヘブライの名前ミリアムに由来し、意味は詳しく分かっていないものの、反逆・子のために祈る・苦難の海という仮説が提示されています。名付けの理由は聖母マリアによるものがほとんどでしょう。正教会では、正神女という「神を生んだ女」の意味を持つ敬称で呼ばれます。
マリアはキリストを生んだ女性として、正教会においては聖人に名を連ねています。聖母と呼ばれない理由については、マリア以外に聖母に該当する女性がいることなどが挙げられます。正教会ではマリアの母であるアンナも神の祖母として聖人です。
マリアはその重要性から、イコンのモデルに取り上げられてきました。イコンはギリシャ語でイメージの意味で、正教会の信者にとってはイコンに描かれているものが祈りの対象です。ギリシャで有名なイコンはアトス山の三本手の正神女です。アトス山には複数の修道院があり、正教会の聖地になっています。
ギリシャで多い女性の人名②Eleni(エレニ)
ギリシャで多い女性の人名2つ目は、エレニです。ギリシャ語のヘレネを現代風にしたもので、コロナ放電やトーチの意味を持ちます。別の説ではギリシャ語のセレネを由来とし、月を意味します。エレニはヘレナと語源を同じくするため、ギリシャでは聖ヘレナにちなみ、名付けられることの多い名前です。聖名日は6月3日です。
聖ヘレナはコンスタンティヌス大帝の母であり、教会を建てるなどしてキリスト教に尽力したことで聖人となりました。身分は低く、皇帝になる夫と結婚するまでは旅館などで働いていたそうです。彼女に関する伝説は、キリストが亡くなったゴルゴダの丘に出向き、磔に使われていた十字架を発見したことなど複数あります。
ギリシャで多い女性の人名③Katerina(カタリナ)
ギリシャで多い女性の人名、3つ目はカタリナです。ギリシャ語のカタロスに由来し、純粋の意味があるとする説と、ギリシャ神話の月を司るヘカテー女神に由来するへカテリネの派生形で2つずつという意味であるとする説があります。ちなみに、初期キリスト教徒は前者のカタロスにちなんでカタリナと名付けていたそうです。
一般的にキリスト教の聖女カタリナに因んで名付けます。聖カタリナは伝説によると、アレクサンドリアの知事の娘で最高の教養を持ち、洗礼を受けてからは信仰心を守りきりました。また、カタリナの遺体が運ばれた先にはのちに聖カタリナ修道院ができたとされます。この修道院は現存しています。聖名日は11月25日です。
ギリシャで多い女性の人名・意味④Anastasia(アナスタシア)
ギリシャで多い女性の人名、4つ目はアナスタシアです。ギリシャの男性名アナスタシオスの女性形で、復活したという意味です。アナスタシアの名を持つ聖女は大アナスタシアとアレキサンドリアのアナスタシアの2人がいます。前者の聖名日は12月22日、後者の聖名日は3月10日です。
大アナスタシアは解谿者と言われ、聖アナスタシア聖堂があるザグルの守護聖人です。解谿者とは、投獄されていたキリスト教徒を支援したことからついた称号です。彼女は生前に熱心なキリスト教徒で慈善事業を行い、牢獄の信者を見舞ううちに彼女も投獄されてしまいます。
ギリシャで多い女性の人名・意味⑤Anna(アンナ)
ギリシャで多い女性の人名、5つ目はアンナです。ヘブライ名のカンナハが語源となり、恵みを意味する名前です。預言者アンナと、マリアの母アンナの2人が聖人として知られています。新約聖書によると、前者のアンナはエルサレム神殿にいて、やってきたキリストをみて救世主と預言したとされます。聖名日は2月6日です。
後者のアンナには、長らくの間子どもに恵まれず、天使から受胎告知をされたのちにマリアを出産したという伝承が残されています。また、お礼にエルサレム神殿に出向いてマリアを奉納したと言われています。彼女の守護対象は大工、妊娠、主婦などで、地域はブルターニュとケベック州です。
知っておきたいギリシャ神話の基本は?
ギリシャ神話の基本①オリンポス12神
ギリシャ神話の1つ目の基本、オリンポス12神です。全知全能の神ゼウスにはじまり、妻ヘラや娘のアテナ、アポロン兄妹などがいます。ヘスティアの代わりにディオニュソスが入っていたり、まれにハデス夫妻が加わります。ゼウスがクロノスに勝利して世界を治めるようになってからは、この12神を中心に話が展開されます。
ギリシャ神話の基本②トロイア戦争
ギリシャ神話の基本2つ目は、トロイア戦争です。トロイアの王子パリスが、アフロディテの力を借りてスパルタの美女ヘレネを連れ帰ったことで、トロイアとギリシャの間で戦争が起こります。人間の争いがメインですが、それぞれの陣営に神々が別れて味方します。戦争には英雄アキレス、ヘクトルなども参加しています。
ギリシャの名前から伝統・習慣を知ろう!
現代ギリシャ人の名前は正教会由来のものがほとんどで、歴史上の人物名はあまり使われないようです。名前の数が少ないのは日本と違う点ですね。ギリシャの名前にはヨルティなど独自の習慣や祖父母から名前を受け継ぐ伝統など、ギリシャの文化が詰まっています。
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