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かきつばたの和歌とは?在原業平/唐衣/伊勢物語/平安時代の歌人

更新:2021.04.19

かきつばたの和歌を知っていますか?かの有名な歌人・在原業平が読んだよく知られている和歌です。和歌の意味には読めば読むほど色々な解釈がありとても面白いものです。ここではかきつばたの和歌の意味や伊勢物語のおすすめの書籍などをご紹介します。

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かきつばたの和歌とは?

かきつばたの和歌の作者は在原業平

かきつばたの和歌の作者は在原業平

かきつばたの和歌と聞けば誰しも「あの歌かな」と思い浮かべる人もおおいのではないでしょうか?かきつばたの和歌の作者は在原業平という歌人です。在原業平は平安時代の貴族で平城天皇の孫に当たります。また歌人の中でも在原業平は六歌仙・三十六歌仙の一人としても有名でした。

かきつばたの和歌の作者である在原業平は希代のプレイボーイという異名を持つ歌人で、伊勢物語は在原業平をモデルとした恋物語であるとも言われています。在原業平は恋多き男で、心を奪われた女性が数多くいたことは容易に想像がつくところです。

旅の途中三河の国でかきつばたが綺麗に咲いていたのがきっかけ

旅の途中三河の国でかきつばたが綺麗に咲いていたのがきっかけ

在原業平がかきつばたの和歌を詠んだのは身分の違う叶わない恋に敗れて東の国に友人と傷心の旅に出たことがきっかけでした。旅先で在原業平はかきつばたが綺麗に咲いているのを目にしました。その場所は三河の国(今の静岡県)の八橋というところであったと言われています。

かきつばたが綺麗に咲いていなければ、恋に敗れた歌を即興でここまで繊細に詠むことはできなかったのではないでしょうか。かきつばたの和歌を聞いた友人たちが涙を流してしまうほど、この和歌は素晴らしいものであったということでしょう。

「唐衣」で始まりかきつばたの五文字が句の最初に据えられた和歌を指す

「唐衣」で始まりかきつばたの五文字が区の最初に据えられた和歌を指す

かきつばたの和歌は「唐衣」という枕詞から始まる「からころも きつつなれにし つましあらば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」というものです。それぞれの句の最初の文字に注目してみると「かきつばた」になっているのがわかると思います。

「かきつばたが綺麗だなあ」と思ったら、「かきつばた」から句を始めてもいいのではないかと思いますがそこは希代のプレイボーイ在原業平です。「かきつばた」を一文字ずつとって句の最初に据えるとはなんともお洒落な詠み方ですね。

唐衣は枕詞で普段は「からぎぬ」と読む

唐衣は枕詞で普段は「からぎぬ」と読む

「唐衣」というのは和歌の中では枕詞として使われます。和歌の中では「からころも」と読みますが普段は「からぎぬ」と読みます。では「からころも」と「からぎぬ」は何が違うのでしょうか。「からころも」は唐風の衣装を指します。袖が大きく、丈も長い作りの珍しくて綺麗な衣装のことです。

「からぎぬ」というのは平安時代の婦人の礼服を指します。当時は十二単(じゅうにひとえ)を着ていましたが、その一番上に羽織る丈の短い衣装です。このように「唐衣」は読み方で指し示す衣装が違ってきます。ここでかきつばたの和歌に出てくる「からころも」は「からぎぬ」を指しているのでしょう。

かきつばたの和歌の意味

かきつばたの和歌の意味

それではかきつばたの和歌の意味を探っていきましょう。かきつばたの和歌は「唐衣の着物が体に馴染んできたような妻がはるばる旅に出てきて今はしみじみ思われる」という意味です。在原業平は身分違いの恋に敗れてしまったわけですから、相手の女性は「妻」ではないのでしょう。

しかし在原業平にとっては、その女性は「妻」に匹敵するほど愛していた女性だったのでしょう。そんなにも愛してしまった女性と離れることがどれほど在原業平にとって辛いことだったのか、その思いは計り知ることができません。ここに出てくる女性は藤原高子と言われていて清和天皇の女御、のちの皇太后だそうです。


貴族とのちの皇太后では身分の差がありますね。恋敵が天皇ではとても叶いません。在原業平は愛していた女性を諦め、旅に出て和歌を詠むことで傷を癒していたのでしょう。五・七・五・七・七の短い和歌の中にはとてもドラマチックな恋が描かれていたのですね。

かきつばたの和歌は伊勢物語に詠まれている

かきつばたの和歌は伊勢物語に詠まれている

かきつばたの和歌は「伊勢物語」というお話の中に詠まれています。伊勢物語は平安時代の初め頃に作られた歌物語です。作者は不明なのですが、主人公は在原業平と言われています。伊勢物語の主な内容は恋物語で、諸説あるものの伊勢が舞台となっているお話が多いため「伊勢物語」と呼ばれているようです。

「伊勢物語」自体は学生の頃に古典の授業で見聞きした覚えがありますので、皆さんも一度はどこかで見聞きしたことがあるのではないでしょうか。これをきっかけに「伊勢物語」の世界にどっぷり浸かってみてもいいかもしれませんね。

かきつばた以外の和歌も知りたい!おすすめの伊勢物語の書籍は?

おすすめの伊勢物語の書籍①ストーリーで楽しむ日本の古典(11)伊勢物語

おすすめの伊勢物語の書籍の1つ目は「ストーリーで楽しむ 日本の古典(11)伊勢物語 平安の姫君たちが愛した最強の恋の教科書」です。こちらの書籍は解説もわかりやすく、高校生以上が読むのにおすすめの一冊です。伊勢物語の世界観からして小学生や中学生から伊勢物語を読むということは稀だと思います。


ですから、こういった解説本が高校生以上向けであったとしてもなんら不自然ではありませんね。伊勢物語に描かれているのは大人の恋の世界。こうこうせいであっても読み進めていくうちに「大人の恋の切なさ」にドキドキしてしまうかもしれませんね。

おすすめの伊勢物語の書籍②伊勢物語(クイーンズコミックス)

おすすめの伊勢物語の書籍の2つ目は「伊勢物語(クイーンズコミックスDIGITAL)」です。古典に馴染みのない人も多いですよね。確かに古典の世界観はちょっと特殊で、入りにくい印象です。ですから、伊勢物語も最初から古典を読むのではなく、漫画から入ろうという考えはとてもいいと思います。

こちらの漫画は絵も綺麗でわかりやすいと好評の一冊です。伊勢物語を読んでみたいけど古文には自信がないという人には特におすすめです。古文がわからなくても十分に伊勢物語を楽しむことができますよ。

おすすめの伊勢物語の書籍③恋する伊勢物語(ちくま文庫)

おすすめの伊勢物語の書籍の3つ目は「恋する伊勢物語(ちくま文庫)」です。伊勢物語を現代語に訳した作者が色々な視点からユーモアたっぷりに解説してくれるエッセイで、古典初心者にもおすすめの一冊です。価格も手頃で手に取りやすいのも特徴です。伊勢物語に興味はあるけれど、古典は苦手で読めない人におすすめです。

口コミ評価も高く、歌人である作者の自作の和歌も所々に散りばめられているのでとても面白く読むことができますよ。伊勢物語は恋物語ですから、興味を持つのも女性が多いのかもしれません。ですから、表紙のデザインも女性が手の取りやすい、シンプルだけど可愛いものになっていますね。

おすすめの伊勢物語の書籍④伊勢物語(角川ソフィア文庫)

おすすめの伊勢物語の書籍の4つ目は「伊勢物語(角川ソフィア文庫ービギナーズクラシック)」です。こちらの書籍は古典を学習し直すための入門書としても人気の一冊です。現代語訳だけでなく、必要なところには解説や注釈もついているのでストレスなくどんどん読み進めることができますよ。

また、表紙のデザインも綺麗で手に取りやすく、伊勢物語について簡単に理解することができます。学生が課題のために購入したり、大人になってから古典を読み直すのにはとても良いですね。この本をきっかけに伊勢物語を学んで、古典の世界に入っていくのもいいかもしれません。

おすすめの伊勢物語の書籍⑤新版伊勢物語付現代語訳

おすすsめの伊勢物語の書籍の5つ目は「新版 伊勢物語 付現代語訳(角川ソフィア文庫((SP5))」です。使いやすいと評判の一冊で、受験対策用に使っている学生も多いようですね。また、質もよく、手軽で使い勝手が良いのが特徴と言えます。古典の初心者にもおすすめですよ。

在原業平の研究資料としても重宝するようで、古典を専門的に研究している人にも使われている一冊です。価格も手に取りやすいもので手始めにこの一冊を選ぶのはとてもいいのではないでしょうか。これらの五冊の書籍の中にお気に入りの一冊があったら嬉しく思います。このほかにも色々な書籍を見ていくと面白くなりますね!

伊勢物語は古典を学ぶ手始めにおすすめの作品

伊勢物語は古典を学ぶ手始めにおすすめの作品

いかがでしたか?伊勢物語は在原業平をモデルにした愛の歌物語です。古典の世界の恋愛というのはとてもロマンチックで、情熱的なものでした。その深い想いを歌に込める歌人たちはロマンチストであったことがよくわかりますね。現代を生きる私たちはここまで自分の気持ちを込めることはできないでしょう。

そう思うと、そこまで深く愛してもらえる当時の女性たちが少し羨ましいような気もしてきます。だからといって実際そういう男性に出会った時はびっくりしてしまうかもしれませんね。自分の気持ちをはっきり言わない風潮の現代の人々は少しだけこの時代の表現の仕方を学んだ方がいいのかもしれません。

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