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恋にまつわる和歌24選!片思いや切ない別れの有名な短歌の現代語訳は?

更新:2021.06.03

貴方は、和歌や短歌に興味がありますか?昔の人が、切ない恋を謳った、有名な和歌が多数あります。その中の物を現代語訳したものをご紹介していきます。切ない片思いの和歌や短歌だけでなく、別れの和歌もご紹介していきますので、是非ご覧ください。

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和歌(短歌)とは?

和歌(短歌)は自分の想いをしたため感情を吐き出す手段

和歌は、自分の想いをしたため感情を吐き出す手段として詠まれてきました。日本人は昔から奥ゆかしさを大切にしてきましたが、その証拠が和歌です。一般的に五・七・五・七・七で形成され、枕詞を使ったものを和歌といいます。短歌や俳句もまた自由な和歌のくくりに入りますね。

昔の人はその限られた文字の中で、どれだけ美しく自分の気持ちを表現できるかにこだわっていました。直接的な感情をそのまま言葉に出すのはカッコ悪いとされていたのですね。日本の美しい風景を自分の今の状況に重ねてみたり、激しく抑えられない感情を荒ぶる何かにたとえてみたりと遠回しに表現しています。

相手に送る恋文として詠むのも和歌(短歌)の主流

平安時代は相手に送る恋文として詠むのも和歌(短歌)の主流でした。告白や嫉妬の気持ち・さみしさを表すものなど様々です。異性に和歌を送るというのは、相手に気持ちがあるということですね。そのうえで心に響くような美しいものが届けば、顔を見たことがない相手でも心が揺らぐのでしょうね。

和歌に興味がある人は、下の記事も参考にしてみてください。ここでは紹介していない枕詞についても知ることができますよ。百人一首に詳しくなりたい方も必見です。

有名な恋にまつわる和歌5選!片思いの歌の意味や現代語訳は?

片思い編|有名な恋の和歌と現代語訳①百人一首より平兼盛の和歌

片思いの有名な恋の和歌の一つ目は、百人一首より「しのぶれど色に出でにけりわが恋はものや思ふと人の問ふまで」という平兼盛の和歌です。現代語訳にすると「誰にも恋をしたと伝えず内緒にしていたのに、どうやら顔に出てしまっているようだ。恋の悩みがあるんですか?と人に聞かれるほどに」です。

男性は恋をしているという感情を人に悟られたくない人がほとんどです。なので平兼盛も誰にも悟られまいと秘密にしていたのでしょう。しかし片思いをすると悩んだり、ため息をついたり態度に出ることがあります。態度に出るほど彼女を想っているのかと気づいてしまう可愛らしい和歌ですね。

片思い編|有名な恋の和歌と現代語訳②百人一首より河原左大臣の和歌

片思いの有名な恋の和歌の二つ目は、百人一首より「みちのくのしのぶのぢずり誰ゆゑに乱れそめにしわれならなくに」という河原左大臣の和歌です。現代語訳にすると「みちのくで作られているしのぶのじずりの衣は、まるで恋に乱れている私の心ようだ。いったい誰のせいなんですか?(あなたのせいでしょう)」です。

激しく乱れてしまう自分の心を乱れ模様の”もぢずり”とかけた和歌ですね。誰のせいでこうなっているのか自分はわかっているのに、先に誰のせいですか?と問いかけています。その後の「われならなくに」は、私のせいでないならあなたのせいですよ。とわかってほしい気持をこめた和歌ですね。

片思い編|有名な恋の和歌と現代語訳③万葉集より磐姫皇后の和歌

片思いの有名な恋の和歌の三つ目は、万葉集より「秋の田の穂の上に霧らふ朝霞いつへの方にあが恋やまむ」という磐姫皇后の和歌です。現代語訳にすると「秋の田の稲穂の上にみえる朝霧は私のため息と同じです。朝霧はいつか晴れるのに、私の恋心はいつ晴れるのでしょうか」です。

磐姫皇后は他にも恋心を沢山和歌にしています。なんともならない恋心に苦しんでいた様子が思い浮かびますね。恋をするとため息も増えますが、それを朝霧に例えるなんて美しいです。いっそすっきりしてしまいたいという気持ちも、女性ならわかる感情ですね。


片思い編|有名な恋の和歌と現代語訳④万葉集より大伴宿禰家持の和歌

片思いの有名な恋の和歌の四つ目は、万葉集より「ますらをと思へる我やかくばかりみつれにみつれ片思をせむ」という大伴宿禰家持の和歌です。現代語訳にすると「自分を立派で男らしい人間だと思っていたけれど、こんなにもやつれてしまったよ。君への片思いのせいだね」です。

自分で男らしいと思っていたのに、片思いだけでやつれるほど恋ができるなんて素敵です。どんな超人な男性でも弱くしてしまう力が恋にはあるんだとわかる和歌でしょう。現代でも強そうに見える人が、好きな人に尻に敷かれることがありますね。この時代も恋とは時に人を変えてしまうものだったことがわかります。

片思い編|有名な恋の和歌と現代語訳⑤古今和歌集から小野小町の和歌

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#随心院 #小野小町

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片思いの有名な恋の和歌の五つ目は、古今和歌集より「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを」という小野小町の和歌です。現代語訳にすると「貴方を想って寝たから愛しい貴方が夢に出てきたのでしょう。夢と分かっていたのなら、目は覚まさなかったのに」です。

小野小町は絶世の美女として知られていますね。誰よりも美しいと言われていた彼女でさえ、夢に見るほどの切ない片思いをしていたなんて驚きでしょう。好きな人との幸せな夢の途中に目覚めると、起きなければよかったと思う気持ちは共感できますね。女性らしい美しい和歌です。

有名な恋にまつわる和歌5選!両想いの歌の意味や現代語訳は?

両想い編|有名な恋の和歌と現代語訳①新婚で詠んだ儀同三司母の和歌

両想いの有名な恋の和歌の一つ目は、新婚のころに儀同三司母が詠んだ「忘れじのゆくすゑまでは難ければ今日かぎりの命ともがな」です。現代語訳にすると「君をいつまでも忘れないよと言われても、人の心は変わってしまうので難しいでしょう。だから今この幸せな気持ちで命が尽きればと思うのです」となります。

現代では新婚は幸せなものですが、一夫多妻制の時代だったので両想いでも切ない気持ちが詠まれたのですね。今この瞬間が一番幸せだという気持ちもくみとれます。そしてそのままの気持ちで死んでしまえれば幸せだというほど、彼に恋をしていたのがわかるですね。

両想い編|有名な恋の和歌と現代語訳②夫への愛を感じる光明皇后の和歌

両想いの有名な恋の和歌の二つ目は、夫への愛を感じる光明皇后「我が背子と二人見ませばいくばくかこの降る雪の嬉しからまし」という和歌です。現代語訳にすると「愛しい夫と二人で見たのならこの雪がどれほど綺麗で嬉しかったことでしょうか」です。

雪が降る様子を一人で見ているだけではなんの感情もわかないですよね。しかし好きな人や恋人・旦那とみると何でもないものが美しく見える時があります。この何ともない景色をあなたと見たかったという愛を感じる和歌になっています。ひらひら降る雪の中で一番に夫のことを思い浮かべるのが素敵ですね。

両想い編|有名な恋の和歌と現代語訳③ロマンチストな藤原道信の和歌

両想いの有名な恋の和歌の三つ目は、ロマンチストな藤原道信が詠んだ「明けぬれば暮るるものとは知りながらなほうらめしきあさぼらけかな」という和歌です。現代語訳にすると「あなたと過ごした甘い夜が明けてしまう。またこの夜が来るのは重々理解しているが、それでも朝が来るこの時間が憎らしい」です。

好きな人と過ごせた日はたまらなく幸せな気持ちになれますね。このまま時間が止まってほしいと思ったことがある人もいるんではないでしょうか。そんな情熱的でロマンチストな気持ちを、和歌にした愛を感じる和歌です。女子なら好きな人にこんな事を言われてみたいですね。

両想い編|有名な恋の和歌と現代語訳④好意が伝わる藤原義孝の和歌


両想いの有名な恋の和歌の四つ目は、好意が伝わる藤原義孝の「君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひけるかな」という和歌です。現代語訳にすると「貴女に会うためなら命を捨ててもいいという気持ちでいたけれど、会ってしまった今は幸せすぎて長くいきたいと思ってしまいます。」です。

藤原義孝のこの和歌は、逢瀬の後に詠まれたとされています。あの人に会えるなら死んでもいいと思っていても、会って幸せだとこの人のために長くいきたいと矛盾した気持ちになることありますね。とても素直で率直な気持ちが和歌になっています。恋をすると矛盾が生まれてしまうのも仕方ないことですね。

両想い編|有名な恋の和歌と現代語訳⑤想いが強い権中納言敦忠の和歌

両想いの有名な恋の和歌の五つ目は、想いが強い権中納言敦忠の「逢ひ見てののちの心にくらぶれば昔はものを思はざりけり」という和歌です。現代語訳にすると「貴女と出会って愛を知ったこの心に比べたら、昔の物思いなんてなかったことと同じだ」です。

両想いになるために思い悩むことは現代にもありますね。そのまま両想いになれば幸せなだけだと思ったのに、両想いになった今は前以上に思い悩む日が増えてしまったということを伝えた和歌です。付き合ってからコントロールできない感情に悩まされた人は、気持ちがとてもわかる短歌でしょう。

有名な恋にまつわる和歌5選!嫉妬を歌ったものの意味や現代語訳は?

嫉妬編|有名な恋の短歌と現代語訳①右大将道綱母

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◎4月16日の心がけ「百人一首おみくじ」 嘆きつつ 獨りぬる夜の 明くるまは いかに久しき ものとかは知る 右大将道綱母 39 こうあって欲しいと何度も強く望むものや願いがあるならば、1人で悩みを背負うことはやめましょう。この人ならば未来を託すことができると思える異性に、想いをうちあけましょう。あなたにため息は似合いません。どれほど月日をかけその願いを胸に歩んできたか、真剣なあなたの姿を、相手の胸を騒がせるほど、伝えるときです。人の世話になることを躊躇せず、心の蓋をはずし、正直に打ち明けましょう。そして、もし、思ったような反応がかえってこなければ、その異性と寄り添うことは視野にいれずに歩む決意をしましょう。 幸運のお守り:菊の花 力をいただける聖地:杉や檜の門 「古典の知恵いろは」 可愛い我が子 道綱を出産した右大将道綱母。にも関わらず、他の場所、他の女性のもとへ足を運び、顔を見せない父親 藤原兼家(藤原道長の父でもあります)。彼の心変わり、冷めた態度に対し、心情を訴えたのが、この和歌です。右大将道綱母の作品 蜻蛉日記には「兼家が門をたたく音が聞こえたが、開けず、様子を調べると、他の女性のもとへ行ってしまった。その翌朝、色褪せた菊とともに、この和歌をおくった」とあります。その後、右大将道綱母は兼家が訪れても追い返すように。精一杯の心の声が届かない関係になったならば、自ら終止符をうつことも選択肢の1つと、教えてくれる和歌です。 古典エデュテイメントブランドOLD(カウンセリングはこちらから) http://ordermadelifedesign.jp ------------------ 連載記事、ぜひご覧ください◎ ◎古典の知恵から学ぶ生き方(Yahoo!ネタりか) 第1回:千利休が祈った北野天満宮と「守破離」の真意 http://netallica.yahoo.co.jp/news/20160310-06411261-dailynewsq デイリーニュースオンライン掲載記事 http://dailynewsonline.jp/article/1101284/?page=all ◎理想の恋と人生が掴める厳選「聖地・パワースポット」(Yahoo!×ツヴァイ×学研ブックビヨンド メディア 恋活サプリ) 意中の人を振り向かす、和泉式部が願いを託した「貴船神社」/努力と正義を裏切らない、梅の女神が微笑む菅原道真ゆかりの聖地/小野小町の力で愛を貫き浮気に勝つ「随心院」ほか http://koikatsusupple.zwei.com/category/power-spots #百人一首 #おみくじ #神社 #神道 #japan #shrine #hyakuninisshu #omikuji #百人一首おみくじ #歌占 #右大将道綱母 #菊 #嘆きつつ

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嫉妬の有名な恋の短歌一つ目は、右大将道綱母の「嘆きつつひとりぬる夜の明くるまはいかに久しきものとかは知る」です。現代語訳にすると「あなたが来ないことを嘆きながら一人で夜を過ごしていると、夜が明ける時間が地獄のように長いです。あなたはそんなこと知らないでしょうね。」です。

右大将道綱母は藤原兼家の嫁ではありましたが、彼は何人も女性との関係がありました。そのことを知っている彼女は、嫉妬で狂いながらこのような短歌を詠んだとされています。当時は当たり前のような光景ですが今ではあり得ないですね。不倫や浮気と考えると彼女の気持ちがわかる人も多いでしょう。

嫉妬編|有名な恋の短歌と現代語訳②右近

嫉妬の有名な恋の短歌二つ目は、右近の「忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな」という短歌です。現代語訳にすると「私のことは忘れてもいいですよ。しかしいつまでも愛してくれると神への誓いを破った貴方に、神罰があたって死んでしまうのはさみしいですね」になります。

愛を誓った相手がほかの女に現を抜かしていると聞いたときに、嫉妬で右近が詠んだ短歌です。切ない思いをしたためる人が多い中で、皮肉を込めたこの短歌は女性の強さを感じます。

嫉妬編|有名な恋の短歌と現代語訳③相模

嫉妬の有名な恋の短歌三つ目は、相模の「恨みわびほさぬ袖だにあるものを恋に朽ちなむ名こそ惜しけれ」という短歌です。現代語訳にすると「冷たい貴方を恨んで流れる涙で濡れ続ける袖が朽ちないことも悔しいのに、こんな恋のうわさで私の評判が悪くなるのも悔しい」です。

相模は旦那の浮気で離婚しています。浮気相手のもとへ行った嫉妬で詠まれた短歌です。こんなに泣いてるのに袖は綺麗なまま、しかし離婚で良からぬ噂が立った自分の評判が落ちていくという悔しさが全面的に詠まれていますね。

嫉妬編|有名な恋の短歌と現代語訳④清原元輔

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本当は昨日upの分 #百人一首 #清原元輔

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嫉妬の有名な恋の短歌四つ目は、清原元輔の「契りきなかたみに袖をしぼりつつ末の松山波こさじとは」という短歌です。現代語訳にすると「お互いに泣きながら袖を濡らし約束したね。末の松山が波を越せぬようにこの恋も終わりが来ることはないと」です。

この短歌は女性が心変わりし振られた清原元輔の嫉妬と執着心が表れたものです。お互いに泣くほど愛しいと伝えあって、永遠を誓ったのにほかの男に行ってしまうなんて嫉妬して当然です。女々しく見えますが可哀想な気持ちにもなります。


嫉妬編|有名な恋の短歌と現代語訳⑤俊恵法師

嫉妬の有名な恋の短歌五つ目は、俊恵法師の「思ひかねなほ恋路ぞ帰りぬる恨みはすゑも通らざりけり」という短歌です。現代語訳にすると「恋する想いが辛く嫉妬であなたを恨もうとも愛しいあなたを恨むことなどできぬまま、またこの恋に戻ってきてしまった」です。

嫉妬しても相手を恨み切れないという優しい人柄のわかる短歌です。恋をやめたいと思ったのに結局また恋をしてしまうというすこし切なさも感じますね。

有名な恋にまつわる和歌5選!切ない別れの歌の意味や現代語訳は?

切ない別れ編|有名な恋の和歌と現代語訳①左京大夫道雅

切ない別れの有名な恋の和歌一つ目は、左京大夫道雅の「今はただ思ひ絶えなむとばかりを人づてならで言ふよしもがな」という和歌です。現代語訳にすると「もう今はあなたへの気持ちはあきらめてしまおうと考えてますが、せめて最後は人づてではなく直接私から伝えたいです」です。

想い合っていた恋だったのですが、親に反対されて会うことができなくなってしまった切ない和歌です。別れさえも人を通さねばいけないのかという辛さも込められています。

切ない別れ編|有名な恋の和歌と現代語訳②崇徳院

切ない別れの有名な恋の和歌二つ目は、崇徳院の「瀬をはやみ岩にせかるる瀧川のわれても末に逢はむとぞ思ふ」という和歌です。現代語訳すると「川の瀬の流れを岩が二つの急流に分けている。しかしあとで一つに戻るように、私もこの別れが最後ではないと再会を思う」になります。

いまは別れなければならないけど、また必ずあなたに会うという意味ですね。切ない和歌ではありますが、相手の愛情と決意を感じます。

切ない別れ編|有名な恋の和歌と現代語訳③紀貫之

切ない別れの有名な恋の和歌三つ目は、紀貫之の「結ぶ手にしづくににごる山の井のあかでも人に別れぬるかな」という和歌です。現代語訳すると「すくった山の清水が零れ落ちると水が濁ります。水を満足に飲めないようにあなたとも満足できぬままお別れしてしまいました」になります。

道中で知り合った女性に送ったとされています。もっと話せればよかったのにと、恋をした紀貫之の切ない思いがこめられた和歌ですね。

切ない別れ編|有名な恋の和歌と現代語訳④山川登美子

切ない別れの有名な恋の和歌四つ目は、山川登美子の「それとなく紅き花みな友にゆづりそむきて泣きて忘れな草つむ」です。現代語訳すると「気が付かれることなくこの恋を友に譲って、二人に背中を向けましょう。この想いを忘れるために忘れな草をつんでいます」ですね。

同じ人を好きになってしまったけれど、その恋は友達に譲ることを決意した和歌です。早く忘れられるようにしますねという気持ちが切ないですね。

切ない別れ編|有名な恋の和歌と現代語訳⑤和泉式部

切ない別れの有名な恋の和歌五つ目は、和泉式部の「あらざらむこの世のほかの思ひ出にいまひとたびの逢ふこよもがな」です。現代語訳すると「まもなく私は死んでしまいます。あの世へ行く前にせめてもう一度あなたに会いたい」です。死ぬ間際に想い人へ詠んだなんとも切ない和歌ですね。

季節で異なる趣きを味わえる恋にまつわる和歌4選!意味や現代語訳は?

春の恋を詠んだ短歌

春の恋を詠んだ短歌は中臣宅守の「たちかへり泣けども吾はしるし無み思ひわぶれて寝る夜しぞ多き」です。現代語訳すると「春がやってきたというのに私は毎夜涙を流すが甲斐はない。あなたを想って悩む日がおおいのです」になります。春が来ると心地いいですが、恋のせいで私はまだ心地よくないですよという和歌ですね。

素敵な春の和歌を詠みたいという方は、春の季語が載っている関連記事をチェックしてみてください。昔の人のように素敵な春の恋が詠めるようになりますよ。

夏の恋を詠んだ短歌

夏の恋を詠んだ短歌は大伴坂上郎女の「夏の野の茂みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものぞ」という短歌です。現代語訳すると「夏に咲く目立つ多くの草の中でひっそりと咲く姫百合みたいに、あなたに伝えられない恋をするのは苦しい」です。内緒の恋を夏に咲く姫百合にたとえた風流な和歌になっています。

秋の恋を詠んだ短歌

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秋の恋を詠んだ短歌は小野小町の「秋の夜も名のみなりけり逢ふといへば事ぞともなく明けぬるものを」です。現代語訳すると「秋の夜長なんて名ばかりのもの。貴方にあえた夜は秋であろうとはやく明けてしまうのですもの」になります。

好きな人に会えば時間がたつのが早いと共感できる和歌です。秋の夜長もその日は短かったのでしょう。もっと長くてもいいのにという気持ちも入った歌ですね。

冬の恋を詠んだ短歌

冬の恋を詠んだ短歌は藤原忠通の「冬の日を春より長くなすものは恋ひつつ暮らす心なりけり」です。現代語訳すると「冬で日が落ちるのも早いのに春よりも長く感じてしまう。恋しくて会いたい気持ちがあるから長いのだろう」です。

冬は暗くなるのも早いのに愛しい人と会う約束をしているから、春よりも長く感じてしまうという意味が込められています。普通は短いのに会いたい気持ちが大きくて、時間がたたないという気持ちがわかる短歌ですね。

恋の和歌は想い溢れる歌

恋の和歌はいかがでしたか?情熱的なものや切ないもの片思いなど様々な気持ちが伝わってきましたね。恋の和歌は想い溢れる現代でいう歌のようなものなのでしょう。恋する気持ちを伝えたいという感情は、昔から引き継がれているのですね。興味があればぜひいろんな和歌を知ってください。

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