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桜にちなんだ和歌8選|万葉集の春の和歌/古今和歌集の有名な和歌

更新:2021.04.19

和歌には、美しい桜の花について詠まれた歌など数多くあるのをご存じですか。そこで、今回は綺麗な桜にちなんだ春の和歌について紹介します。万葉集や古今和歌集などで有名な和歌を楽しむことが出来る書籍も合わせてお伝えしますので、ぜひご覧ください。



桜にちなんだ美しい春の和歌8選:その1

春の和歌①花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに

桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、1つ目は「花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに」です。作者は小野小町で古今和歌集や百人一首で読むことが出来ます。多くの人が1度はどこかで聞いたことがあるのではないかと言うほど、古今和歌集の中で有名な句です。

この和歌に出てくる「花」は「桜」のことを指しています。意味としては、長い雨が降って私が物思いにふけっている間に、桜の花が色褪せてしまっていた。というなんとも淋しい気持ちになる句です。

春の和歌②花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける

桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、2つ目は「花見にと群れつつ人の来るのみぞあたら桜のとがにはありける」です。作者は西行法師で山家集で読むことが出来ます。山家集は、山家和歌集や西行法師歌集とも呼ばれています。

一人で静かに過ごしたいと思っているのに、美しい桜の花を見るために大勢の人がやってきて騒々しい。これは美しく花を咲かせる桜の罪(責任)である。と言う意味のことが書かれている和歌です。

春の和歌③久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ

桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、3つ目は「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」です。作者は紀友則です。この和歌は古今和歌集の中でも有名な句の一つとされ、百人一首でも見ることが出来ます。

この和歌には、こんなにも暖かくて穏やかな日なのに、どうして桜の花は忙しなくどんどん散っていくのだろうか。もう少しゆったりと散っていけばいいのに。という意味が込められています。本当に桜の花は、あっという間に散っていきますよね。その儚さを感じさせるところも桜の魅力なのかもしれませんね。


春の和歌④散る桜残る桜も散る桜

桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、4つ目は「散る桜残る桜も散る桜」です。作者は良寛和尚です。こちらの和歌は、良寛和尚の辞世の句として有名です。辞世の句とは、もうじきこの世を旅立つというときに詠まれた句のことを言います。

今散ってしまった桜も、まだ散る前の桜も同じ桜の花。この桜の花もいずれ散ってしまうということから、命あるものは遅かれ早かれなくなるものだと言うことを意味している句です。命とは、という答えの出しにくい問いかけをされているような漢字にさせられる和歌ですね。

桜にちなんだ美しい春の和歌8選:その2

春の和歌⑤春霞たなびく山の桜花見れどもあかぬ君にもあるかな

桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、5つ目は「春霞たなびく山の桜花見れどもあかぬ君にもあるかな」です。作者は紀友則です古今和歌集で見ることが出来ます。春霞とは、春に山が霞んでいて、はっきりと見えにくい状況の子とを言います。山に霧のようなもやがかかっているところを想像していただければ間違いないはずです。

「その霞んで見える山の中に見える桜は、とても美しい風景なので飽きることなく見続けることが出来るよね。その桜の風景を見ているのと同じように、貴女のこともずっと見ていることが出来るのですよ。」という句です。簡単に言うと、あなたのことが好きなのでずっと見ていることが出来ますよと言うことなのです。

古い時代は、電話などありませんでしたから手紙で気持ちを伝えることが多くありました。この和歌のように、気持ちを手紙で伝えたいと考えている方必見の記事がこちらの好きな人に手紙で告白しよう!です。男女別の例文付きラブレターの書き方が載っているので、何を書いたらいいのかまとまらないという方に役立つはずです。

春の和歌⑥高砂の尾の上の桜咲にけり外山の霞立たずもあらなむ


桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、6つ目は「高砂の尾の上の桜咲にけり外山の霞立たずもあらなむ」です。作者は権中納言匡房で、後拾遺集で詠むことが出来ます。この句は学校で習うこともあり、有名ですよね。

遠くに見える山の頂上に美しい桜が咲いている。近くにある里山に霧やもやがかかると、せっかくの桜が見られなくなってしまうので、このまま霧やもやが立たないといいなぁと言う意味の和歌です。遙か遠くに桜が見えるなんてなんて素敵な情景なのでしょう。その風景を霞に邪魔されたくないというのも分かる気がしますね。

春の和歌⑦去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも

桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、7つ目は「去年の春逢へりし君に恋ひにてし桜の花は迎へけらしも」です。作者は不明だそうですが、この和歌を詠んだのは若宮年魚麿で、万葉集に載っています。去年の春桜を見に来てくれたあなたに会うために、今年も桜の花を咲かせてあなたのことを迎ました。という意味の和歌になります。

この和歌は桜の花が、あなたに会いたくて待っていましたと桜を擬人化して詠まれた和歌です。桜も誰かに会いたくて、あんなに美しい花を咲かせているのかと思うと、なんだか初恋のような甘酸っぱい何とも言えない気持ちにさせてくれますね。

春の和歌⑧いにしへの奈良の都の八重桜今日九重ににほぬるかな

桜にちなんだ美しい春の和歌

桜にちなんだ美しい春の和歌、8つ目は「いにしへの奈良の都の八重桜今日九重ににほぬるかな」です。作者は伊勢大輔で、詞花集や百人一首で見ることが出来ます。

古都の雰囲気がある奈良の都で咲いていた桜が、今日宮中に献上され綺麗に咲いています。という意味の句です。古い歴史のある奈良で咲いていた桜の花が、今日は宮中でも綺麗に咲き続けているのを見るとなんだか神秘的な感じがしてきますよね。

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍は?


綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍①万葉集

桜にちなんだ美しい春の和歌

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍、1冊目は万葉集です。万葉集は、学校の授業で習うのでご存じの方も多いのではないでしょうか。万葉集は、日本最最古の歌集として有名で、歌集は20巻にもなるそうです。天皇や貴族、平民など多くの人が詠んだ和歌が集まっているそうです。

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍②古今和歌集

桜にちなんだ美しい春の和歌

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍、2冊目は古今和歌集です。古今和歌集は平安時代前期最初の勅撰和歌集といわれています。こちらも万葉集と同様20巻あり、和歌の数は1111首だそうです。そのうちの春の句を楽しむことが出来るのは1巻と2巻になります。

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍③新古今和歌集

桜にちなんだ美しい春の和歌

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍、3冊目は新古今和歌集です。新古今和歌集は鎌倉時代に編集された勅撰和歌集で、和歌の数は1970首ほどあります。古今和歌集と同様20巻にまとめられ、そのうち1巻と2巻に春の句がまとめられています。

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍④後拾遺集

桜にちなんだ美しい春の和歌

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍、4冊目は後拾遺集(後拾遺和歌集)です。後拾遺集は八代集の1つです。この歌集は前作の拾遺和歌集の後作という形で作り始められた歌集だそうです。拾遺和歌集が品良く作られているのに対し、後拾遺集は感情むき出しにした恋の歌など素直な気持ちを詠んだ句が多いのが特徴です。

POINT

八代集とは

八代集とは、古今和歌集から始まり後撰和歌集、拾遺和歌集、後拾遺和歌集、金葉和歌集、詞花和歌集、千載和歌集、新古今和歌集のことをさして言います。

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍⑤山家和歌集

桜にちなんだ美しい春の和歌

綺麗な和歌を楽しめるおすすめの書籍、5冊目は山家和歌集です。この歌集は、これまでの万葉集や古今和歌集のような歌集と違い西行法師が詠んだ和歌のみでまとめられています。歌集は全部で3巻にまとめられており、四季にまつわる歌や恋の歌などを楽しむことが出来ます。

番外編:百人一首も美しい和歌を楽しめるものとして有名

桜にちなんだ美しい春の和歌

番外編として書籍ではありませんが、綺麗な和歌をたのしめるものとして 百人一首をおすすめします。こちらは1人1首ずつで、計100首集められたものです。百人一首は学校の授業で習ったり、大会があったりするので1つ1つの和歌を覚えていなくても、百人一首という言葉自体はご存じの方が多いのではないでしょうか。

百人一首には、恋の歌など雰囲気のある和歌が多くあるので、当時の恋愛の様子を想像しながら詠むというのも風情があって良いのではないでしょうか。

また、百人一首を覚えてみたいという方がいらっしゃいましたら、こちらの記事をご覧ください。こちらの記事では簡単に早く覚えるコツなどが書かれています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

桜にちなんだ美しい春の和歌を詠んでみよう

桜にちなんだ美しい春の和歌

いかがでしたか。桜にちなんだ美しい春の和歌について紹介してきました。今回は8選でしたが、春の和歌はまだまだたくさんあります。万葉集や古今和歌集などの歌集で桜にちなんだ美しい春の和歌を楽しむことが出来ます。

現代は忙しなく生活している方たちが多くいらっしゃいます。綺麗な桜の花の和歌で一息入れていただいて、心穏やかな時間を過ごしていただけたらなと思います。

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