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考察の書き方ポイント5つ|結果との意味の違いや書き出しの例文は?

更新:2021.04.19

レポートに取り組む時、その最後には必ず「考察」というものを行わなければいけません。結果や意味との違いをふまえた上で、例とともに「考察」とは何かを説明していきます。考察の方法や書き方、実験の仕方、「考察」を書くときのポイントなども参考にしてください。

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考察の意味とは?結果と結論との違いは?

考察の意味は物事の解明の仕方

書く

考察の意味は「物事を解明する仕方」というものですが、この物事の解明のために、しなければならないことがあります。それは、解明にいたるまでの手順や参考にしたもの、てがかりなどをしっかりと提示することです。また、そういったものを論理立てて記述しなければ「考察」をしていることにはならないのです。

「考」という字がついているので、「よく考えることだろう」と思い違いをしている人が多いですが、ただ考えただけでは「考察」にはなりません。自分の考える時の方法を冷静に観察して提示できなければいけないのです。

考察と結果や結論との違いはプロセスとゴールの違い

めも

考察と、結果や結論との違いは、プロセスとゴールの違いです。考察は、出された「結果」に対して加えていくものです。つまり「結果」というゴールになぜたどり着くことができたのかと考えていくことが「考察」なのです。

そして、「結論」は、考察のゴールです。つまり、「結果」に対して重ねた「考察」からどんなところにたどりついたのかを示すのが「結論」なのです。結果も結論もとてもよく似ているので「一緒じゃない?」という勘違いをしてしまいます。でも、実は全く違う上に、その違いを理解していなければ正確な考察を行えません。

考察の意味はレポートの書く順番と方法にもある

書く

考察の意味は、レポートの書く順番と方法の中にもあります。「考察」というものが、レポートの中でどんな位置にあるのかということがわかれば、自ずと、「考察」という言葉の意味も理解できるのです。

考察を含むレポートの一般的な書き出しと書く順は、「タイトル→序論・問題提起→仮説→目的→方法(仕方)→結果→考察→参考文献」です。今回は、レポートの終結部分を担う「考察」について説明していきますが、基本的な考察を含むレポートのあり方も、しっかり理解しておきましょう。

勿論「考察」部分はかなり重要な位置を占めますが、前半の「序論・問題提起」や「仮説」といった土台がしっかりしていなければレポートは成立しません。裏技的に、文学についてのレポートなどであれば、「どのような考察をしたいか」を決めてから「序論・問題提起」をたてたり「仮説」をたてたりするという方法もあります。

レポートの考察の書き方は?ポイント5つ

レポートの考察の書き方ポイント5つ①書き出し一般的なことを述べる

実験

レポートの考察の書き方ポイント5つのうち1つ目は、最初に一般的なことを述べるというものです。どんな書き出しにすればよいかという迷いは、誰しもが抱くものですが、考察の場合は、誰もが同意するであろう一般的な認識というものを書き出しにするとよいです。

冒頭から自分だけの考えや意見を述べてしまうと、客観的視野が欠けている考察やレポートだと思われてしまいます。一般的な考え方やものを見る方法がどんなものか、さらにその例まで示すことができれば、あなたの考察やレポートは一気に客観性を増します。

また、一般的に通用している説や物事に対する考えを、あなたのレポートが変えてしまえるなら、「一般とは違う」ということをレポートの中で、アピールしなければいけないのです。一般的な見解とあなたの「考察」が同じなら、同じであるということを書けばいいし、まず「一般論を」というのが「考察」の1つの方法です。

レポートの考察の書き方ポイント5つ②他人の考察や結果と比較する


読書

レポートの考察の書き方ポイント5つのうち2つ目は、他人の考察や結果と比較することです。これも1つ目のポイントと同じで、考察やレポートを客観的なものにするために欠かせない手順です。また、他者との比較をすることによって、あなたの考察の独自性やよいところが浮き彫りになるという効果もあるのです。

実験などを行い、実験結果に対する「考察」を書くのであれば、特に「他者の実験結果」や「実験方法」との比較は必要です。あえてその他者の実験方法と違う方法で実験したことで、どんな違った結果が生まれたのかということを説明していくべきなのです。過去に同じ実験が行われている場合は、その結果との比較でもよいです。

文学的なものや歴史的なものに対する「考察」の場合も、同じ資料を見た他者とは違った視点で、その資料を見ましょう。例としては「〇○氏は~という視点で△△という資料を解析しているが、私は~という観点から、△△という資料を読んでみた。」と、他者との違いを明記する書き方があげられます。

レポートの考察の書き方ポイント5つ③結果の部分との書き分けを明確にする

書く

レポートの考察の書き方ポイント5つのうちの3つ目は、考察は結果の部分との書き分けを明確にすることです。結果と考察で違いがあると分かっていても、考察を書く際に、どうしても、結果の内容を繰り返してしまうという人がいます。そんな時は、書き出しだけ結果にふれ、後は「上記のように」と述べる方法をとりましょう。

「結果」というものは、基本的に、起きた事実や実際に残されていた資料のことしか書きません。「考察」は、その「結果」に対するあなたの考え方を筋道立てて説明するものなので、「考えていること」「考える方法」という、あなたの頭の中にしかないものがメインとなるのです。

そのあなたの頭の中にしかないものを、他者に理解してもらえる方法を探しながら、レポートを作成しましょう。「考察」の仕方として、自分自身の考えを追求するというものがありますが、自分の中で追求するだけで終わると、「結果」と「考察」を混同したようなレポートが出来てしまいます。読み手を意識する必要もあります。

レポートの考察の書き方ポイント5つ④感想との違いに留意する


勉強

レポートの考察の書き方ポイント5つのうち4つ目は、感想との違いに留意するということです。これは、3つ目のポイントともよく似ているのですが、感想と考察で違いがあると分かっていても、考察を書く際に、どうしても、結果に対する感想を書いてしまうという人がいるのです。「思った通りの結果に安堵した」は感想です。

「予想した内容と違う結果になったことは誠に残念だ」も感想なのです。気持ちは、わかります!でも、その気持ちはレポートに記入してはいけないのです。「考察」は、常に、「論理的な説明」を求められているのです。というと、その「論理的が難しいんだ」と思ってしまう人も多いでしょう。でも、そんなに難しくはないです。

「論理的な説明」というのは、「筋道をたてて説明すること」をさすので、順序良く、ひとつひとつの考え方を丁寧に、そして明確に書けばよいだけなのです。詩的な表現や、ロマンティックな言い回しを求められているわけではないので、「順序」と「わかりやすさ」を意識して、冷静にレポートを書きましょう。

レポートの考察の書き方ポイント5つ⑤次のことは言わない|例とともに

勉強

レポートの考察の書き方ポイント5つのうち、最後のポイントは、次のことは言わないということです。特に、実験結果に対する考察などの場合は、「次にこのような仕方をすれば…」とか、「次は違った条件で同じ実験をしてみて…」という思いを書いてしまいがちです。しかしそれは、「結果に対する考え」を逸脱しています。

あなたの中では、「結果」に対する考えであったとしても、それは、他者から見れば、あなたの「想い」でしかないのです。そのあなたの「想い」を「考察」に変える方法があります。

それは、「〇○という方法を▲▲という方法に変えることで、今回の結果よりも△△パーセントほど●●の値が増加すると考えられる」という表現にすることです。これはあくまでも一つの例ですが、数値化し、今回の結果との比較を行えば、あなたの「想い」は「考察」として捉えられるのです。

レポートや論文の書き方が学べるおすすめの書籍は?

レポートや論文の書き方が学べるおすすめの書籍①日本の思想|丸山眞男

レポートや論文の書き方が学べるおすすめの書籍1冊目は「日本の思想|丸山眞男」です。日本政治思想史学者である丸山氏のベストセラー「日本の思想」は、全編が「考察」です。世の中の具体的な例に対して、感情を差し挟まずに明確に「考察」を行っていくさまは、まさに圧巻の一言につきます。

なかなかの長編であり、多くの例をあげてご自身の主張というものを明確にしていきますが、丸山氏の「考察」には全くゆるみがありません。「時効」というものについて説明する仕方も、一般的な、「被害者が気の毒だ」という意見もおさえた上でご自身の「考察」を繰り広げていきます。

他者の「考察」や他国の一般的な意見についてもふれており、ありとあらゆるものと比較しても、ぶれることのない冷静で客観的な「考察」の仕方は、レポートや論文を書く際の、「参考」というよりは「目標」になるでしょう。読みこなすだけでもかなり、あなたの頭を鍛えてくれる一冊です。

レポートや論文の書き方が学べるおすすめの書籍②論文の書き方|清水幾太郎

ポートや論文の書き方が学べるおすすめの書籍2冊目は「論文の書き方|清水幾太郎」です。なんと、1959年に発行された1冊ですが、今もなお根強い人気を持つ1冊です。もちろんhowto本として活躍してくれますが、この本自体が「考察」的な書き方なので、論理的に説明を行う際の参考にもなります。

単純にどう書くか…というだけでなく、書くまでの思考のプロセスも例をあげてかなり丁寧に説明してくれているので、「論理的思考」を身につけてくれる本だということもできるでしょう。「日本の思想」同様、読むだけでも、あなたの思考のレベルをあげてくれます。

「考察」を行ってあなたの思考レベルをあげよう!

「考察」は、あなたの頭を大いに鍛えてくれる素晴らしい課題です。「考察」や「論理的思考」ができることで、あなたの視野はひろがり、きっと人生がかわります。そう考えて「考察」してみましょう。後に考えることについての関連記事を載せておきます。合わせて読んでみてください。

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