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落雁(らくがん)の美味しい食べ方!アレンジレシピと和三盆との違いは?

更新:2019.06.21

お供えの定番である砂糖の干菓子落雁(らくがん)の美味しい食べ方をお届けします。和三盆を使った美味しい落雁のアレンジレシピ、材料の違いによってまずいと言われてしまう落雁を美味しく食べる方法など、落雁の食べ方をご紹介します。

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落雁(らくがん)とは?材料と和三盆や干菓子との違いは?

落雁(らくがん)とはお供えの定番の干菓子

落雁(らくがん)とは、米の粉と水飴や砂糖を使って作られる、型に詰めてつくる「うちもの」とも呼ばれる干菓子の一種です。細かな模様が浮かび上がる美しい砂糖菓子である落雁は、神社などでお祓いをした後などにいただける撤饌や、お盆などのお供えとしても定番のお菓子です。

落雁は、樫の木や桜の木など、硬い木を使って作られた型に材料を詰め、取り出すときに、まな板に打ちつけるようにすることから、うちものと呼ばれます。硬い樫や桜の木に、細かな細工を施すのは、非常に難しいとされていて、落雁は、型を作る職人も、卓越した技術が必要とされています。

干菓子とは、水分の少ないタイプの和菓子の総称で、落雁の他には、せんべいや八つ橋、金平糖やおこしなどが含まれます。干菓子の反対になるのは、生菓子で、生菓子は、水分の多いタイプの和菓子の総称で、まんじゅうや羊羹などを代表とする、あんを用いたもののことをさします。

落雁(らくがん)の材料和三盆とは最高級の白砂糖

落雁(らくがん)の材料として使われる「和三盆」とは、和菓子に使われる最高級の白砂糖です。主に徳島県や香川県で取れる特別なサトウキビを使い、伝統的に生産されています。粒子が細かく、なめらかな口どけと黒砂糖をまろやかにしたような独特の風味が特徴です。

和三盆は、四国の一部のみで取れる竹糖というサトウキビの一種から作られます。江戸時代、幕府より砂糖作りが推奨されたことをきっかけに作られ始め、改良を重ねて江戸時代の後期には現在の和三盆は作られるようになりました。しかし、開国と同時に外国製の白砂糖が安く流通するようになり、国産の砂糖は衰退します。

和三盆も、国産砂糖の衰退とともに衰退していましたが、消えてしまうことはなく、当時の製法が今にも受け継がれています。和三盆は、粒子が非常に細かく、独特のまろやかな甘みを持つことから、和菓子には欠かせない甘味となり、最近ではプリンやケーキなどの洋菓子にも使われるようになっています。

落雁(らくがん)の由来や歴史は?

落雁(らくがん)の由来や歴史①貴重な日持ちするお菓子

落雁(らくがん)の由来や歴史1つ目は、貴重な日持ちするお菓子ことです。お供えの定番となっている落雁が生まれる前は、お供えには生のフルーツなどが使われていました。フルーツは日持ちしないため、頻繁にお供えものを取り替える必要があり、日持ちする干菓子である落雁は重宝されるようになりました。

また、江戸時代は、徐々に日本でも砂糖の生産がされるようになっていたとはいえ、まだ砂糖は非常に高級な材料でした。ご先祖様をお迎えする大切な行事であるお盆には、最上級のおもてなしをするため、高級な材料である砂糖をふんだんに使った落雁をお供えにするようになったと言われています。

落雁は、様々な色や形にすることができますので、お供えの代表のフルーツの形にしたり、極楽浄土の象徴である蓮の花などにすることで、最高級の食材を、長期間飾っておくことができるようになりました。このように、落雁は、ご先祖様たちへの最大限の歓迎の準備として使われていました。


落雁(らくがん)の由来や歴史②目連尊者の逸話

落雁(らくがん)の由来や歴史2つ目は、目連尊者の逸話です。お釈迦様の弟子であった目連尊者が、自分の母親が地獄の一つ、餓鬼道に堕ちてしまっていることを知ります。餓鬼道は、生前に強欲だったり、嫉妬深かったものの落ちる地獄で、餓鬼道に堕ちてしまったものは、永遠の渇きと飢えに苦しむと言われています。

目連尊者は、お釈迦様に教えを請い、後のお盆となる自恣日に、修行僧や恵まれない、餓えた者たちに、美味しい食べ物や飲み物をたくさん施します。母親だけを助けようとするのではなく、多くの人に施しを与えた目連の行いで、目連の母親は餓鬼道から救い出されました。

目連の母親が餓鬼道に堕ちてしまった理由は、「我が子だけは」という心が自己中心的で強欲な行いを産んだからとされています。親であれば堕ちてしまいがちな道に、他の仏教徒たちも自分たちの親を思い、自分たちも親や先祖を供養し、お盆には豪華な食事でもてなすという習慣ができたと言われています。

落雁(らくがん)の美味しい食べ方は?

落雁(らくがん)の美味しい食べ方①そのまま食べる

落雁(らくがん)の美味しい食べ方1つ目は、そのまま食べることです。和三盆をはじめとした高級なこだわりの食材を使い、こだわりの製法で作ってある落雁は、非常に繊細な味と口どけをしています。最も落雁の味を味わえる食べ方ですので、まずはそのまま食べることがおすすめです。

落雁は、一口サイズ程度に作られていることが多いので、ぱくっと口に入れて、ほろほろと溶けていくさまと、まろやかで程よい上品な甘味を味わってみてください。また、一口に落雁といっても、お店によって味わいは大きく変わりますので、その辺りも感じながらの食べ方もおすすめです。ぜひ落雁を堪能してください。

落雁(らくがん)の美味しい食べ方②お抹茶・コーヒーとともに

落雁(らくがん)の美味しい食べ方2つ目は、お抹茶・コーヒーとともにいただく方法です。もともと茶道の席に出される干菓子としても使われている落雁は、お抹茶にもぴったりですし、お抹茶用の落雁もあるほどですので、当然相性はぴったりです。

砂糖を多く使っている落雁は、お抹茶やコーヒーなど、苦めの飲み物と相性ぴったりです。他には緑茶や紅茶などともあいますので、お茶うけとして一緒に楽しまれると良いでしょう。落雁は、お湯にサッと溶けますので、コーヒーや紅茶に溶かして飲む食べ方も美味しいでしょう。

美味しい落雁(らくがん)の有名店は?

美味しい落雁(らくがん)の有名店①石川県金沢市の森八


美味しい落雁(らくがん)の有名店1店目は、石川県金沢市の森八です。300年以上変わらない製法で作られる森八の「長生殿」は、日本三銘菓の一つに数えられています。長生殿は、加賀藩主の前田利常と、茶道遠州流の開祖・小堀遠州よって作られた歴史ある落雁です。

長生殿に使われている型は、小堀遠州の直筆から型取りされたもので、現在にまで受け継がれています。江戸時代に、加賀藩が行った製菓事業の推奨策によって、落雁の製作技術も向上し、長生殿が作られるようになりました。また、茶道とも深く関わっている落雁なので、お抹茶とも相性ぴったりです。

美味しい落雁(らくがん)の有名店②新潟県長岡市の越乃雪本舗大和屋

美味しい落雁(らくがん)の有名店2店目は、新潟県長岡市の越乃雪本舗大和屋です。越乃雪本舗大和屋の「越乃雪」は、1778年から作られ始め、贈り物の銘菓として全国的に有名です。越乃雪も日本三大銘菓の一つです。

越乃雪は、材料に使われる和三盆は、創業230年の岡田製糖所のもの、米も越乃雪専用のものを使用しています。越路の山に降る雪を表現した越乃雪は、白く美しく、口に含むと新雪のようにほろっと溶けてしまいます。

美味しい落雁(らくがん)の有名店③島根県松江市の風流堂

美味しい落雁(らくがん)の有名店3店目は、島根県松江市の風流堂です。風流堂の山川は、日本三大銘菓のひとつで、松江藩の大名であり茶人でもあった松平治郷の御歌に由来して作られた落雁です。山川は、しっとりとしていて甘みが後を引かず、抹茶の味を最高に引き出してくれる落雁とされています。

風流堂の山川は、赤と白がセットになっており、赤が山、白が川を表したものだと言われています。時期によって赤と白の順番を逆にしたり、間に挟んだりと、お茶の席を彩っています。山川に使われる砂糖を和三盆入りにした古代山川も、完全受注生産で販売されています。

落雁(らくがん)はまずい?美味しくないと感じる理由は?

落雁(らくがん)がまずいと感じる理由①材料と作り方の違い

落雁(らくがん)がまずいと感じる理由1つ目は、材料と作り方の違いです。高級な落雁は、和三盆などの砂糖や水あめに、蒸して干した米の粉を混ぜて固めて作りますので、材料としても費用がかかりますし、作る際に技術も必要です。和菓子としての落雁は、程よい甘さと口どけで、非常に美味しい上品なお菓子です。

一方お供え用の安い落雁は、砂糖や水あめ、干した米の粉に加えて、でんぷんやコーンスターチなどを加えて作られます。そのため形がしっかりしていて長持ちし、しかも安く作ることができます。ただし、味は二の次になっているため、そのまま食べるとまずい、美味しくないものになってしまっています。


お盆などにお供えとして飾られている落雁は、もちろん食べられますが、食べることを主たる目的として作られていませんので、見た目が美しく作られていますが、そのまま食べることはあまり想定されていません。お供え用の落雁は、そのまま食べるのではなく、お菓子などにアレンジするなど、食べ方を工夫すると良いでしょう。

落雁(らくがん)がまずいと感じる理由②他に美味しいものがたくさんある

落雁(らくがん)がまずいと感じる理由2つ目は、他に美味しいものがたくさんあることです。落雁が作られるようになったのは室町時代ですが、その頃から江戸時代にかけては、砂糖は非常に高価なものでした。現代は、砂糖は非常に手に入れやすくなり、さらに甘いものや美味しいものが手軽に食べられるようになりました。

昔は、砂糖の甘さは特別な味覚でしたので、落雁は大変美味しいものでしたが、他にも甘いもの、美味しいものがたくさんある現在は、落雁をはじめとした干菓子の甘みは、薄く感じ、美味しくないと感じることもあるかもしれません。

落雁はまずいものと思っている方の中には、子供の頃にラムネと間違えて食べて、味がなく、美味しくなかったイメージが強いという方も多いようです。和菓子屋で食べられる落雁と、お供え物の落雁は全く別物と言えるほど違いますので、改めて食べてみると、印象が変わるかもしれません。

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピは?

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ①落雁ホットケーキ

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ1つ目は、落雁ホットケーキです。落雁ホットケーキは、お供え用の落雁とホットケーキミックスを使うことで、簡単に作ることができます。高級な落雁でも同様にして作ることができます。和三盆を使った落雁の場合は、よりまろやかなホットケーキにすることができます。

落雁を別の料理にアレンジして使う場合は、粉状にしてから使うレシピが多いので、事前に多めにおろし金などで粉状にし、ビンなど密閉できる容器で保存しておくと良いでしょう。多くの落雁を粉末にする場合は、ミルなどを使っても良いでしょう。

落雁ホットケーキの作り方

  1. お供え用の落雁をおろし金などで細かく削ります。
  2. ホットケーキミックスに、おろした落雁を混ぜます。
  3. ホットケーキミックスのレシピに従い、牛乳、卵を混ぜます。
  4. フライパンやホットプレートなどで焼きます。
  5. お好みで、バター、はちみつ、メイプルシロップなどを添えていただきます。

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ②落雁たまごボーロ

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ2つ目は、落雁たまごボーロです。お供え用の落雁は、砂糖、蒸した米の粉に加えて、でんぷんやコーンスターチが使われていることがありますので、そのままたまごボーロにすることができます。高級な落雁を使う場合は、お供えの落雁より片栗粉を多めに入れると良いでしょう。

落雁たまごボーロの作り方

  1. お供え用の落雁を、おろし金などでおろします。
  2. 卵黄におろした落雁、牛乳、片栗粉を加えます。
  3. 丸めやすい固さになるように、落雁と牛乳、片栗粉の量を調整しながら混ぜます。
  4. 1cmほどのボール状にまとめ、160度のオーブンで、16〜18分焼きます。
  5. オーブンから出し、冷ましたらできあがりです。

落雁たまごボーロは、全卵でも作ることができますが、卵白を入れるとたまごボーロが硬くなってしまいますので、卵黄のみで作るのがおすすめです。余った卵白は、メレンゲクッキーにアレンジすることができます。メレンゲクッキーにも削った落雁を使うことができます。こちらの記事とレシピもチェックしてみてください。

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ③落雁シュガートースト

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ3つ目は、落雁シュガートーストです。落雁シュガートーストは、食パンや切ったバケットに、たっぷりのバターを塗って、砂糖をたっぷりかけて作るシュガートーストの砂糖を、落雁にアレンジしたシュガートーストです。大きな塊の落雁をたっぷり使って作りましょう。

落雁シュガートーストの作り方

  1. 食パンにバターを塗ります。
  2. お供え用の落雁をおろし金などでおろして粉状にします。
  3. バターの上におろした落雁をお好みでかけます。
  4. トースターで数分焼き、落雁が溶けてきたらできあがりです。

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ④落雁片栗粉餅

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ4つ目は、落雁片栗粉餅です。落雁片栗粉餅は、片栗粉で作る片栗粉餅の甘味として落雁を使ったレシピです。材料には、牛乳を使ってもいいですし、お湯を使っても作ることができます。最後にきな粉をかけての食べ方もおすすめです。

落雁片栗粉餅の作り方

  1. お供え用の落雁を、おろし金などでおろして粉状にしておきます。
  2. 鍋に粉末にした落雁と、牛乳またはお湯を入れて火にかけます。
  3. 片栗粉に少量の水分を加え、ふやかしておきます。
  4. 落雁が溶け、とろみが出てきたら、片栗粉を加えてさらに混ぜます。
  5. ひとかたまりになってきたら火を止めます。
  6. スプーンなどで一口大にすくい、氷水の中に入れます。
  7. 器に盛り付け、お好みできな粉をかけたらできあがりです。

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ⑤落雁プリン

まずい落雁(らくがん)の美味しいアレンジレシピ5つ目は、落雁プリンです。落雁、牛乳、卵だけで作れる簡単プリンのレシピです。落雁を使うことで甘さを控えめできますので、カラメルやシロップなどで甘味を調節すると良いでしょう。

落雁プリンの作り方

  1. お供え用の落雁は、おろし金などで粉状におろしておきます。
  2. 卵をよく溶き、おろした落雁を加えてよく混ぜます。
  3. さらに牛乳を加えてよく混ぜます。
  4. 落雁が溶けるまでしっかりとかき混ぜます。
  5. 2回ほど、ざるなどでこします。
  6. フライパンにお湯を入れて沸騰させておきます。
  7. プリン液を、陶器など耐熱性の器に入れます。
  8. 器の中にお湯が入らないように注意しながら、器をフライパンに入れます。
  9. 蓋をして弱火にかけ、10分ほど蒸し焼きにします。
  10. 火を止めて余熱で10分ほどさらに加熱します。
  11. お湯から出したら粗熱をとり、冷蔵庫へ入れます。
  12. 十分冷えたら、お好みでシロップを添えてできあがりです。

お供え物の落雁もアレンジして美味しくいただきましょう

高級な和菓子として人気の落雁は、非常に美味しいものですが、同じ落雁でも、材料や製法により味や質感がだいぶ違うものも存在しています。高級な和菓子の落雁と、お供え用の落雁は、別物だと考えた方が良いでしょう。お供え物用の落雁も、砂糖をたっぷり使った干菓子ですので、食べ方を工夫すれば美味しくいただけます。

また、最近販売されているお供え物の落雁は、美味しいものはたくさん出ていますし、改めて有名店の落雁を食べてみると、全く違う落雁を味わうことができるかもしれません。日本三大銘菓は3つとも落雁であるように、和菓子の中でも特別な存在である落雁を、ぜひおいしくいただきましょう。

落雁を始め、美しい見た目と繊細な味の和菓子は、自分へのご褒美に、または訪問先への手土産にと、ちょっと特別な時に使えます。高級な和菓子は、スーパーなどで購入できる和菓子とは全く違うものである場合もあり、美味しさも格別です。こちらの記事もチェックしてみてください。

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