フィンランドの民族衣装について!男性・女性の伝統衣装は?着用シーンも
更新:2022.03.05
みなさんはフィンランドの民族衣装についてご存知でしょうか?フィンランドには厳しい冬を乗り越えるために作られた伝統衣装と、各地でとれる素材を生かした伝統衣装があります。今回はそんなフィンランドの民族衣装について、女性用と男性用に分けてご紹介します。ぜひフィンランドの民族衣装について、知ってください。
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INDEX
フィンランドってどんな国・地域・地方?
フィンランドとは
フィンランドとは、北ヨーロッパに位置する北欧の国の一つで、スウェーデンやノルウェー、ロシアに隣接しています。フィンランドと聞くと、トナカイやオーロラ、サンタクロースをイメージする人が多いですが、その他にも花柄で有名なブランド'マリメッコ'や、可愛い風貌が特徴のムーミンなどもフィンランド出身です。
フィンランドには旧石器時代頃より、南部は航海や農業を生業とするフィン人が、北部はトナカイの放牧補猟を行うサーミ人が暮らすようになり、またその後400年代ごろ、ノルマン系のスヴェーア人がフィンランド沿岸に移住し、フィンランドの土地を拡大していきました。
フィンランドはスウェーデンとロシアの植民地にされた後1917年に独立を果たしましたが、現在でもスウェーデン語は公用語の一つとして残っています。100年間ほどロシアの支配下にもありましたが、ロシア語は社会的に定着しませんでした。また、先住民族サーミ族の使うサーミ語は準公用語とされています。
フィンランドの地方
フィンランドは現在、フィンランドの首都ヘルシンキを含むウーシマー県、ラップランドに含まれるラッピ県など、19の県に分けることができます。19と言ってもフィンランドはロシアやドイツに次いでヨーロッパで7番目に広い国で、土地の約70%を森林が占めているので自然豊かです。
フィンランドは大きく北部と南部に分けることができます。フィンランドは縦長に広いので、北部と南部では気候が全く異なり、南部海岸では12月から3月ごろまでが冬なのに対し、ラップランドのある北部では10月から5月までが冬です。
フィンランドには魅力がたくさん!
フィンランドの冬は厳しいですが、森や湖がたくさんあるフィンランドには魅力もたくさんあります。フィンランドの北部ラップランドにある街ロヴァニエミにはサンタクロースの家があり、行けばいつでもサンタクロースに会うことができたり、オーロラを見ることができます。
またフィンランドと言えばマリメッコやムーミンで知られているように、デザインに敏感なデザイン王国です。北欧風という言葉にぴったりなレストランや、可愛いインテリアが手に入る雑貨屋さん、ムーミンのテーマパークのある街ナーンタリなど、歩いているだけでハッピーな気分になります。
ここに北欧食器のブランドの記事を載せておきます。フィンランドに限らず、北欧にはバラエティーに富んだ食器やインテリアがあります。ぜひ、こちらの記事も参考にしてみてください。
フィンランドの女性用の民族衣装・伝統衣装2選!
フィンランドの女性用民族衣装①カンサッリス・プク
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フィンランドの女性用民族衣装1つ目は、カンサッリス・プクです。カンサッリス・プクは1800年代後半に生まれた民族衣装で、1970年代までは長めのスカート丈が流行っていましたが、1970年代には短めのスカート丈が流行するなど、着るようになって以来時代の流れでデザインが変わり続けてきました。
また同じ民族衣装でも地方によってもデザインが異なり、その土地にある素材で作られているため、現在フィンランドでは様々な種類のカンサッリス・プクが着られています。着用は家族にルーツのあるところのものを着ることになっています。
女性用カンサッリス・プクの定番は白いシャツ、ベスト、スカートで、その上からエプロンを着けたりバンダナを頭に巻いたりします。ただし靴下と下着にはルールがあり、白い長い靴下とレースなどの飾り気のない下着を着用しなければなりません。
フィンランドの女性用民族衣装②サーミ族の民族衣装コルト
フィンランドの女性用民族衣装2つ目は、サーミ族の民族衣装コルトです。サーミ族とは、フィンランドを含むスウェーデン、ノルウェー、ロシアの北欧地域に住んでおり、主にトナカイの放牧補猟を行っていた先住民族のことを指します。フィンランドには現在も約6000人のサーミ人が暮らしています。
サーミ人の民族衣装コルトは、女性がフェルトを使って織った上着のことで色鮮やかなのが特徴です。雪の多い地方ですが、真っ白な雪の中でも映える色を使っています。女性はワンピースを着ることが多いですが、中には上下別のもので、赤や緑などのラインの入った上着を着ることもあります。
また靴も特徴的で、サーミ族伝統のヌツッカートというトナカイの皮を使って作った、つま先がソリのようにくるんと丸まったブーツを着用しています。サーミ族はトナカイを必要不可欠とし、トナカイの角で作ったナイフを使って、トナカイの腱で作った糸とトナカイの毛皮で靴などを作っていました。
サーミ族にはドゥオッチと呼ばれる手工芸品も!
民族衣装を手づくりするサーミ族には、16世紀頃から作られているドゥオッチと呼ばれる手工芸品があります。工芸品と言っても日用品がほとんどで実用的なものが多く、白樺の木から作られた'ククサ'と呼ばれるカップや、トナカイの毛皮で作った洋服などがあります。
中でも日本でも比較的簡単に手に入れることができるククサや、サーミ族にとって'富の象徴'とも言われる、ピューターワイヤーを編み込んだブレスレットは人気が高いです。ピューターはかつてサーミ族がトナカイでスカンディナビア半島から運搬していたことから、ドゥオッチに使用されるようになりました。
フィンランドの男性用の民族衣装・伝統衣装2選!
フィンランドの男性用民族衣装①カンサッリス・プク
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フィンランドの男性用民族衣装1つ目は、カンサッリス・プクです。女性用のカンサッリス・プクが華やかで有名なので、男性の衣装はないようなイメージがありますが、男性用のカンサッリス・プクも存在します。
男性用の民族衣装は白いシャツにストライプなどのベストを着用し、七分丈のパンツに白い靴下を履くのが一般的です。しかし中には、黒いパンツや長めのパンツ、赤い靴下など、地域によって様々なデザインのものがあります。
また男性は黒い帽子を被ることが多く、地方によってシルクハットのようなものからシルクハットの高さを低くしたものまであります。ベストの色や柄も同様、無地のものやストライプのも、また丈の長さも短いものと長いものがあります。
フィンランドの男性用民族衣装②サーミ族の民族衣装コルト
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フィンランドの男性用民族衣装2つ目は、サーミ族の民族衣装コルトです。男性用の民族衣装は、コルト、パンツ、ベルト、帽子に、フェルトで作られた色鮮やかなケープを羽織るのが定番です。ケープの長さは北から南へ行くほど長くなる傾向があるそうです。
コルトは地方ごとに細かな差異があるため、民族衣装のベースとなるフェルトの色や帽子のデザイン、飾りの付け方でどこの出身か分かると言います。サーミ族は生活様式によって種類があり、山岳サーミ、海岸サーミ、森林サーミ、河川サーミと湖サーミに分かれています。
サーミ族には、民族衣装を見ればどこの出身かわかるくらいコルトが定着していますが、長い間でコルトを着用する人が減り、それに伴って作ることができる人も減っているそうです。近年は伝統衣装を残そうとする若者が増えているので、これからも伝統衣装として残っていくと良いですね。
映画『アナと雪の女王』もサーミ族がモデルだった!
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日本でも話題になったディズニ―映画『アナと雪の女王』はラップランドが舞台となっており、オープニングではサーミ族の民謡'ヨイク'を取り入れたと言われています。登場人物としては、ロングスカートのワンピースにケープを羽織った主人公アナが印象的です。
また映画に登場するクリストフは、サーミ族がモデルとなっています。クリストフが大人に混ざって氷を運ぶシーンがありますが、サーミ族も日本のアイヌ族やアメリカのインディアンと同じく、19世紀後半から差別を受けていたため、子供も労働せざるを得なかったことが描かれています。
フィンランドの民族衣装・伝統衣装を着用するシーンは?
フィンランドの伝統衣装着用シーン①結婚式
フィンランドの伝統衣装着用シーン1つ目は、結婚式です。最近はやはりウェディングドレスとタキシードを着用することが主流ですが、中にはカンサッリス・プクを取り入れたタキシード着用する男性がいます。男性のカンサッリス・プクは細かい物が多いので、ベストだけ取り入れたり、足元だけ民族スタイルにしたりできます。
またサーミ族の結婚式では、頻繁にコルトが取り入れられています。胸元にはソルユやリスクと呼ばれる、スカーフを固定するためのサーミ族特有の装飾品を付けます。
サーミ族は長い間先住民族ということだけで軽視されてきたため、自分はサーミ族だと周りに言うのを避けている人が多く、人に言うのにはだいぶ勇気がいりましたが、ここ最近は民族を大切にしようという働きかけや民族意識の高さから、洗礼や結婚式などに着用する人が増えてきました。
フィンランドの伝統衣装着用シーン②独立記念日
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フィンランドの伝統衣装着用シーン2つ目は、独立記念日です。10年ほど前までは伝統衣装を着用する人は減少傾向にありましたが、近年では伝統衣装を守ろうとする若者を中心に、独立記念日12月6日にはカンサッリス・プクを着用して街に出る人が多くなりました。
フィンランドの伝統衣装着用シーン③フェスティバル
フィンランドの伝統衣装着用シーン3つ目は、フェスティバルです。フィンランドの街中で行われるフェスティバルにはダンスが付きものですが、踊るためにカンサッリス・プクを着用する人が多く見かけられます。
またフィンランドでは8月5日に民族衣装の祭りが行われます。このお祭りは、日常的に着ることができない民族衣装や伝統衣装をクローゼットから出して積極的に着る、ということを目的としたお祭りです。このお祭りには各地から民族衣装を着用した人々が集まるので、色んなデザインのものを見ることができます。
フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク着用例5選
フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク①イルマヨキ
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フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク着用例1つ目は、イルマヨキの伝統衣装です。南ポフヤンマー県にあるイルマヨキには、真っ赤なベストをストライプ柄のカラフルなスカートに合わせた伝統衣装があります。
フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク②スオムッサルミ
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フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク着用例2つ目は、スオムッサルミの伝統衣装です。カイヌ―県にあるスオムッサルミには、シンプルなベストとケープに、2色のストライプが落ち着いた雰囲気を出すスカートを合わせた伝統衣装があります。
フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク③ラウトヤルヴィ
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フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク着用例3つ目は、ラウトヤルヴィの伝統衣装です。南カルヤラ県にあるラウトヤルヴィには、落ち着いた色味のワンピースにポップなボーダー柄のエプロンを合わせた伝統衣装があります。
フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク④カレリア地方
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フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク着用例4つ目は、カレリア地方の伝統衣装です。カレリア地方とはフィンランドの南東部からロシア北西部にかけて広がる地方のことです。カレリア人の伝統衣装は、暗めの色のワンピースにベルトを巻いただけの、素材を生かした伝統衣装です。
フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク⑤テウヴァ
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フィンランドの女性用伝統衣装カンサッリス・プク着用例5つ目は、テウヴァの伝統衣装です。南ポフヤンマー県にあるテウヴァには、靴下やエプロンなど白色を基調に、赤いチロリアンなスカートを合わせた伝統衣装があります。
フィンランドの民族衣装・伝統衣装を楽しもう!
いかがでしたか?フィンランドには主に2種類の伝統衣装があることが分かっていただけだのではないでしょうか。主にフィンランドではカンサッリス・プクが着られていますが、北部の寒い地域になるとより暖かくするため、また資源を有効活用するために工夫された伝統衣装があります。
日本ではトナカイを使った服を身にまとうのはイメージしにくいですが、フィンランドではそれが伝統的に受け継がれています。ここに北欧民族衣装の記事を載せておきます。ぜひフィンランドを訪れる際には、伝統衣装にも注目してみてください。
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