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スコットランドの民族衣装について!男性・女性の伝統衣装は?着用シーンも

更新:2022.03.05

スコットランドには日本でもお馴染みのチェック柄をした民族衣装があるのをご存知でしょうか?今回はスコットランドの女性と男性の伝統衣装と、その衣装のルールなどについてご紹介します。日本の着物同様、スコットランドの伝統衣装にもルールがあります。ぜひスコットランドの伝統衣装について学んでください!

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スコットランドってどんな国・地域・地方?

スコットランドとは

スコットランドはイングランド、ウェールズ、北アイルランドが含まれるイギリスを構成する地方の一つで、1707年にグレートブリテン王国が成立するまで独立したスコットランド国でした。現在スコットランドはグレートブリテン島の1/3と、その他の790以上の島々からなっています。

スコットランドはもともと独立していた地域なので、スコットランドとその他イギリスの地方とは特別区別が施されており、法制度や教育制度、裁判制度などはイングランド、ウェールズ、北アイルランドとは違うスコットランド独自の制度を扱っています。

そのため紀元前10世紀頃に、ヨーロッパから移ってきたケルト人の歴史が多く残っており、スコットランドの民族衣装や音楽、文化はイギリスとはまた別のものとなっています。スコットランドの首都はエディンバラ、最大の都市はグラスゴーで、ネッシーで有名なネス湖があったり美しい景色の広がる自然豊かな場所です。

スコットランドの地方

スコットランドには32の行政地域に分かれていますが、大きくハイランドとローランドに分けることができます。正確な境界は決まっていませんが、ハイランドは島々を多く含む高地帯でローランドはスコットランド中部の低地帯のことを指します。

またスコットランドではウイスキー作りが盛んなので、ウイスキー作りの地域で分けることもできます。ウイスキー界では、ハイランド、ローランド、ハイランド地方のスペイ川近郊のスぺイサイド、19世紀にウイスキー作りで栄えたキャンベルタウン、アイラモルトで有名なアイラ島、5つの島からなるアイランズと区別します。

スコットランドの首都エディンバラ

スコットランドの首都は、スコットランド東部に位置しているエディンバラです。街は旧市街と新市街まとめて世界遺産に登録されています。エディンバラには、地名の由来ともなったエドウィンの城を連想させるエディンバラ城などの歴史的な建物と、エリザベス女王のための宮殿などの新しい建物が入り組んでいます。

スコットランドの最大都市グラスゴー

スコットランドの最大の都市は、グラスゴーです。グラスゴーは貿易港を中心に産業都市として知られており、かつてロンドン、パリ、ベルリンに続き4番目に人口が多い都市でした。現在でも人口はイギリスで4番目、観光客はロンドン、エディンバラに続いて3番目と栄えている都市の一つです。

グラスゴーにはゴシック建築の傑作と言われるグラスゴー聖堂や、500年以上の歴史を持つグラスゴー大学などが揃っているので見どころ満載の都市です。


スコットランドの女性用の民族衣装・伝統衣装2選!

スコットランドの女性用の民族衣装①ケルティックドレス

スコットランドの女性用の民族衣装1つ目は、ケルティックドレスです。この民族衣装は、無地やストライプなどのシンプルな柄のロングのワンピースです。スコットランド特有のタータン(チェック柄)を取り入れる方法としては、女性は肩に羽織ったり、頭に被ったりする程度が一般的です。

この民族衣装は長袖で、袖口が広がっていたり、袖のところに飾りがついているのが特徴です。スコットランドでは1590年から1660年代までの長い間、魔女裁判が行われていたとされていますが、そんな魔女のような魅力のある神秘的な民族衣装です。

またここにケルト人やケルトの歴史についての記事を載せておきます。ケルティックドレスは古代ケルト人から伝わってきた文化の一つです。ぜひ合わせて読んでみてください。

スコットランドの女性用の民族衣装②キルトスカート

スコットランドの女性用の民族衣装は、キルトスカートです。キルトと聞くとチェックのスカートのようなものを履いた男性をイメージする人も多いと思いますが、昔男性が履くためのキルトだったものは、今では女性も着られるようになり、女性用のキルトは特別'キルト・スカート'と呼ばれるようになりました。

女性のキルトスカートの民族衣装は、袖の膨らんだ白いブラウスに、ショートのベスト、膝丈のキルトスカートを着用したものです。靴下は膝上丈まであるチェックのものやアーガイル柄、白い無地のものを着用することが多いです。

POINT

アーガイル柄はアーガイル地方発祥!

チェック柄の一つにアーガイル柄というものがありますが、アーガイル柄はスコットランドのアーガイル地方に住んでいたキャンベル家のタータンチェックをルーツとしています。

スコットランドの男性用の民族衣装・伝統衣装について!

スコットランドの男性用の民族衣装|キルト

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スコットランドの男性用の民族衣装は、キルトです。キルトはチェックのスカートのような布のことで、この布を腰に巻き付け、プリーツ状に畳んでベルトで留めて着ることができます。膝丈が多いので冬には寒いイメージがありますが、体格の良い人だと10mを超えるキルトを巻いており、結構暖かくなるそうです。

現在では、プリーツのスカート状にあらかじめ縫ってあるものを着用することが多く、フェアリーベックとも呼ばれています。また古代ではキルトの下にはパンツを履かないことが定番でしたが、現在ではそれを重んじて履かない人も、また寒い時にだけ履く人もいるそうです。

またキルトにはポケットがついていないので、スポーランと呼ばれるポシェットのようなバッグを腰に付けるのが決まりです。スポーランは財布を意味し、中世ヨーロッパでは貴重品を入れるのに重宝していました。毛皮や革で作られており男性専用の正装でしたが、今では女性のハンドバッグとしても使われています。

スコットランドの男性用の民族衣装|タータンチェック

スコットランドの民族衣装にはタータンと呼ばれるチェック柄が使われていますが、このタータンは日本の家紋のようなもので、それぞれの家系にそれぞれのタータンが存在します。全てのタータンは公的機関のタータン登録所で管理しており、伝統的なタータンには番号が付けられています。

タータンは本来家紋のようなものではありますが、伝統には関係のない地域や企業固有のタータンも存在します。現在タータンの種類はおよそ3500~7000ほどだと言われており、毎年100以上にもなる新しいタータンのデザインが登録されています。

POINT

スコットランドでタータンチェックを身に着ける際は配慮しましょう!

日本ではタータンチェックはいつでも安定の柄ですが、スコットランドには家紋以外にもクランメンバー専用のクランタータンや王室が用いてきたロイヤルタータン、何かの記念日や追悼に身に着けるメモリアルタータンなどが存在します。ファッションで使われるファッションタータンは誰が来ても良いとされるユニバーサルタータンであるため、伝統衣装とは関係のないタータンですが、逆に伝統のタータン以外を好ましく思わない人も多くいます。文化を尊重するために、スコットランドへ行く際には身に着けていかないか、もしく周りのスコットランド人の意見を聞くようにすることをおすすめします。

スコットランドの男性用の民族衣装|靴下にはこだわりがある!

スコットランドの男性用民族衣装の中で、一番こだわりのあるものは靴下です。女性同様、靴下の色は特に決められていないので、無難な無地の白色やタータンに合ったものを履くことができますが、男性の靴下にはフラッシーズと呼ばれるリボンのついた靴下留めを使います。

このフラッシーズも色は決められていませんが、フラッシーズに付いたリボンは、自分の正面と横側のちょうど中間に位置するように留めなければなりません。リボンの位置が決まったら靴下を折り曲げてフラッシーズで留めれば出来上がりです。

スコットランドの民族衣装・伝統衣装を着用するシーンは?

スコットランドの伝統衣装着用シーン①結婚式

スコットランドの伝統衣装着用シーン1つ目は、結婚式です。日本の結婚式でも和装することがあるように、スコットランドの結婚式でも男性はキルトを着用します。日本では和装よりも洋装がメジャーになってきましたが、スコットランドでは伝統衣装のキルトを着用する花婿の方がはるかに多いです。


花嫁は白のウェディングドレスが多いですが、タータンを織り上げたショールやスカーフを肩に掛けたりして、民族衣装を少しだけ取り入れる方法で着用します。またキルトはスコットランドの民族衣装かつ正装なので、花婿に付きそうアッシャー(グルームズマン)もキルトを着用することが多いです。

スコットランドの伝統衣装着用シーン②学校

スコットランドの伝統衣装着用シーン2つ目は、学校です。スコットランドの学校では、制服としてキルトが取り入れられているところが多くあり、日常的に着用したり、また普段は着用していなくてもセレモニーなどの時に正装として着用することが多くあります。

スコットランドの伝統衣装着用シーン③スポーツ観戦

スコットランドの伝統衣装着用シーン3つ目は、スポーツ観戦です。ラグビーやフットボールのスコットランドのチームを応援するサポーターには、キルトを着用する人が多いです。キルトを着用するとぱっと見るだけでチェックが目に付くので、すぐにスコットランドのサポーターだと分かります。

スコットランドの伝統衣装着用シーン④フェスティバル

スコットランドの伝統衣装着用シーン4つ目は、フェスティバルです。ケルト人を祝うケルティックフェスティバルは毎年世界各地で行われており、そのフェスティバルにはキルトを着た多くのスコットランド人が訪れます。

キルトを着用する人の中でもよく似合うのは、フェスティバルで花形のバンドメンバーで、音楽を奏でながら歩く姿からは伝統を大切にするという気持ちが使わってきます。またフェスティバルは世界各国で行われておりスコットランド人以外も参加可能ですが、特にスコットランドではタータンに敏感です。

ゲストは簡単に取り入られるユニバーサルタータンの物を身に着けていることが多いですが、伝統衣装には配慮してマナーを守って身に着けるようにしましょう。

スコットランドの伝統衣装着用シーン⑤パーティー

スコットランドの伝統衣装着用シーン5つ目は、パーティーです。ドレスコードが必要なパ―ティーと聞くと、一般的にフォーマルなドレスやタキシードを思い浮べますが、スコットランドではパーティーでも男性はキルトを着用しています。

知っておこう!スコットランドの伝統タータン3選!

スコットランドの伝統タータン①メモリアルタータン

スコットランドの伝統タータン1つ目は、メモリアルタータンです。メモリアルタータンは、記念日や式典などの祝いの際や追悼などでデザインされるタータンのことを指します。有名なものだと、ダイアナ妃を追悼した際にデザインされた'ダイアナ・プリンセス・オブ・メモリアル・タータン'というのがあります。

スコットランドの伝統タータン②ロイヤルタータン

スコットランドの伝統タータン2つ目は、ロイヤルタータンです。ロイヤルタータンは王室が用いてきたタータンのことで、最も有名なものは'ロイヤル・スチュアート'です。このロイヤル・スチュアートは、日本でもチェックと言えばこの柄をイメージするほど王道のチェックですね。

このタータンはもともとスコットランドのスチュアート一族のタータンで、イギリス国王軍に敗れてタータンを禁止されましたが、その80年後に和解ために着用したのがこのロイヤル・スチュアートでした。また現在はエリザベス女王に許可を得て、ロイヤル・スチュアートをスコットランド騎兵隊や守護兵などが着用しています。

スコットランドの伝統タータン③ミリタリータータン

スコットランドの伝統タータン3つ目は、ミリタリータータンです。アーミータータンとも呼ばれ、軍隊で使用されるタータンのことを指します。18世紀頃から軍隊によって違うタータンを身につけていましたが、現在のミリタリータータンは、最も有名で起源にもなったと言われるブラックウォッチタータンです。

ここにチェック柄の種類についての記事を載せておきます。チェック柄にもよく知られているチェックやレアなチェックまであります。合わせて参考にしてみてください。

スコットランドの民族衣装・伝統衣装を楽しもう!

いかがでしたか?日本でもお馴染みのタータンチェックですが、スコットランドでは伝統的な民族衣装として受け継がれており、どれも同じに見えるタータンにも実は様々な種類があることが分かっていただけたのではないでしょうか。

タータンチェックは今ではどこへ行っても見ることができる柄ですが、スコットランドでは特別に扱われているため、スコットランドに行く際には配慮が必要になってきます。

民族衣装は決して他の人が身に着けてはいけないというものではありませんが、身に着ける際はスコットランドの伝統を尊重しつつ楽しむようにしましょう!

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