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餅踏みの意味とやり方とは?福岡・鹿児島の違いや初誕生日の祝い方も

更新:2019.06.21

一升餅という初誕生日を迎えた子供に関する行事が各地であります各地でやり方が違います。餅踏みには馴染みがある人とそうでない人がいると思います。餅踏みとは何かという部分から、わらじの使い方をはじめとした餅踏みのやり方やその意味まで紹介していきたいと思います。

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1歳の初誕生日に行う餅踏みの意味とは

1歳の初誕生日に行う餅踏みの意味①足腰が強い子供に育ってほしい

1歳の初誕生日に行う餅踏みの意味とは、足腰が強い子供に育ってほしいという願望になります。餅踏みとは九州独特の、初誕生日の行事になりますが、餅を踏みつけるというアクションでは当然足腰の力を要します。そのため、餅踏みを行うことで足腰が強靭になる意味合いも、餅踏みにはあるのです。

餅踏みが意味するものとは、一言で言えば親が我が子に健やかに、そして幸せに育って欲しいという願いですが、その願いの根底には五体満足で育っていってほしいという願いが強くあるでしょう。そのため、敢えて餅を踏みつける、餅踏みという行事が九州では一般的になっているのです。

まだわずか1歳の子供なので自分の力だけでお餅を踏むことができるかは分かりません。もしかしたらまだ、自分の力だけで歩くことができないかもしれません。それでも健やかに1歳の誕生日を迎えて、この餅踏みの行事を無事に迎えるということにこそ、意味があるのです。

1歳の初誕生日に行う餅踏みの意味②地に足が着いた人間に育つように

1歳の初誕生日に行う餅踏みの意味とは、我が子が、地に足が着いた人間に育つようにという親の願望です。1歳の子供にとって、不安定なお餅の上にしっかり立つこと自体難しいかもしれません。しかしその苦難を乗り越えることで、地に足が付いた人間に育つと、九州の親は信じているのです。

ちなみに「地に足が付く」という状態は、堅実で堂々としている様を意味しますので、親のこの願望が叶えられれば、それが我が子の幸せに繋がるということにもなります。そういった九州の親の願いを背に受けながら、九州の1歳時たちは餅踏みに臨むのです。ただしこの段階では親の心子知らず、といった状況でしょうね。

特に昨今は社会情勢がとても不安定であり、昔よりも海外志向が強くなっていて、将来どんな子に育つのかという部分が非常に読みづらい世の中になっています。そんな中でせめてまずは餅踏みの場で、力強くお餅を踏みつけて、地に足が付いた状況を見せて欲しいものですね。

1歳の初誕生日に行う餅踏みの意味③一生食べ物に困らないように


1歳の初誕生日に行う餅踏みの意味とは、一生食べ物に困らないようにという親の願望です。1歳の誕生日に、一升餅の上に立つということは、自分の足元に食べきれないほどの食べ物がある状態になります。そのため、今後も食べ物や貧乏に不自由することなくすくすくと育って欲しいという親の願いが餅踏みに反映されています。

お餅が一升という、大型である理由には餅踏みに込められた親の願いが反映されているのです。この親の思いは今の親の思いだけではなく、昔から代々の親が我が子に向けて込めてきた願いでもあるのです。餅踏みの行事が代々続いて、どんな親の思いが途切れずに通じてきたからこそ今の九州が、今の日本があるのかもしれません。

【福岡】餅踏みのやり方は?

福岡の餅踏みの概要

福岡の餅踏みのやり方とはどのようなものになるのでしょうか。全国で「一升餅」と呼ばれるこの1歳の初誕生日に行われるイベントにおいて、福岡では餅踏みという形で行われます。基本的に福岡に限らず九州ではこの餅踏みという行事で1歳の初誕生日を親戚とはじめとした親しい人たちで集まって祝うのが一般的になります。

九州で主に行われている餅踏みも、例えば佐賀や鹿児島等、地域によってやり方が若干異なっています。しかし、九州全体で行われているやり方の中でも、福岡で行われているやり方が最もスタンダードなやり方と言えるでしょう。基本的な餅踏みの形はどの県も概ね同じなのですが、ディテールが地域により異なっているようです。

親が、自分の子供が迎える初誕生日において、誰もが末永く、我が子が健やかで幸せに育ちますようにと願うものです。親はそんな思いを込めて、そして子はその思いを一身に浴びて臨むのがこの餅踏みになります。九州独自のもので、古くから伝わる良き伝統行事になりますので代々伝わるそのやり方を見ていくことにしましょう。

餅踏みのやり方①一升餅とわらじを用意する


餅踏みのやり方として、最初に準備しなければならないのは一升餅とわらじになります。一部の地域ではわらじがいらない地域もあるようですが、基本的にわらじも用意をするのが福岡の餅踏みの一般的なやり方になります。これらは九州であれば比較的簡単に手に入るようになっています。

まず一升餅についてはお餅屋さんで手に入りますし、今では一升餅とインターネットで検索すると名前入りの一升餅がオンラインで手に入るようになっています。基本的に白いお餅に赤色素で名前を書いたお餅が今では一般的になっていますが名前が入っていなくても大丈夫です。また人数が多いときは2つ用意することもあります。

そしてわらじに関しても靴屋さんかオンラインで手に入れることが可能です。通常は藁など編んだ昔ながらのわらじを用意するのが一般的なのですが、子供の足にささくれが突き刺さることを考えて、布製のわらじを用意する家庭も増えています。まだ藁性が多いようですが、布製のわらじも増えつつあります。

餅踏みのやり方②初誕生日の子供がわらじを履いて餅を踏む

餅踏みのやり方のメインは、初誕生日の子供がわらじを履いて餅を踏むことです。1歳の子供の場合だと、まだ1人で歩くことが厳しいケースが少なくないと思います。そのため、子供が自分の力で餅を踏むケースもあれば、親が手を貸すケースもあると思います。これは当然、親が手を貸しても問題はないと言われています。

一番多いケースは、子供が訳が分からないままわらじを履かされて、親が子供の脇に手を入れて抱え上げて、お餅を踏むように促す光景になります。全面的に親がやらせているように見えるケースもありますが、まだ1歳ということで仕方がないでしょう。このくらい親が手を貸しても、餅踏みは成立するのです。

子供からすると何をやらされているのか分かっていないかもしれませんが、親としては1歳の初誕生日1回きりの大事な行事になります。そのため今ではビデオカメラや写真にその様子を収めるのが一般的になっています。インスタグラムの投稿でも餅踏みの様子はたくさんアップされていますので、是非見てみてください。

餅踏みのやり方③お餅を食べる

餅踏みのやり方の最後の手順は、お餅を食べることになります。餅踏みに使う一升餅は基本的に乾燥したのし餅になりますので、柔らかくして食べるのが一般的になります。おしるこにして振る舞うケースが一番多いようですが、大根おろしで食べたり納豆で食べたり、焼いて食べたりしても大丈夫です。


絶対にその場で食べきらないといけないという決まりはなく、余ったお餅は冷凍しても大丈夫です。ただし餅踏みにはたくさんの親戚や知人が集まるケースが多いので、その場で食べきってなくなってしまうケースの方が多いでしょう。とてもありがたいお餅になりますので、味わって食べるようにしましょう。

【鹿児島】餅踏みのやり方は?

鹿児島は餅踏みと一緒に「えらびとり」もやる

鹿児島は餅踏みも基本的なやり方は福岡と一緒なのですが、餅踏みといっしょに「えらびとり」という行事も一緒にとり行います。これは鹿児島以外の県でも伝統的にやられているケースが少なくないようですが、鹿児島のえらびとりが最も一般的なものになっています。えらびとりは「選び」「取り」を意味します。

これは子供の将来を占う伝統行事であり、伝統に倣ったやり方をするのであれば、お金と筆とそろばんの3つを1歳を迎える子供の目の前に置き、どれを取るのかで子供の将来を占うものになります。お金が富、筆が知識、そろばんが商才を表し、子供が今現在でどんなものに興味があるのかを見ることができます。

最近ではこの3つ以外のものも置いてみたり、あるいは現物を置かずにカルタのような、絵が書いてあるカードを置いて、それを選んでもらうやり方も増えているようです。「えらびとり」自体が基本はあるものの、厳しい決まりがない行事なので、それぞれの家庭のやり方で我が子の行く末を占って一喜一憂しているようです。

【佐賀】餅踏みのやり方は?

佐賀の餅踏みは小豆を乗せる

佐賀の餅踏みは、餅踏みのやり方自体は福岡のものと同じなのですが、お餅に小豆を乗せるのが一般的になっています。これはあんこではなく、茹でた小豆を乗せます。地域によっては女の子だけに小豆を用意する風習があるようですが、基本的には男の子女の子関係なく佐賀では小豆を上に乗せるのが一般的です。

何故小豆を乗せるかという話には諸説あるようですが、一般的に言われているのが小豆を石に見立てて、どんな苦労も乗り越えていけるようにという願いが込められているとされています。小豆には塩味がついていますので、後で食べる時には特別味付けをしなくても、温めてそのまま美味しくいただけるようになっています。

その他の地域でのお餅に関するお祝いは?

一升餅は地域によって餅踏みと背負い餅に分かれる

一升餅は地域によって餅踏みと背負い餅に分かれています。全国的に多いのは背負い餅の方になります。背負い餅は、1歳の初誕生日を迎えた子供が、一升のお餅を風呂敷に包むかリュックサックに入れるかして、背負って歩くものになります。もちろん1歳の子供にとってはすごく重いものなので多くの場合転んでしまいます。

しかし転ぶのも「厄落としになるから良い」と言われていて、また立って逞しく歩く姿も良いとされていますので、とにかく約2kgある、1歳児にとってすごく重い一升餅を背負って歩くことに意義があるようです。呼び方にはしょい餅や誕生餅、立ったら餅、力餅など地域によって様々あるようです。

そして九州より東の背負い餅に九州で主流になってい餅踏みに加えて、中には餅を抱かせる伝統が存在する地域があるようです。1歳の初誕生日の伝統行事には地域によって様々なものがあるようですね。探せば他にも独特な一升餅の行事がありそうな気がします。

餅踏みは九州の文化

餅踏みは九州独特の文化になります。「地に足を付けて歩いていく」「自分の道をしっかり踏みしめていく」餅踏みの文化に、昔ながらの九州のスピリットの根源を見ることができるのではないでしょうか。餅踏みの伝統はこれからも絶やすことなく、良き文化として末永く受け継いでいってほしいものです。

餅踏みのやり方は地域性がよく出ている

九州より東では1歳の初誕生日で餅を背負うのが一般的で、九州での1歳の初誕生日は餅踏みがメインになります。背負い餅にも餅踏みにも、親が子に対して健やかに育ってほしいという願いがしっかり出ていると思います。みんながそんな親のささやかながら、子供にとって当たり前の幸せの祈りに応えつつ育ってほしいものです。

また1歳の初誕生日となると誕生日プレゼントのことも考えるかと思いますので、下記の記事を参考にしてもらえたら嬉しいです。これから何回も誕生日を迎えることとなりますが、一升餅の行事はこの初誕生日一回だけなので、みんなの思い出に残るものになればいいですよね!

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