本当は怖い原作のシンデレラのあらすじは?|グリム童話とペロー童話の違いも
更新:2019.06.21
ガラスの靴や美しいドレス、王子様と結ばれる…多くの女性達をとりこにした有名なディズニー映画の1つである『シンデレラ』の原作であるグリム童話には怖い内容が存在したのです!この記事では『シンデレラ』の原作『灰かぶり』のあらすじから、他のディズニー映画の原作における恐ろしい設定などもまとめています。
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INDEX
「灰かぶり」の意味は?
「灰かぶり」は「シンデレラ」という意味
多くの人に親しまれ続けている童話「シンデレラ」ですが、元々の題名を『サンドリヨン』といいます。『サンドリヨン』とはフランス語で、直訳するとまさに「灰かぶり」や「灰かぶり姫」という意味になるのです。
「灰かぶり」という意味になったあらすじ
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ストーリーのあらすじとして、主人公のシンデレラは、意地悪な継母や彼女の連れ子である義姉達に毎日いじめられていました。その時にシンデレラが押しつけられていた仕事の1つに「冬場の暖炉の火を絶やさないようにする」というものがあり、火を消さないようにするために、シンデレラはいつも灰をかぶっていたそうです。
灰だらけになったシンデレラの姿を見た継母達が彼女を「灰かぶり」と馬鹿にしたことから、シンデレラと呼ばれるようになったのです。翻訳によっては、シンデレラは元々「エラ」という名前の少女であり「灰まみれのエラ」という意味の「シンダーエラ」という言葉が変化して「シンデレラ」となったという説もあります。
シンデレラ(灰かぶり)の作者とその違いは?
原作①|ペロー(ペロー童話)の『サンドリヨン』
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『シンデレラ』の童話の原作は大きく分けて2つあり、1つがフランスの文学者であるシャルル・ペローが書いたペロー童話版の『サンドリヨン』です。『サンドリヨン』のあらすじは、現在一般的に知られている『シンデレラ』に近い物語といえます。
ペロー(ペロー童話)の『サンドリヨン』と一般的な『シンデレラ』の違い
ペロー童話の『サンドリヨン』では、シンデレラ(ストーリーではサンドリヨンという名前)の名前の由来が書かれており、「かまどの前にかがんで、消し炭や灰の中にうずくまっていた」ことから「灰かぶり」というあだ名をつけられます。
また、現在の『シンデレラ』とは相違点もあります。まず、シンデレラを魔法で美しいお姫様の姿にする「魔法使い」が登場しますが、ペロー童話の魔法使いはシンデレラの洗礼に立ち会った教母が妖女(=魔女)になっています。また、「ガラスの靴」は翻訳によって「リスの毛皮の靴」という表記になっている場合もあります。
ペロー童話版の『サンドリヨン』のラストは、今までシンデレラをいじめていた継母や義姉達が彼女にこれまでのことを謝罪し、シンデレラによってお城で一緒に幸せに暮らすというハッピーエンドな内容になっています。
原作②|グリム(グリム童話)の『灰かぶり姫』
『シンデレラ』の物語のもう1つの原作としてグリム童話の『灰ぶり姫』があります。現在良く知られている『シンデレラ』のあらすじとは異なり、刺激的な内容やグロテスクな表現もあることで有名な物語になっています。
グリム(グリム童話)の『灰かぶり姫』と一般的な『シンデレラ』の違い
一般的な『シンデレラ』との相違点は、まず初めに魔法使いが登場しないということが挙げられます。童話『シンデレラ』において、魔法使いの存在は無くてはならない存在とも言えますが、グリム童話版では、白い鳩(小鳥)が代わりにその役回りを果たしています。また、ガラスの靴だけでなく、金・銀の靴も登場しています。
また、偶然シンデレラがガラスの靴を落としていくシーンは印象的ですよね。しかしグリム童話の『シンデレラ』では、ガラスの靴が落ちたのは偶然ではなく、王子様が仕組んだ罠になっているのです。シンデレラを見た王子様は、彼女が何者なのかを知るために、臣下に接着剤として用いるチャン(ニス)を塗らせていたのです。
シンデレラ(灰かぶり)の舞台となった国・ルーツは?
フランス(サンドリヨン・ディズニー映画などにおける舞台)
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童話『シンデレラ』に良く似た物語は世界中で書かれていますが、舞台となった国の1つにフランスが挙げられます。これについては、『サンドリヨン』の作家であるペローがフランス人であったことが理由であるとされています。
また、フランスには東京ディズニーランドの施設としても有名であり、ディズニー映画版の『シンデレラ』に登場する「シンデレラ城」は複数の城をモデルにしたとされており、モデルとなった城の1つとされているユッセ城やベルサイユ宮殿などもあります。
エジプト(最古のシンデレラ物語・ロードピス)
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童話『シンデレラ』と聞くと、その多くがヨーロッパ地域の貴族や王族、お姫様などのイメージを持つ方も多いでしょう。しかし、現在の『シンデレラ』のルーツとなった最古の物語は、実はエジプトを舞台としているという説もあるのです。
紀元前1世紀に書かれたとされているエジプト版の『シンデレラ』は、あらすじやおおまかな経緯は現代の『シンデレラ』と同じではありますが、主人公の名前が「ロードピス」という奴隷の少女となっている点やサンダル(=ガラスの靴)を鳥に奪い去られてしまう点など、現在の『シンデレラ』とは異なる点もいくつかあります。
シンデレラは殺人?実は残酷で怖いシンデレラのあらすじ
シンデレラは2人目の母親を殺していた!そのあらすじを紹介!
毎日いじめられていたシンデレラが、魔法で美しいお姫様に変身して、優しい王子様と結ばれて幸せなハッピーエンドを迎える…誰もが知っている『シンデレラ』のあらすじですが、実は『シンデレラ』の主人公・シンデレラは「殺人を犯した人間」であるという説もあるのです!
この話は、イタリアのジャン・バティスタ・バジーレが書いた『ペンタメローネ』という作品集の中に収録されている『灰かぶり猫』という物語に記載されています。『灰かぶり猫』においてシンデレラは、2人目の母親が自分に酷い仕打ちをしてくることを家庭教師に相談していました。
彼女の家庭教師は、彼女に「衣装箱の中にある服を出してもらうように頼みなさい。お母様が箱の中をかき回している間蓋を支えて、急に手を離して首を折ってやりなさい」と言います。彼女は実行に移し、母親の首を折ってしまったのです。その後、家庭教師が3人目の母親となり、現在の『シンデレラ』と同じ展開になります。
王子様の花嫁になるためにした姉達の行動が怖い!そのあらすじを紹介!
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童話『シンデレラ』において、ガラスの靴の持ち主を探し当てるシーンは有名ですよね。実は、グリム童話版におけるこのシーンの裏側で、継母が「自分の娘のどちらかが王子様の花嫁にさせる」という企みから、小さなガラスの靴に合うように、長女は爪先を、次女はかかとを切り落とすというグロテスクなシーンがあるのです。
また、一般的な『シンデレラ』では、シンデレラが王子様と結婚して幸せに暮らすというラストでした。しかし、グリム童話では「自分たちを良く扱ってもらえるように」とシンデレラに媚びた義姉達がシンデレラの両脇に止まっていた白鳩に、今までの行いの罰として目玉をくり抜かれるという恐ろしいシーンとなっているのです。
原作が本当は残酷で怖い童話・ディズニー映画5選
白雪姫(死体愛好家の王子様、白雪姫は何度も殺されかけていた!)
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ディズニー映画で最も古いとされている『白雪姫』ですが、グリム童話の『白雪姫』がモチーフとなっています。しかし、映画の内容とは異なり、原作では悲惨で怖い内容となっています。ディズニー映画の『白雪姫』では魔女でもある継母が登場しますが、原作では白雪姫の実の母親として登場します。
白雪姫の美しさに嫉妬した母親により、白雪姫は何度も殺されかけます。黄色と赤と青の絹の紐で絞殺されかけたり、毒の櫛を刺されて毒殺されかけたり…最後は良く知られている「毒りんご」によって毒殺されてしまうのです。毒りんごによって毒殺された白雪姫は、当時10歳という幼い少女でした。
また、ディズニー映画『白雪姫』では、キスによって目覚めた白雪姫が王子様と結ばれるという結末でしたが、原作での王子様はなんと「死体愛好家」という設定だったのです。『白雪姫』のロマンチックなキスシーンは元々「死体でもいいからもらい受ける」と言った王子様が白雪姫の死体にキスをするというシーンだったのです。
美女と野獣(元々は嫁入り前の女性を教育する内容だった!)
2017年に実写映画が上映されたことで、更に人気が高まった『美女と野獣』ですが、原作はボーモンの『美女と野獣』であり、ディズニー映画とは異なる裏設定がされているのです。その内容は、主に女性に対して「結婚生活の実態」を呼びかけるものであったとされています。
これについては、20世紀の心理学者であるブルーノ・ベッテルハイムという人が精神分析した結果に基づいた説です。『美女と野獣』に登場するベル(若い女性)を用いて、処女に結婚を前提としたセックスについて説明している物語であるという説明がされています。
結婚生活とは、野獣(=野蛮な男性)と暮らすものであるということを物語を通して伝えているのです。物語や童話は、人々の「教訓」となる一面も持ち合わせていることが多いため、『美女と野獣』もまた「結婚生活のなかで覚悟すべきこと」などを伝えていると考えて良いでしょう。
アリエル(アリエルは自殺していた!)
ディズニー映画『リトル・マーメイド』の主人公であり、人気の高いキャラクターでもあるアリエルですが、実は原作では自殺していたのです。
『リトル・マーメイド』の原作であるハンス・クリスチャン・アンデルセンの『人魚姫』のあらすじでは、王子様を助けたアリエルは王子様に愛されたいがために、海の魔女に人間にしてもらえるように頼みます。ディズニー映画では、人間の足を得る代わりに声を失うのですが、原作では「舌を切り取られてしまう」のです。
人間の足を得て、やっと王子様に愛されると信じたアリエルですが、歩くとナイフで刺されたような痛みに苦しみました。また、王子様は他の女性に恋をしていたのです。彼女は最終的に「王子様を殺して人間になる」か「海に飛び込んで泡になって死ぬ」かのどちらかの選択を迫られ、海に飛び込んで死んでしまうのです。
ラプンツェル(ラプンツェルは妊娠していた!)
ラプンツェルは元々グリム童話の物語の1つであり、ディズニー映画のあらすじでは、塔の上に幽閉されていたラプンツェルが自ら外の世界へ飛び出していくという活気のある内容でしたが、原作では、魔女によって出口のない塔に幽閉されたままになっています。
塔の上に幽閉されていたラプンツェルのもとに、偶然彼女の歌声を聴いた王子様がやって来て、2人は恋仲になります。毎晩逢瀬を重ねるうちに、ラプンツェルは服がどんどんきつくなっていくのを感じました。なんと、ラプンツェルは王子様との子どもを妊娠していたのです!
ラプンツェルの妊娠を知った魔女は怒り狂い、彼女の長い髪を切り落として、荒野に追放してしまいます。別の日にラプンツェルがいた塔へやって来た王子様ですが、塔の中では、ラプンツェルではなく魔女が待っていたことに絶望し、塔から飛び降りて死んでしまうという怖い内容になっています。
眠れる森の美女(オーロラ姫は性犯罪の被害者だった!)
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『眠れる森の美女』はディズニー映画のなかでも古く、物語に登場する魔女の視点を描いた『マレフィセント』という作品も人気が高い作品ですが、原作は原作はジャン・バティスタ・バジーレの『日と月とターリア』という作品で、あらすじや内容は悲惨なものとなっています。
オーロラ姫(原作ではターリアという名前)が呪いによって100年の眠りについた後に登場したのは、王子様ではなく、鷹狩りをしていた王様でした。オーロラ姫の美しさに心を奪われた王様は、眠っている姫をレイプしてしまいます。王女は呪いで眠ったままだったので、王様は行為が済むと、そのまま城へ帰ってしまいます。
王女はその後、眠ったまま双子の男女を出産します。丁度呪いがとける時間になり、城では双子の誕生を祝いました。しかし、王様が浮気をしたことに気づいたお妃様は嫉妬に狂い、双子を食べようとしたり、オーロラ姫を火あぶりで殺そうとしますが、登場人物達の助けによる、逆に火の中へ放り込まれてしまうのです。
赤ずきん(お婆さんの肉を赤ずきんが食べた!)
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グリム童話のなかでも多くの人に人気がある『赤ずきん』ですが、原作はグロテスクな描写が多いというのはご存知でしょうか。一般的に知られている『赤ずきん』では、狼に丸呑みにされたお婆さんと赤ずきんは狩人によって助けられるという結末になっています。
しかし、原作の『赤ずきん』では、お婆さんを噛み殺した狼は、お婆さんの死体を肉の塊にして戸棚にしまっていました。その後、狼に騙された赤ずきんは、お婆さんの血や肉を干し肉やワインとして食べ尽くしてしまうという怖い内容になっているのです。
ディズニー映画の知られざる原作!刺激的で怖いグリム童話を読んでみよう!
いかがでしたでしょうか?今でこそディズニー映画の題材として、大人から子どもまで多くの人に愛されてきた『シンデレラ』ですが、その原作には全く異なる刺激的な世界が広がっていました。「怖いけれど…読んでみたい!」と思った方は是非一度、恐ろしいグリム童話の世界に入り込んでみてはいかがでしょうか。
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