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プロレスはどこまでがやらせ?|勝敗の基準・ルール・流血の仕組みは?

更新:2019.06.21

プロレスはショーとも言われる興行になりますが、勝敗の基準・ルール・流血の仕組み等を踏まえると、どこまでがやらせになるのでしょうか。また演技やシナリオ・台本等があるのでしょうか。実はプロレスは様々な仕組みによりその興行が成り立っています。その仕組みを今日は見ていきましょう。

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プロレスのルールは?

プロレスのルール①基本的な流れ

契約

今や大晦日にも試合が放映されて国民的に注目されている競技、それがプロレスです。打撃に投げ技、そして寝技に乱闘等、真剣勝負でそれらが行われているという認識だからこそ、ここまで日本中が注目をしてきた、というものですが、実はこれらがシナリオのあるやらせだったと聞いたらその認識が変わるかもしれませんよね。

まずはプロレスの基本的な流れから見ていきましょう。団体によってルールの違いは若干ありますが、基本的には正方形のリングの上でゴングが鳴ったら試合開始で、打撃や投げ技等で相手を苦しめてギブアップをさせたり、試合続行が不能な状態にまでダメージを与える、そして勝敗が決する流れになります。

プロレスのルール②試合形式について

殴られる人

プロレスの試合形式には試合に参加する選手の人数によってシングルマッチ、タッグマッチ等があり、また多くの選手がリング上で戦うバトルロイヤルという試合形式もあります。体が大きい選手が有利になる場合が多いため、団体により試合を階級別で行っている場合も少なくありません。

リングは基本的に正方形のマットの角に4本の支柱を立ててゴム製のロープで四方を囲むような形式で行われますが、これが六角形で行われたケースもあります。またデスマッチと呼ばれる特殊ルールではゴム製のロープではなく有刺鉄線等に変えて、試合を盛り上げるような趣向を凝らした試合も行われています。

プロレスのルール③基本的なプロレス用語

メモ

プロレスの話をする上では欠かせないプロレス用語もいくつか存在しますので、その用語も見ていきましょう。下記にまとめましたので、下記を押さえていただければプロレス初心者の方でも大丈夫ですよ。

プロレスの基本用語

  • レフェリー:試合の審判員のこと
  • セコンド:双方の選手側に付くアドバイザー/サポーターのこと
  • ノックアウト(KO):レフェリーが10カウントしている間に立ち上がれない場合はその選手の負けが確定する
  • フォール:対戦相手の両肩をマットに付けることで、レフェリーが3カウントをすると勝ちが確定する
  • 〇分間〇本勝負:例えば3分間10本勝負の場合は、1R(ラウンド)3分の試合を10回行うことを意味する
  • 判定:〇分間〇本勝負でノックアウトやフォール等で明確な勝敗が決まらなかった場合はレフェリー(複数名)により勝敗を判定することとなる

プロレスにはシナリオがある?どこまでがやらせなの?

シナリオありの「やらせ」と疑われ始めたのはいつからか

疑問

実は現状アメリカの団体をはじめとして、ある程度のシナリオややらせが入っていることをプロレス界では公表をしています。「プロレスのやらせ疑惑」はもはや確信になっているのです。ただし「シュート」と言われるようなどこまでも真剣勝負のような試合もあり、試合の中で命を落としている選手も少なくないのも事実です。

当然ここではどこまでがシナリオのあるやらせでどこまでが真剣勝負なのかということについて説明をしていきますが、「やらせ」という視点ではなくどうか「エンターテイメント」という捉え方をしていただけたら嬉しいです。すべては観客を沸かせるために仕組まれていることなのです。

日本のプロレスは第二次世界大戦後、1950年代から火が付き始めましたが、その頃からすでに「やらせ」の疑いがありました。しかしながら現状では小島聡さん等、「プロレスはショーだ」という形でそのエンターテイメント性を強くアピールしている選手も出てきています。

シナリオのあるやらせの疑惑があった試合は?

戦い

そもそも戦後に日本のプロレスに火が付いた背景としては1951年に力道山がプロレスデビューをした年が日本のプロレス元年と言われています。その当時は当然戦後で反米感情が根強くあり、力道山が空手チョップ等の技で外国人レスラーを次々と倒していく姿が当時の日本人にとっては爽快で急激に人気を上げていきました。

しかしながら一方で当時から冷ややかな意見としては「あんなチョップで本当に外国人のレスラーがダメージを受けているんだろうか」というものもありました。しかしながらそれは「やらせ」というよりは興行としてのプロレスであり、確立された「ショー」であり「エンターテイメント」だったということになります。

アメリカではプロレスに台本・シナリオがあり演技ややらせがあると公表

OKサイン

アメリカのプロレス団体「WWE」は、ニューヨーク証券取引所に上場している団体ですが、上場企業の条件として、プロレスの試合のシナリオ・ストーリーを公開することが義務付けられています。そのため、シナリオ・ストーリーがあることを公に公開しているのです。

日本には一部上場している団体はないのですが、新日本プロレスが2020年には上場を目指しており、その場合には「WWE」と同じような状況でブックの定期的な提出等があるのかどうか、注目が集まるところでもあります。

勝敗や進行・流血の仕組みなども含めどこまでがシナリオのあるやらせなのか

悩む人

アメリカの団体「WWE」では「ブック」という台本が各試合にあり、それには試合の流れや勝敗の結果までが書かれていると公表されています。日本には上場されている団体はないため公に「ブックがある」と公表している団体はありませんが、「ブック」はあるとされているのが通説になっています。

「ブック」に書かれているのは試合の結果と決め技等の大まかな流れになります。つまり「ブック」がある試合では技をかけられて痛がる演技が書かれているため、技をかけた後にしばらく立ち上がって来ないことが事前に分かっているので決めポーズを取ったり出来るわけです。真剣勝負ではそんな油断はできませんよね。

日本のプロレス団体においては「ここで痛がる演技をして流血をしてもがき苦しんでいる間に決めポーズを取って、次の技をかける準備をする」というような演技の内容や流血の仕組みまでどこまで事細かに定めたブックがあるとは公表はされてはいないものの、シナリオはあるとされているのが一般的になります。

プロレスの勝敗の基準は?

ルール上の勝敗の基準

男女グループ

まずはプロレスの基本的なルールを押さえておきましょう。プロレスは基本的に何分間何本勝負、という形で行われます。これは例えば選手が所属する団体や、どの選手同士が対戦するのか、そのカードによって変わってきます。その時間内に、対戦相手に勝つ必要があり、それが叶わない場合は判定での勝敗決めに持ち越されます。

プロレスのルールが難しい部分はどうすれば勝ちになるのか、という部分になるかと思います。当然口頭でギブアップと言えば負けになりますし、有名なものではセコンドがタオルを投げ入れた場合は負けになります。他にも様々な勝敗の判定方法がありますので、下記にまとめますがここを押さえると楽しく観戦ができるでしょう。


プロレスの基本的な勝敗

  • フォール:対戦相手の両肩をマットに押しつけてレフェリーが3カウント数えたのち、ゴングが鳴ってその選手の負けが確定する
  • ノックアウト(KO):レフェリーが10カウントしている間に立ち上がれない場合はゴングが鳴ってその選手の負けが確定する
  • リングアウト:リングから出て20カウント戻ってこない場合(10カウントのルールもある)ゴングが鳴ってその選手の負けが確定する
  • ギブアップ:口頭での負けの意思表示が選手からレフェリーに対してあった場合はゴングが鳴ってその選手の負けが確定する
  • タップアウト:相手の体の一部かマットを掌で叩いた場合はゴングが鳴ってその選手の負けが確定する
  • レフェリーストップ:レフェリーが選手の体調を鑑みて試合続行不可能と判断した場合はゴングが鳴ってその選手の負けが確定する
  • TKO:セコンドからリングへタオルの投下があった場合はゴングが鳴ってその選手の負けが確定する

台本に書かれたシナリオ上の勝敗の基準

バーベル

台本には、勝敗の結果が書かれていることはまず間違いはないでしょう。シナリオ上には決め技や勝ち方について指定がある場合とない場合があります。ただしその決め技等や勝ちに行くタイミングが明確でないと時間切れになり勝負が付かないリスクがあるため事前の打ち合わせ等もあるようです。

また「ブック」に定められた通りのシナリオにならなかったために想定外の怪我をすることとなり、裁判になった例も過去にはあります。そういった背景からも「ブック」に定められたストーリと勝敗の結果を遵守することはプロレス界において非常に大切なことであると言えるでしょう。

プロレスの流血の仕組みは?

プロレスの流血もやらせ

包帯

プロレスの技は、例えばパイルドライバーやブレーンバスター等、大技になればなるほどかけられる相手側の協力なしではかけられないと言われています。そういった意味では技の掛け合いそのものもどこまでかの線引きはあるもののやらせになっている、と言えるでしょう。

また流血については技がかかった後に自分からマットに頭を強くこすって流血をさせたり、打撃を受けた際の痛そうな音については自分で太腿等を叩いて鳴らしている場合が多くあります。技がかかり自然に流血した、音が鳴ったということもあるかもしれませんが、音が出る仕組みや流血の仕組みがそこにはあるわけです。

身を削って勝負に人を賭しているプロレスラーたち

走る男

とはいえプロレスラーは誰もが試合を盛り上げることができるようで命がけでパフォーマンスをしています。技が来るのが分かっていても、技を受けるのも命がけだということです。もしもシナリオがなくどこからどんな技が飛んでくるか分からなかったら、プロレスはもっと血なまぐさいものになっているでしょう。

プロレスラーが命がけで盛り上がるようにパフォーマンスをしてくれているからこそ、プロレスは興行として成り立っているわけです。そこにシナリオの書かれた「ブック」があり勝敗の結果が決まっていて、演技ややらせがあったとしてもその価値は下がらないことでしょう。

プロレスの台本に書かれているシナリオは?

プロレスの台本に書かれているシナリオ

広げたノート

「ブック」に書かれていることは団体や、カード(対戦相手の組み合わせ)によっても変わってきます。事細かに試合のシナリオや進行について書かれている「ブック」もあれば、試合の大まかな流れと勝敗の結果だけが書いてあるものもあります。そのため、どこまでがやらせで演技なのかというのは試合ごとに言及はできません。

しかしながら日本のプロレスの試合では「シュート」と言って真剣勝負に近く、勝敗が決まっていない試合もあります。1999年の初戦については「シュート」だったと言われています。ただし、そのような試合は少なく、「ブック」に書かれたシナリオにより少なくとも勝敗の結果が指示されている試合が大部分となるでしょう。

また「ブック破り」というものがあり、これは「ブック」に記されたシナリオの内容に添わず、勝敗の結果までその逆を行くような内容になります。過去には団体ぐるみでブック破りが行われた事例「モントリオール事件」があり、これはWWEによるブック破りでプロレス界では大事件だったと言われています。

試合は生もの

喜ぶ人

プロレスは「エンターテイメント」であり台本はある、という認識で今後は観戦して間違いはないでしょう。しかしながら勝敗等の結果が台本のシナリオにより決まっている試合の方が多くても、真剣勝負に近い内容のものも交じっており、また「ブック」の有無に関わらすプロレスラーはいつでも命の危険と隣り合わせです。

逆にプロレスのようなものにもしも「ブック」のような台本が皆無ですべてが真剣勝負だったら、危なすぎて楽しんで観戦できるようなものにはならないでしょう。中にはリアルな殺人現場を目の当たりにしてしまうような試合がされるかもしれません。「ブック」にシナリオがあるからこそ私たちはプロレスに熱狂できるのです。

そして、試合の中に命を落としたり、怪我や重度の後遺症に苦しむ選手も少なくありません。リングの中で行われているのは命がけの勝負であることは「ブック」の有無にかかわらず間違いはないことでしょう。今後もプロレスというエンターテイメントを楽しんでいけたらいいですよね。

プロレスの仕組みを知ってプロレスの試合を心から楽しもう

プロレスに台本があることが幅広く知られてはいますが、それでも熱狂的なプロレスファンは数多く存在します。それは、シナリオがあってもプロレスにはエンターテイメントの魅力が大いにあるから、ということに他なりません。新たな目線で、これからもプロレスを楽しんで行けたらいいですよね。

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