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「飲む」の尊敬語・謙譲語・丁寧語は?敬語の使い方と用例を徹底解説!

更新:2019.06.21

「飲む」という動作は日常生活でよく行います。相手に飲み物を勧める、自分が飲み物をもらうなど、その場面は様々です。では「飲む」を尊敬語・謙譲語・丁寧語で伝える場合、どうやって表現すればいいのでしょうか?今回は「飲む」の敬語の使い方と用例について解説していきます。

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「飲む」の敬語表現は?

「飲む」の尊敬語:「お飲みになる」「召し上がる」

飲む

尊敬語は相手に敬意を示し、相手を上にする表現です。ビジネスシーンでは上司や先方に対して使用する場面が多くあります。この場合に使用するのが「飲む」の尊敬語である「お飲みになる」と「召し上がる」です。

「召し上がる」は「飲む」のほかに「食べる」でも使用する言葉です。なので「召し上がる」を使用する場合は、飲み物の事か食べ物の事か分かるように伝えましょう。

「飲む」の謙譲語:「いただく」

飲む

「飲む」の謙譲語は「いただく」です。相手を上にして表現する尊敬語に対して、自分を下にして表現する言葉が謙譲語です。他者が絡んだ状況で「飲む」動作を自分が行う場合に「いただく」を使用します。

「飲む」の丁寧語:「飲みます」

飲む

「飲む」の丁寧語は「飲みます」です。丁寧語は、言葉をです・ます調にする表現であり、畏まり過ぎず、丁寧に話したいという時に使うことが多い敬語です。あまり上下関係を気にせず話せる、同僚やご近所の方との会話などでよく耳にします。

そのため、「飲む」の丁寧語をビジネスシーンで使うのはあまり好まれません。相手によっては失礼だと思われることも。ビジネスシーンではその場にいる方に合わせて、できるだけ「飲む」の尊敬語と謙譲語を使うよう心掛けましょう。

【状況別】尊敬語「飲む」の正しい使い方と例文

「飲む」の尊敬語の使い方①目上の人に尋ねる時

上司

「飲む」の尊敬語を使った例文①

  • 課長は何をお飲みになりますか?
  • (取引先の)○○さんは、飲み物は何を召し上がりますか?

同僚ならば「何か飲みますか?」と気軽に聞くこともできますが、これが上司や取引先の方相手の場合はそういう訳にもいきません。相手が目上の人になる時は失礼にならないように「飲む」の尊敬語を使いましょう。


「何をお飲みになりますか?」「お飲み物は何を召し上がりますか?」と丁寧に尋ねることで相手にも良い印象を与える事ができます。

「飲む」の尊敬語の使い方②先方に飲み物を出す時

飲み物

「飲む」の尊敬語を使った例文②

  • どうぞ、お飲みください。
  • 冷めないうちにお召し上がりください。

先方やお客様を飲み物でもてなす時も「飲む」の尊敬語を使いましょう。「どうぞ、お飲みください」、「お召し上がりください」と声を掛けることで、相手に敬意を払う表現になります。

「お召し上がりください」という表現は、よく見聞きする言い回しですよね。これは「お・~ください」と「召し上がる」が一緒になっている二重敬語です。本来ならば間違いなのですが、広く世間に定着している言い回しであるため、今では尊敬語として問題なく使用できます。

「飲む」の尊敬語の使い方③上司と先方に何を飲むか尋ねる時

ビール

「飲む」の尊敬語を使った例文③

  • 課長は何をお飲みになりますか?
  • (先方の)○○さんは、飲み物は何を召し上がりますか?

上司と取引先の方と一緒に食事をする場合、飲み物を何にするか尋ねる際に何と声をかけていいか迷いませんか?どちらも自分の目上にあたる存在ですが、この場合に立てなければいけないのは先方です。先方には「飲む」の尊敬語でも、より丁寧な「召し上がる」を使いましょう。

つまり、この場合は「課長は何をお飲みになりますか?」「(先方の)○○さんは、飲み物は何を召し上がりますか?」と尋ねるのがベストです。

【状況別】謙譲語「飲む」の正しい使い方と例文

「飲む」の謙譲語の使い方①出向先で飲み物を出された時

コーヒー

「飲む」の謙譲語を使った例文①

  • ありがとうございます。いただきます。

先方の会社に出向いた際、コーヒーなどでもてなされる事もあるでしょう。そんな時、何も言わずに手を付けるのは失礼です。飲み物を出されたときは感謝の言葉を伝えるとともに、「飲む」の謙譲語を使って「いただきます」と一言伝えましょう。


「飲む」の謙譲語の使い方②先方と食事をする時

飲み物

「飲む」の謙譲語を使った例文②

  • 私はコーヒーをいただきます。

先方と一緒に食事に行って、飲み物は何にするか尋ねられた。つい「私はコーヒーにします」なんて言ってしまいそうですが、これでは丁寧さが足りない気がしますよね。

このように先方に尋ねられた時は「飲む」の謙譲語「いただく」を使いましょう。「私はコーヒーをいただきます」と答えられれば、先方も言葉遣いがしっかりした人だと思ってくれるでしょう。

「飲む」の謙譲語の使い方③上司を含む飲み会に参加した時

ビール

「飲む」の謙譲語を使った例文③

  • 一杯、いただきます。
  • もう十分いただきました。ありがとうございます。

仕事をしていると少なからず飲み会に参加する機会がありますよね。上司からお酌を受ける時は「いただきます」と言いましょう。もちろんお礼を言うことも忘れないように。

もうこれ以上は飲めないという時は「もう十分いただきました。ありがとうございます」と伝えましょう。「飲む」の謙譲語である「いただく」を使うことで、「もう飲みません」や「もう結構です」と伝えるよりも丁寧な印象を与える事ができます。

【状況別】丁寧語「飲む」の正しい使い方と例文

「飲む」の丁寧語の使い方①自分で用意したものを飲んだ時

紅茶

「飲む」の丁寧語を使った例文①

  • コーヒーを飲みます。
  • 今朝は紅茶を飲みました。

自分で用意した飲み物を飲む。この行動を誰かに伝える時に「コーヒーをいただきました」なんて伝えると、まるで誰かからコーヒーを貰ったような印象を受けますよね。

他人が絡むことがなく、自分だけで行う事に謙譲語の「いただく」を使うのは間違いです。自分が「飲む」事を伝える時は、丁寧語の「飲みます」を使って「コーヒーを飲みました」と言うのが普通です。


「飲む」の丁寧語の使い方②親戚が訪ねてきた時

飲み物

「飲む」の丁寧語を使った例文②

  • 叔母さんは何を飲みますか?
  • 叔父さんはお酒を飲みますか?

小さい頃に会った事はあるけど、話したことはあまりないから、丁寧に対応したい。だけど身内の方だから、そこまで畏まった表現はしたくない。そう思ったら、丁寧語を使うのをお勧めします。

「叔母さんは何を飲みますか?」「叔父さんはお酒を飲みますか?」というように、「飲む」の丁寧語を使うことで、適度に親しい雰囲気を出しつつも丁寧な表現ができます。

「飲む」の丁寧語の使い方③年上の同僚と食事に行く時

同僚

「飲む」の丁寧語を使った例文③

  • ○○さんは何を飲みますか?
  • 私は紅茶を飲みます。

立場は同じでも、相手を敬いたいなら丁寧語を使うのをお勧めします。年上でも同僚相手に尊敬語や謙譲語を使って会話するのは堅苦しい気がしますよね。「飲む」の丁寧語「飲みます」を使って「○○さんは何を飲みますか?」、「私は紅茶を飲みます」と言う方が親しみを感じることができるでしょう。

丁寧語は上下関係が薄くなりつつも丁寧な表現ができます。年上の同僚に「コーヒーは飲むの?」と聞かれて「はい、飲みます」、「いいえ、飲みません」と答えても失礼にはならないでしょう。

「飲む」の間違った使い方と例文

「飲む」の間違った使い方①

ドリンク

「飲む」を二重敬語にした間違いの例文①

  • お飲みになられますか?
  • お召し上がりになられました。

敬語でよく見られる間違いが二重敬語です。相手に失礼が無いようにと考えて、より丁寧に話しているつもりでも正しい日本語にはなっていないのです。

例えば「お飲みになられる」や「お召し上がりになられる」が二重敬語になります。飲むの尊敬語は「お飲みになる」「召し上がる」ですよね。この尊敬語に更に尊敬語の「~れる」、「~られる」がくっつくことで二重敬語になってしまっています。

尊敬語を使う時はあまり難しく考えすぎる必要はありません。「お飲みになりますか?」、「召し上がりください」とシンプルに相手に伝えましょう。

「飲む」の間違った使い方②

ドリンク

「飲む」を二重敬語にした間違いの例文②

  • コーヒーいただかせていただきました。
  • 飲み物をいただかせていただきます。

上記で尊敬語の二重敬語について説明しましたが、謙譲語でも二重敬語になってしまう表現があります。それが謙譲語の「~させていただく」という言葉をくっつけるパターンです。

例えば、先方からコーヒーの差し入れをもらった時に「コーヒーいただかせていただきました」と伝えるのは間違いです。「飲む」を謙譲語で表現したいならば「いただく」を使って、「コーヒーいただきました」が正しい表現です。

尊敬語の「~られる」、謙譲語の「~させていただく」は間違って使われている事が多くあります。過剰に敬語を使って、それを相手に指摘されてしまうのも恥ずかしいですよね。敬語を使う時は二重敬語にならないように気を付けましょう。

「飲む」の間違った使い方③

ドリンク

「飲む」の尊敬語を使った間違いの例文③

  • 課長はお茶を飲まれますか?
  • ○○さんはワインを飲まれました。

「~れる」は尊敬語の表現であると説明しました。「飲む」の尊敬語の表現は「飲まれる」、「お飲みになる」、「召し上がる」の順番で敬意が高くなります。そのためか、目上の方に「飲まれる」を使うと、敬意がないと思われがちです。

また、「飲まれる」と言う表現は「相手に自分の飲み物を飲まれた」というように、受け身の意味でも使われます。「飲まれる」はこちらの意味合いで使われることが多いため、尊敬語として使う際は注意が必要です。

「飲まれる」は尊敬語として間違いという訳ではないのですが、余計なトラブルは避けるに越したことはありません。なるべく、目上の方には「お飲みになる」、「召し上がる」を使うように心掛けておきましょう。

「飲む」の尊敬語・謙譲語・丁寧語を上手に使いこなそう!

「飲む」の敬語表現について説明してきましたが、いかがでしたか?尊敬語の「お飲みになる」、「召し上がる」、謙譲語の「いただく」、丁寧語の「飲みます」。それぞれ、使うべき状況を覚えていれば、敬語を使うのもそんなに難しくありません。上手く使い分けて、正しい敬語表現を身につけましょう!

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