「死ぬ」の尊敬語・謙譲語・丁寧語は?敬語の使い方と用例を徹底解説!
更新:2019.06.21
「死ぬ」の敬語ご存知でしょうか?家族や親せき・職場や友人など、生活する上で必要な人間関係の中で避けたくても避けられないのが、大切な人たちの「死」ですよね。そんな大切な場面に必要な「死ぬ」という言葉の使い方を尊敬語・謙譲語・丁寧語、さらには状況別に解説していきます!
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INDEX
「死ぬ」の敬語表現は?
「死ぬ」の丁寧語:「亡くなる」「逝去する」
誰かが死んだときに、そのまま「死ぬ」という言葉を使うことは死者に対して失礼にあたります。そのため「死ぬ」には色々な婉曲的表現があります。また死者との関係性や、伝える相手によっても使い分けが必要です。どのような言い回しがあるのか、「死ぬ」の丁寧語・尊敬語・謙譲語、色々な敬語表現をみていきましょう。
「死ぬ」の丁寧語は、「亡くなる」「逝去する」です。丁寧語は、上司や目上の方に、堅苦しくなりすぎず、ただし丁寧に伝えるときに使います。死という直接的な言葉は避けることが基本なので、婉曲的な表現をすることが大切です。「亡くなる」「逝去する」は、死者に敬意を払いつつ、伝える側にも丁寧な言葉遣いになります。
元々は「亡くなる」という言葉は尊敬語であったため、身内には使っていませんでした。しかし最近では、「死ぬ」の婉曲表現として、最もよく使われる言葉の一つとなっており、身内の死に対しても使うことができます。また、「亡くなる」「逝去する」は、話し言葉・書き言葉両方に使うことができます。
「死ぬ」の尊敬語:「お亡くなりになる」「ご逝去する」「崩御する」
「死ぬ」の尊敬語は、「お亡くなりになる」「ご逝去する」です。丁寧語の「亡くなる」「逝去する」をより丁寧かつ敬意を込めた表現となります。目上の方の死に対して、もしくは目上の方に誰かの死を伝えるときに使います。ただし、身内の死に対して「逝去する」という言葉を使うのは不自然ですので気をつけましょう。
「お亡くなりになる」よりも、もっと敬意を込めた尊敬語があります。それは「死ぬ」の最高敬語である、「崩御(ほうぎょ)する」です。最高敬語とは、天皇や皇族に対して使う最上級の敬意を払った敬語です。身内や目上の人の死に対しては用いず、天皇や皇族のみに対して使用できる言葉となります。
「死ぬ」の謙譲語は存在しない
実は、「死ぬ」には明確な謙譲語は存在しません。自分が死んだ場合には、それを伝えることはできないですもんね。また、元々、死は尊いものと考えられていることも理由のようです。
それでは、身内の死を周りに伝える場合はどうしたら良いのでしょうか?その場合は、謙譲語を使う代わりに別の言い方に変えることが一般的です。例えば「他界しました」「息を引き取りました」などと言い換えることができます。
「死ぬ」の丁寧語・尊敬語・謙譲語を見てきましたが、明確な違いを答えられますか?以下の記事では、その違いを丁寧に説明しているので、必ずチェックしましょう。
【状況別】丁寧語「死ぬ」の正しい使い方と例文
「死ぬ」の丁寧語の使い方と例文①:身内の死を友人に伝える時
「死ぬ」の丁寧語である「亡くなる」「逝去する」を、実際にどのような状況で使うのでしょうか?ここでは、正しい使い方と例文をご紹介いたします。
身内の死を友人に伝える時には、「死ぬ」の丁寧語である「亡くなる」を用いて、「祖母が亡くなった」「親戚が亡くなった」のように使うと良いでしょう。身内の死を伝える時は、「死ぬ」の丁寧語である「逝去する」という言葉を使うのは不自然です。「祖母が逝去する」と言うことはできないので注意をしましょう。
「死ぬ」の丁寧語の使い方と例文②:友人・知人の死を手紙に書く時
話し言葉ではなく、書き言葉のときも丁寧語を使うことができます。友人・知人の死を手紙などの文章にして書いて伝える場合は、「死ぬ」の丁寧語である「亡くなる」「逝去する」を使います。「元クラスメイトの●●さんが亡くなったそうです」「中学校同級生でした●●さんが逝去しました」等のように使うことができます。
「死ぬ」の丁寧語の使い方と例文③:会社の人の死を身内に伝える時
会社の上司や同僚の死を両親に伝える時は、「死ぬ」の丁寧語である「亡くなる」「逝去する」を用いるのが自然です。「お世話になってる●●課長が亡くなった」「同期の●●さんが逝去された」等のように使うことができます。死者には敬意を払いつつ、堅苦しくない自然な表現となります。
【状況別】尊敬語「死ぬ」の正しい使い方と例文
「死ぬ」の尊敬語の使い方と例文①:上司の死を会社の人に伝える時
「死ぬ」の尊敬語である「お亡くなりになる」「ご逝去する」「崩御する」を、実際にどのような状況で使うのでしょうか?ここでは、正しい使い方と例文をご紹介いたします。
会社の人に、上司の死を伝える時は、「死ぬ」の尊敬語を用いて敬意を払います。丁寧語よりもっと敬意を払った言い回しとなります。「●●部長がお亡くなりになりました」「●●会長がご逝去されました」のように用います。死者に対してはもちろん、伝えた相手にも敬意を払うことのできる丁寧な表現となります。
「死ぬ」の尊敬語の使い方と例文②:芸能人の死を報道する時
有名芸能人の死の報道の時は、「死ぬ」の尊敬語である「お亡くなりになる」「ご逝去する」を使われることが一般的です。死者に対する敬意に加えて、視聴者に対しても敬意を払い、丁寧な印象を与える表現となります。「タレントの●●さんがお亡くなりになりました」のように使われます。
「死ぬ」の尊敬語の使い方と例文③:天皇の死に対して用いる時
日本の天皇陛下の死を報道するときには、「死ぬ」の最高敬語を用います。「天皇陛下が崩御(ほうぎょ)されました」のように話すことになります。なかなか普段は耳慣れない言葉かと思いますが、しっかりと理解をしておきましょう。
【状況別】謙譲語「死ぬ」の正しい使い方と例文
「死ぬ」の謙譲語の使い方と例文①:「永眠する」
前述のように、「死ぬ」の謙譲語は明確に存在せず、別の言い回しをする必要があります。なぜなら死者へは常に敬意を払った言い方となり謙譲して言う場面がないからです。ここでは身内の死を伝える時に使える、謙譲語の代わりに使える別の言い回しの例文をご紹介していきます。
死、という言葉を避けて婉曲的に表現する言い回しの一つに「永眠する」があります。文字通り永い眠りにつく、という「死ぬ」を表す言い回しの一つで、情緒的な言い方になります。「祖母は100歳で永眠した」のように身内にも使うことができ、死者へ敬意を込めた言葉です。
「死ぬ」の謙譲語の使い方と例文②:「息を引き取る」
身内の死によく使われる言葉の一つに「息を引き取る」があります。呼吸が止まることを表現した言葉で、「死ぬ」という意味があります。死者を主観とした言葉になるため、死者と関係が近い身内が使える表現となります。「昨日、母が息を引き取りました」のように比較的新しく起こった事象に対して使われることが多いです。
「死ぬ」の謙譲語の使い方と例文③:「他界する」
他界とは、仏教用語で死後の世界のことを指します。「死ぬ」の婉曲表現としてよく使われる表現の一つです。日本は仏教様式での葬儀が多いこともありよく使われます。「両親共に他界している」のように使うことができます。尊敬語としても使用することができ、その場合には「他界なさる」「他界なさった」のように用います。
「死ぬ」の謙譲語の使い方と例文④:「身罷(みまか)る」
「身罷(みまか)る」という言葉も身内の死を伝えるときの言い回しの一つです。大和言葉として、古く使われていた言葉で、この世から身を退出させるというのが本来の意味です。最近ではあまり使われない古風な言い回しではありますが、「昨年、父が身罷(みまか)りました」のように使うことできます。
「死ぬ」の間違った使い方と例文
「死ぬ」の間違った使い方と例文①「お亡くなりになられました」
よく「お亡くなりになられました」という言葉を耳にしますが、こちらは間違いなので注意が必要です。敬語の「お亡くなりになる」に尊敬語の「られる」を追加して、より一層敬意を払っているかのようにも見えますが、二重敬語となってしまうので、間違った用法です。
敬語の「お~なる」もしくは「られる」どちらか一方だけを用いて、「お亡くなりになる」「亡くなられた」が正しい使い方となります。不要な「られる」をつけてしまわないよう気をつけましょう。
POINT
使用例
×「社長がお亡くなりになられました」 〇「社長がお亡くなりになりました」
「死ぬ」の間違った使い方と例文②「叔父が逝去しました」
「死ぬ」の丁寧語である「逝去」ですが、敬意の度合いが高いため、身内の死に対して使用するのは不自然です。例えばお客様に対して「弊社の社長がおっしゃりました」とは言わないですよね。身内の死を伝えるときは「叔父が亡くなりました」が正しい表現となります。
POINT
使用例
×「叔父が逝去しました」 ×「叔父がご逝去されました」 〇「叔父が亡くなりました」
「死ぬ」の間違った使い方と例文③キリスト教信者に対して「他界しました」
「死ぬ」の婉曲表現の一つである、「他界する」という言葉は、仏教用語です。日本では行われている葬儀の方式は、仏教様式のものが多いです宗教色の強い言葉となりますので、他の宗教の信者の死に対しては避けた方が無難となります。仏教では、魂は死後の世界へ行くと考えられているため、このような表現が使われています。
ちなみにキリスト教では、「他界する」の代わりに別の表現があります。プロテスタント教では「召天する」、カトリック教では「帰天する」という言葉を使うことがあります。
POINT
使用例
×(キリスト教徒に対して)「彼は他界しました」 〇(プロテスタント教徒に対して)「彼は召天しました」 〇(カトリック教徒に対して)「彼は帰天しました」
「死ぬ」の敬語をしっかり覚えて大切な場面で使えるようにしましょう
「死ぬ」の敬語について、しっかりと理解することができたでしょうか。生きていく上で、死は避けられないものです。大切な人の死は誰にとっても悲しい出来事です。でも、だからこそ死者にしっかりと敬意を込めて言葉にできるようにしたいですよね。
「死ぬ」の敬語には、伝える相手や、死者との関係性によって、色々な言い回しがあります。正しい敬語表現を理解して、状況に応じた美しい言葉遣いを心がけましょう。
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