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共依存とはいったいどういう意味?
お互いに依存している状態のことをいう
共依存という言葉を聞いたことはありますか?共依存とは、お互いに依存し合っている状態のことをいいます。「彼には私がいないとダメなの!」「彼がいないと、私は生きていけないの!」という言葉を聞いたことはありませんか?これは、立派な共依存関係に陥っている方が発する言葉です。
自分のことを犠牲にしてまでも相手に尽くす人と、その相手に依存してしまう人。この2人の関係が共依存関係という関係性なのです。お互いに依存し合っているので、その状態から抜け出すことは非常に困難だとされています。また、共依存状態であることを自覚することも難しいことです。
日本では共依存関係が多く潜んでいる
日本では、古くから亭主関白な男性と、それを支える女性という夫婦像が美徳とされ続けてきました。しかし、この夫婦像こそが共依存の関係とかなり似通っているのです。そのため、日本では、こういった夫婦像の裏に、共依存関係が多く潜んでいます。
日本の夫婦は、共依存関係に陥っている場合でも、それを自覚できなかったり、日本の理想の夫婦像の裏に隠れてしまったりするのです。日本は、欧米諸国と比べて、共依存関係が明るみに出にくく、問題視されづらい背景にあります。
共依存な人に当てはまりやすい特徴15選
1.他人に尽くすタイプである
共依存に陥りやすい人は、とにかく相手に尽くしたがります。普通に相手に尽くしたいと思う分にはいいのですが、共依存に陥りやすい人はそれが病的です。相手に尽くすことが自分の幸せだと考えるタイプなので、下手をすると相手の何もかもをお世話したがります。
まるで、相手を子どものお世話をするかのように扱おうとするのが特徴で、一般的な尽くしたがりの女性とは一線を画します。とにかく病的に相手に尽くしたがっている人は、共依存に陥りやすい可能性があります。
2.幼少期、両親からの愛情が不足していた
幼少期、両親からの愛情が不足していた人は、とにかく人に愛されたい・かまってもらいたいと感じるのが特徴。それが転じて、愛されるためならなんでもする!という考え方に陥ってしまう場合があります。そうなってしまうと、共依存関係に陥りやすくなるのです。
3.人に感謝されることが好きである
人に感謝されるという経験は、誰にでもある経験かと思います。そして、それを嫌だと感じる人はまずいませんよね。しかし、病的に人に感謝されることが好きだという人は、注意が必要です。
共依存関係に陥りやすい人は、とにかく愛されたい・依存されたいと感じている人が多いです。病的に人に感謝されるのが好きだという人は、これに当てはまりますね。人からの依存ありきで自分の存在意義を感じるのは、やめたほうがいいでしょう。
4.相手の気持ちを察することが得意
共依存関係に陥りやすい人は、人に尽くすことが好きなので、他人の気持ちを察するのが得意なのが特徴。多少なら相手の気持ちを察して動くのはマナーかもしれませんが、共依存関係に陥りやすい人は、相手の気持ちを察しすぎる傾向にあります。
相手の気持ちを察しすぎて、逆に落ち込んだり、マイナス思考に陥ったりしてしまうことも。相手の気持ちを察することは、多少ならいいかもしれませんが、察しすぎるのは自分の心の健康にもよくありません。
5.依存心が強いほうだ
依存心が強い方も、注意が必要です。共依存関係というくらいですから、依存心が強い人は、共依存に陥りやすい可能性があるのです。とくに、甘えん坊・さみしがり屋の人は依存心が強くなってしまう傾向があります。それらに当てはまる人は、注意したほうが良いでしょう。
6.LINEの返信は早ければ早いほどいい
あなたは、相手からLINEの返信がどれくらい来なかったら心配になりますか?10分以内だと答えた人は、少し依存心が強めかもしれません。共依存関係に陥りやすい人は、相手への依存心が高いため、LINEの返信が遅いと「嫌われたのではないか?」と不安になってしまう傾向にあります。
LINEの返信は、相手の都合によっては遅くなることもあるのが当たり前。少し心配してしまう気持ちは分かりますが、相手が仕事中などなら尚更、LINEの返信は遅くなってしまいます。LINEの返信が遅くなっても、過度に不安にならないように訓練したほうがいいかもしれませんね。
7.自分の趣味嗜好は相手に合わせる
とにかく愛されたい・嫌われたくない!という気持ちが強いのが特徴の、共依存関係に陥りやすい人。その気持ちが大きすぎて、自分の趣味嗜好でさえ、相手に合わせてしまうという人が少なくありません。
たとえば、いつもズボンを履いている人だったのに、夫がスカートが好きだからとスカートを履いている…などといった人が当てはまります。他にも、自分の趣味を夫に否定されたのでスッパリやめてしまった!といった人も、共依存関係に陥り始めている可能性があります…。
8.何でも自分の思い通りになってほしい
共依存関係に陥りやすい人は、自分勝手な人の場合も多々あります。その中で代表的な特徴が、何でも自分の思い通りになってほしいと感じる思考です。共依存関係になっている人は、相手を自分の思い通りにコントロールして、自分に依存して欲しいと感じています。
何でも自分の思い通りにならないと気がすまない、世界は自分を中心に回っていると思っているような人は、共依存関係に陥りやすい人かもしれません。
9.相手に対して否定ができない
相手に対して否定ができない…と悩んでいる人は、日本人に多くいるとされています。いわゆる、イエスマンになってしまう人のことですね。頼まれると断ることができず、なんでも引き受けてしまうような人がこれに当てはまります。
物事を断ることができない人は、その実世話好きの場合が多いです。世話好きな人は、言い換えると相手に尽くしたいと考えている人なので、共依存関係に陥りやすい人だと言えるのです。
10.何でも自分のせいだと思い込んでしまう
共依存関係に陥りやすい人は、たとえ相手に問題がある場合でも、自分の問題だと考えてしまいがち。相手と自分の境界線が曖昧で、相手の痛みも全て自分の痛みだと考えてしまう人なのです。
こういった、他者との距離感を掴むのが苦手な人は、依存関係に陥りやすいと考えられます。相手の問題は相手の問題であって、自分自身の問題ではありません。何でも自分のせいだと思うことは、心の健康にも良くないのでやめましょう。
11.自分は1人では生きていけないと思う
依存心が強い人は、とてもさみしがり屋だという側面があります。そのため、自分1人ではきっと生きていけないだろうと考えているのです。自分の生き方を他人に求めるので、それが共依存関係を呼び起こしてしまう可能性があります。
12.問題は先送りにしやすいほうだ
あなたは、問題を先送りにしやすい方ですか?もしそうなら、注意が必要かもしれません。共依存関係に陥りやすい人は、現実逃避をよくする傾向にあります。目の前にある問題を先延ばしにして、見えないようにしてしまうのです。
たとえば、相手がとんでもない暴力男だった場合でも、「それでも私は彼のことが好きだから」と問題を先延ばしにしてしまいます。こういった人は、もうすでに共依存関係になってしまっているのです。
13.自分は相手に対して一途な方だと思う
相手に対して一途な女性というのは、いつの時代も美しく見えるものです。しかし、一途が過ぎると問題ですね。一途な状態というのは、言い換えれば相手に依存しているとも取ることができるのです。
相手に対して一途であることは素敵なことですが、病的に一途な場合は考えもの。たとえば、相手の好みをすべて把握していたり、相手好みの自分を簡単に作ることができるといった場合は、病的に一途な領域に片足を踏み入れているかもしれません。
14.好きな人相手なら何をされてもかまわない
いくら相手が好きな人であったとしても、されたくないことや、踏み入ってほしくない領域は誰にでもあるものですよね。しかし、共依存関係に陥りやすい人は、相手が好きな人でさえあれば「何をされても構わない」と感じている人が多いのです。
これは、相手に対する依存心が強いからこその感情。また、相手にされたくないことを「素直に言ってしまったら嫌われるのではないか?」という不安から、何も言えない場合もあります。
15.自分は少し病んでいると思う
共依存関係に陥りやすい人は、いわゆるヤンデレの可能性があります。自分が相手に対して病んだ愛情を持っていると自覚がある場合は、共依存関係に陥りやすいサインかもしれませんよ。
共依存の夫婦の問題点
依存する側・依存される側に二分されがち
共依存関係に陥った際、どのような問題点があるのか?共依存は、お互いに依存しあっている状態なので、お互いがよければそれでいいのではないか?と思う方も多いのではないでしょうか。しかし、共依存関係には大きな問題点があるのです。
まずは、依存する側(世話される側)と、依存される側(世話する側)に二分されがちといった点。共依存関係は、この2人の組み合わせで成り立っているのです。依存される側は、自分の持てる全てを出して、依存する側に尽くそうとします。しかし、その関係が長く続くことはありません。
なぜなら、依存する側の欲求はどんどん高まっていってしまうからです。依存される側の世話能力は無限ではないので、いつかそのギブアンドテイクに終わりがきてしまうのです。
依存する側が暴力的になる場合もある
この問題点が大きくなっていくと、依存する側が相手の世話能力を低いをみなし始め、暴力的になってしまう可能性もあります。そうでなくても、ヒモのようになって何もしなくなってしまったりする問題点も浮上します。
そうなってしまうと、もうお互い夫婦ではいられなくなる状況になりますよね。しかし、それでも別れられず、ズルズルと関係を続けてしまうのが共依存の怖いところ。お互いが共依存関係だと気付かない限り、どちらかがボロボロになってしまうまで、この関係は続いてしまうのです。
共依存夫婦が子どもに与える影響とは
子どもへの愛情が薄くなる場合がある
共依存夫婦が子どもに与える影響は、決して小さくありません。共依存関係にある夫婦は、お互いがいればそれでいいので、子どもに対する愛情が極端に薄くなってしまう場合があるのです。
そのため、子どもが両親からの愛情を十分に受け取ることができず、何かしらの心の病を抱えてしまう場合も。そうなってしまった場合、次の世代にも共依存関係が続いてしまう可能性があります。
依存する側の問題が子どもへの悪影響になる
共依存関係の問題点でもご紹介したように、依存する側は何かしらの問題を抱えてしまう可能性が高いです。たとえば、暴力やギャンブル依存・不倫グセなどが当てはまります。そうなってしまった場合、子どもにも悪影響を与える可能性が高いのです。
依存する側に問題点があった場合でも、共依存関係に陥ってしまっている場合、多くの場合は離婚を選択しません。そのため、子どもへの悪影響は子どもが大人になるまで続いてしまうのです。
子どもにも共依存関係を強要してしまう
また、子どもにも共依存関係を強要してしまうというケースも。よく聞く「あなたのためだから」という言葉は、共依存関係にある親子の親がよく口にする言葉です。
共依存関係にある人は世話好きで相手を支配したがる傾向にあるので、その性格に子どもはうってつけ。たくさん世話を焼いて、相手をコントロールし、子どもさえも共依存関係に取り込んでしまうのです。こうなってしまうと、子どもへの影響は測りしれません。
共依存になってない?チェックリスト
3つ当てはまったら危険!共依存チェックリスト
共依存チェックリスト
- 彼には自分がいないとダメだと思う
- 彼にどうしても尽くしたい
- 自分には生きる価値がないと思う
- 彼は自分の人生の一部だ
- 最近怒ってないなと思う
- 自分に自信がない
- 彼の問題も自分の問題だと思う
- こうしなければ、ああしなければという考えが強い
- 彼がいなければ生きていけないと思う
- 彼が自分を頼ってくれると嬉しい
いかがでしょうか。このチェックリストに3つあてはまる項目があったとしたら、あなたも共依存関係に陥りやすい人かもしれません。まずは、このチェックリストの内容を見直すことから始めてみましょう。
共依存の夫婦の治し方とは?
まずは共依存状態を自覚すること
共依存夫婦の治し方には、どのようなものがあるのでしょうか。まずは、共依存状態を自覚することから始めたほうがいいかもしれませんね。共依存状態にある場合、その状態を自覚するだけでも大変に努力が必要なことです。問題点の治し方は、まずその問題点を自覚しなければわかりえないことです。
夫婦でカウンセリングを受けてみる
共依存状態を自覚することができたら、夫婦専門のカウンセラーにカウンセリングの予約を入れてみましょう。夫婦専門のカウンセラーは、夫婦問題の治し方に詳しいその道のプロです。カウンセリングを受けていると、自然と自分たちの問題点がわかってくるかもしれませんよ。
自分たち夫婦の今日依存関係を治す治し方がわからない…といった場合も、まずは他人にアドバイスをもらうことが大切です。自分たちだけでは解決できない問題も、第三者が挟まれば解決できるといったことも多いもの。まずは、アドバイスをもらってみましょう。
自分のことは自分でできるように努力する
共依存関係にある場合、お互いがお互いの為に自立することが第一歩です。そのためには、まず自分でできることは自分でする、という基本的なことを試してみましょう。自分の身の回りのことを自分でするというのは、自立するための近道です。
自分の洗濯物は自分でやる。自分でお風呂の準備をする。そんな細かいことからでもいいので、自分のことは自分でやってみましょう。少しでも相手に頼らない自分を自覚することで、共依存の関係から脱することができます。
共依存状態の夫婦はうつ病?
共依存は、心の病気の原因になることも
共依存関係は、その辛さから心の病の原因になることも少なくありません。そのため、共依存関係にある夫婦は、うつ病などの心の病を患っている可能性もあるのです。
依存する側の問題点にあたっている場合や、世話を焼くことに突然疲れを感じた場合などは、心の病に陥りやすい状況です。最近だるい、力が出ない、喜怒哀楽の感情がなくなってきた…といった場合には、うつ病などの心の病を疑ったほうがいいかもしれません。
心の病気を自覚したら、早めに専門家へ
上記のような心の病を自覚した場合は、早めに専門家へ相談しましょう。精神科はちょっと怖いイメージがある…といった場合には、心療内科やクリニックがおすすめです。カウンセリングを受けられる場合もあるので、共依存関係のことも一緒に相談してしまった方がいいでしょう。
共依存状態から離婚はできる?
共依存状態の人が離婚するのは難しい
共依存関係にある夫婦が離婚することは、とても困難なことだとされています。なぜなら、お互いが依存状態にあるので、別れたくない…という気持ちが強まってしまうからです。相手に明らかな問題がある場合でも、私は相手のことが好きだからと問題を先延ばしにして、離婚することができません。
暴力やギャンブル依存症などを理由に離婚する夫婦も
とはいえ、相手に明らかな問題(暴力やギャンブル依存症)などがある場合、それを理由に離婚している夫婦も多くいます。そういった夫婦は、自分たちが共依存関係にあることを自覚して、目が覚めた人たちです。
依存される側が、「このままではいけない」と感じて、離婚に踏み切ったからこそ離婚できたのです。共依存関係の真っ只中にある場合は、「このままではいけない」と思えないので、ズルズルと関係を引きずってしまいます。
まずは離婚できる心理状態になろう
そのため、まずは離婚できる精神状態になることが大切!自分たちが共依存関係にあることを自覚して、このままではいけないと思えるようになりましょう。また、うつ病などの心の病気を患っている場合は、離婚などの大きな決断は避けたほうがいいとされています。
精神が不安定な状態で、大切なことを決断してしまった場合、早まった決断になる場合が多いです。そのため、うつ病などの心の病気を自覚している場合は、それが完治してから離婚問題に目を向けましょう。
共依存状態から抜け出そう
共依存関係は、日本においては軽視されがちな問題です。しかし、ほうっておくと大きな問題が降りかかってくる場合が多く、共依存関係は大きな問題として取り上げられるべきものです。
共依存関係を自覚して治すということは、当事者にとってはとてつもなく苦しい道のりになるかもしれません。しかし、治さなければ、自分のみならず他人まで不幸にしてしまいます。共依存状態から抜け出して、健全な夫婦関係を築きあげましょう。
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