スズメを飼う条件と飼育する方法|保護・餌の与え方と寿命などの生態も
更新:2019.06.21
公園や道でよく見かけるスズメですが、実は日本では飼育に条件が伴っていることを知っていますか?何も知らないまま保護して飼育してしまうと、最悪の場合鳥獣保護法に触れる恐れがあります。スズメを無事に保護し、飼うためにはどうしたらよいのかやえさや寿命などスズメの飼育の基本について紹介します。
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INDEX
勝手に飼ってはいけない?スズメを飼う・飼育するための条件とは
勝手にスズメを飼うことは禁止されている
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日本でおなじみの野鳥であるスズメですが、道を歩けばよく見かけ、木やコンクリートにとまっている姿が可愛いので飼いたいと思う人も多いでしょう。しかしスズメは日本で飼育することは禁止されていると知っていますか?実はスズメに限らず「野鳥」と呼ばれる鳥は鳥獣保護法によって飼育を禁止されています。
そのため勝手にペットにしようと捕まえたり、誰かから貰う・買うなどの行為をすれば罪に問われて捕まってしまう恐れもあるので注意しましょう。スズメの飼育はあくまでも「保護目的」なら許可されます。ただし保護といっても、勝手に保護して飼育することも禁止されているので、正しく理解しておくことが大切です。
鳥獣保護法とは?
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スズメなど野鳥の飼育を禁止している法律である「鳥獣保護法(ちょうじゅうほごほう)」とは、簡単に言ってしまえば、野鳥を守ることで自然全体を守ることにつながる法律で、さらに詳しく言えば野生生物である鳥獣などの保護や狩猟の適正化に関する法律です。
スズメの場合はこの鳥獣保護法を順守する形なら保護して飼育することが認められます。ただしそれは然るべき順序を持って保護する場合に限ります。傷ついているからと勝手に保護して育てても良いというわけではないので注意しましょう。
傷ついたスズメを見つけたら必ず市区町村の担当受付に申請を
例え傷ついたスズメであっても、勝手に保護することは禁止されています。なので万が一傷ついたスズメを見つけたら、最初に獣医さんに診てもらってから速やかに住んでいる市区町村の役所の担当部署に保護申請を出すようにしましょう。
また獣医に見せる前に役所に一報を入れておく方がなお良いでしょう。急を要する場合には獣医の指示に従いましょう。申請もなく勝手に保護し、治療したりするのは法律によって禁止されています。バレないだろう…なんて邪な気持ちは持たずに、スズメにも誠意を持って順序や法律に則り保護してあげましょう。
スズメを保護したときに必要な物と注意点
スズメの雛を保護したときに必要な物や注意点
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スズメの雛を保護したときは、そのまま保護するのではなくまず近くに巣がないか確認しましょう。雛が元気な場合は巣に戻してあげるのが一番です。万が一巣が見当たらない場合には、素手で触らずに軍手などを着用してから保護します。野生の鳥獣は病原菌を持っていることが多いので注意しましょう。
野生のスズメの雛を無暗に保護してしまうと、親鳥から野生で生きていく術を教わらずに育ってしまうので野生に帰るのが難しくなります。親鳥も巣も見当たらない場合には獣医や動物園などに連絡し、指示を仰ぎ保護してあげましょう。
スズメの雛を保護するときに必要な物
- 大きすぎない箱
- 柔らかいタオルなど箱の中に敷けるもの
- カイロや湯たんぽなど(20度~30度になるように)
- 軍手や手袋
スズメの雛は人の匂いがつかないように軍手などを使って触ります。また暗いところに置くようにし、無暗に刺激しないようにしましょう。広すぎる箱を用意すると動いてスズメの雛がケガをする恐れもあるので、大きすぎない箱の中で一旦保護しましょう。
スズメの成鳥を保護した場合
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雛に比べて成長のスズメは滅多なことでは人に捕まることはありません。そのため動けるスズメを無理に保護するのはやめましょう。保護すべきスズメの成鳥は「ケガをしている」「動けない」「様子がおかしい」スズメだけです。少しでも人から遠ざかろうとするスズメや逃げるスズメは保護するのは良くないといわれています。
保護するときに必要となるものは雛とほとんど同じですが、雛に比べて体温調節が可能なので必要に合わせてカイロや湯たんぽを用意します。あとは獣医や動物園の指示に従って保護してあげましょう。
POINT
どうして獣医や動物園に指示を仰ぐの?
動物園には野生の鳥獣類を保護する部署があるといわれています。そのため必要に合わせてそちらに保護を依頼することができますし、逆に可能であれば動物園から保護を依頼されることもあります。獣医や動物園は動物のエキスパートですから、保護についても良く教えてくれますよ。スズメを保護したときにはお近くの獣医や動物園に問い合わせてみましょう。
保護目的でスズメを飼う・飼育する方法と注意点
スズメを飼育するために必要な物
基本的に飛べるのであれば鳥用のゲージを用意してあげるのが良いですが、部屋の中を飛び回っても良いのであれば段ボールなどの箱でも構いません。またエサ入れや水飲み、水浴び場・砂浴び場など必要に合わせて作ってあげるとスズメも過ごしやすいでしょう。
スズメの飼育に必要な物(あれば便利な物)
- 鳥用ゲージ
- 餌入れ
- 水入れ
- 新聞紙など箱やゲージに敷けるもの
- 止まり木(ゲージに入れる場合)
- 餌(成鳥と雛で違いがあるので注意)
スズメも鳥ですから糞をします。ゲージや箱がよく汚れてしまうので、最低1週間に1度はゲージまたは箱、止まり木などをきれいに洗ってあげます。ゲージを使わずに保護・飼育する場合には部屋の中が糞だらけになる恐れもあるので注意してくださいね。
スズメの雛を飼育する場合
きちんと許可を取り、スズメの保護・飼育が可能になった場合には雛を飼うための準備が必要です。雛は成鳥に比べて体温調節機能が不十分です。特にまだ羽毛すら生えていない雛を保護したときには保温に注意しましょう。
スズメの雛の体温は35度~37度といわれているので、これを目安に保てるようにしてあげます。他に水浴び用の入れ物や水飲みなど基本的にインコなどの鳥を飼うときに必要な物があれば飼育にとても役立ちます。
スズメの成鳥を飼育する場合
野生の成鳥のスズメを保護した場合にはまずケガがないか確認し、ケガをしている場合には応急処置をして獣医などに診てもらいます。その後家で保護・飼育する場合には、セキセイインコなどの鳥と同じゲージや水飲みなどを用意してあげましょう。
また成鳥でもスズメが弱っている場合には体温調節が難しくなっている恐れがあるので、雛と同じように体温を35度~37度程度に保てるようにカイロや湯たんぽを使って温めてあげましょう。雛も成鳥も環境の違いに慣れてもらうためにも、部屋は少し暗くし、刺激しないようにしてあげます。
POINT
部屋での放し飼いに注意!
雛と違い成鳥は飛び回ります。そのため元気になってきからと部屋の中で放し飼いにしておくと至るところに糞をされる恐れがあります。掃除が大変になり、匂いもついてしまうので、嫌であれば必ず鳥用ゲージを購入し、保護・飼育することをおすすめします。
どうすれば良い?スズメを飼う・飼育するときの餌の与え方と注意点
スズメの雛への餌の与え方の注意点
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スズメは基本的に雑食です。野菜も食べれば穀物も食べますが、雛は消化器官が未発達のため、成長と同じような餌を与えてしまうと内臓内で詰まりを起こしたり、消化不良によりさらに弱ってしまう恐れもあるので注意が必要です。
羽が生えていない雛には和鳥用の練り餌に小松菜などの野菜をすりつぶしたものを加えた餌を与えます。羽が生えてきている・生えそろってきた雛には野菜のすりつぶしやミルワームなどの虫類、ボレー粉などが食べられるのでそちらを与えましょう。
スズメの成鳥への餌の与え方の注意点
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雛と違い成鳥は基本的に雑食です。そのため市販されている餌でも良いのですが、弱っている成鳥のスズメは消化が悪くなっている可能性があるので、すり餌にぬるま湯を加えて練った餌を与えてやるのが良いといわれています。
基本的に雛と違い餌を食べさせてあげる必要はありませんが、弱っていて自分で食べられない様子であれば手伝ってあげましょう。ただし元気になっても餌を食べさせてあげようとすると、自然に帰る力が衰えてしまうので注意が必要です。
傷が癒えたら必ずスズメを野へ帰して!飼育はあくまでも「保護」
再確認!ペット目的でのスズメの飼育は禁止されている
スズメを保護して傷が癒えるまで飼育してあげるとつい愛着がわいてそのまま飼ってしまいたくなりますよね。しかしスズメは鳥獣保護法でペット目的での飼育は禁止されています。名残惜しいですが、あくまでも保護目的での飼育にとどめるようにしましょう。
保護している間に名前まで付けてしまう人もいるでしょう。しかしどうして飼育が禁止されているのかをよく考えてみましょう。飼育が禁止されているスズメの生態を壊せば、いずれ私たちの世界も壊れてしまいます。身勝手な行動でスズメだけでなく他の生き物の生態まで壊さないようにしましょうね。
傷が癒えたら必ずスズメを野に帰してあげること
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誰かに愛されることも生き物にとっては幸せなことでしょう。しかし、やはりスズメは鳥です。野や空を生き生きと飛び回っている姿が似合います。保護したスズメの傷が癒えたのを確認したら、進んでスズメを野に帰してあげましょう。
傷が癒えてもずっと家に置いておくのは犯罪です。法律で禁止されていることです。スズメの飼育はあくまでも「保護」のため、ペットにするためではありません。彼らにも帰る場所があるんです。寂しいですが、野に帰して生き生きと空を羽ばたかせてあげましょう!
知っておこう!スズメの種類や寿命などの生態について
どんな種類があるの?
スズメを保護し、野生に帰れるまで見届けてあげるためにはスズメのことをよく知っておく必要があります。まず日本にいるといわれているスズメの種類は主に「ニュウナイスズメ」と「スズメ」の2種類のみです。海外のスズメも合わせれば約30種類程度いると考えられています。
ニュウナイスズメとスズメの違いなど
- ニュウナイスズメ・・・森林などに生息する
- スズメ・・・都市部などでよく見かけるスズメ
都市部で見かけるのはスズメで、森林などにいるのはニュウナイスズメです。生息地に違いがありますが、見た目はオスは両方ともさほど違いがありません。しかしニュウナイスズメのメスは見た目がホオジロ類に似ているといわれています。
スズメの一般的な寿命
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スズメはペットでの飼育が禁止されているため、詳しい寿命については明確にされていません。しかし一般的に野生であれば3年ほどの寿命といわれています。ですが保護されたスズメは最長で15年も長生きしたという話もあるため寿命については不明な点が多いです。
人と違い短命なスズメですが、最近は数も減っていると記録されています。餌をとれなくなってきている、住処がなくなってきているなど自然破壊による影響がスズメの減少にも関係しているでしょう。これ以上数を減らしてしまわないためにも、弱っているスズメがいたら保護してあげましょう。
とっても賢いスズメさん
よく街などで見かけるスズメって集団行動をしていますよね。実はこれ、敵を警戒して集団行動しているんです。また一度に集団全体が餌を食べるのではなく、何羽かは見張り役に徹し、敵から餌を食べている仲間を守っているといわれています。
自然で生きることは生易しいことではありません。そのためスズメたちは生き残るためにこうした知恵をつけて生活しています。チュンチュンとかわいらしく鳴くスズメですが、自然で生き抜くための術をきちんと持っている賢い鳥なのです。
豆知識|どうして冬になるとスズメは膨らむの?
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夏と冬でスズメの姿に違いがあるのを知っているでしょうか?夏はシュッとしたスマートな姿に対し、冬はもこもこと膨らんで暖かそうです。そう、冬になるとスズメたちは暖を取るために羽毛の中に空気を入れて膨らませているんです。
いわばダウンを着込んでいる状態ともいえますね。こうした状態のスズメを「ふくらスズメ」といいます。同じ地域にとどまって過ごすスズメは冬を越すためにこうした知恵もつけて寒い冬でも元気に鳴いて過ごしています。
スズメの生態を知って正しく保護・飼育して野生へと帰してあげよう!
私たちにとって身近な鳥であるスズメですが、その保護・飼育には許可が必要です。またケガをしているスズメへの餌やりや、飼うための準備など、思っている以上に大変なことが多いです。
私たちよりも寿命が短いスズメですが、もし弱っているスズメを見つけたらそのままにせず保護してあげましょう。正しく申請をし、保護して元気にしてあげればまた空へと帰ることができます。小さな命を次につなげてあげられるように、手助けしてあげてくださいね。
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