先日っていつ?意味は?過日と使い分けたいビジネスでの使い方は?
更新:2019.06.21
会話やビジネスでもよく使う「先日」ですが、その意味はわりと曖昧。「先日っていつ?」と聞かれても、過日との使い方の違いを聞かれても、いまいち答えが見つからないのが「先日」です。でも、ちょっと使い方を間違えると、大失敗の原因にも?そこで今回は、先日の意味や使い方、ビジネスでの注意点を紹介します。
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先日っていつのこと?いつまで?いつから?
「先日」のいつは「このあいだ」?
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1 過去の1日をさす。先日。こないだ。「此の間の日曜日」 2 過去の数日をさす。このところ。ちかごろ。 「―は別行の子細あって」〈謡・葵上〉 引用元:デジタル大辞泉
たしかに「先日」と「このあいだ」は、よく似ていますね。ただし、「先日」と「このあいだ」は、受け取る側の印象に違いがあります。親しい友人同士で「先日」を使うとなんだか堅苦しい感じがしますが、目上の人に対して「このあいだ」を使ってしまうと、これはこれでちょっと失礼な感じもします。
でも、「いつ」をオブラートに包んでおきたい時には、ものすごく便利なのが「先日」。昨日のことも、3日前のことも、「先日」で代用できてしまうのは便利ですよね。
1週間前、一か月前でも先日?
1週間前や一か月前のことであっても、「先日」は使うことがあります。ただし、これが正しいかどうかというのは、人それぞれ。会話の当事者同士で、「先日」を表す日のことを記憶として残っている場合であればセーフ。でも、どちらかがその記憶がほとんどない場合は、「先日っていつのこと?」となるはずです。
「先日」はいつまで使える?
先日を使う時のポイントは、どうやら「記憶」と関係しているようです。1~2日前の過去であっても、記憶にない事であれば「先日」を使うのはNG。ただし、1か月前のことであっても、当事者同士でしっかりと記憶があるようであれば、「先日」を使ってもOKです。
特に、「いつ会ったか日時までは覚えていないけれど、会ったことはお互い記憶があるなぁ」という時には、「先日」はものすごく便利な言葉です。たしかに、「先日」のほうが、「このあいだ」よりも丁寧な印象もあります。
普段の会話では、「いつ」が曖昧だったとしても「出来事の記憶がある」ということが、「先日」をうまく使う時のポイントになるのかもしれませんね。
過日と先日、似ているけど意味や印象の違いは?
過日と先日の一番の違いはどこ?
過日も先日も、過去を表す言葉であることは共通しています。ただし、「いつ」を表す時間の幅には違いがあります。これが、過日と先日を使い分ける時の一番のポイントです。
過日は、字を見てもわかるように「過ぎた日」という意味があります。ですから、今日以前に起きたことであれば、すべて「過日」で表すことが出来ます。もちろん1日前のことも「過日」ですし、1か月前や1年前のことであっても、「過日」で表現することはできます。
ただし、「先日」ではここまで時間の幅はありません。あくまでも近い過去を表す時に使うのが「先日」ですから、言葉が表す「いつ」は、遠くても1か月くらいまでのことを表現する時にしか使うことはできません。一般的な解釈としては、1~数日以内の過去のことを指しており、最長でも1週間程度とするのが目安です。
「過日」だとかしこまった印象がする
「過日」も、いつの出来事なのかを表す言葉の一つで、「先日」よりも丁寧な表現になります。でも「先日」は、会話の中でもよく耳にするのですが、「過日」はほとんど耳にしません。実は過日とは、書き言葉でよく使われる表現の一つ。そのため「過日」は、会話の中で使うことはほとんどないのです。
過日が使われるのは、改まった挨拶が必要とされる手紙やビジネス文書でのこと。例えば、「過日はひとかたならぬご厚情にあずかりまして…」とすると、かしこまった挨拶文になります。同じ意味を持つ「先日」で同じ文章を作っても、「過日」よりはカジュアルな印象になります。
比較的最近のことを表す時は「先日」
「先日」を使う時は、「いつ」を表す時間の経過がポイントになりますが、どのようなシーンで使うのかもポイントになります。会話での言葉として使う時は、数日前から最長で1か月程度までの範囲であれば使うことが出来ます。でも、書き言葉となると、比較的最近のことを表す時に限定されます。
特に、文章で「先日」を使う時には、相手との関係にも注意が必要になります。そもそも「先日」が表す時間の範囲は非常にあいまいであり、受け取り方によって時間の範囲に差が起こります。いつの過去を指しているのかを明確にするのであれば、誤解を招かない明確な表現をする必要があります。
昔とさっきの中間くらいが「過日」
「過日」は、過去を表すオールマイティな書き言葉です。記憶がほとんどないような昔のことを表現するのには適していませんが、今この瞬間過ぎてしまった過去を表す「さっき」を含まない過去のことであれば、すべて「過日」で表すことが出来ます。
もっとざっくりと説明してしまうと、「昔とさっきの中間=過日」となります。何しろ、過日が意味する「いつ」には、「先日」も含まれているため、書き言葉としては、「先日」よりもはるかに便利な使い方が出来る言葉なのです。
ビジネスでの「先日」の使い方
ビジネスで一般的な先日の意味
ビジネスでの「先日」は、一般的な「先日」の持つ意味とはちょっとニュアンスが異なります。近い過去を表す言葉という点では共通しているのですが、一般的だと1か月以内までの過去を表すのに対し、ビジネスでは、1か月~3か月までの過去も含まれます。
ビジネスシーンでは、取引先や営業先の担当者など、普段はあまり会うこともない相手も多いものです。このような相手に対しては、比較的広い意味で「先日」は使われます。もちろん、相手との関係性によって「先日」よりも「過日」を使う方が適していることもありますので、使用する場合にはケースバイケースとなるでしょう。
ビジネスメールでの「先日」の使い方
ビジネスメールでは、冒頭の挨拶の中で「先日」を使うことが多いです。取引先や営業先へのビジネスメールで使える上手な「先日」の使い方を、挨拶文の一例をあげながら紹介してみましょう。
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先日の打ち合わせでは貴重なご意見を頂きまことにありがとうございました。 引用元:ふくえもん
この文章から、数日前に行われた打ち合わせに関するビジネス文書であることがわかります。相手も、いつ行われた打ち合わせなのかが明確にわかっているわけですから、「先日」の使い方としても正しいですね。
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先日は、ミーティングに参加していただきありがとうございました。 また次回も充実した話し合いがもてますよう次の機会を楽しみにしております 引用元:リクルートスタッフィング
ここでの「先日」も、「いつ?」に対して「数日以内に行われたミーティング」ときちんと説明していますから、ミーティングでの出来事を指していることを当事者同士で認識できていることがわかります。さらに、継続して顔を合わせる関係であることもうかがえることから、正しい使い方が出来ていると判断できます。
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先日はご足労いただきありがとうございました。 引用元:うさもふ
書き言葉としても、話し言葉としても、使いやすい文章です。あえて「過日」を使っていないところを見ると、この時に様々なやり取りが当事者同士の間でできたことも想像できます。いろいろと応用できる文章なので、便利な使い方として覚えておくとよいですよ。
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先日は楽しい宴席を設けていただき、誠にありがとうございました! 引用元:ビジネス文書劇場
取引先やお世話になっている先輩の方々との宴席に対する、お礼の文章なのでしょう。丁寧な言葉の中にも明るさを感じる文章で、好感が持てます。若いビジネスマンにおすすめの使い方と言えますね。
取引先の印象がグッと上がる「先日」の使い方
取引先への印象がグッと上がるビジネス文書を作るには、「タイムリーな対応」がポイントになります。ビジネスシーンでは、「先日」の使い方も、使うことが出来る時間の範囲に幅があるため、比較的使いやすい言葉ではあります。でも、そもそもの「先日」の意味を考えれば、近い過去のことを表す言葉です。
ですから、少しでも早く先方への挨拶やお礼をしたい時に出すビジネスメールで「先日」を使うと、あなたの印象もかなり良くなります。特に、若いビジネスマンの場合は、いち早く相手へ挨拶やお礼をすることによって、熱意や誠実さをアピールすることもできます。
このような目的で出すビジネスメールの時には、相手への敬意とともに適度な親しみを感じさせる「先日」を使った挨拶文を冒頭に持ってくると、かなり好印象!あえて「過日」ではなく「先日」を使うことによって、相手とあなたとの距離の近さを適度にアピールすることもできます。
「先日」の大人っぽい使い方をマスターしよう
「いつ」を明確にすると「先日」より印象に残る
「先日」は、「いつ」を明確にしなくても近い過去を表すことが出来る、とても便利な言葉です。あいまいさが基でトラブルになってしまうこともありますが、あえてこの曖昧さをおうようすることによって、より印象的な言葉にすることもできます。
たとえば、思いがけないタイミングで友人から誕生日をもらったときのお礼のメールの場合。「先日は、素敵なプレゼントをありがとう」と「私の誕生日に、ステキなプレゼントをありがとう」だと、どちらの方が、友人へのお礼メールとしてはいいのでしょうか?
ここでのポイントは、「友人」と「誕生日」にあります。誕生日という明確な日にちが分かっているうえに、親しい間柄であるということが重なっているわけですから、かしこまった印象の「先日」を使わない方が、友人への感謝と親愛の感情が伝わる文章になります。
「先日」を「先般」に置き換えると大人っぽくなる
先般の意味には、「さきごろ」「このあいだ」「せんだって」などがあります。でも、出来事が起きた日を指す「先日」に対して、過去の出来事を指す「先般」は、使い方としては少々違います。先般の場合は、「先般の件、了承いたしました」のように、過去の明らかな出来事について表現する時に使います。
もしも同じ内容の文章で、「先般」と「先日」を入れ替えたとすると、文章の中で指し示す出来事が曖昧になってしまいます。受け取る側としても、「先日」が使われてしまうと、いつ起きたどの出来事を指しているのかが曖昧になってしまうため、何に対して相手が了承しているのかがわからなくなってしまいます。
「いつ」を伝えるだけであれば「先日」の方が使いやすく応用もしやすいのですが、「いつの出来事」を伝えるためには、「先般」を使った方が、ビジネスシーンでは適切なのかもしれませんね。
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